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26・色々気まずい朝と悪役娘の再来。 (キョウタ視点)
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頭の中が痺れるようで気持ちがいい。
急激に体力が奪われる感覚に、意識を保っていられない。
知らない内に眠ってしまった。
直前に感じていた息苦しさからか、溺れる夢を見た。
海でも川でも湖でもない、何かの容器の中で溺れる俺。
夢の中の俺は、必死に何かに掴まろうとした。
「ん~……、はっ?」
目を開けると、俺はベッドで横になっていた。
夢、か……?
ここは……あぁ、そうだった。
宿屋に泊まったんだったな。
……それはともかく、タスクよ。
何故に俺と一緒のベッドに寝ているのか。
ベッドは二台あったはずなんだが。
いや、タスクへの突っ込み以上に、俺だ。
何故に俺はタスクを抱き枕にして寝ているのか。
ベッドには毛布があるんだが。
先に目が覚めたのが俺の方で良かった。
この体勢でタスクが先に起きていたら、俺が気まずい。
「そう言えば、どうなったかな……。」
すやすや眠っているタスクの手を取り、傷の様子を見た。
血も止まっているし、傷口も汚くなってはいない。
ただ、指にはオレンジ色の物が僅かに残っていた。
「あっ……。もぉ~……。」
急に恥ずかしくなって来る。
昨夜はコレを舐めてしまった所為で、興奮して、その……、くそっ!
口の中の水分、タスクに全部持って行かれるし、最悪だわぁ。
昨日、下着も買っておいて良かった。
タスクが目覚める前にさっさと着替え……え? 目、開いた!
瞼を薄く開いて流し目で俺を見上げるタスク。
舐めるような視線で、ドキッとする。
「舐めるならコッチ、が…いいな……。」
「やっ!」
布越しに握られ、反射的に声が出た。
「あっ、ん……んっ。」
引き剥がそうとしているのにビクともせず、絶妙な力加減で揉んで来る。
そして。
「……スー、スー。」
タスクは二度寝した。
頭に来た俺がタスクを叩き起こしたのは言うまでもない。
朝御飯を食べる前に宿をチェックアウト。
観光地の旅館にあるようなお土産コーナーを冷やかしていると。
見覚えのある物が目に入る。
「なぁ、タスク。これって……。」
それは、見本品として出されていた。
オレンジ色で、むにむにしている。
まさに昨日、宿からの要らぬ配慮で貰ったのと同じだ。
まぁそれはいい。それはいいとして。
商品名と商品説明が書いてある。
『アロマスライム。……優しい匂いで癒されます。人肌で溶かして香水にも出来ます。スライムという名前ですが、お口に入っても安心です。お好みの色と香りでお選びください。』
……アロマ、スライム。
「へぇ~。」
「あぁ~。」
勘違いしていたのは俺一人じゃなかったんだが。
何となく気まずい……。
その後、何故かタスクは、その商品を一つ購入した。
「今回の戒めとして。」とか、意味が分からん。
無駄遣いをするんじゃないよ。
宿を出た後。
「なんか、あんまり探されてる感じもしねぇしさ~。それなら別に、慌てて町から出なくても良さそうじゃね?」
というタスクの主張により。
俺達は、まだ町の中にいた。
昨日の噴水広場とは別の、そこそこ広めの店舗通り。
その一角、少し開けた所に並んで座っている。
朝御飯を食べた後でまったりし過ぎた。
もうすぐ昼になろうかという時間帯になる。
「宿の人とか他の客とかに聞いたんだけどさ~。」
「え、いつの間に。」
「うん、オレ、転移者だから。でさ……えっと、何の話だっけ?」
一瞬でもタスクの事を『出来る男』と思った事が恥ずかしい。
「知らん、タスクが誰かから聞いた話だろ。俺が知るわけが無い。」
「あ、そうだ、その話だ。ここより大きい町ってさ、城下町しか無いらしいぜ? しかも、結構遠いんだって。」
「へ~ぇ。そう言えば、エルフ村で聞いた港町は?」
「そっちは聞いてねぇや。ここより大きいってわけじゃないし、それに、たぶんだけどさ……港町の雰囲気って、キョウタは苦手だと思うんだよな~。」
や、やっぱり少し『出来る男』かも。
「旅するのに金を使っちゃうよりは、さ。ここで金を稼ぐこと考えねぇ?」
「稼ぐ、と言ってもな……う~ん。」
現代日本人キョウタの思考で思い付くのは、店とか教会とかで働く事だが。
タスクは冒険者活動がしたいんだろうからな。
登録料の他に、装備品の支度を考えたら、そんな働き方で必要資金が貯まるとは思えない。
考え込んでいると。
近くにある建物の扉が開いて、小さな子供が飛び出した。
小学校に入学する頃合いの年齢の女の子。
走り出して俺達のすぐそばで転ぶ子供。
愚図りだす子供。
これは何の強制イベントだ?
「うぅ、うっ、グスっ、痛いよぉ~。」
も~、泣くんじゃないよ。
こっちを見るんじゃない。
し、仕方ないな……。
「大丈夫か、子供?」
「痛いよぉ……。」
昨日、タスクに断られたハンカチを取り出す。
汚れた膝に当てると、子供は一瞬びくっとした。
「っ痛…」
「痛いの痛いの、飛んでけ~。ほら、もう痛くないね~。」
「ホントだぁ、もう痛くないっ。」
割と単純な子で良かった。
あと、タスクが変な顔で見て来るのが腹立つ。
「もう大丈夫だな?」
「うんっ、大丈夫!」
にっこりして立ち上がる子供。
その膝を見ると、傷は付いていない。
転んだ時に汚れたものの、怪我をしていないようで良かった。
丁度良いタイミングで、子供を探す女の声がする。
危なかった。
もう少し早く女が現れていたら、ロリコン扱いされていただろう。
「あっ、お姉ちゃ~んっ。こっち、こっち!」
子供が大きく手を振りながら呼んでいる相手は。
ベージュ色でボレロ丈の羽織り物。
アイボリー色を基調に、スカートの裾に赤紫色や灰色の水玉模様が入った丸首ワンピース。
何ともシンプルな服装だが、長い髪は紫色で縦ロールで、青い吊り目。
「 「 悪役娘。」 」
俺とタスクの声が重なる。
うん、昨日の悪役娘だった。
悪役娘は俺とタスクの顔を見て、目を細める。
「アナタ達、昨日の……。」
ひょっとしてこれは、まずい、のかな。
王子が俺の事を聖女と呼んだ、あの場にいた女だ。
しかも確か、自分が聖女になる、とか豪語していた女だ。
「昨日の、『白い食いしん坊』と『黒い丸出し』よね?」
「オカシなあだ名を付けんじゃねぇっ。」
「こんなとこで会うなんて、偶然ねぇ。」
「聞けよ、流してんじゃねぇよ。縦ロールぶっ千切るぞ。」
悪役娘、案外フランクだった。
タスクと悪役娘はあっという間に打ち解けたようだ。
食いしん坊は俺の事だろうが、何故にタスクのあだ名が丸出しなのか。
「ふふっ、冗談よ。それよりどうして、王子と会わずに出て行ったの?」
「……うっ。」
「お姉ちゃん、ジョゼ、転んだの。」
急な角度で踏み込んで来た悪役娘に、タスクが言葉を詰まらせた時。
子供が割り込んだ。
ナイス子供。
「あら、大変。泣かなかった?」
「うん、平気だもん。」
嘘つけ、ガチ泣きしていただろうが。
会話に一区切りついた雰囲気になったので、タスクの肩に掴まって立ち上がる。
「じゃあ俺達はこれで。タスク、行こ。」
「あ、あぁ。じゃあな。」
「ねぇアナタ達。」
呼び止める悪役娘。
「お昼、まだでしょう? ウチで食べて行かない?」
「や、そりゃ流石に悪りぃし。」
「ジョゼね、食いしん坊お兄ちゃんに助けて貰ったの。」
変なあだ名を定着させるんじゃないよ、子供。
「それはお礼をしなくちゃね。ウチの店、ここから近いのよ。生憎と食堂じゃないけど、そこら辺で安く済ませる物よりは美味しい物を出せるわよ。別にお金を取るつもりは無いから安心して?」
「 「 ゴチになります。」 」
俺達は、名前も知らない悪役娘にご馳走になる事にした。
急激に体力が奪われる感覚に、意識を保っていられない。
知らない内に眠ってしまった。
直前に感じていた息苦しさからか、溺れる夢を見た。
海でも川でも湖でもない、何かの容器の中で溺れる俺。
夢の中の俺は、必死に何かに掴まろうとした。
「ん~……、はっ?」
目を開けると、俺はベッドで横になっていた。
夢、か……?
ここは……あぁ、そうだった。
宿屋に泊まったんだったな。
……それはともかく、タスクよ。
何故に俺と一緒のベッドに寝ているのか。
ベッドは二台あったはずなんだが。
いや、タスクへの突っ込み以上に、俺だ。
何故に俺はタスクを抱き枕にして寝ているのか。
ベッドには毛布があるんだが。
先に目が覚めたのが俺の方で良かった。
この体勢でタスクが先に起きていたら、俺が気まずい。
「そう言えば、どうなったかな……。」
すやすや眠っているタスクの手を取り、傷の様子を見た。
血も止まっているし、傷口も汚くなってはいない。
ただ、指にはオレンジ色の物が僅かに残っていた。
「あっ……。もぉ~……。」
急に恥ずかしくなって来る。
昨夜はコレを舐めてしまった所為で、興奮して、その……、くそっ!
口の中の水分、タスクに全部持って行かれるし、最悪だわぁ。
昨日、下着も買っておいて良かった。
タスクが目覚める前にさっさと着替え……え? 目、開いた!
瞼を薄く開いて流し目で俺を見上げるタスク。
舐めるような視線で、ドキッとする。
「舐めるならコッチ、が…いいな……。」
「やっ!」
布越しに握られ、反射的に声が出た。
「あっ、ん……んっ。」
引き剥がそうとしているのにビクともせず、絶妙な力加減で揉んで来る。
そして。
「……スー、スー。」
タスクは二度寝した。
頭に来た俺がタスクを叩き起こしたのは言うまでもない。
朝御飯を食べる前に宿をチェックアウト。
観光地の旅館にあるようなお土産コーナーを冷やかしていると。
見覚えのある物が目に入る。
「なぁ、タスク。これって……。」
それは、見本品として出されていた。
オレンジ色で、むにむにしている。
まさに昨日、宿からの要らぬ配慮で貰ったのと同じだ。
まぁそれはいい。それはいいとして。
商品名と商品説明が書いてある。
『アロマスライム。……優しい匂いで癒されます。人肌で溶かして香水にも出来ます。スライムという名前ですが、お口に入っても安心です。お好みの色と香りでお選びください。』
……アロマ、スライム。
「へぇ~。」
「あぁ~。」
勘違いしていたのは俺一人じゃなかったんだが。
何となく気まずい……。
その後、何故かタスクは、その商品を一つ購入した。
「今回の戒めとして。」とか、意味が分からん。
無駄遣いをするんじゃないよ。
宿を出た後。
「なんか、あんまり探されてる感じもしねぇしさ~。それなら別に、慌てて町から出なくても良さそうじゃね?」
というタスクの主張により。
俺達は、まだ町の中にいた。
昨日の噴水広場とは別の、そこそこ広めの店舗通り。
その一角、少し開けた所に並んで座っている。
朝御飯を食べた後でまったりし過ぎた。
もうすぐ昼になろうかという時間帯になる。
「宿の人とか他の客とかに聞いたんだけどさ~。」
「え、いつの間に。」
「うん、オレ、転移者だから。でさ……えっと、何の話だっけ?」
一瞬でもタスクの事を『出来る男』と思った事が恥ずかしい。
「知らん、タスクが誰かから聞いた話だろ。俺が知るわけが無い。」
「あ、そうだ、その話だ。ここより大きい町ってさ、城下町しか無いらしいぜ? しかも、結構遠いんだって。」
「へ~ぇ。そう言えば、エルフ村で聞いた港町は?」
「そっちは聞いてねぇや。ここより大きいってわけじゃないし、それに、たぶんだけどさ……港町の雰囲気って、キョウタは苦手だと思うんだよな~。」
や、やっぱり少し『出来る男』かも。
「旅するのに金を使っちゃうよりは、さ。ここで金を稼ぐこと考えねぇ?」
「稼ぐ、と言ってもな……う~ん。」
現代日本人キョウタの思考で思い付くのは、店とか教会とかで働く事だが。
タスクは冒険者活動がしたいんだろうからな。
登録料の他に、装備品の支度を考えたら、そんな働き方で必要資金が貯まるとは思えない。
考え込んでいると。
近くにある建物の扉が開いて、小さな子供が飛び出した。
小学校に入学する頃合いの年齢の女の子。
走り出して俺達のすぐそばで転ぶ子供。
愚図りだす子供。
これは何の強制イベントだ?
「うぅ、うっ、グスっ、痛いよぉ~。」
も~、泣くんじゃないよ。
こっちを見るんじゃない。
し、仕方ないな……。
「大丈夫か、子供?」
「痛いよぉ……。」
昨日、タスクに断られたハンカチを取り出す。
汚れた膝に当てると、子供は一瞬びくっとした。
「っ痛…」
「痛いの痛いの、飛んでけ~。ほら、もう痛くないね~。」
「ホントだぁ、もう痛くないっ。」
割と単純な子で良かった。
あと、タスクが変な顔で見て来るのが腹立つ。
「もう大丈夫だな?」
「うんっ、大丈夫!」
にっこりして立ち上がる子供。
その膝を見ると、傷は付いていない。
転んだ時に汚れたものの、怪我をしていないようで良かった。
丁度良いタイミングで、子供を探す女の声がする。
危なかった。
もう少し早く女が現れていたら、ロリコン扱いされていただろう。
「あっ、お姉ちゃ~んっ。こっち、こっち!」
子供が大きく手を振りながら呼んでいる相手は。
ベージュ色でボレロ丈の羽織り物。
アイボリー色を基調に、スカートの裾に赤紫色や灰色の水玉模様が入った丸首ワンピース。
何ともシンプルな服装だが、長い髪は紫色で縦ロールで、青い吊り目。
「 「 悪役娘。」 」
俺とタスクの声が重なる。
うん、昨日の悪役娘だった。
悪役娘は俺とタスクの顔を見て、目を細める。
「アナタ達、昨日の……。」
ひょっとしてこれは、まずい、のかな。
王子が俺の事を聖女と呼んだ、あの場にいた女だ。
しかも確か、自分が聖女になる、とか豪語していた女だ。
「昨日の、『白い食いしん坊』と『黒い丸出し』よね?」
「オカシなあだ名を付けんじゃねぇっ。」
「こんなとこで会うなんて、偶然ねぇ。」
「聞けよ、流してんじゃねぇよ。縦ロールぶっ千切るぞ。」
悪役娘、案外フランクだった。
タスクと悪役娘はあっという間に打ち解けたようだ。
食いしん坊は俺の事だろうが、何故にタスクのあだ名が丸出しなのか。
「ふふっ、冗談よ。それよりどうして、王子と会わずに出て行ったの?」
「……うっ。」
「お姉ちゃん、ジョゼ、転んだの。」
急な角度で踏み込んで来た悪役娘に、タスクが言葉を詰まらせた時。
子供が割り込んだ。
ナイス子供。
「あら、大変。泣かなかった?」
「うん、平気だもん。」
嘘つけ、ガチ泣きしていただろうが。
会話に一区切りついた雰囲気になったので、タスクの肩に掴まって立ち上がる。
「じゃあ俺達はこれで。タスク、行こ。」
「あ、あぁ。じゃあな。」
「ねぇアナタ達。」
呼び止める悪役娘。
「お昼、まだでしょう? ウチで食べて行かない?」
「や、そりゃ流石に悪りぃし。」
「ジョゼね、食いしん坊お兄ちゃんに助けて貰ったの。」
変なあだ名を定着させるんじゃないよ、子供。
「それはお礼をしなくちゃね。ウチの店、ここから近いのよ。生憎と食堂じゃないけど、そこら辺で安く済ませる物よりは美味しい物を出せるわよ。別にお金を取るつもりは無いから安心して?」
「 「 ゴチになります。」 」
俺達は、名前も知らない悪役娘にご馳走になる事にした。
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