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3章 ペンチャーワゴン〜Paint Your Wagon〜
30話 撃滅サラマンダー作戦
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キンッ!
「なに!」
灰色狼が予想以上の速さで跳ぶ。ロサードさんが踏み込み、それに合わせて剣を振り切る。それを前足の爪で受けてかわす灰色狼。
なんて動きをするんだ。フォレストドッグの動きと桁違い。
着地した灰色狼は再び飛びかかろうと踏ん張る。が、ヒュンヒュンと目の前に矢が飛んでくる。バックステップでかわす灰色狼。
「なにやってるのロサード」
「お仕事してるんだよ」
「それはめずらしい」
あ、ディーさんだ。これで二対一だ……って自分のことは棚にあげる。
ガオオオオオルルッ
再び灰色狼は跳躍し、木の幹を蹴って方向を変え、ディーさんに襲いかかる。
三角飛びって……おまえは忍者犬か!
ディーさんは弓を捨て双剣を抜いてクロスに構える。
ガッ!
灰色狼の牙の洗礼を、とっさに双剣で受けるが弾き飛ばされるディーさん。
追い打ちをかける灰色狼に今度はロサードさんの剣が迫る。かわす灰色狼。
グアルルルルウッ
とどめをさせなかったのが悔しそう。
「何ちゅう速さだよ、トーマ、交代だ」
「はい! って、えええ?」
ロサードさんが俺を縦に後ろに下がる。
どうすんのどうすんの、そうだ身体強化だ、マナを身体中にグルグルしてって、できないよ! 意識してやったことないんだから! そうか、意識しなきゃいいんだ!
シャアッ!
いきなり灰色狼の意識が俺の方を向く。やばい! 俺は鬼切丸を両手で左上に構える。野球選手がバッターボックスに立つように。嘘のようだがこれが一番速く振ることができる。空振りするとえらい目にあうが。
その時ヒュンと光の塊が俺の横を通り過ぎる。
スガン!
「きゃああああっ」
振り向くとルナステラさんが吹っ飛ばされている。
「契約魔獣と戦う時は契約者を倒すのが一番にゃ」
ブエナさんも来た。
グアアアアアアッ!
灰色狼が俺に向かってダッシュ。俺は剣を振り抜く。スカ! 空振り!
狼は俺を飛び越え、ルナステラさんの元へ。振り向きかばうように俺たちを威嚇する。
ルナステラさんを護りに行ったのか? なんと健気な。
ズガン! ドガン! ズドン! とブエナさんの魔法が爆発する。が、全て灰色狼が体で受けている。もうフラフラだ。
ブエナさん容赦ないです。
「もらった!」
ロサードさんが灰色狼に向かって攻撃をかける。
「もうやめてぇ!」
なんと全身フラフラでそれでも仁王立ちの灰色狼を抱きしめるルナステラさん。
首筋で剣を寸止めするロサードさん。
「もうやめて! この子だけは殺さないで!」
狼を抱きしめ泣き崩れるルナステラさん。
う~ん、ロサードさんが悪役に見える。
「フォッフォッフォッ。よくやったルナステラ。時間稼ぎには十分じゃ」
なんとか星人みたいな笑い方をするじいさん魔導士、グラントさんが杖を持って仁王立ちしている。目の前の地面には、赤く発光する魔法陣。
「何もかも面倒くさいわい。こうなればわしが全てを片付けて、お宝を独り占めにしようかの」
ヤバイ、産毛がチリチリどころか身体中の毛が逆立ってくる。なんか本当にヤバイ感じがするんですけど。
「坊や、見せてやろう。我が精霊魔法を! 大魔導士グラントが命ずる! いでよ! 炎の大精霊サラマンダー!」
魔法陣の中の幾何学模様がうごめき、赤い光の粒子が拡散する。地響きが伝わり、そして光が収束して一つの形となる。
シャアアアルルルルッ!
そこには火の粉を撒き散らしながら、全身赤色に発光したトカゲのような生物が、ズズズと魔法陣から這い出して来た。
『精霊獣サラマンダー……契約の契りを……結びしモノ』
今度は精霊獣? 精霊獣ってなんだよ、おい、なんちゃって鑑定、ちゃんと説明しろよ!
『……zzz』
寝るなあっ!
「こいつ本当に精霊と契約してたのか……」
「どーするんですかロサードさん!」
「逃げるにきまってるだろ!」
俺たちは魔法陣から出現した異形の生物から距離をとる。
魔法陣から這い出した生物はまさに真っ赤なイグアナ。でも大きさがケタ違い。頭から尻尾まで全身四~五メートルくらい大きさ。グリーンイグアナのように全身鱗で覆われ、頭や背中に大きなトゲが乱立している。そして全身がボオッと光り、シャアッと鳴くたびに口から火の粉が舞い上がる。
「行けサラマンドよ! 逆らう不遜な奴らを我らが炎で燃やし尽くせ!」
シャアアアッ!
魔法陣が点滅する、サラマンダーが吠える。ボッボッボッと火の玉が飛んでくる。
振り返ったロサードさんがバスターソードで炎を切る。ボアアッと炎が四散する。
「剣で炎を切ってる!」
「マナを剣に流し込んで切るのよねえ。真似しようと思ったらダメよ、普通はできないから」
ディーさんに言われなくても真似なんかするわけない。
とにかく炎から逃げる。逃げ足だけは早いってブエナさんも言っていた。それもどうかと思うけど。
「広場まで引くぞ! ディー! 迎撃の準備はできてるんだろうな」
「たぶん、みんなも馬鹿じゃない! わあっ」
とにかく次々と飛んでくる火の玉の直撃を避けて広場のみんなのところまで逃げる、じゃなくて転進をする。逃げながらブエナさんが魔法を放つが全く効いていない。
避けた火の玉が地面や木々にぶつかり爆発して炎を撒き散らす。
その炎がブエナさんを直撃する。
「きゃあああ」
「「ブエナ!」」
え? ブエナさん……
そこにはローブを焦がして倒れているブエナさんの姿があった。
「ブエナさん!」
あいつの炎にやられたのか!
ブエナさんの前にロサードさんが立つ。
「ディー! トーマ! みんなを呼んでこい!」
ディーさんは身を翻して広場へ向かって走る。
俺は……
こ、この野郎……
サラマンダーが口の周りから火の粉を撒き散らしながらノシノシと近づいてくる。
イライラする……
赤く光る魔法陣の後ろで勝ち誇ったように仁王立ちのじいさん魔導士。
イライラする……
じいさんがブツブツ言うたびに魔法陣の模様が変わる。それに合わせてサラマンダーが唸りながら炎の塊を吐く。
倒れた狼を抱きしめたまま、全てを諦めたように座って動かないルナステラさんが目に入る。
ロサードさんが叫んでいる。
両手に抱き上げられたブエナさんを見たとき、ふと思い出す。
『契約魔獣と戦う時は契約者を倒すのが一番にゃ』
じゃあ契約精霊と戦う時は……
うん~と、なんでいつも一か八かの作戦しか思いつかないんだよ!
俺はぼっち大学生だぞ! しがないEランク冒険者だぞ!
俺は鬼切丸を担ぎ、サラマンダーに向かって全力で走る。
「うおおおおおおおっ!」
「やめろトーマ! 精霊獣に剣は効かん!」
ブエナさんをお姫様抱っこしたロサードさんが叫ぶ。
全身にマナを巡らせて身体強化に使い……たいなあと思い、ついでにロサードさんのように鬼切丸にもマナを流し……たいなあと思う。とにかく思う!
炎が飛んでくる!
「んぎゃあっ!」
熱い! 剣で切らずにギリギリで交わす。炎が髪の毛を焼く。そのままサラマンダーの横をすり抜け、愛刀鬼切丸を大上段に構えジャンプする!
じいさん魔導士は俺の接近にニヤッと笑って杖を構える。
おそらく近接戦闘にも自信があるんだろう。
でもお前じゃない!
「うおおおおおおっ!」
ドガガガガーン!
ギャオオオオオオオッ!
振り下ろした鬼切丸は真っ赤に輝く魔法陣を叩き割った!
光の粒子が拡散する! その衝撃で、俺はじいさん魔導士と共に吹き飛ばされる。
魔法陣という制御が破壊されたサラマンダーは、苦しみのたうちまわる。
「バカモン! なんちゅうことをするんじゃ~! 落ち着けサラマンド! ワシじゃグラントじゃ! わしの言うことを聞……」
苦しむサラマンダーが、うるさく喚き散らす魔導士を視界に捉えると、一気に炎を吐き出した。恨みを込めたように。
「ぐあああああああっ」
自称大魔導士グラントは断末魔と共に炎となってのたうちまわり、やがて黒い塊となって動かなくなった。
グオオオオアアアッ!
赤の輝きがサラマンダーの身体を活性化させる。苦しみから逃れるように雄叫びをあげ、炎を撒き散らしながら俺たちに向かって暴走を始めた。
「あ…あれ? なんで消えないの? 契約者を倒したのに」
「制御している者が死んだら暴走するに決まってんだろ!」
炎を避けながらロサードさんが叫ぶ。
「あ、あれ? やばかった?」
「逃げろバカ!」
「わああああああっ」
「なに!」
灰色狼が予想以上の速さで跳ぶ。ロサードさんが踏み込み、それに合わせて剣を振り切る。それを前足の爪で受けてかわす灰色狼。
なんて動きをするんだ。フォレストドッグの動きと桁違い。
着地した灰色狼は再び飛びかかろうと踏ん張る。が、ヒュンヒュンと目の前に矢が飛んでくる。バックステップでかわす灰色狼。
「なにやってるのロサード」
「お仕事してるんだよ」
「それはめずらしい」
あ、ディーさんだ。これで二対一だ……って自分のことは棚にあげる。
ガオオオオオルルッ
再び灰色狼は跳躍し、木の幹を蹴って方向を変え、ディーさんに襲いかかる。
三角飛びって……おまえは忍者犬か!
ディーさんは弓を捨て双剣を抜いてクロスに構える。
ガッ!
灰色狼の牙の洗礼を、とっさに双剣で受けるが弾き飛ばされるディーさん。
追い打ちをかける灰色狼に今度はロサードさんの剣が迫る。かわす灰色狼。
グアルルルルウッ
とどめをさせなかったのが悔しそう。
「何ちゅう速さだよ、トーマ、交代だ」
「はい! って、えええ?」
ロサードさんが俺を縦に後ろに下がる。
どうすんのどうすんの、そうだ身体強化だ、マナを身体中にグルグルしてって、できないよ! 意識してやったことないんだから! そうか、意識しなきゃいいんだ!
シャアッ!
いきなり灰色狼の意識が俺の方を向く。やばい! 俺は鬼切丸を両手で左上に構える。野球選手がバッターボックスに立つように。嘘のようだがこれが一番速く振ることができる。空振りするとえらい目にあうが。
その時ヒュンと光の塊が俺の横を通り過ぎる。
スガン!
「きゃああああっ」
振り向くとルナステラさんが吹っ飛ばされている。
「契約魔獣と戦う時は契約者を倒すのが一番にゃ」
ブエナさんも来た。
グアアアアアアッ!
灰色狼が俺に向かってダッシュ。俺は剣を振り抜く。スカ! 空振り!
狼は俺を飛び越え、ルナステラさんの元へ。振り向きかばうように俺たちを威嚇する。
ルナステラさんを護りに行ったのか? なんと健気な。
ズガン! ドガン! ズドン! とブエナさんの魔法が爆発する。が、全て灰色狼が体で受けている。もうフラフラだ。
ブエナさん容赦ないです。
「もらった!」
ロサードさんが灰色狼に向かって攻撃をかける。
「もうやめてぇ!」
なんと全身フラフラでそれでも仁王立ちの灰色狼を抱きしめるルナステラさん。
首筋で剣を寸止めするロサードさん。
「もうやめて! この子だけは殺さないで!」
狼を抱きしめ泣き崩れるルナステラさん。
う~ん、ロサードさんが悪役に見える。
「フォッフォッフォッ。よくやったルナステラ。時間稼ぎには十分じゃ」
なんとか星人みたいな笑い方をするじいさん魔導士、グラントさんが杖を持って仁王立ちしている。目の前の地面には、赤く発光する魔法陣。
「何もかも面倒くさいわい。こうなればわしが全てを片付けて、お宝を独り占めにしようかの」
ヤバイ、産毛がチリチリどころか身体中の毛が逆立ってくる。なんか本当にヤバイ感じがするんですけど。
「坊や、見せてやろう。我が精霊魔法を! 大魔導士グラントが命ずる! いでよ! 炎の大精霊サラマンダー!」
魔法陣の中の幾何学模様がうごめき、赤い光の粒子が拡散する。地響きが伝わり、そして光が収束して一つの形となる。
シャアアアルルルルッ!
そこには火の粉を撒き散らしながら、全身赤色に発光したトカゲのような生物が、ズズズと魔法陣から這い出して来た。
『精霊獣サラマンダー……契約の契りを……結びしモノ』
今度は精霊獣? 精霊獣ってなんだよ、おい、なんちゃって鑑定、ちゃんと説明しろよ!
『……zzz』
寝るなあっ!
「こいつ本当に精霊と契約してたのか……」
「どーするんですかロサードさん!」
「逃げるにきまってるだろ!」
俺たちは魔法陣から出現した異形の生物から距離をとる。
魔法陣から這い出した生物はまさに真っ赤なイグアナ。でも大きさがケタ違い。頭から尻尾まで全身四~五メートルくらい大きさ。グリーンイグアナのように全身鱗で覆われ、頭や背中に大きなトゲが乱立している。そして全身がボオッと光り、シャアッと鳴くたびに口から火の粉が舞い上がる。
「行けサラマンドよ! 逆らう不遜な奴らを我らが炎で燃やし尽くせ!」
シャアアアッ!
魔法陣が点滅する、サラマンダーが吠える。ボッボッボッと火の玉が飛んでくる。
振り返ったロサードさんがバスターソードで炎を切る。ボアアッと炎が四散する。
「剣で炎を切ってる!」
「マナを剣に流し込んで切るのよねえ。真似しようと思ったらダメよ、普通はできないから」
ディーさんに言われなくても真似なんかするわけない。
とにかく炎から逃げる。逃げ足だけは早いってブエナさんも言っていた。それもどうかと思うけど。
「広場まで引くぞ! ディー! 迎撃の準備はできてるんだろうな」
「たぶん、みんなも馬鹿じゃない! わあっ」
とにかく次々と飛んでくる火の玉の直撃を避けて広場のみんなのところまで逃げる、じゃなくて転進をする。逃げながらブエナさんが魔法を放つが全く効いていない。
避けた火の玉が地面や木々にぶつかり爆発して炎を撒き散らす。
その炎がブエナさんを直撃する。
「きゃあああ」
「「ブエナ!」」
え? ブエナさん……
そこにはローブを焦がして倒れているブエナさんの姿があった。
「ブエナさん!」
あいつの炎にやられたのか!
ブエナさんの前にロサードさんが立つ。
「ディー! トーマ! みんなを呼んでこい!」
ディーさんは身を翻して広場へ向かって走る。
俺は……
こ、この野郎……
サラマンダーが口の周りから火の粉を撒き散らしながらノシノシと近づいてくる。
イライラする……
赤く光る魔法陣の後ろで勝ち誇ったように仁王立ちのじいさん魔導士。
イライラする……
じいさんがブツブツ言うたびに魔法陣の模様が変わる。それに合わせてサラマンダーが唸りながら炎の塊を吐く。
倒れた狼を抱きしめたまま、全てを諦めたように座って動かないルナステラさんが目に入る。
ロサードさんが叫んでいる。
両手に抱き上げられたブエナさんを見たとき、ふと思い出す。
『契約魔獣と戦う時は契約者を倒すのが一番にゃ』
じゃあ契約精霊と戦う時は……
うん~と、なんでいつも一か八かの作戦しか思いつかないんだよ!
俺はぼっち大学生だぞ! しがないEランク冒険者だぞ!
俺は鬼切丸を担ぎ、サラマンダーに向かって全力で走る。
「うおおおおおおおっ!」
「やめろトーマ! 精霊獣に剣は効かん!」
ブエナさんをお姫様抱っこしたロサードさんが叫ぶ。
全身にマナを巡らせて身体強化に使い……たいなあと思い、ついでにロサードさんのように鬼切丸にもマナを流し……たいなあと思う。とにかく思う!
炎が飛んでくる!
「んぎゃあっ!」
熱い! 剣で切らずにギリギリで交わす。炎が髪の毛を焼く。そのままサラマンダーの横をすり抜け、愛刀鬼切丸を大上段に構えジャンプする!
じいさん魔導士は俺の接近にニヤッと笑って杖を構える。
おそらく近接戦闘にも自信があるんだろう。
でもお前じゃない!
「うおおおおおおっ!」
ドガガガガーン!
ギャオオオオオオオッ!
振り下ろした鬼切丸は真っ赤に輝く魔法陣を叩き割った!
光の粒子が拡散する! その衝撃で、俺はじいさん魔導士と共に吹き飛ばされる。
魔法陣という制御が破壊されたサラマンダーは、苦しみのたうちまわる。
「バカモン! なんちゅうことをするんじゃ~! 落ち着けサラマンド! ワシじゃグラントじゃ! わしの言うことを聞……」
苦しむサラマンダーが、うるさく喚き散らす魔導士を視界に捉えると、一気に炎を吐き出した。恨みを込めたように。
「ぐあああああああっ」
自称大魔導士グラントは断末魔と共に炎となってのたうちまわり、やがて黒い塊となって動かなくなった。
グオオオオアアアッ!
赤の輝きがサラマンダーの身体を活性化させる。苦しみから逃れるように雄叫びをあげ、炎を撒き散らしながら俺たちに向かって暴走を始めた。
「あ…あれ? なんで消えないの? 契約者を倒したのに」
「制御している者が死んだら暴走するに決まってんだろ!」
炎を避けながらロサードさんが叫ぶ。
「あ、あれ? やばかった?」
「逃げろバカ!」
「わああああああっ」
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