26 / 71
3章 ペンチャーワゴン〜Paint Your Wagon〜
26話 うん知ってた
しおりを挟む
草原にかすかに残る轍に沿って、我ら幌馬車隊は大森林に向かって進んでいく。
ぶっ通しの強行軍ではなく、時々馬車を止め休息をとる。
道産子? たちは足元の草を喰み、馬車に積んだ樽から桶に水をもらいゴブゴブと飲み干している。
俺たちのいる馬車に積んでいる干し草は、山に入り込んでからの餌だそうな。
二、三時間ごとに十五分ほどの休息を繰り返す。
まず道産子の休息。ついでにトイレ休憩。男女共々馬車から少し離れ、キジを撃ったり花を摘んだりしている。
荷馬車の進行スピードは遅い。全速力で走れば四十、五十キロは出るんだろうけど、数分でバテて一日使いもんにならなくなるらしい。
いかにして長距離を重たい荷物を積んで進めるか、だから休み休みエネルギーを補給しながら進んでいくんだろう……多分。
これで魔法のバッグとかは存在しないかとんでもなく高価なのが分かる。
そんなもんがたやすく手に入るのなら荷馬車の荷物をぜーんぶ詰めればいい。
トコトコ隊商を組むというのはそういうことなんだろうだろう。
ちなみに長距離を一番早く進めるのは……これが人間の足なのである。
江戸時代の旅人は日の出前から日没まで一日四十kmは歩いていたらしい。これを繰り返して江戸から京都まで五百キロ近い距離を十四、十五日でたどり着いた。……と、小説に書いてあった。
俺たちの食事は干し肉と黒パンと水。腹が減ったら勝手にそれを馬車の中で食べるだけ。ブエナさんは起きるごとに干し肉をかじっていた。
嗚呼、マヨネーズのたっぷりかかったキャベツが食いたい。
ちなみにマヨネーズの作り方なんて全然知らん。だから食テロで大儲けなんてことはハナから諦めている。
やがて隊商は草原からポツポツ木の生えた林を通り抜け、夕暮れになってようやく鉱山都市へ向かう大森林の入り口にさしかかったところで停止する。
中継地点の簡易宿泊所はあるらしい。
今日の行程はここまで。
ここで英気を養い、明日からの大森林を突き進む本格的行軍に備えるらしい。
馬車を降りてボキボキとストレッチをしていると、何やらざわざわと緊張感が漂ってくる。
冒険者の人たちが集まっているところへ様子を見に行くと、そこには燃え落ちた簡易宿泊所なんだろう建物の残骸が……。
「くそ、誰がこんなことを!」
「井戸を調べろ!」
ロサードさんが冒険者と従業員に指示を出している。
これだけ見るとかっこよくて頼り甲斐のありそうな冒険者なんだけど。
ここは森から鉱山への中継地点となるはずだった簡易宿泊所。まあ、掘建小屋と丸太で作った柵だけの簡易宿泊所……の残骸。
小屋は燃え落ちて柵の原型はなく丸太が散乱している。
燃え落ちた小屋をかき分け何かを探している従業員たち。
「あった! 井戸は無事だ。潰されていない」
そうか水だ。小屋は井戸を守ってたんだ。
「とにかく汲み上げてみろ」
桶に縄をつけて水を汲む従業員たち。ポンプはないんだろうか。
ちなみにポンプの作り方も知らないから。
「大丈夫だ。濁りはない、飲めるぞ」
そう言って従業員が桶を持ち上げて飲もうとした。
「待て!」
ロサードさんが従業員の腕を押さえ、水を一口含み……吐き出した。
「毒だ」
「くそっ! やってくれるぜ。どうせゴルドフィンの奴らの嫌がらせだろ」
「嫌がらせで小屋を焼いたり井戸に毒を入れたりするか普通」
「ただの嫌がらせじゃないんだろうな」
「馬を外して馬車を円形に並べろ。馬はその中へ、森に向かって防御柵を作れ。壊れた柵の丸太が使える。そのあと焚き火を三箇所作る。燃え落ちた小屋の木が使えるだろ。水も食料も手持ちのもの以外使うなよ」
ロサードさんがテキパキと冒険者たちを動かす。
「トーマ! お前は馬車の干し草と水を馬にやれ。地面の草は喰わすなよ」
多分、井戸に毒を入れたやつが、どこに毒を撒いているかわからないということだろう。
でも、何もんなんだろうって今更か。
御者の人が馬車を一台一台方円に並べては馬を取り外す。
俺は周りをウロウロするだけ、何お役にも立ってないな。
そうしているうちに俺たちの馬車の順番になった。
「どれ、わしらも手伝おうかの。ルナ、お前は休んでおけ」
「……ハイです」
「すまんのう、ちょっと体調が悪いみたいじゃ」
「大丈夫ですか」
「何ちょっと疲れただけじゃ、そのかわりわしが手伝おう。なにまだまだ若いものには負けん」
じいさん魔道士が作業に加わる。
乗っていた馬車から干し草を下ろして、馬車に囲まれた道産子たちの前に何箇所か積み上げる。
ワシワシと干し草に食らいつく道産子達。桶に水を入れ一緒に置く。
やがて陽は落ち、三箇所の焚き火だけが俺たちのキャンプに灯をともす……ことはなく、今夜は満月。
大きな黄色い月の明かりを見上げるとなぜかホッとする。
焚き火の周りでは夕食の準備が進む。どうやら夕食は非常食ではないらしい。
馬車を円形に並べその真ん中に馬を放牧、三箇所の焚き火の前には大森林の出入り口に向かって丸太で作った柵が広がっている。柵と言っても丸太を二本エックス型にしばって立て、間に丸太を渡した簡易的なもの。
森の出入り口。もちろんドアがあるわけでもない。
いくら原生林と言っても鉱山都市まで行く通路には違いない。それなりに伐採され馬車二台分ぐらいの道が森の奥に向かって切り開かれている。
さて、何に対しての柵なんだろうか。
森からなんか出てくるんだろうなあ。
焚き火の前で食事が始まる。冒険者のお兄さんとお姉さんが数人で料理をしている。お肉たっぷりの野菜スープと黒パン。おお、これはご馳走だとは思えないけど、アウトドアでキャンプファイヤーを囲んでみんなで食事するみたいな……ものすごく美味しい、ウキウキする。
緊張感漂いながら静かに食事をしている他の人たちには申し訳ないんだけど。元の世界で友達とキャンプなんかの経験がないもんで。
「ゴルドフィン商会のやつ、何でこんな嫌がらせを」
「嫌がらせで済めばいいけどね」
「それがこの柵か」
「おーいロサード、やっぱり襲ってくるのか」
「さあな、盗賊か魔物か何が襲ってくるかはわからんが……毒まで使ってイタヅラとは思えないんでな」
「ラトーナ商会への嫌がらせはわかるけどなんで『行き』なんだ? 生活物資しか積んでいないぜ? 『帰り』なら鉱山で採集した魔鉱石の運搬になるんだろうから、襲われれば大打撃になるんだけど……」
「生活物資以外にも積んでたりして」
「何……」
「あ、すいませんすいません。ただの思いつきです」
何気なく会話に参加してしまった。周りの冒険者たちから睨まれる。ロサードさんはなんかため息をついている。
「思いつきで怖いこと言うなよ」
シン……
空気が変わる。
森の方から冒険者が走ってくる。あ、ディーさんだ。柵を飛び越え俺たちの元へ。
「来るぞ。フォレストドッグ、山犬の群れだ」
「どれくらいだ?」
「ざっと見ただけで三十」
「多目に見ても四十くらいか」
「それから後ろからフォレストベアが……」
「フォレストベアだと!」
斥候に出てたらしいディーさんから報告を受けるロサードさん。他の冒険者も絶句している。
月明かりと焚き火の炎が、大森林の出入り口を照らす。
最初は小さな二つの赤い光だった。それは四つになり八つになる。そして一対づつの光がそれぞれ独立して動き出す。
フォレストドッグの両目が焚き火の光を反射しているのか、赤い光はどんどん数を増していく。
「気をつけろ、全部赤目だ。ありゃ魔獣化しているねえ」
「魔獣化?」
「そうだ。この森林はマナが豊富なのよ。だからマナ溜まりがあっちこっちにできる。普通の動物や魔物や昆虫が、マナ溜まりでマナを取り込んで魔獣化するのよねえ」
「魔獣化するとどうなるんですか?」
「凶暴になって強くなって……人間がご馳走に見えてくる」
あのな。
「どうやって倒すんですか?」
「根性だ!」
おい!
後ろに回って弓を構えているディーさんが、何の役にも立たないことを解説してくれる。
「戦闘準備だ! 気合い入れろ!」
ロサードさんの号令がかかる。
やっぱり森からなんかが来た。
フォレストドッグがどれほど危険なのかはわからない。でもフォレストベア、森のくまさん? と聞けば可愛いけど、冒険者たちの反応からすれば多分とんでもない奴なんだろう。
俺はまた、命がけの戦闘に巻き込まれていく。
どこが簡単な護衛のお仕事だ! うん、知ってた。
ぶっ通しの強行軍ではなく、時々馬車を止め休息をとる。
道産子? たちは足元の草を喰み、馬車に積んだ樽から桶に水をもらいゴブゴブと飲み干している。
俺たちのいる馬車に積んでいる干し草は、山に入り込んでからの餌だそうな。
二、三時間ごとに十五分ほどの休息を繰り返す。
まず道産子の休息。ついでにトイレ休憩。男女共々馬車から少し離れ、キジを撃ったり花を摘んだりしている。
荷馬車の進行スピードは遅い。全速力で走れば四十、五十キロは出るんだろうけど、数分でバテて一日使いもんにならなくなるらしい。
いかにして長距離を重たい荷物を積んで進めるか、だから休み休みエネルギーを補給しながら進んでいくんだろう……多分。
これで魔法のバッグとかは存在しないかとんでもなく高価なのが分かる。
そんなもんがたやすく手に入るのなら荷馬車の荷物をぜーんぶ詰めればいい。
トコトコ隊商を組むというのはそういうことなんだろうだろう。
ちなみに長距離を一番早く進めるのは……これが人間の足なのである。
江戸時代の旅人は日の出前から日没まで一日四十kmは歩いていたらしい。これを繰り返して江戸から京都まで五百キロ近い距離を十四、十五日でたどり着いた。……と、小説に書いてあった。
俺たちの食事は干し肉と黒パンと水。腹が減ったら勝手にそれを馬車の中で食べるだけ。ブエナさんは起きるごとに干し肉をかじっていた。
嗚呼、マヨネーズのたっぷりかかったキャベツが食いたい。
ちなみにマヨネーズの作り方なんて全然知らん。だから食テロで大儲けなんてことはハナから諦めている。
やがて隊商は草原からポツポツ木の生えた林を通り抜け、夕暮れになってようやく鉱山都市へ向かう大森林の入り口にさしかかったところで停止する。
中継地点の簡易宿泊所はあるらしい。
今日の行程はここまで。
ここで英気を養い、明日からの大森林を突き進む本格的行軍に備えるらしい。
馬車を降りてボキボキとストレッチをしていると、何やらざわざわと緊張感が漂ってくる。
冒険者の人たちが集まっているところへ様子を見に行くと、そこには燃え落ちた簡易宿泊所なんだろう建物の残骸が……。
「くそ、誰がこんなことを!」
「井戸を調べろ!」
ロサードさんが冒険者と従業員に指示を出している。
これだけ見るとかっこよくて頼り甲斐のありそうな冒険者なんだけど。
ここは森から鉱山への中継地点となるはずだった簡易宿泊所。まあ、掘建小屋と丸太で作った柵だけの簡易宿泊所……の残骸。
小屋は燃え落ちて柵の原型はなく丸太が散乱している。
燃え落ちた小屋をかき分け何かを探している従業員たち。
「あった! 井戸は無事だ。潰されていない」
そうか水だ。小屋は井戸を守ってたんだ。
「とにかく汲み上げてみろ」
桶に縄をつけて水を汲む従業員たち。ポンプはないんだろうか。
ちなみにポンプの作り方も知らないから。
「大丈夫だ。濁りはない、飲めるぞ」
そう言って従業員が桶を持ち上げて飲もうとした。
「待て!」
ロサードさんが従業員の腕を押さえ、水を一口含み……吐き出した。
「毒だ」
「くそっ! やってくれるぜ。どうせゴルドフィンの奴らの嫌がらせだろ」
「嫌がらせで小屋を焼いたり井戸に毒を入れたりするか普通」
「ただの嫌がらせじゃないんだろうな」
「馬を外して馬車を円形に並べろ。馬はその中へ、森に向かって防御柵を作れ。壊れた柵の丸太が使える。そのあと焚き火を三箇所作る。燃え落ちた小屋の木が使えるだろ。水も食料も手持ちのもの以外使うなよ」
ロサードさんがテキパキと冒険者たちを動かす。
「トーマ! お前は馬車の干し草と水を馬にやれ。地面の草は喰わすなよ」
多分、井戸に毒を入れたやつが、どこに毒を撒いているかわからないということだろう。
でも、何もんなんだろうって今更か。
御者の人が馬車を一台一台方円に並べては馬を取り外す。
俺は周りをウロウロするだけ、何お役にも立ってないな。
そうしているうちに俺たちの馬車の順番になった。
「どれ、わしらも手伝おうかの。ルナ、お前は休んでおけ」
「……ハイです」
「すまんのう、ちょっと体調が悪いみたいじゃ」
「大丈夫ですか」
「何ちょっと疲れただけじゃ、そのかわりわしが手伝おう。なにまだまだ若いものには負けん」
じいさん魔道士が作業に加わる。
乗っていた馬車から干し草を下ろして、馬車に囲まれた道産子たちの前に何箇所か積み上げる。
ワシワシと干し草に食らいつく道産子達。桶に水を入れ一緒に置く。
やがて陽は落ち、三箇所の焚き火だけが俺たちのキャンプに灯をともす……ことはなく、今夜は満月。
大きな黄色い月の明かりを見上げるとなぜかホッとする。
焚き火の周りでは夕食の準備が進む。どうやら夕食は非常食ではないらしい。
馬車を円形に並べその真ん中に馬を放牧、三箇所の焚き火の前には大森林の出入り口に向かって丸太で作った柵が広がっている。柵と言っても丸太を二本エックス型にしばって立て、間に丸太を渡した簡易的なもの。
森の出入り口。もちろんドアがあるわけでもない。
いくら原生林と言っても鉱山都市まで行く通路には違いない。それなりに伐採され馬車二台分ぐらいの道が森の奥に向かって切り開かれている。
さて、何に対しての柵なんだろうか。
森からなんか出てくるんだろうなあ。
焚き火の前で食事が始まる。冒険者のお兄さんとお姉さんが数人で料理をしている。お肉たっぷりの野菜スープと黒パン。おお、これはご馳走だとは思えないけど、アウトドアでキャンプファイヤーを囲んでみんなで食事するみたいな……ものすごく美味しい、ウキウキする。
緊張感漂いながら静かに食事をしている他の人たちには申し訳ないんだけど。元の世界で友達とキャンプなんかの経験がないもんで。
「ゴルドフィン商会のやつ、何でこんな嫌がらせを」
「嫌がらせで済めばいいけどね」
「それがこの柵か」
「おーいロサード、やっぱり襲ってくるのか」
「さあな、盗賊か魔物か何が襲ってくるかはわからんが……毒まで使ってイタヅラとは思えないんでな」
「ラトーナ商会への嫌がらせはわかるけどなんで『行き』なんだ? 生活物資しか積んでいないぜ? 『帰り』なら鉱山で採集した魔鉱石の運搬になるんだろうから、襲われれば大打撃になるんだけど……」
「生活物資以外にも積んでたりして」
「何……」
「あ、すいませんすいません。ただの思いつきです」
何気なく会話に参加してしまった。周りの冒険者たちから睨まれる。ロサードさんはなんかため息をついている。
「思いつきで怖いこと言うなよ」
シン……
空気が変わる。
森の方から冒険者が走ってくる。あ、ディーさんだ。柵を飛び越え俺たちの元へ。
「来るぞ。フォレストドッグ、山犬の群れだ」
「どれくらいだ?」
「ざっと見ただけで三十」
「多目に見ても四十くらいか」
「それから後ろからフォレストベアが……」
「フォレストベアだと!」
斥候に出てたらしいディーさんから報告を受けるロサードさん。他の冒険者も絶句している。
月明かりと焚き火の炎が、大森林の出入り口を照らす。
最初は小さな二つの赤い光だった。それは四つになり八つになる。そして一対づつの光がそれぞれ独立して動き出す。
フォレストドッグの両目が焚き火の光を反射しているのか、赤い光はどんどん数を増していく。
「気をつけろ、全部赤目だ。ありゃ魔獣化しているねえ」
「魔獣化?」
「そうだ。この森林はマナが豊富なのよ。だからマナ溜まりがあっちこっちにできる。普通の動物や魔物や昆虫が、マナ溜まりでマナを取り込んで魔獣化するのよねえ」
「魔獣化するとどうなるんですか?」
「凶暴になって強くなって……人間がご馳走に見えてくる」
あのな。
「どうやって倒すんですか?」
「根性だ!」
おい!
後ろに回って弓を構えているディーさんが、何の役にも立たないことを解説してくれる。
「戦闘準備だ! 気合い入れろ!」
ロサードさんの号令がかかる。
やっぱり森からなんかが来た。
フォレストドッグがどれほど危険なのかはわからない。でもフォレストベア、森のくまさん? と聞けば可愛いけど、冒険者たちの反応からすれば多分とんでもない奴なんだろう。
俺はまた、命がけの戦闘に巻き込まれていく。
どこが簡単な護衛のお仕事だ! うん、知ってた。
0
お気に入りに追加
71
あなたにおすすめの小説
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。

結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。

愛していました。待っていました。でもさようなら。
彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。
やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

騎士団長のお抱え薬師
衣更月
ファンタジー
辺境の町ハノンで暮らすイヴは、四大元素の火、風、水、土の属性から弾かれたハズレ属性、聖属性持ちだ。
聖属性持ちは意外と多く、ハズレ属性と言われるだけあって飽和状態。聖属性持ちの女性は結婚に逃げがちだが、イヴの年齢では結婚はできない。家業があれば良かったのだが、平民で天涯孤独となった身の上である。
後ろ盾は一切なく、自分の身は自分で守らなければならない。
なのに、求人依頼に聖属性は殆ど出ない。
そんな折、獣人の国が聖属性を募集していると話を聞き、出国を決意する。
場所は隣国。
しかもハノンの隣。
迎えに来たのは見上げるほど背の高い美丈夫で、なぜかイヴに威圧的な騎士団長だった。
大きな事件は起きないし、意外と獣人は優しい。なのに、団長だけは怖い。
イヴの団長克服の日々が始まる―ー―。
転生したらチートすぎて逆に怖い
至宝里清
ファンタジー
前世は苦労性のお姉ちゃん
愛されることを望んでいた…
神様のミスで刺されて転生!
運命の番と出会って…?
貰った能力は努力次第でスーパーチート!
番と幸せになるために無双します!
溺愛する家族もだいすき!
恋愛です!
無事1章完結しました!

捨てられた転生幼女は無自重無双する
紅 蓮也
ファンタジー
スクラルド王国の筆頭公爵家の次女として生を受けた三歳になるアイリス・フォン・アリステラは、次期当主である年の離れた兄以外の家族と兄がつけたアイリスの専属メイドとアイリスに拾われ恩義のある専属騎士以外の使用人から疎まれていた。
アイリスを疎ましく思っている者たちや一部の者以外は知らないがアイリスは転生者でもあった。
ある日、寝ているとアイリスの部屋に誰かが入ってきて、アイリスは連れ去られた。
アイリスは、肌寒さを感じ目を覚ますと近くにその場から去ろうとしている人の声が聞こえた。
去ろうとしている人物は父と母だった。
ここで声を出し、起きていることがバレると最悪、殺されてしまう可能性があるので、寝たふりをして二人が去るのを待っていたが、そのまま本当に寝てしまい二人が去った後に近づいて来た者に気づくことが出来ず、また何処かに連れていかれた。
朝になり起こしに来た専属メイドが、アイリスがいない事を当主に報告し、疎ましく思っていたくせに当主と夫人は騒ぎたて、当主はアイリスを探そうともせずに、その場でアイリスが誘拐された責任として、専属メイドと専属騎士にクビを言い渡した。
クビを言い渡された専属メイドと専属騎士は、何も言わず食堂を出て行き身支度をして、公爵家から出ていった。
しばらく歩いていると、次期当主であるカイルが後を追ってきて、カイルの腕にはいなくなったはずのアイリスが抱かれていた。
アイリスの無事に安心した二人は、カイルの話を聞き、三人は王城に向かった。
王城で、カイルから話を聞いた国王から広大なアイリス公爵家の領地の端にあり、昔の公爵家本邸があった場所の管理と魔の森の開拓をカイルは、国王から命られる。
アイリスは、公爵家の目がなくなったので、無自重でチートし続け管理と開拓を命じられた兄カイルに協力し、辺境の村々の発展や魔の森の開拓をしていった。
※諸事情によりしばらく連載休止致します。
※小説家になろう様、カクヨム様でも掲載しております。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる