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39:2人きりにしてもらえそうですか
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なんとなくディルへの説得は成功したっぽいぞ。よしよし。
セインはまだ不機嫌顔してるものの、ディルの決定には逆らわないだろう。
そんじゃ、あとは美青年に話を付ければいいな。
さっき遠ざかった美青年の方に、チラッと視線をやってみると……。
「おい? ……おい、ナニやってんだ?」
「ん~?」
てっきりまだ警戒してるか、不審がってるか。とにかくコッチの様子に注意してるだろうと思ってたのに。
少しだけ遠くにいる美青年は、自分の髪の毛を一房、指で摘まんでた。
片手で髪をクルンってして、もう片方の手指でカーブしてる部分を撫でて……つまり枝毛をチェックしてる、あのポーズだ。
たぶん本当に枝毛を探してる。
「枝毛が気になっちゃって、ちょっと見てたヨ。話は終わった?」
ナニやってんだよ。
本気で枝毛見てたのかよ。
笑いながら言うんじゃねぇよ。
もうちょいオレらの遣り取りに興味持てよ。
早々と飽きてるんじゃないよ。
一応オレ、パパとして頑張ってんだよ。
つ~か、なんでモンスターが枝毛チェックしてんだよ。
「あぁ、話は付いた。ここにいるエルフたちは、お前を討伐しないって約束した。」
「?? ……ぅん?」
「お前に頼みがある。他の人族を襲ったり、里に連れてったりしないでくれ。」
「なんで? ヤダ。」
勢いで「ウン」って言うかと思ったら、そんな簡単には行かなかった。
他人の精液が大好物だから仕方ないのか? 説得は無理なのか?
だけどオレは諦めない。
「お前がザーメン大好きなのは知ってる。だから飲むな、とは言わん。せめて他人様を襲って強引に飲むんじゃなくて、口説いてお願いして飲ませてもらう……ってのは駄目か?」
「頼んだって誰も飲ませてくれないモン。」
「オレのをたっぷり飲ませてやるから。」
「じゃあイイヨ。」
「マジか、やったぜラッキー。」
提案を受け入れて貰えたぞ。
駄目かと思っても言ってみるもんだな。
1つ賢くなった。
よし、じゃあこの勢いで、ディルにも頼んでみっか。
「……ってなわけでな、ディル。頼みあるんだけど。」
「なんだ?」
「これから家族で交流したいんで、ちょっと席、外してもらえるか?」
「……交流?」
ディルは訝しげに眉を寄せた。
ちなみに、セインはまだ不機嫌そうだ。
それらの視線をオレは、爽やかな笑顔で受け止める。
「あぁ。オレたち、これからセックスするから。」
「な……っ!」
「……むぅ。」
「えぇ~? シないよぉ~?」
声を詰まらせて赤面するディル。純情か、可愛いな。
明らかに不機嫌さをアピールするセイン。何故だ。
オレの宣言を根底から覆す美青年。何故だ。
「えぇっ、なんでだよっ。シようぜ、セックスしようぜ。」
「え~、ヤダ。」
「なんでだよ。パパとママで仲良くヤろうぜ。」
「だってぇ、また赤ちゃん、デキちゃうモン。」
揉めるオレと美青年。
オレ、必死。
メチャクチャ格好悪いけど、そんなの気にしてられん。
ディルがオレと美青年を交互に見比べて、呆れ顔になったけど仕方ない。
「……ちょっと、ヒロさんっ。」
ずずいっとセインが前に出る。
若干、泣きそうな顔だ。何故にホワイ?
「部隊長は当然として……。他のメンバーも、仕方ないとして……。でも……ズルいよ、そんなモンスターまで子供、作ってるのに……。」
「ぉ、おう、どした?」
「おっ…おれだって、子供、欲しいぃっ。」
な~んだ、セインは子供欲しかったのか。可愛いな、オイ。
それならそうと、言ってくれれば……あっ、今聞いたわ。
「よし分かったぞ。それじゃあ今夜、いっぱいセックスしよう。」
「旅の途中はイヤっ。馬に乗るのに…」
「よし分かった。じゃあ里に着いたら、最初に抱いてやるから。」
「……うん。それなら……いい。」
呟いたセインは少し恥ずかし気に頬を染めた。
良かった良かった、セインもバリバリにチョロくて。
とりあえず不機嫌さは引っ込んだから、一安心だ。
セインを連れて野宿ポイントに戻ろうとして、ディルが振り返る。
「ところでヒロ、夕食はどうするんだ? 食べるだろう? 呼びに来るか?」
「あ~、交流した後で食べるから、取っといてくれ。」
「そうか。あまり遅くならずに戻って来るんだぞ?」
「分かってる、分かってる。」
さっきからのオレとの遣り取りを見て、美青年がオレを襲う可能性は低そうだって判断したんだろう。
むしろ襲うのは逆に、オレの方からだとも思ってるかも知れん。
悔しいかな、確かにその通りだチクショウ。
セインはまだ不機嫌顔してるものの、ディルの決定には逆らわないだろう。
そんじゃ、あとは美青年に話を付ければいいな。
さっき遠ざかった美青年の方に、チラッと視線をやってみると……。
「おい? ……おい、ナニやってんだ?」
「ん~?」
てっきりまだ警戒してるか、不審がってるか。とにかくコッチの様子に注意してるだろうと思ってたのに。
少しだけ遠くにいる美青年は、自分の髪の毛を一房、指で摘まんでた。
片手で髪をクルンってして、もう片方の手指でカーブしてる部分を撫でて……つまり枝毛をチェックしてる、あのポーズだ。
たぶん本当に枝毛を探してる。
「枝毛が気になっちゃって、ちょっと見てたヨ。話は終わった?」
ナニやってんだよ。
本気で枝毛見てたのかよ。
笑いながら言うんじゃねぇよ。
もうちょいオレらの遣り取りに興味持てよ。
早々と飽きてるんじゃないよ。
一応オレ、パパとして頑張ってんだよ。
つ~か、なんでモンスターが枝毛チェックしてんだよ。
「あぁ、話は付いた。ここにいるエルフたちは、お前を討伐しないって約束した。」
「?? ……ぅん?」
「お前に頼みがある。他の人族を襲ったり、里に連れてったりしないでくれ。」
「なんで? ヤダ。」
勢いで「ウン」って言うかと思ったら、そんな簡単には行かなかった。
他人の精液が大好物だから仕方ないのか? 説得は無理なのか?
だけどオレは諦めない。
「お前がザーメン大好きなのは知ってる。だから飲むな、とは言わん。せめて他人様を襲って強引に飲むんじゃなくて、口説いてお願いして飲ませてもらう……ってのは駄目か?」
「頼んだって誰も飲ませてくれないモン。」
「オレのをたっぷり飲ませてやるから。」
「じゃあイイヨ。」
「マジか、やったぜラッキー。」
提案を受け入れて貰えたぞ。
駄目かと思っても言ってみるもんだな。
1つ賢くなった。
よし、じゃあこの勢いで、ディルにも頼んでみっか。
「……ってなわけでな、ディル。頼みあるんだけど。」
「なんだ?」
「これから家族で交流したいんで、ちょっと席、外してもらえるか?」
「……交流?」
ディルは訝しげに眉を寄せた。
ちなみに、セインはまだ不機嫌そうだ。
それらの視線をオレは、爽やかな笑顔で受け止める。
「あぁ。オレたち、これからセックスするから。」
「な……っ!」
「……むぅ。」
「えぇ~? シないよぉ~?」
声を詰まらせて赤面するディル。純情か、可愛いな。
明らかに不機嫌さをアピールするセイン。何故だ。
オレの宣言を根底から覆す美青年。何故だ。
「えぇっ、なんでだよっ。シようぜ、セックスしようぜ。」
「え~、ヤダ。」
「なんでだよ。パパとママで仲良くヤろうぜ。」
「だってぇ、また赤ちゃん、デキちゃうモン。」
揉めるオレと美青年。
オレ、必死。
メチャクチャ格好悪いけど、そんなの気にしてられん。
ディルがオレと美青年を交互に見比べて、呆れ顔になったけど仕方ない。
「……ちょっと、ヒロさんっ。」
ずずいっとセインが前に出る。
若干、泣きそうな顔だ。何故にホワイ?
「部隊長は当然として……。他のメンバーも、仕方ないとして……。でも……ズルいよ、そんなモンスターまで子供、作ってるのに……。」
「ぉ、おう、どした?」
「おっ…おれだって、子供、欲しいぃっ。」
な~んだ、セインは子供欲しかったのか。可愛いな、オイ。
それならそうと、言ってくれれば……あっ、今聞いたわ。
「よし分かったぞ。それじゃあ今夜、いっぱいセックスしよう。」
「旅の途中はイヤっ。馬に乗るのに…」
「よし分かった。じゃあ里に着いたら、最初に抱いてやるから。」
「……うん。それなら……いい。」
呟いたセインは少し恥ずかし気に頬を染めた。
良かった良かった、セインもバリバリにチョロくて。
とりあえず不機嫌さは引っ込んだから、一安心だ。
セインを連れて野宿ポイントに戻ろうとして、ディルが振り返る。
「ところでヒロ、夕食はどうするんだ? 食べるだろう? 呼びに来るか?」
「あ~、交流した後で食べるから、取っといてくれ。」
「そうか。あまり遅くならずに戻って来るんだぞ?」
「分かってる、分かってる。」
さっきからのオレとの遣り取りを見て、美青年がオレを襲う可能性は低そうだって判断したんだろう。
むしろ襲うのは逆に、オレの方からだとも思ってるかも知れん。
悔しいかな、確かにその通りだチクショウ。
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