靴と過ごした七日間

ぐうすかP

文字の大きさ
上 下
24 / 45
2日目

2日目(6)

しおりを挟む


余計なことを考えている間に、あっという間に昼休みになった。

きりがいいところで仕事の手を止めた俺は、ぐっと伸びをして、食堂に向かった。




 「志村さん。」

突然話しかけられたので驚いた。


ぼうっと、食堂の席に座り“本日の日替わり定食”を食べていたところだった。


「あっ、白井さん。お疲れ様です。」

白井さんは俺にお疲れ様です、と挨拶を返すと

「お隣いいですか?」

と聞いてきた。



「もちろん。ごめん、物、よけるね。」

ペットボトルのお茶や、定食についていた味のりのごみを広げていた場所を急いで片付ける。


「ふふ、ありがとうございます。」

白井さんはくすりと笑うと、俺の隣に座った。



白井さんは、俺たちの部署に去年入社したばかりの新人だ。

梅村が教育担当を受け持っているため、仲がよく、三人で話すことはよくあった。


しかしこうして二人きりで話すのは、おそらく、はじめてだった。


「私、梅村さんに聞いちゃいました。」

味噌汁をすする俺を見ながら、白井さんは言った。


「聞いたって、何を?」

俺が聞くと、白井さんは水筒のお茶を一口飲み、再び口を開いた。



「志村さんが、彼女さんと別れたって。すみません、こんな話。」

梅村の野郎、いい奴だが、まさか白井さんにまでこの話をしているとは思わなかった。



しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

職場のパートのおばさん

Rollman
恋愛
職場のパートのおばさんと…

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

命の灯火 〜赤と青〜

文月・F・アキオ
ライト文芸
交通事故で亡くなったツキコは、転生してユキコという名前の人生を歩んでいた。前世の記憶を持ちながらも普通の小学生として暮らしていたユキコは、5年生になったある日、担任である園田先生が前世の恋人〝ユキヤ〟であると気付いてしまう。思いがけない再会に戸惑いながらも次第にツキコとして恋に落ちていくユキコ。 6年生になったある日、ついに秘密を打ち明けて、再びユキヤと恋人同士になったユキコ。 だけど運命は残酷で、幸せは長くは続かない。 再び出会えた奇跡に感謝して、最期まで懸命に生き抜くツキコとユキコの物語。

セレナの居場所 ~下賜された側妃~

緑谷めい
恋愛
 後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

処理中です...