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王都
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身体強化を使っての移動はあっという間に目的ににたどり着けるという便利魔法であるが、身体強化はまさしく強化される元の身体によって効果が変わるようで、俺の足の速さとララの足の速さは少し違いララのほうが遅かった。
もしかしたらその考えは間違っていて、俺が唱えた魔法かララが唱えた魔法かで効果が変わる可能性ももちろんある、これは今後要検証といったところだろうか。
王都の入り口には屯所がありそこで身分を証明する何かしらを見せることで中に入れるようだ。
「姫様!?」
そこを己の身分と地位によって堂々と通過しようとした者がいた。
其の者を見れば周りも者は跪き頭を垂れる。
「通しなさい!」
「ひ、姫様どうしてここに」
「そんなことは貴方の知る必要はないわ、それとここから南西にある村が盗賊に襲われました、私達ですでにその盗賊は拘束してあります、すぐに隊を編成し向かいなさい!」
「ハッ」
「それと彼は私の協力者です粗相のないように、それとすぐに馬車の用意を」
「ハッ!」
それがララだった。
これが彼女の本来の姿なのかもしれない。
・・・なんとなく嫌な予感がしてくる。
絶対的な急展開によってざわめき始める屯所で俺達はすぐに準備された馬車に乗ることになる。
ていうか強制的にララのペースに巻き込まれていく。
「姫様、申し訳ありませんがここにはこの馬車しかなく」
「問題ありません、さあラグナ様」
豪華な装飾はなく質素な馬車は決して王族や貴族が本来乗る物では無いのだろう、だが今のララは本当に急いでいるようであらゆることにお構いなしに自分の力を行使していく。
目立つことは避けたかった、と今更ながらに後悔する。
彼女と関わったことを少しだけ。
お金持ちのお嬢様程度に思っていたが。
思っていたが!
お姫様だとは誰が想像できたよ!あんな森のなかに一人で!
「ラグナ様申し訳ないのですが、時を急ぎますこのまま直接王城に行き国王と会ってもらいます」
「それはこのユニコーンの角のせい?」
「はい、それもあります」
それもってことは他にも何かあるのは推測できる。なんだろうか。
「その角はあらゆる万病に聞く薬の原料になる素材です、私のお母様、王妃は現在原因不明の奇病に倒れています」
「いくら母親のためだとしても単騎であの森に入るのはよくないんじゃないか」
「それは・・・テ、テヘ、」
さっきまで真面目な雰囲気で話していたのにどうしてここでテヘペロなのだろう。
「リアナの嘘つき」小声で言ったために馬車の音で全てかき消される。
「コホン、宮廷魔導師によるとその奇病を治すのにユニコーンの角が必要だと分かり、そのため私は一刻も早く手に入れようと行動にでたのです」
だからといって無謀さが許されるとは思えない、それも姫様という立場の人間がだ。屯所の人間の驚き方からして彼女が王都の外に出ていたことは知らなかったと見える、それはお忍びで彼女が勝手に誰にも知らせず。
というか、姫様というのは実際のところどんな立ち位置で何をする人物で居なければならないのだろうか?
生きる世界が違いすぎて全くもって想像もできない。なにかしらの祭典とかあるときにウフフフと王城のバルコニーから手を振ってるだけの存在って感じというのがせめてものイメージだ。
「ですので此度はラグナ様がユニコーンの角を譲って下さる事が王妃を助けて、それは国家の危機を救うことと同義だと私は考えます」
それはいささか飛躍のし過ぎだと思うが、王都に着いてからの彼女この慌ただしさいや、急いでる理由は納得できた。
病で倒れる母親を助けられる薬が今目の前にあるのだから、俺と出会った時も内心居ても立っても居られないんじゃなかったんじゃないだろうか。
「ラグナ様が助けた村での対応を見て目立つことを避けたがっているように見えましたので、事はできるだけ穏便に済ませるようにいたします」
「それは助かるけど希望を言わせてもえれば、特別な褒賞は一切受け取りたくない」
「ラグナ様」
彼女は一度姿勢を正しなにかの意思表示をするようにゆっくりと呼吸してから。
「失礼なことを聞くのかもしれませんが、なぜそこまで」
「姫様!到着しました!」
だがそれは馭者によって遮られる。
それによりララもこれ以上は言えないような空気にこの話は終わる。
「・・・それではラグナ様いきましょう」
馬車から降りると目の前にはあの夢の国にある城のようなとても綺麗な城が。
――あぁほんとに異世界に来たんだな。
自分が居た世界とは違うから異世界、このときもそれを実感させられる。
今までの平凡なサラリーマン生活をしていた人間は一生のうちにこんな場所に招待されることは無いだろうから。
それもお姫様に手を引かれている。
この景色がこの光景が。
「ラグナ様ようこそおいで下さいました」
もしかしたらその考えは間違っていて、俺が唱えた魔法かララが唱えた魔法かで効果が変わる可能性ももちろんある、これは今後要検証といったところだろうか。
王都の入り口には屯所がありそこで身分を証明する何かしらを見せることで中に入れるようだ。
「姫様!?」
そこを己の身分と地位によって堂々と通過しようとした者がいた。
其の者を見れば周りも者は跪き頭を垂れる。
「通しなさい!」
「ひ、姫様どうしてここに」
「そんなことは貴方の知る必要はないわ、それとここから南西にある村が盗賊に襲われました、私達ですでにその盗賊は拘束してあります、すぐに隊を編成し向かいなさい!」
「ハッ」
「それと彼は私の協力者です粗相のないように、それとすぐに馬車の用意を」
「ハッ!」
それがララだった。
これが彼女の本来の姿なのかもしれない。
・・・なんとなく嫌な予感がしてくる。
絶対的な急展開によってざわめき始める屯所で俺達はすぐに準備された馬車に乗ることになる。
ていうか強制的にララのペースに巻き込まれていく。
「姫様、申し訳ありませんがここにはこの馬車しかなく」
「問題ありません、さあラグナ様」
豪華な装飾はなく質素な馬車は決して王族や貴族が本来乗る物では無いのだろう、だが今のララは本当に急いでいるようであらゆることにお構いなしに自分の力を行使していく。
目立つことは避けたかった、と今更ながらに後悔する。
彼女と関わったことを少しだけ。
お金持ちのお嬢様程度に思っていたが。
思っていたが!
お姫様だとは誰が想像できたよ!あんな森のなかに一人で!
「ラグナ様申し訳ないのですが、時を急ぎますこのまま直接王城に行き国王と会ってもらいます」
「それはこのユニコーンの角のせい?」
「はい、それもあります」
それもってことは他にも何かあるのは推測できる。なんだろうか。
「その角はあらゆる万病に聞く薬の原料になる素材です、私のお母様、王妃は現在原因不明の奇病に倒れています」
「いくら母親のためだとしても単騎であの森に入るのはよくないんじゃないか」
「それは・・・テ、テヘ、」
さっきまで真面目な雰囲気で話していたのにどうしてここでテヘペロなのだろう。
「リアナの嘘つき」小声で言ったために馬車の音で全てかき消される。
「コホン、宮廷魔導師によるとその奇病を治すのにユニコーンの角が必要だと分かり、そのため私は一刻も早く手に入れようと行動にでたのです」
だからといって無謀さが許されるとは思えない、それも姫様という立場の人間がだ。屯所の人間の驚き方からして彼女が王都の外に出ていたことは知らなかったと見える、それはお忍びで彼女が勝手に誰にも知らせず。
というか、姫様というのは実際のところどんな立ち位置で何をする人物で居なければならないのだろうか?
生きる世界が違いすぎて全くもって想像もできない。なにかしらの祭典とかあるときにウフフフと王城のバルコニーから手を振ってるだけの存在って感じというのがせめてものイメージだ。
「ですので此度はラグナ様がユニコーンの角を譲って下さる事が王妃を助けて、それは国家の危機を救うことと同義だと私は考えます」
それはいささか飛躍のし過ぎだと思うが、王都に着いてからの彼女この慌ただしさいや、急いでる理由は納得できた。
病で倒れる母親を助けられる薬が今目の前にあるのだから、俺と出会った時も内心居ても立っても居られないんじゃなかったんじゃないだろうか。
「ラグナ様が助けた村での対応を見て目立つことを避けたがっているように見えましたので、事はできるだけ穏便に済ませるようにいたします」
「それは助かるけど希望を言わせてもえれば、特別な褒賞は一切受け取りたくない」
「ラグナ様」
彼女は一度姿勢を正しなにかの意思表示をするようにゆっくりと呼吸してから。
「失礼なことを聞くのかもしれませんが、なぜそこまで」
「姫様!到着しました!」
だがそれは馭者によって遮られる。
それによりララもこれ以上は言えないような空気にこの話は終わる。
「・・・それではラグナ様いきましょう」
馬車から降りると目の前にはあの夢の国にある城のようなとても綺麗な城が。
――あぁほんとに異世界に来たんだな。
自分が居た世界とは違うから異世界、このときもそれを実感させられる。
今までの平凡なサラリーマン生活をしていた人間は一生のうちにこんな場所に招待されることは無いだろうから。
それもお姫様に手を引かれている。
この景色がこの光景が。
「ラグナ様ようこそおいで下さいました」
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