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5章 領都プリンシバル
67話 帰るまでが冒険です
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救助隊が到着したのを確認すると、俺たちはニノ森の待機場を後にした。
ザイラに先行してもらいながらニノ森を抜け帰路につく。途中、鳥の声や獣の気配は感じたが、襲ってくる魔物はいなかった。
「はあ、獲物は無し、冒険者らしい初めての討伐依頼は失敗になるのか」
「常駐依頼ですから失敗にはなりませんです。タダ働きになりますが。あ、経費を考えると赤字ですね。ザイラに頼んで手頃な獲物の狩りをさせましょうか」
気を使ってくれるルナステラさん。流石にそれは情けない。
「あ、誰か来ます」
俺たちの前から冒険者の一団が……いや、あれは先発隊から連絡を受けた救助隊の本隊か。
先発隊が伝令を出したのだろう、冒険者数人と私設騎士団、あとは荷馬車とともにニノ森に向かって移動していく。ちなみに道産子みたいな馬に引かれた荷馬車には男爵家の家令がちょこんと乗っていた。
なのでその他大勢のたまたま出会った冒険者ですよー、という顔をして挨拶だけしすれ違った。
やがて一ノ森の待機場に着く。
「待ってたぜにーちゃん。頼まれた仕事はやり遂げたぜ」
声をかけてきたのは少年三人のアグリ荷馬車隊。救助隊と一緒に引き返してきてここで待機してらしい。
「お前たち引き返してきたのか」
「当たり前だぜ。約束どおり、けが人はギルドに届けたぜ。救助隊が編成されて出発したので俺たちも一緒についてきたんだ」
「にーちゃんの荷物運びの仕事はまだ終わってねーからな」
リーダーのアグリと、べらんめえ調はカイトだったか。
「それが、なんやかやで獲物はないんだ。帰りに少しでも狩ろうかと……」
「これ見てくれよ」
俺の言い訳を遮ってアグリが自分の荷車を見せる。
そこには俺たちが狩ったボアの親が載っかっていた。
「こいつは捨てたんじゃなかったのか」
「もったいないからタグをつけて置いていったんだ。タグがあれば仲間内に俺たちの獲物ってわかるから。ま、魔獣に見つかったら食べられちゃうけどな」
「なんか森が騒がしいので寄ってこなかったみたいだぜ」
さすがだな、アグリ荷車隊。
「この大きさなら二ゴルドか三ゴルドで買い取ってもらえるな。いやあ、にーちゃんのご祝儀が楽しみだぜ」
褒めて損した。
一ノ森の待機場は救助隊のベースキャンプになっているらしい。
天幕を張って待機組が数人荷物番をしている。騎士見習いなんだろうか。
結構大掛かりな救助隊を組んだらしい。
俺たちとアグリ荷車隊は、あまり関わり合いにならないようにと帰路に着いた。
途中でザイラが鴨みたいなずんぐりむっくりした鳥を咥えて持って来た。
「ドードだ!」
「バカ鳥バカ鳥、これも買取してくれるぜ。でもこいつらバカだから群れで狩れりゃもっといい稼ぎになるだけど。普通は罠を張って追い込むんだ」
「うん俺たちも手伝ったことがあるな」
アグリたちがワイワイ言いながら荷車に積んでいる。
群れで生活してる獣なのか。
そういや昔、島で群生している鳥を百年くらいで食いつぶして絶滅させたとかいうのをテレビで見たなことがある。
ようやく一ノ森を抜け、やがて領都プリンシバルの城壁が見えてくる。
大門横の一般用入り口に並び、門番にギルドカードを見せ中へと入る。
「お疲れ様でーす」
「おう」
アグリ荷車隊は首にぶら下げたタグを見せながら慣れた感じで入っていく。
荷車と一緒に石畳の通りをまっすぐ進み、冒険者ギルドに到着。
「にーちゃんこっちだよ」
正面のロータリーをぐるっと回ってギルドの裏側にたどり着く。
アグリたちと同じような荷車や荷馬車が集まっている。冒険者たちが積み荷を受付に持っていっている。ここはギルドの素材集配所なのか。
「おっちゃん、でかいボアを持ってきたぜ。取れ立てのピチピチ、生きてるかもしれないぜ」
「とりあえずこっち持ってこい」
受付のおっちゃんに慣れた感じで交渉するアグリ。
ボアを受付の人たちが台車に乗せ、そのまま秤の上に乗せている。
秤は台秤。
テコの原理で重りを左右にスライドさせてバランスをとるやつ。といっても実物を見たのは初めてだけど。
「八十リブラだな。二ゴルドでどうだ?」
「安いよ。とれとれのピチピチなんだぜ。三ゴルドは出してもらわなきゃ」。
うん、買取交渉までやってくれるのか。さすが慣れているなあ。
「血抜きと解体してりゃそれくらいは出してやるよ」
「そんな、森の中で解体なんかしたら魔物が襲ってくるよ」
「だったら諦めな。それに昼前にボアの子供を持ってきただろ。結構な儲けになるんじゃねえか」
「え?」
「あ……」
「二ゴルドでいいよ、うん。ということで、にーちゃん二ゴルドだって。儲かったね」
話題をそれとなく変えようとするアグリ。
「へえ、魔物よけのためにボアの子を捨てながら帰ってきたんじゃないのか」
「それはそれ、これはこれということで」
「無理だよアグリ、バレてらあ」
「……ごめんなさい」
おとなしく三人が頭を下げる。
うん、慣れている奴らだ。別にいいけどね。
「じゃあそれはご祝儀ということにしといてやるよ」
「ほんと、ありがとうにーちゃん」
「さすがだぜ、太っ腹じゃねーか」
ちなみにドードは一羽二シルドだそうだ。
これ、一日中狩りをすれば結構な金になるんじゃないだろうか。でも命がけだしなあ。
近衛二番隊の1日三シルドってあれはどれだけ理不尽だったんだ。
買取価格を記録した木札をもらい、ギルドの受付に持っていく。
ふと思ったが今更ながら大変なことに気づく。
『リブラ』ってなんだ?
台秤で量って八十リブラって言ってたから重さの単位なのか。
ゴルド、シルド、ペンドにやっと慣れたと思ったが、今度はリブラを覚えなくちゃいけないの。どれくらいの重さなんだ? グラム、キログラム、トンとかあるのか。あ、独自の重さの単位があるのなら、長さの単位もオリジナルなのか。ああ、先は長い。
「食肉の常駐以来ですね。ご苦労様でした」
木札とギルドカードを受付のおねーさんに渡すと機械に通し、二ゴルド二シルドをトレイに乗せて渡してもらう。
まあ初めてのお仕事、いい経験をしたってことで。
入り口でたむろしていたアグリたちを呼び、一ゴルドを渡す。
「え、いいの? 勝手にボアの子供お金に変えたのに」
「最初の約束だしな。ご祝儀がわりだ、気にするな」
「ありがとー。またなんかあったら雇ってね。次は安くしとくぜ」とアグリ。
「いくらだ」と俺。
「一ゴルド」とカイト。
うんしっかりしている
「……ア、アリガト」
といってアグリの後ろに恥ずかしそうに隠れる最後の一人。
「あ、サノコアが喋った」
そうだサノコアだ。でもこの声って……サノコアって女の子?
「じゃあまたな」
そういって三人はギルドの外へ。
俺たちも帰ろうと思ったら、
「トーマさん」と俺たちを呼び止める声。
振り返ると受付のおねーさんが手招きしている。あ、怒ると怖いエルフのおねーさんだ。
「な、なんでしょうか?」
「明日おひまですか? おひまでしたら午前中にギルドへ来ていただきたいんですが。今日の詳しいお話をお聞きしたいと思いますので。よろしくお願いします」
「あの……まだ暇とも忙しいとも言ってないんですけど……」
「よろしくお願いします」
「あの……」
「よろしくお願いします」
ニコッと笑うおねーさん。
「……はい、わかりました」
うん、逆らえないです。
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「はあ、獲物は無し、冒険者らしい初めての討伐依頼は失敗になるのか」
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気を使ってくれるルナステラさん。流石にそれは情けない。
「あ、誰か来ます」
俺たちの前から冒険者の一団が……いや、あれは先発隊から連絡を受けた救助隊の本隊か。
先発隊が伝令を出したのだろう、冒険者数人と私設騎士団、あとは荷馬車とともにニノ森に向かって移動していく。ちなみに道産子みたいな馬に引かれた荷馬車には男爵家の家令がちょこんと乗っていた。
なのでその他大勢のたまたま出会った冒険者ですよー、という顔をして挨拶だけしすれ違った。
やがて一ノ森の待機場に着く。
「待ってたぜにーちゃん。頼まれた仕事はやり遂げたぜ」
声をかけてきたのは少年三人のアグリ荷馬車隊。救助隊と一緒に引き返してきてここで待機してらしい。
「お前たち引き返してきたのか」
「当たり前だぜ。約束どおり、けが人はギルドに届けたぜ。救助隊が編成されて出発したので俺たちも一緒についてきたんだ」
「にーちゃんの荷物運びの仕事はまだ終わってねーからな」
リーダーのアグリと、べらんめえ調はカイトだったか。
「それが、なんやかやで獲物はないんだ。帰りに少しでも狩ろうかと……」
「これ見てくれよ」
俺の言い訳を遮ってアグリが自分の荷車を見せる。
そこには俺たちが狩ったボアの親が載っかっていた。
「こいつは捨てたんじゃなかったのか」
「もったいないからタグをつけて置いていったんだ。タグがあれば仲間内に俺たちの獲物ってわかるから。ま、魔獣に見つかったら食べられちゃうけどな」
「なんか森が騒がしいので寄ってこなかったみたいだぜ」
さすがだな、アグリ荷車隊。
「この大きさなら二ゴルドか三ゴルドで買い取ってもらえるな。いやあ、にーちゃんのご祝儀が楽しみだぜ」
褒めて損した。
一ノ森の待機場は救助隊のベースキャンプになっているらしい。
天幕を張って待機組が数人荷物番をしている。騎士見習いなんだろうか。
結構大掛かりな救助隊を組んだらしい。
俺たちとアグリ荷車隊は、あまり関わり合いにならないようにと帰路に着いた。
途中でザイラが鴨みたいなずんぐりむっくりした鳥を咥えて持って来た。
「ドードだ!」
「バカ鳥バカ鳥、これも買取してくれるぜ。でもこいつらバカだから群れで狩れりゃもっといい稼ぎになるだけど。普通は罠を張って追い込むんだ」
「うん俺たちも手伝ったことがあるな」
アグリたちがワイワイ言いながら荷車に積んでいる。
群れで生活してる獣なのか。
そういや昔、島で群生している鳥を百年くらいで食いつぶして絶滅させたとかいうのをテレビで見たなことがある。
ようやく一ノ森を抜け、やがて領都プリンシバルの城壁が見えてくる。
大門横の一般用入り口に並び、門番にギルドカードを見せ中へと入る。
「お疲れ様でーす」
「おう」
アグリ荷車隊は首にぶら下げたタグを見せながら慣れた感じで入っていく。
荷車と一緒に石畳の通りをまっすぐ進み、冒険者ギルドに到着。
「にーちゃんこっちだよ」
正面のロータリーをぐるっと回ってギルドの裏側にたどり着く。
アグリたちと同じような荷車や荷馬車が集まっている。冒険者たちが積み荷を受付に持っていっている。ここはギルドの素材集配所なのか。
「おっちゃん、でかいボアを持ってきたぜ。取れ立てのピチピチ、生きてるかもしれないぜ」
「とりあえずこっち持ってこい」
受付のおっちゃんに慣れた感じで交渉するアグリ。
ボアを受付の人たちが台車に乗せ、そのまま秤の上に乗せている。
秤は台秤。
テコの原理で重りを左右にスライドさせてバランスをとるやつ。といっても実物を見たのは初めてだけど。
「八十リブラだな。二ゴルドでどうだ?」
「安いよ。とれとれのピチピチなんだぜ。三ゴルドは出してもらわなきゃ」。
うん、買取交渉までやってくれるのか。さすが慣れているなあ。
「血抜きと解体してりゃそれくらいは出してやるよ」
「そんな、森の中で解体なんかしたら魔物が襲ってくるよ」
「だったら諦めな。それに昼前にボアの子供を持ってきただろ。結構な儲けになるんじゃねえか」
「え?」
「あ……」
「二ゴルドでいいよ、うん。ということで、にーちゃん二ゴルドだって。儲かったね」
話題をそれとなく変えようとするアグリ。
「へえ、魔物よけのためにボアの子を捨てながら帰ってきたんじゃないのか」
「それはそれ、これはこれということで」
「無理だよアグリ、バレてらあ」
「……ごめんなさい」
おとなしく三人が頭を下げる。
うん、慣れている奴らだ。別にいいけどね。
「じゃあそれはご祝儀ということにしといてやるよ」
「ほんと、ありがとうにーちゃん」
「さすがだぜ、太っ腹じゃねーか」
ちなみにドードは一羽二シルドだそうだ。
これ、一日中狩りをすれば結構な金になるんじゃないだろうか。でも命がけだしなあ。
近衛二番隊の1日三シルドってあれはどれだけ理不尽だったんだ。
買取価格を記録した木札をもらい、ギルドの受付に持っていく。
ふと思ったが今更ながら大変なことに気づく。
『リブラ』ってなんだ?
台秤で量って八十リブラって言ってたから重さの単位なのか。
ゴルド、シルド、ペンドにやっと慣れたと思ったが、今度はリブラを覚えなくちゃいけないの。どれくらいの重さなんだ? グラム、キログラム、トンとかあるのか。あ、独自の重さの単位があるのなら、長さの単位もオリジナルなのか。ああ、先は長い。
「食肉の常駐以来ですね。ご苦労様でした」
木札とギルドカードを受付のおねーさんに渡すと機械に通し、二ゴルド二シルドをトレイに乗せて渡してもらう。
まあ初めてのお仕事、いい経験をしたってことで。
入り口でたむろしていたアグリたちを呼び、一ゴルドを渡す。
「え、いいの? 勝手にボアの子供お金に変えたのに」
「最初の約束だしな。ご祝儀がわりだ、気にするな」
「ありがとー。またなんかあったら雇ってね。次は安くしとくぜ」とアグリ。
「いくらだ」と俺。
「一ゴルド」とカイト。
うんしっかりしている
「……ア、アリガト」
といってアグリの後ろに恥ずかしそうに隠れる最後の一人。
「あ、サノコアが喋った」
そうだサノコアだ。でもこの声って……サノコアって女の子?
「じゃあまたな」
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俺たちも帰ろうと思ったら、
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振り返ると受付のおねーさんが手招きしている。あ、怒ると怖いエルフのおねーさんだ。
「な、なんでしょうか?」
「明日おひまですか? おひまでしたら午前中にギルドへ来ていただきたいんですが。今日の詳しいお話をお聞きしたいと思いますので。よろしくお願いします」
「あの……まだ暇とも忙しいとも言ってないんですけど……」
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