4 / 14
④朝帰りですっ!
しおりを挟む
明け方。地下十三階、休憩室兼仮眠室。
アリアンヌ・フォルモールはソファにひっくり返っていびきをかいていた。
眼を覚ますと、スケルトンとゾンビとレイスに覗きこまれていた。喉をせりあがる悲鳴をなんとか押し殺す。
「サクヤハオタノシミデシタネ」
ズィーがからかってくる。昨晩の醜態を思い出して赤面する。メガネも化粧もそのままだった。どうやら地下十三階まで運んでくれたらしい。
「もうお嫁に行けない……」
行く当てはないが様式美として口にしてみる。アリーは昨晩の記憶をたどり、決定的な秘密を洩らしていないことを確認した。
「だいじょうぶ。ガレスは気づいていない」
「ほっ……えっ!?」
あっさり看破されて驚愕する。
ズィーは捕食者の微笑を浮かべていた。
「ズィーさん、いつから……?」
「最初から。魔眼が視るとき、魔眼もまた視られている」
「そうかあ、屍者には分かっちゃうんですね……」
アリーの秘密、それは彼女がクリス・セレスティアルの中の人だという事実である。
王都で人気沸騰中、新進気鋭、正体不明の数理学者クリス・セレスティアルの正体はアリアンヌ・フォルモールだったのだ。ばばーん。
昨夜のことを思い起こすとあらためて顔から火が出そうである。アリーがクリスだと知らないガレスは、本人の目の前で研究内容を絶賛し、果ては人格まで肯定してきた。
面と向かって褒められた経験に乏しいアリーにとって、その破壊力は凄まじかったのである。恥ずかしいやら嬉しいやらわけが分からなくなってお酒が進んだのである。
(はたから見たら私も同じ穴のムジナなんでしょうか……知らないうちにニューメ様の前で推し活してしまってたりして……ん?)
「もしかして、ズィーさん、ニューメ・ロマンサー様の正体知ってたりとかしません?」
「キンソクジコウデス」
「それ絶対知ってるやつですよね!?」
休憩室兼仮眠室の扉が叩かれた。スケルトンの一体が扉を開けると、コーヒーを盆に乗せてガレスが立っている。
アリーは慌てて居住まいを正すのだった。
「おはようございます、アリーさん」
お盆をローテーブルに置くと、ガレスは流れるように土下座した。
「昨夜はすみませんでしたー!」
「ちょっ、やめてくださいっ!頭をあげてください!昨夜はたのしくお酒をいただいただけですよね?若干やらかしたような気もいたしますが……気のせい、気のせいですわよね?」
「はい。僕はひさしぶりに楽しいお酒でした。ほんのちょっとだけ議論が白熱しすぎたといいますか……アリーさんが推すニューメ・ロマンサーを否定するつもりはなかったんです。気を害されたかもしれませんが、どうか辞めないでください!」
「やめませんわ!それに……その……おたがいさまというか……水に流すということで、ひとつ!」
ガレスが顔をあげる。目が潤んでいるところを見ると泣く寸前だったらしい。
「ありがとうございます……」
ズィーとゾンビたちがぱんっと一発拍手する。
「これで手打ち」
ガレスとアリーは昨晩のゾンビビンタを思い出して身震いしながらこくこくとうなずいた。
「それでですね、アリーさん」
床に正座したまま、ガレスが告げる。
「寮母さんがお怒りとのことです。入寮初日からすっぽかして朝帰りとは太い奴だって……」
「あ……ああっ!忘れてた!」
アリーは独身寮に部屋をもらっているのである。ちなみに寮は酒場や売店に併設している。すぐそこなのだ。
ガレスと連れ立ち、終業からの酒場直行を決めたアリーの徳が低すぎるといえよう。
レイスのレイさんの徳を見習うべきであった。
「すぐ行って謝ってきます!」
慌てて立ち上がり、ローテーブルに脛をぶつけてしまうアリーなのであった。
◇◇◇
朝食をいただきながら寮母にこってりしぼられたアリーは、部屋に届いていた荷物の梱包を解き、当座必要なものを取り出す。
寮の共同浴場は夜しか開いてないので、洗顔して化粧をしなおして、服を着替えた。
「いってきまーす!」
寮の玄関先で声を張り上げるアリーだった。
◇◇◇
王国軍中央技術研究所基盤計算技術開発本部暗号解読課の朝は早い。
というか、昼夜の区別がない。
睡眠をとるのは人間だけだからだ。
地下十三階の会議室に二人の男が座っている。
ひとりは死霊術師ガレス・ベルトランであった。
もうひとりはジュリアン・ルノール、黒に近い粟色の髪と鋭い灰色の目を持つ美丈夫である。情報士官であった。
「おまえのところにも回したけど、帝国の暗号がまた更新された。上はおおわらわだ」
ガレスが天井を指さして言う。
上とは地下七階から十二階に配置された通信傍受課と通信分析課を意味する。今回更新されたのは帝国海軍の戦略暗号であった。
「数学魔人シビュラか……」
火の点いていない紙巻をくわえ、ジュリアンが低い声でつぶやく。『死霊迷宮』は禁煙なのだ。
シビュラ・ブルバチェワとは帝国の暗号開発を一手に担う怪人の名である。
個人ではなく数学秘密結社であるという説もあれば、演算ゴーレムを身体に埋めこんだ魔導サイボーグだという説もある。
会議室の扉がノックされる。湯気の立つコーヒーをお盆に載せてアリーが入室する。
「おはようございます」
ぺこりと頭を下げるアリーである。ガレスが慌てて立ち上がり、お盆を受け取って会議机に載せる。
「アリーさん、お茶汲みとかいいですから……我々はコーヒーが飲みたくなったら勝手に淹れますから。それよりアリーさんも会議に参加してください。こちらは王国軍情報部のジュリアン・ルノール少佐です」
ガレスの紹介を受けて、アリーはあらためてお辞儀する。
「アリアンヌ・フォルモールと申します」
「よろしく、フォルモール女史。ガレスとはずいぶん打ち解けたそうですな」
「ジュリアン、おまえ、そういうのやめろよ!アリーさん、こいつの言うことは無視していいですからね!」
ガレスの顔は真っ赤である。
フリーズ直前である。
「ルノール少佐、違うんですのよ。ガレスさんと私は学問を通じた崇高な友情を育んでおりますの」
「ほうほう。なかむつまじくからあげを食べさせあっていたそうですが」
「どうしてそれを!?あれは私が一方的にからあげをガレスさんのお口につっこんでいただけで……」
(あっ……しまった)という顔をして口を押さえるアリーを見てジュリアンは爆笑するのだった。
アリアンヌ・フォルモールはソファにひっくり返っていびきをかいていた。
眼を覚ますと、スケルトンとゾンビとレイスに覗きこまれていた。喉をせりあがる悲鳴をなんとか押し殺す。
「サクヤハオタノシミデシタネ」
ズィーがからかってくる。昨晩の醜態を思い出して赤面する。メガネも化粧もそのままだった。どうやら地下十三階まで運んでくれたらしい。
「もうお嫁に行けない……」
行く当てはないが様式美として口にしてみる。アリーは昨晩の記憶をたどり、決定的な秘密を洩らしていないことを確認した。
「だいじょうぶ。ガレスは気づいていない」
「ほっ……えっ!?」
あっさり看破されて驚愕する。
ズィーは捕食者の微笑を浮かべていた。
「ズィーさん、いつから……?」
「最初から。魔眼が視るとき、魔眼もまた視られている」
「そうかあ、屍者には分かっちゃうんですね……」
アリーの秘密、それは彼女がクリス・セレスティアルの中の人だという事実である。
王都で人気沸騰中、新進気鋭、正体不明の数理学者クリス・セレスティアルの正体はアリアンヌ・フォルモールだったのだ。ばばーん。
昨夜のことを思い起こすとあらためて顔から火が出そうである。アリーがクリスだと知らないガレスは、本人の目の前で研究内容を絶賛し、果ては人格まで肯定してきた。
面と向かって褒められた経験に乏しいアリーにとって、その破壊力は凄まじかったのである。恥ずかしいやら嬉しいやらわけが分からなくなってお酒が進んだのである。
(はたから見たら私も同じ穴のムジナなんでしょうか……知らないうちにニューメ様の前で推し活してしまってたりして……ん?)
「もしかして、ズィーさん、ニューメ・ロマンサー様の正体知ってたりとかしません?」
「キンソクジコウデス」
「それ絶対知ってるやつですよね!?」
休憩室兼仮眠室の扉が叩かれた。スケルトンの一体が扉を開けると、コーヒーを盆に乗せてガレスが立っている。
アリーは慌てて居住まいを正すのだった。
「おはようございます、アリーさん」
お盆をローテーブルに置くと、ガレスは流れるように土下座した。
「昨夜はすみませんでしたー!」
「ちょっ、やめてくださいっ!頭をあげてください!昨夜はたのしくお酒をいただいただけですよね?若干やらかしたような気もいたしますが……気のせい、気のせいですわよね?」
「はい。僕はひさしぶりに楽しいお酒でした。ほんのちょっとだけ議論が白熱しすぎたといいますか……アリーさんが推すニューメ・ロマンサーを否定するつもりはなかったんです。気を害されたかもしれませんが、どうか辞めないでください!」
「やめませんわ!それに……その……おたがいさまというか……水に流すということで、ひとつ!」
ガレスが顔をあげる。目が潤んでいるところを見ると泣く寸前だったらしい。
「ありがとうございます……」
ズィーとゾンビたちがぱんっと一発拍手する。
「これで手打ち」
ガレスとアリーは昨晩のゾンビビンタを思い出して身震いしながらこくこくとうなずいた。
「それでですね、アリーさん」
床に正座したまま、ガレスが告げる。
「寮母さんがお怒りとのことです。入寮初日からすっぽかして朝帰りとは太い奴だって……」
「あ……ああっ!忘れてた!」
アリーは独身寮に部屋をもらっているのである。ちなみに寮は酒場や売店に併設している。すぐそこなのだ。
ガレスと連れ立ち、終業からの酒場直行を決めたアリーの徳が低すぎるといえよう。
レイスのレイさんの徳を見習うべきであった。
「すぐ行って謝ってきます!」
慌てて立ち上がり、ローテーブルに脛をぶつけてしまうアリーなのであった。
◇◇◇
朝食をいただきながら寮母にこってりしぼられたアリーは、部屋に届いていた荷物の梱包を解き、当座必要なものを取り出す。
寮の共同浴場は夜しか開いてないので、洗顔して化粧をしなおして、服を着替えた。
「いってきまーす!」
寮の玄関先で声を張り上げるアリーだった。
◇◇◇
王国軍中央技術研究所基盤計算技術開発本部暗号解読課の朝は早い。
というか、昼夜の区別がない。
睡眠をとるのは人間だけだからだ。
地下十三階の会議室に二人の男が座っている。
ひとりは死霊術師ガレス・ベルトランであった。
もうひとりはジュリアン・ルノール、黒に近い粟色の髪と鋭い灰色の目を持つ美丈夫である。情報士官であった。
「おまえのところにも回したけど、帝国の暗号がまた更新された。上はおおわらわだ」
ガレスが天井を指さして言う。
上とは地下七階から十二階に配置された通信傍受課と通信分析課を意味する。今回更新されたのは帝国海軍の戦略暗号であった。
「数学魔人シビュラか……」
火の点いていない紙巻をくわえ、ジュリアンが低い声でつぶやく。『死霊迷宮』は禁煙なのだ。
シビュラ・ブルバチェワとは帝国の暗号開発を一手に担う怪人の名である。
個人ではなく数学秘密結社であるという説もあれば、演算ゴーレムを身体に埋めこんだ魔導サイボーグだという説もある。
会議室の扉がノックされる。湯気の立つコーヒーをお盆に載せてアリーが入室する。
「おはようございます」
ぺこりと頭を下げるアリーである。ガレスが慌てて立ち上がり、お盆を受け取って会議机に載せる。
「アリーさん、お茶汲みとかいいですから……我々はコーヒーが飲みたくなったら勝手に淹れますから。それよりアリーさんも会議に参加してください。こちらは王国軍情報部のジュリアン・ルノール少佐です」
ガレスの紹介を受けて、アリーはあらためてお辞儀する。
「アリアンヌ・フォルモールと申します」
「よろしく、フォルモール女史。ガレスとはずいぶん打ち解けたそうですな」
「ジュリアン、おまえ、そういうのやめろよ!アリーさん、こいつの言うことは無視していいですからね!」
ガレスの顔は真っ赤である。
フリーズ直前である。
「ルノール少佐、違うんですのよ。ガレスさんと私は学問を通じた崇高な友情を育んでおりますの」
「ほうほう。なかむつまじくからあげを食べさせあっていたそうですが」
「どうしてそれを!?あれは私が一方的にからあげをガレスさんのお口につっこんでいただけで……」
(あっ……しまった)という顔をして口を押さえるアリーを見てジュリアンは爆笑するのだった。
23
お気に入りに追加
73
あなたにおすすめの小説
溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~
夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」
弟のその言葉は、晴天の霹靂。
アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。
しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。
醤油が欲しい、うにが食べたい。
レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。
既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・?
小説家になろうにも掲載しています。
異世界転生して悪役令嬢になったけど、元人格がワガママ過ぎて破滅回避できません!
柴野
恋愛
事故死し、妹が好んでいたweb小説の世界に転生してしまった主人公の愛。
転生先は悪役令嬢アイリーン・ライセット。妹から聞いた情報では、悪役令嬢には破滅が待っていて、それを回避するべく奔走するのがお決まりらしいのだが……。
「何よあんた、わたくしの体に勝手に入ってきて! これはわたくしの体よ、さっさと出ていきなさい!」
「破滅? そんなの知らないわ。わたくしこそが王妃になるに相応しい者なのよ!」
「完璧な淑女になるだなんて御免被るわ。わたくしはわたくしのやりたいようにするんだから!」
転生先の元人格である本当のアイリーンが邪魔してきて、破滅回避がままならないのだった。
同じ体に共存することになった愛とアイリーンの物語。
※第十九回書き出し祭りに参加した話を連載化したものです。
※小説家になろう、カクヨムで重複投稿しています。
美しい公爵様の、凄まじい独占欲と溺れるほどの愛
らがまふぃん
恋愛
こちらは以前投稿いたしました、 美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛 の続編となっております。前作よりマイルドな作品に仕上がっておりますが、内面のダークさが前作よりはあるのではなかろうかと。こちらのみでも楽しめるとは思いますが、わかりづらいかもしれません。よろしかったら前作をお読みいただいた方が、より楽しんでいただけるかと思いますので、お時間の都合のつく方は、是非。時々予告なく残酷な表現が入りますので、苦手な方はお控えください。 *早速のお気に入り登録、しおり、エールをありがとうございます。とても励みになります。前作もお読みくださっている方々にも、多大なる感謝を! ※R5.7/23本編完結いたしました。たくさんの方々に支えられ、ここまで続けることが出来ました。本当にありがとうございます。ばんがいへんを数話投稿いたしますので、引き続きお付き合いくださるとありがたいです。この作品の前作が、お気に入り登録をしてくださった方が、ありがたいことに200を超えておりました。感謝を込めて、前作の方に一話、近日中にお届けいたします。よろしかったらお付き合いください。 ※R5.8/6ばんがいへん終了いたしました。長い間お付き合いくださり、また、たくさんのお気に入り登録、しおり、エールを、本当にありがとうございました。 ※R5.9/3お気に入り登録200になっていました。本当にありがとうございます(泣)。嬉しかったので、一話書いてみました。 ※R5.10/30らがまふぃん活動一周年記念として、一話お届けいたします。 ※R6.1/27美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛(前作) と、こちらの作品の間のお話し 美しく冷酷な公爵令息様の、狂おしい熱情に彩られた愛 始めました。お時間の都合のつく方は、是非ご一読くださると嬉しいです。
*らがまふぃん活動二周年記念として、R6.11/4に一話お届けいたします。少しでも楽しんでいただけますように。
婚約破棄されたので、契約不履行により、秘密を明かします
tartan321
恋愛
婚約はある種の口止めだった。
だが、その婚約が破棄されてしまった以上、効力はない。しかも、婚約者は、悪役令嬢のスーザンだったのだ。
「へへへ、全部話しちゃいますか!!!」
悪役令嬢っぷりを発揮します!!!
転生したらただの女子生徒Aでしたが、何故か攻略対象の王子様から溺愛されています
平山和人
恋愛
平凡なOLの私はある日、事故にあって死んでしまいました。目が覚めるとそこは知らない天井、どうやら私は転生したみたいです。
生前そういう小説を読みまくっていたので、悪役令嬢に転生したと思いましたが、実際はストーリーに関わらないただの女子生徒Aでした。
絶望した私は地味に生きることを決意しましたが、なぜか攻略対象の王子様や悪役令嬢、更にヒロインにまで溺愛される羽目に。
しかも、私が聖女であることも判明し、国を揺るがす一大事に。果たして、私はモブらしく地味に生きていけるのでしょうか!?
少し先の未来が見える侯爵令嬢〜婚約破棄されたはずなのに、いつの間にか王太子様に溺愛されてしまいました。
ウマノホネ
恋愛
侯爵令嬢ユリア・ローレンツは、まさに婚約破棄されようとしていた。しかし、彼女はすでにわかっていた。自分がこれから婚約破棄を宣告されることを。
なぜなら、彼女は少し先の未来をみることができるから。
妹が仕掛けた冤罪により皆から嫌われ、婚約破棄されてしまったユリア。
しかし、全てを諦めて無気力になっていた彼女は、王国一の美青年レオンハルト王太子の命を助けることによって、運命が激変してしまう。
この話は、災難続きでちょっと人生を諦めていた彼女が、一つの出来事をきっかけで、クールだったはずの王太子にいつの間にか溺愛されてしまうというお話です。
*小説家になろう様からの転載です。
茶番には付き合っていられません
わらびもち
恋愛
私の婚約者の隣には何故かいつも同じ女性がいる。
婚約者の交流茶会にも彼女を同席させ仲睦まじく過ごす。
これではまるで私の方が邪魔者だ。
苦言を呈しようものなら彼は目を吊り上げて罵倒する。
どうして婚約者同士の交流にわざわざ部外者を連れてくるのか。
彼が何をしたいのかさっぱり分からない。
もうこんな茶番に付き合っていられない。
そんなにその女性を傍に置きたいのなら好きにすればいいわ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる