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71・一人で入るお風呂。 (キョウタ視点)
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あの襲撃の後。
恐らく沢山あるであろう後処理的なものは、サイラスが一人で対処したようだ。
オスカーは、俺が見ていた通り、色々あって。
俺が想像するよりずっと、肉体的にも精神的にも辛かっただろう。
一緒にいた俺も、何の役にも立たないから。
とりあえず、分かった事は。
どうやらジョゼが飼っている犬は、数日前に拾ったもので。
実は触手タイプの魔族に寄生されていたらしい。
それが昨日、聖女である俺を見掛けて。
興奮していたら、次の日にも、具合の悪くなった俺が運ばれて来て。
ジョゼに外へ連れ出されたものの、俺を襲う気で、振り切って家に戻った。
家の外や廊下にいたオスカーの護衛が、対処しようとして襲われ。
悪役娘も廊下で……その時の悲鳴を、俺は聞いたんだ。
その先は『64』以降の通りだ。
悪役娘は幸い、怪我を負ったものの、凄く深いものじゃなかった。
オスカーが獣を部屋に押し込んだ後、自力でどうにか脱出したそうで。
状況説明や、救援を呼ぶように言ったりしたらしい。
悪役娘の怪我を治す為に、教会から僧侶も来て。
それからは悪役娘の旦那さんが付き添っていて、だいぶ落ち着いたそうだ。
これを聞いたオスカーは嬉しそうだった。
部屋でのサイラスの様子から、深刻な事態ではないと予想していただろうが。
はっきりと言葉で聞けて、ほっとしたんだろう。
オスカーも一緒に付き添いたそうだったが、旦那がいるので流石に遠慮していた。
ちなみに犬の話だが。
サイラスが言うには。
タスクは、犬に寄生していた魔族部分だけを悪魔パワーで蹴り飛ばしたらしい。
蹴り飛ばされても、犬は怪我も無く無事だった。
犬自体はただの犬なので、そのままジョゼが面倒見るそうだ。
俺からの事情聴取とかは、もし必要になっても、それはまた明日にして。
サイラスの指示で、俺とタスクはもう休んでいいという事になった。
俺とタスクは、悪役娘の家でなく、宿屋にいる。
しかも、オスカーが泊まるようなイイ部屋だ。
今夜は悪役娘の家に泊めて貰える、という話だったんだが。
タスクが嫌がったんだ。
嘘か冗談か分からんが、「ポルターガイストがいるかも知れない」と。
そんな事をタスクは、真顔で言い出した。
一体何故そんな発想になったのか分からん。
……タスクは何と言うか。
勝手に想像して怖がる、という所があるからなぁ。
「キョウタ、上がったぞ~?」
タスクに声を掛けられて。
俺は、自分がぼんやりしている事に気が付いた。
風呂上がりのタスクが、濡れた黒髪をタオルで拭きながら部屋に入って来る。
タスクの服装は昼間と変わらない。
暗い灰色のスリムパンツと、もっと濃い灰色の前開き襟付きシャツ。
せっかくだから、ゆったりしたローブにでも着替えたら良いのに。
ジャイアントエルフの村で貰った、襟無し半袖ローブがあるじゃないか。
「……キョウタ?」
「あ、うん。……入って来る。」
心配そうに覗き込まれて。
俺は慌てて、差し出されたタオルを掴んで。
備え付けの風呂場へと逃げた。
ッザザアァーーー。
「……っふぅ~。」
頭からシャワーを浴びる。
有り難い事に、ファンタジー的なこの世界にシャワーがあるんだ。
ぬるいお湯は排水溝ではなく、網目になっている床に吸い込まれて行く。
俺がキョウタになってから、実は、一人で風呂に入るのは初めてだ。
タスクは、風呂場で俺が一人になる事を心配していた。
俺がよちよち歩きだからというのもあるが。
まぁ……襲われたばっかりだもんな。
それでも俺は、今日は一人で入りたかったんだ。
軽く身体を流してから、俺は一人で湯船に入る。
本当はすぐにでも、しっかり身体を洗いたい気持ちはあったが。
後回しにしておきたい事情があるというか。
向き合う事になるかも知れない現実を、先延ばしにしたいというか。
とにかく、先に身体を温める事にした。
タスクが溜めておいてくれたんだろう。
湯船のお湯は、肩まで浸かれるぐらいたっぷりな量が入っている。
しっかりと肩までお湯に潜り込んで、手足を伸ばした。
俺の身体に付けられた獣の爪痕は綺麗に消えている。
オスカーが魔法で治療してくれたからだ。
本当なら……俺が本当に聖女なら、自分で出来るはずなのに。
オスカーは治療の魔法が使えるのに、俺は使えない。
俺の中から、コルネールを追い出した所為で。
聖魔術に必要な神力も、無くしちゃったのかな。
聖女特有の、肝心の神聖詞も使えないのに……。
そんな事を考えながら俺は。
サイラスが言っていた話を思い出した。
確か、オスカーに言われた時だった。
いくら聖女が魔法使い系だからと言っても、キョウタは非力過ぎる、と。
確かにそれは自分でも思ったがな。
魔族に襲われた時に、オスカーを突き飛ばせなかったから。
思い切り突き飛ばしたつもりだったのに、よろめきもしないとか。
俺が思わず呟いたのも仕方ないだろう。
「非力にも程があるだろう、聖女……いや、俺。」
「いえ、そういう事ではないのですよ。」
だが、サイラスが言うには。
それも、聖女である事を証明する材料の一つ、らしい。
聖女は人並外れた神力を発揮すると同時に。
他者への物理的な攻撃が不可能になると言う。
他者というのは。
聖女自身以外の、この世界に生きる全ての者を指す。
悪い事に、全ての者には魔族も含まれている。
物理的な攻撃とは。
刃物で切り付けるという生命に関わるような攻撃以外にも。
素手で殴る、噛み付く、物を投げ付ける、引っ張る、押し退ける。
という細やかな暴力まで、全て含まれている。
そういう行動が丸っきり出来なくなるわけじゃない。
ただ単に、聖女がそういった行動をしても。
怪我をするどころか、相手には何の影響も無いらしい。
誰かに刃物を振るっても切れず、殴っても全く痛く感じない。
もちろん突き飛ばしても、相手はびくともしない、というわけだ。
だから、サイラスが言うには。
非力さも含めて、俺は聖女で間違いない、らしい。
「そんな事、知らない……。たぶん、コルネールも。」
「聖女が殴る蹴るなど、肉体的に暴れる必要は無いですからねぇ。」
「襲われたら何も抵抗出来ないじゃないか。」
「魔法を使えなければ、そうでしょうね。」
「あー……。」
聖女なら普通は魔法が使えるからな。
神聖詞にせよ、聖魔術にせよ、攻撃魔法を一つも使えない、なんて事はない。
肉弾戦を考える必要は無いわけだ。
単に俺がイレギュラーなだけだ。
魔法の知識だけは思い出したものの、俺は魔法を使えない。
だから、ああいう事になる。
いいや、止めよう。
出来ないとばかり思っていても、ただ落ち込むだけだ。
「……魔法。教えて貰おう。」
誰に、と聞かれれば悩ましい所だが。
少なくとも魔力自体は俺にもあるんだ。
素質も……微妙だが、あるはず。
今からでも訓練すれば、何か一つや二つぐらい、きっと。
「やっぱり、オスカーに……だな。王子だから無理か?」
オスカーが魔法を使っていた場面を思い出す。
かなり連発していた<フォース>の制御は凄かった。
あんなに続け様で、しかも狙いもほぼ外れずに。
俺も、あれと<癒し>か<盾>を使えれば。
「……あ。お湯、足そう……。」
考えている内に、少しぬるくなってしまった。
湯船に新たなお湯を足しながら。
俺はもう少しだけ、ぼんやりしている事にした。
恐らく沢山あるであろう後処理的なものは、サイラスが一人で対処したようだ。
オスカーは、俺が見ていた通り、色々あって。
俺が想像するよりずっと、肉体的にも精神的にも辛かっただろう。
一緒にいた俺も、何の役にも立たないから。
とりあえず、分かった事は。
どうやらジョゼが飼っている犬は、数日前に拾ったもので。
実は触手タイプの魔族に寄生されていたらしい。
それが昨日、聖女である俺を見掛けて。
興奮していたら、次の日にも、具合の悪くなった俺が運ばれて来て。
ジョゼに外へ連れ出されたものの、俺を襲う気で、振り切って家に戻った。
家の外や廊下にいたオスカーの護衛が、対処しようとして襲われ。
悪役娘も廊下で……その時の悲鳴を、俺は聞いたんだ。
その先は『64』以降の通りだ。
悪役娘は幸い、怪我を負ったものの、凄く深いものじゃなかった。
オスカーが獣を部屋に押し込んだ後、自力でどうにか脱出したそうで。
状況説明や、救援を呼ぶように言ったりしたらしい。
悪役娘の怪我を治す為に、教会から僧侶も来て。
それからは悪役娘の旦那さんが付き添っていて、だいぶ落ち着いたそうだ。
これを聞いたオスカーは嬉しそうだった。
部屋でのサイラスの様子から、深刻な事態ではないと予想していただろうが。
はっきりと言葉で聞けて、ほっとしたんだろう。
オスカーも一緒に付き添いたそうだったが、旦那がいるので流石に遠慮していた。
ちなみに犬の話だが。
サイラスが言うには。
タスクは、犬に寄生していた魔族部分だけを悪魔パワーで蹴り飛ばしたらしい。
蹴り飛ばされても、犬は怪我も無く無事だった。
犬自体はただの犬なので、そのままジョゼが面倒見るそうだ。
俺からの事情聴取とかは、もし必要になっても、それはまた明日にして。
サイラスの指示で、俺とタスクはもう休んでいいという事になった。
俺とタスクは、悪役娘の家でなく、宿屋にいる。
しかも、オスカーが泊まるようなイイ部屋だ。
今夜は悪役娘の家に泊めて貰える、という話だったんだが。
タスクが嫌がったんだ。
嘘か冗談か分からんが、「ポルターガイストがいるかも知れない」と。
そんな事をタスクは、真顔で言い出した。
一体何故そんな発想になったのか分からん。
……タスクは何と言うか。
勝手に想像して怖がる、という所があるからなぁ。
「キョウタ、上がったぞ~?」
タスクに声を掛けられて。
俺は、自分がぼんやりしている事に気が付いた。
風呂上がりのタスクが、濡れた黒髪をタオルで拭きながら部屋に入って来る。
タスクの服装は昼間と変わらない。
暗い灰色のスリムパンツと、もっと濃い灰色の前開き襟付きシャツ。
せっかくだから、ゆったりしたローブにでも着替えたら良いのに。
ジャイアントエルフの村で貰った、襟無し半袖ローブがあるじゃないか。
「……キョウタ?」
「あ、うん。……入って来る。」
心配そうに覗き込まれて。
俺は慌てて、差し出されたタオルを掴んで。
備え付けの風呂場へと逃げた。
ッザザアァーーー。
「……っふぅ~。」
頭からシャワーを浴びる。
有り難い事に、ファンタジー的なこの世界にシャワーがあるんだ。
ぬるいお湯は排水溝ではなく、網目になっている床に吸い込まれて行く。
俺がキョウタになってから、実は、一人で風呂に入るのは初めてだ。
タスクは、風呂場で俺が一人になる事を心配していた。
俺がよちよち歩きだからというのもあるが。
まぁ……襲われたばっかりだもんな。
それでも俺は、今日は一人で入りたかったんだ。
軽く身体を流してから、俺は一人で湯船に入る。
本当はすぐにでも、しっかり身体を洗いたい気持ちはあったが。
後回しにしておきたい事情があるというか。
向き合う事になるかも知れない現実を、先延ばしにしたいというか。
とにかく、先に身体を温める事にした。
タスクが溜めておいてくれたんだろう。
湯船のお湯は、肩まで浸かれるぐらいたっぷりな量が入っている。
しっかりと肩までお湯に潜り込んで、手足を伸ばした。
俺の身体に付けられた獣の爪痕は綺麗に消えている。
オスカーが魔法で治療してくれたからだ。
本当なら……俺が本当に聖女なら、自分で出来るはずなのに。
オスカーは治療の魔法が使えるのに、俺は使えない。
俺の中から、コルネールを追い出した所為で。
聖魔術に必要な神力も、無くしちゃったのかな。
聖女特有の、肝心の神聖詞も使えないのに……。
そんな事を考えながら俺は。
サイラスが言っていた話を思い出した。
確か、オスカーに言われた時だった。
いくら聖女が魔法使い系だからと言っても、キョウタは非力過ぎる、と。
確かにそれは自分でも思ったがな。
魔族に襲われた時に、オスカーを突き飛ばせなかったから。
思い切り突き飛ばしたつもりだったのに、よろめきもしないとか。
俺が思わず呟いたのも仕方ないだろう。
「非力にも程があるだろう、聖女……いや、俺。」
「いえ、そういう事ではないのですよ。」
だが、サイラスが言うには。
それも、聖女である事を証明する材料の一つ、らしい。
聖女は人並外れた神力を発揮すると同時に。
他者への物理的な攻撃が不可能になると言う。
他者というのは。
聖女自身以外の、この世界に生きる全ての者を指す。
悪い事に、全ての者には魔族も含まれている。
物理的な攻撃とは。
刃物で切り付けるという生命に関わるような攻撃以外にも。
素手で殴る、噛み付く、物を投げ付ける、引っ張る、押し退ける。
という細やかな暴力まで、全て含まれている。
そういう行動が丸っきり出来なくなるわけじゃない。
ただ単に、聖女がそういった行動をしても。
怪我をするどころか、相手には何の影響も無いらしい。
誰かに刃物を振るっても切れず、殴っても全く痛く感じない。
もちろん突き飛ばしても、相手はびくともしない、というわけだ。
だから、サイラスが言うには。
非力さも含めて、俺は聖女で間違いない、らしい。
「そんな事、知らない……。たぶん、コルネールも。」
「聖女が殴る蹴るなど、肉体的に暴れる必要は無いですからねぇ。」
「襲われたら何も抵抗出来ないじゃないか。」
「魔法を使えなければ、そうでしょうね。」
「あー……。」
聖女なら普通は魔法が使えるからな。
神聖詞にせよ、聖魔術にせよ、攻撃魔法を一つも使えない、なんて事はない。
肉弾戦を考える必要は無いわけだ。
単に俺がイレギュラーなだけだ。
魔法の知識だけは思い出したものの、俺は魔法を使えない。
だから、ああいう事になる。
いいや、止めよう。
出来ないとばかり思っていても、ただ落ち込むだけだ。
「……魔法。教えて貰おう。」
誰に、と聞かれれば悩ましい所だが。
少なくとも魔力自体は俺にもあるんだ。
素質も……微妙だが、あるはず。
今からでも訓練すれば、何か一つや二つぐらい、きっと。
「やっぱり、オスカーに……だな。王子だから無理か?」
オスカーが魔法を使っていた場面を思い出す。
かなり連発していた<フォース>の制御は凄かった。
あんなに続け様で、しかも狙いもほぼ外れずに。
俺も、あれと<癒し>か<盾>を使えれば。
「……あ。お湯、足そう……。」
考えている内に、少しぬるくなってしまった。
湯船に新たなお湯を足しながら。
俺はもう少しだけ、ぼんやりしている事にした。
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