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⑩数理令嬢勝負ですっ!
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王宮の庭園は淑女たちの戦場である。
帝国のお姫様が声高に宣言した。
「ガレス・ベルトラン、私の夫になることを許しますの!」
「はっ!?えっ?ガレスさんは私と結婚してるんだけど?こっ、この泥棒猫!」
偽装結婚なのだが、わざわざ教える必要はない。
「おーほっほっほっ!おたわけ!ですわ!殿方でしたら私のように華奢で可憐ながら母性溢れる体型がお好みに決まっていますわ!それに私のほうが若くてぴちぴちしてますの!」
そう言って胸を張る。
豊かな胸がふるるんと揺れた。
ガレスはつい視線を奪われてしまった。
「ガーレースさーん?」
アリーはガレスの耳を引っ張りあげる。
「ひぃっ、ごめんなさい!ごめんなさい!……」
そのまま、ガレスの耳元でささやく。
「あのメイド、人間ではありません」
ガレスはうなずく。
「はい。帝国の最新型メイドゴーレムですね」
魔剤を満載したキッチンワゴンを押すメイドは、精巧なゴーレムであった。クラシカルメイド服のロングスカートにはミスリル線が縫いこまれ、内部の装輪と演算装備を隠匿している。
耳の次はほっぺたをむにむにする。いちゃいちゃカップルの偽装である。
「演算ゴーレムは僕が担当します。お姫様はアリーさんにお願いしてよいですか?」
「お任せあれ。貴方の妻(仮)は王国最強の数理淑女なのです」
アリーはガレスの頬に口づけをして離れる。
「くっ……これみよがしにいちゃいちゃなさりやがって……そういえば!私、いっぺん略奪愛というものをやってみたく思っていましたのよ!」
エリサ・シャルドン侯爵令嬢が進み出て言う。
「それならば殿下、数理令嬢勝負はいかがでしょうか?僭越ながら私が審判を務めさせていただきますわ。私、この女に負かされて恨み骨髄に徹しておりますゆえ!」
帝国第七皇女セラフィナ・アフトマートカが縦ロールのブロンドをかきあげ、獰猛な笑みを浮かべる。
「おーほっほっほっ!それですわ!ベルトラン卿の愛をかけて、いざ尋常に数理令嬢勝負ですわ!」
「受けましょう。ルールはオーソドックスで良いかしら?」
アリーは低い声で告げた。アリアンヌ・フォルモールが憎んでやまないものがふたつある。浮気する男と、人の男に手を出す女である。
「殿下、この女はオーソドックスを得意としております。ストロングがよろしいかと存じますわ」
エリサがセラフィナに阿るように言う。
「オーソドックスではいたずらに勝負が長引きますものね。制限時間十秒のストロングでいかがかしら?」
「いいわよ」
数理令嬢勝負——たがいに素数を言い合っていく単純ながら奥が深い頭脳競技である。相手の告げた数が素数でないと判断すれば、ダウトを宣言できる。
制限時間内に素数を提示できないか、ダウトに成功されたら敗北となる。
さらにストロングでは相手が告げた数よりも大きな数しか告げられない。数理女子力の全てを振り絞って戦うがゆえにストロングルールなのであった。
「おーほっほっほっ、私の数理女子力は五十三万十七でしてよ!私が勝ったらベルトラン卿のお配偶子はいただきますわよ!」
五十三万より大きい最小の素数であった。
「帝国のお姫様はお下品なのね……ガレスさんのガレスさんはひとしずくたりとも渡しませんが」
メイドゴーレムを油断なく見張りながら、ガレスはなんとも言えない表情でふたりを眺めるのだった。
「ふふふのふーっ、私に勝てるとお思いですの?この私を誰だと思っているのかしら?」
セラフィナは両手に一瓶ずつ魔剤を持ち、交互に呷る。飲み干した瓶をテーブルに叩きつける。
「アガッてきましたわッッッ!」
「いや、飲み過ぎたら中毒になりますからね?ほどほどになさいませ……」
アリーは冷静にツッコんだ。
「アリアンヌ・フォルモール、帝国の獅子はネズミを狩るにも全力を尽くすものですわ!」
かたり。
審判のエリサが十秒の砂時計をセラフィナの前に置く。開戦の合図である。
先手は挑戦者のセラフィナである。
五十三万十七から始まり、たがいに淡々と六桁の素数を積み重ねていく。ダウトの声はかからない。
たがいに十個ずつ素数を言い合って一回戦が終了する。アリーが最後に告げた素数は九十九万九千九百八十三、六桁で最大の素数である。
「拍子抜けですね、皇女殿下。シビュラと言えど、末席ではこの程度ですか……魔眼を遣うまでもありませんわ」
「計算メイド風情が!よくもこの私をあなどりましたわね!よろしいでしょう、アフトマートカの必殺技を披露いたしましょう!」
帝国の数学魔人シビュラ四数姫がひとり『魔剤皇女』セラフィナ・アフトマートカが、魔剤をごくごく飲み干し、大きく息を吸う。
審判のエリサが二回戦開始を告げた。
「百七十澗千四百十一溝八千三百四十六穣四百六十九𥝱二千三百十七垓三千百六十八京七千三百三兆七千百五十八億八千四百十万五千七百二十七!」
セラフィナは猛然と素数を唱えた。
言い切ると同時に砂時計の砂が落ちた。
「おーほっほっほっ、いかがでございまして?三十九桁の素数ですわよ?これを十秒間で言い切れるように、私、早口言葉を練習しましたのよ!これで、貴女の勝ち目はなくなりましたわね、アリアンヌ・フォルモール!」
「なるほど、実戦経験に乏しいお姫様らしい、おかわいらしい必殺技ですね。貴女が居る場所は既に王国が二年前に通過した場所ですわッッッ!」
エリサをはじめ王国の数理令嬢たちがスカートをつまみ、アリーに向けて優雅に礼をした。王国最強の数理淑女に敬意を示すためである。
「ふん、負け惜しみを!人類が十秒間でこれより大きな素数を唱えられるはずがなくってよ!おーほっほっほっ!」
セラフィナは砂時計をひっくり返す。
さらさらと砂が落ちはじめる。
一秒。二秒。三秒。
アリーはようやく口を開く。
「一の後に零を九千九百九十四個、三三六〇三。一万桁の素数」
きっかり七秒だった。
アリーは砂時計をひっくり返す。
「ず、ず、ずるいですわー!一桁一桁心をこめて素数を唱えるのが数理お嬢様のたしなみ、礼儀ですわ!こんなのおずるですわー!」
エリサ・シャルドン侯爵令嬢が表情の無い顔で宣言する。
「十秒経ちました。制限時間内に素数を提示できなかったため、セラフィナ殿下の敗北となります」
セラフィナが喚いているあいだに砂は落ちきっていた。アリーはコーヒーカップに熱々のコーヒーをそそぎ、優雅な仕草で香りを楽しむ。そしてゆっくりと口に含んだ後、おもむろに口を開いた。
「貴女の前にいるのは、賭け数理令嬢勝負でストロングルールを廃れさせた女!荒稼ぎしすぎて表どころか裏サロンまで出禁になった女よ!」
いばっていうことではない。
ちなみに現在王国で主流のオーソドックスなしなしでは、素数の範囲を限定したうえで、同じ素数は一度しか使えない、あらかじめ伏せておいた禁止素数を使ったら敗北というルールが採用されている。さすがの魔眼も伏せ札は視通せないからである。
「そ、そういえば、シャルドン侯爵令嬢、貴女がストロングを薦めたんでしたわねっ!ぐっ、ぐるでしたのね!」
「アリアンヌを恨み嫉み嫉んでいるのは誓って本心でございますわ。けれども殿下、王国の雌獅子は群れで打ち揃って獲物を追い詰める習性がございまして」
王宮の庭園のあずまやに誘い込まれた時点で、セラフィナの敗北は運命づけられていた。後宮占星班班長にして王国統合情報保安会議副議長『数霊魔女』ボーモンティア夫人、恐るべき謀略であった。
「ぐ、ぐぬぬぅ……し、しかし、私はシビュラ四数姫のなかではいちばんの若輩者!私を破ろうとネメシーダ姉様の数理には到底及びませんわ!せいぜい今のうちに勝利に酔っておくことでしてよ!」
セラフィナは乱暴に席を立ち、ドレスの裾をひるがえし、メイドゴーレムに声をかける。
「ミリツェント、おいとまするわよ!」
ゴーレムメイドは頭を下げ、キッチンワゴンを押して主人の後を追った。
「魔剤の飲み過ぎは身体に触りますわよ。人類を辞めるにしても他の方法にしておきなさいな」
背中に投げかけられた言葉に振りかえらず、セラフィナは歩み去った。
後に残されたのは空になった魔剤の瓶だけである。
ガレスはアリーに寄り添い、そっと耳打ちする。
「骨虫を付けました」
「それでこそ、ガレスさんですわ!」
骨虫とはガレスが粒々辛苦の末、ようやく開発に成功した昆虫スケルトンである。
死霊計算の本質は、生物資源の計算資源への転換である。陸上で繁栄を謳歌し、強固な外骨格を備える節足動物に、スケルトンを専門とする死霊術師が眼を付けないわけがない。
ガレス・ベルトラン、アリーの傍らに立つ男もまた魔人であった。
帝国のお姫様が声高に宣言した。
「ガレス・ベルトラン、私の夫になることを許しますの!」
「はっ!?えっ?ガレスさんは私と結婚してるんだけど?こっ、この泥棒猫!」
偽装結婚なのだが、わざわざ教える必要はない。
「おーほっほっほっ!おたわけ!ですわ!殿方でしたら私のように華奢で可憐ながら母性溢れる体型がお好みに決まっていますわ!それに私のほうが若くてぴちぴちしてますの!」
そう言って胸を張る。
豊かな胸がふるるんと揺れた。
ガレスはつい視線を奪われてしまった。
「ガーレースさーん?」
アリーはガレスの耳を引っ張りあげる。
「ひぃっ、ごめんなさい!ごめんなさい!……」
そのまま、ガレスの耳元でささやく。
「あのメイド、人間ではありません」
ガレスはうなずく。
「はい。帝国の最新型メイドゴーレムですね」
魔剤を満載したキッチンワゴンを押すメイドは、精巧なゴーレムであった。クラシカルメイド服のロングスカートにはミスリル線が縫いこまれ、内部の装輪と演算装備を隠匿している。
耳の次はほっぺたをむにむにする。いちゃいちゃカップルの偽装である。
「演算ゴーレムは僕が担当します。お姫様はアリーさんにお願いしてよいですか?」
「お任せあれ。貴方の妻(仮)は王国最強の数理淑女なのです」
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「くっ……これみよがしにいちゃいちゃなさりやがって……そういえば!私、いっぺん略奪愛というものをやってみたく思っていましたのよ!」
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「おーほっほっほっ!それですわ!ベルトラン卿の愛をかけて、いざ尋常に数理令嬢勝負ですわ!」
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アリーは低い声で告げた。アリアンヌ・フォルモールが憎んでやまないものがふたつある。浮気する男と、人の男に手を出す女である。
「殿下、この女はオーソドックスを得意としております。ストロングがよろしいかと存じますわ」
エリサがセラフィナに阿るように言う。
「オーソドックスではいたずらに勝負が長引きますものね。制限時間十秒のストロングでいかがかしら?」
「いいわよ」
数理令嬢勝負——たがいに素数を言い合っていく単純ながら奥が深い頭脳競技である。相手の告げた数が素数でないと判断すれば、ダウトを宣言できる。
制限時間内に素数を提示できないか、ダウトに成功されたら敗北となる。
さらにストロングでは相手が告げた数よりも大きな数しか告げられない。数理女子力の全てを振り絞って戦うがゆえにストロングルールなのであった。
「おーほっほっほっ、私の数理女子力は五十三万十七でしてよ!私が勝ったらベルトラン卿のお配偶子はいただきますわよ!」
五十三万より大きい最小の素数であった。
「帝国のお姫様はお下品なのね……ガレスさんのガレスさんはひとしずくたりとも渡しませんが」
メイドゴーレムを油断なく見張りながら、ガレスはなんとも言えない表情でふたりを眺めるのだった。
「ふふふのふーっ、私に勝てるとお思いですの?この私を誰だと思っているのかしら?」
セラフィナは両手に一瓶ずつ魔剤を持ち、交互に呷る。飲み干した瓶をテーブルに叩きつける。
「アガッてきましたわッッッ!」
「いや、飲み過ぎたら中毒になりますからね?ほどほどになさいませ……」
アリーは冷静にツッコんだ。
「アリアンヌ・フォルモール、帝国の獅子はネズミを狩るにも全力を尽くすものですわ!」
かたり。
審判のエリサが十秒の砂時計をセラフィナの前に置く。開戦の合図である。
先手は挑戦者のセラフィナである。
五十三万十七から始まり、たがいに淡々と六桁の素数を積み重ねていく。ダウトの声はかからない。
たがいに十個ずつ素数を言い合って一回戦が終了する。アリーが最後に告げた素数は九十九万九千九百八十三、六桁で最大の素数である。
「拍子抜けですね、皇女殿下。シビュラと言えど、末席ではこの程度ですか……魔眼を遣うまでもありませんわ」
「計算メイド風情が!よくもこの私をあなどりましたわね!よろしいでしょう、アフトマートカの必殺技を披露いたしましょう!」
帝国の数学魔人シビュラ四数姫がひとり『魔剤皇女』セラフィナ・アフトマートカが、魔剤をごくごく飲み干し、大きく息を吸う。
審判のエリサが二回戦開始を告げた。
「百七十澗千四百十一溝八千三百四十六穣四百六十九𥝱二千三百十七垓三千百六十八京七千三百三兆七千百五十八億八千四百十万五千七百二十七!」
セラフィナは猛然と素数を唱えた。
言い切ると同時に砂時計の砂が落ちた。
「おーほっほっほっ、いかがでございまして?三十九桁の素数ですわよ?これを十秒間で言い切れるように、私、早口言葉を練習しましたのよ!これで、貴女の勝ち目はなくなりましたわね、アリアンヌ・フォルモール!」
「なるほど、実戦経験に乏しいお姫様らしい、おかわいらしい必殺技ですね。貴女が居る場所は既に王国が二年前に通過した場所ですわッッッ!」
エリサをはじめ王国の数理令嬢たちがスカートをつまみ、アリーに向けて優雅に礼をした。王国最強の数理淑女に敬意を示すためである。
「ふん、負け惜しみを!人類が十秒間でこれより大きな素数を唱えられるはずがなくってよ!おーほっほっほっ!」
セラフィナは砂時計をひっくり返す。
さらさらと砂が落ちはじめる。
一秒。二秒。三秒。
アリーはようやく口を開く。
「一の後に零を九千九百九十四個、三三六〇三。一万桁の素数」
きっかり七秒だった。
アリーは砂時計をひっくり返す。
「ず、ず、ずるいですわー!一桁一桁心をこめて素数を唱えるのが数理お嬢様のたしなみ、礼儀ですわ!こんなのおずるですわー!」
エリサ・シャルドン侯爵令嬢が表情の無い顔で宣言する。
「十秒経ちました。制限時間内に素数を提示できなかったため、セラフィナ殿下の敗北となります」
セラフィナが喚いているあいだに砂は落ちきっていた。アリーはコーヒーカップに熱々のコーヒーをそそぎ、優雅な仕草で香りを楽しむ。そしてゆっくりと口に含んだ後、おもむろに口を開いた。
「貴女の前にいるのは、賭け数理令嬢勝負でストロングルールを廃れさせた女!荒稼ぎしすぎて表どころか裏サロンまで出禁になった女よ!」
いばっていうことではない。
ちなみに現在王国で主流のオーソドックスなしなしでは、素数の範囲を限定したうえで、同じ素数は一度しか使えない、あらかじめ伏せておいた禁止素数を使ったら敗北というルールが採用されている。さすがの魔眼も伏せ札は視通せないからである。
「そ、そういえば、シャルドン侯爵令嬢、貴女がストロングを薦めたんでしたわねっ!ぐっ、ぐるでしたのね!」
「アリアンヌを恨み嫉み嫉んでいるのは誓って本心でございますわ。けれども殿下、王国の雌獅子は群れで打ち揃って獲物を追い詰める習性がございまして」
王宮の庭園のあずまやに誘い込まれた時点で、セラフィナの敗北は運命づけられていた。後宮占星班班長にして王国統合情報保安会議副議長『数霊魔女』ボーモンティア夫人、恐るべき謀略であった。
「ぐ、ぐぬぬぅ……し、しかし、私はシビュラ四数姫のなかではいちばんの若輩者!私を破ろうとネメシーダ姉様の数理には到底及びませんわ!せいぜい今のうちに勝利に酔っておくことでしてよ!」
セラフィナは乱暴に席を立ち、ドレスの裾をひるがえし、メイドゴーレムに声をかける。
「ミリツェント、おいとまするわよ!」
ゴーレムメイドは頭を下げ、キッチンワゴンを押して主人の後を追った。
「魔剤の飲み過ぎは身体に触りますわよ。人類を辞めるにしても他の方法にしておきなさいな」
背中に投げかけられた言葉に振りかえらず、セラフィナは歩み去った。
後に残されたのは空になった魔剤の瓶だけである。
ガレスはアリーに寄り添い、そっと耳打ちする。
「骨虫を付けました」
「それでこそ、ガレスさんですわ!」
骨虫とはガレスが粒々辛苦の末、ようやく開発に成功した昆虫スケルトンである。
死霊計算の本質は、生物資源の計算資源への転換である。陸上で繁栄を謳歌し、強固な外骨格を備える節足動物に、スケルトンを専門とする死霊術師が眼を付けないわけがない。
ガレス・ベルトラン、アリーの傍らに立つ男もまた魔人であった。
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