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2章 城壁都市アドラーブル
16話 運命の出会いみたいなもの
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次の日、全身筋肉痛でベッドで固まるだろうと覚悟をしていたが、そうでもなかった。サウナで十分ストレッチをしたのが良かったのだろう。
ということは毎日サウナに入った方がいいのか。
元の世界では一週間に二回くらいしか風呂は入らなかったし、洗濯も溜まって着替えがなくなりだしたらコインランドリーに行ってたけど。
こっちでは毎日パンツやシャツを洗っている。なんと真面目で健康的な生活なのだろう。
とりあえず一週間は仕事もせずに訓練を続けることにした。
森まで走ると息がきれてたのが深呼吸すれば簡単に回復できるようになった。スクワット、腕立て、腹筋、背筋も、二日前から二セットに増やした。
剣もすっぽ抜けることなく手に馴染んで行った。
これを三ヶ月ほど続ければ何とか戦えるようになるんじゃないかと思いはじめた時、
バキバキバキ! ンミャー!
森の奥の方で、いきなり木の倒れるような音がして変な鳴き声が聞こえる。
そしてドドドと地響きとともに何かが近づいてくる気配。
なんだ? 魔物か? 森への出入り口周辺だから大した魔物は出ないと思ってたのに。
逃げる?戦う?まだ心の準備が……
と、その時、木々の間から黒い塊が三つ飛び出して、その後ろから大きな茶色い塊も飛び出してくる。
ンナーー! ミャーミャー! ムンニャー!
わめきながら必死で走ってくる黒い塊たち。動物? ドドドッとその三つの塊を追ってきたのは豚かイノシシか。とにかく三匹の黒い小動物を、イノシシが追いかけている状態でこっちへ向かってくる。
なんでこっちへ来るんだよ!
シュタッ!
方向転換した黒い小動物たちが同時にジャンプ。
ベチャ! ドカ! グチャ! っと俺の体に向かって飛んできて、顔に体に足にしがみ付く。
ドテッ、体にぶつかったやつは革鎧に爪が立たなかったのかそのまま地面に落ちる。
顔にしがみついたやつの隙間から見ると……猫?
ウニャ?
落ちたままの状態で、俺を見上げる真っ黒な子猫のような小さい黒の塊。
「なんだその不満そうな顔は!勝手にぶつかって勝手に落ちたんだろ」
顔にしがみついたやつが爪を立てながら俺の頭に上っていく。
「痛い痛い痛い! 登るな! 爪を立てるな!」
黒い奴が頭に上ると視界が広がる。目の前にはドドドと俺に向かって闘牛の牛のように突進してくるでっかいイノシシ。
『ワイルド……ボア……』
また変な声が聞こえるがそれどころじゃない。
「うわあああっ!」
思わず落ちてる黒い塊をつかみ、ギリギリ左へ飛んでイノシシを交わす。
間一髪素通りしたイノシシはドオン! と後ろの木の幹に激突する。
反射的に剣を抜きイノシシの反撃に備える。訓練の成果を見せる時なんだけど……
頭と左足と左手に、黒い子猫の塊をしがみつかせながら剣を構える俺。
緊張感がないったらありゃしない。
なんかイノシシの様子がおかしい。ふらふらとこっちを向いたと思ったら、そのままドサッと倒れてしまう。
「のうしんとう?」
勝手に木にぶつかって脳震盪を起こしたって……あんた魔物か?
それを見て、ニャニャニャ! ミャーミャー! ムニャニャニャアー!とわめきだす三匹。
今だ! 仕留めろ! やっつけろ! とか言ってるんだろうか。
一体お前らはなんなんだ。
でもこのままイノシシが気がついて突撃してきたら、俺に倒せるかどうかわからない。いや百パーセント無理です。
確かにチャンスは今しかない。
俺は剣を逆手に持ち、倒れているイノシシに近づいて、首筋に剣を突き刺した。
一瞬イノシシは痙攣し、そのまま動かなくなった。どす黒い血が地面に広がっていく。
初めて自分の意思で生き物を殺したような気がする。
火竜もボブゴブリンもオーガも、勢いというか流れというか近衛二番隊と一緒に倒した感じがして精神的に責任逃れができていたが……
手に残るイノシシの痙攣。武器を持つということはこういうことなんだ……と、俺はこの世界で生きるために、新たに覚悟を決めようと思ったが……
ニャニャー♪ ンナンナ♪ ウニャア♪と俺の体をテシテシ叩いて喜んでる黒い毛玉たちを見てると、いったいこの緊張感のなさはどうよ? とため息が出てしまう。
ふと見ると、しがみついていた子猫三匹が、ボアっと青白く光りだした。それとともに三匹の顔が、ふにゃあああ~と弛緩しだす。
ガクッと膝を崩す俺。体から何かが抜けていくような感じが……なんかやばくない?
膝をついたまま首の後ろの産毛がチリチリする。なんだ? なんかやばいぞこれはと、周りを見ると、
目の前にネコ科の動物が一頭、こちらを見ている。
構えるでもなく威嚇するでもなくただ俺のことをじっと見ている。
全身黒くて大きさは尻尾まで入れて三mくらいか。黒と言っても木漏れ日に反射して一瞬青く光りこともある。そういやサラブレッドの真っ黒いやつは黒毛じゃなくて青毛と言ったなあと、そんなこと考えている場合ではない!
黒猫の大きいのと思えば可愛いが、黒豹だ思うと怖い。猫はあんなに牙が長くないと思う。体に沿ってあんなイナズマ模様は浮かんでないと思う。
自爆したイノシシとは桁の違う存在感。
なんなんだこいつ? おい!鑑定、仕事しろ。
そういや黒豹というのはちゃんとヒョウ柄らしい。黒地に黒い模様だから真っ黒に言えるだけらしいと、そんなこと考えている場合ではない!
あ、フニャラーとしている三匹を引っぺがし、
「お前ら三匹って黒猫の子供じゃなくて黒豹の子供? あれお母さんかお父さん?」
フニャラーとしている毛玉の一匹を揺すって聞いてみる。
シャアアッ!
黒豹は威嚇音を出す。怒ってる?
「はいはい、何もしてませんよ、何もしてませんからね」
俺はそっと三匹を地面におろす。
ニャ? ミャー? ムー? と黒豹に気づいた三匹はテトテトテトと親に向かって走っていく。
親豹がこちらを見る。さりげなく目線を外す。
ネコ科の動物で群れで狩をするのはライオンかチーターくらい。他は単独で行動する。だからこいつには仲間はいないはず。こいつから目を離さなければ……と言っても目を合わせてはいけない。こちらからは攻撃しませんよ~人畜無害ですよ~と信号を送る。
剣の練習をしてたからといって試しに戦ってみる……なんてつけ上がったことを考えてはいけない。これはゲームじゃない。せいぜいが気を失ったイノシシと戦える程度。
余計な争いは出来るだけ回避しなければ。それが生き残る最善の道だと思う。
そのうち飽きたのか取るに足らない奴だと思ったのか向こうから目線を外し、ゆっくり距離をとって行き、やがてまとわりつく三匹を連れて森の奥へ引き返して行き……消えた。
いや、比喩ではなく本当にフッと消えたんだが……あれはなんだったんだろう?
ここは異世界。ま、あんな生物もいるということで。ははは……。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
冬馬の家計簿
一週間の入金
0
支出
夕食一シルドx7=7シルド
黒パン(昼飯)20ペンドx7=1シルド40ペンド
サウナ50ペンドx7=3シルド50ペンド
残金 4ゴルド8シルド80ペンド
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
世の中には、財産がなくならないようにコツコツ働くごく一部の勝ち組と、財産が無くなってからあわてて働こうとする大部分の負け組がいる。
やばい、本当にやばい。残金がなくなってきている。宿の支払いも迫ってきている。このままじゃジリ貧になって行く……と、あわてふためいてる俺。
ということで次の朝、朝飯食べて久しぶりにギルドへ仕事を探しに行く。
しばらく日当を稼ぎながら体を鍛えていこう。文武両道だ。
決意新たにギルドまでやって来る。
「あれ?」
ギルドの前には荷馬車も冒険者見習いも人買いもいない。ギルドを出入りする格上冒険者もまばら。
遅かったか。日課で朝、体を鍛えてから来たのがまずかった。
どうしよう? 見習いがギルドの中へはいって掲示板の仕事を受けてもいいのだろうか? そんなことして「てめえみたいな見習いがこんなところに来るんじゃねえ!」とかいうおきまりのイベントが起こるんだろうか。
ギルドの階段で壁の星型のマークを見上げながらウロウロ考えていると、
「あら~、生きてたんだねえ」
どこかで聞いた声が。
振り返ると、そこには赤い髪の自称元宮廷魔導師がにやけた顔で立っていた。
ということは毎日サウナに入った方がいいのか。
元の世界では一週間に二回くらいしか風呂は入らなかったし、洗濯も溜まって着替えがなくなりだしたらコインランドリーに行ってたけど。
こっちでは毎日パンツやシャツを洗っている。なんと真面目で健康的な生活なのだろう。
とりあえず一週間は仕事もせずに訓練を続けることにした。
森まで走ると息がきれてたのが深呼吸すれば簡単に回復できるようになった。スクワット、腕立て、腹筋、背筋も、二日前から二セットに増やした。
剣もすっぽ抜けることなく手に馴染んで行った。
これを三ヶ月ほど続ければ何とか戦えるようになるんじゃないかと思いはじめた時、
バキバキバキ! ンミャー!
森の奥の方で、いきなり木の倒れるような音がして変な鳴き声が聞こえる。
そしてドドドと地響きとともに何かが近づいてくる気配。
なんだ? 魔物か? 森への出入り口周辺だから大した魔物は出ないと思ってたのに。
逃げる?戦う?まだ心の準備が……
と、その時、木々の間から黒い塊が三つ飛び出して、その後ろから大きな茶色い塊も飛び出してくる。
ンナーー! ミャーミャー! ムンニャー!
わめきながら必死で走ってくる黒い塊たち。動物? ドドドッとその三つの塊を追ってきたのは豚かイノシシか。とにかく三匹の黒い小動物を、イノシシが追いかけている状態でこっちへ向かってくる。
なんでこっちへ来るんだよ!
シュタッ!
方向転換した黒い小動物たちが同時にジャンプ。
ベチャ! ドカ! グチャ! っと俺の体に向かって飛んできて、顔に体に足にしがみ付く。
ドテッ、体にぶつかったやつは革鎧に爪が立たなかったのかそのまま地面に落ちる。
顔にしがみついたやつの隙間から見ると……猫?
ウニャ?
落ちたままの状態で、俺を見上げる真っ黒な子猫のような小さい黒の塊。
「なんだその不満そうな顔は!勝手にぶつかって勝手に落ちたんだろ」
顔にしがみついたやつが爪を立てながら俺の頭に上っていく。
「痛い痛い痛い! 登るな! 爪を立てるな!」
黒い奴が頭に上ると視界が広がる。目の前にはドドドと俺に向かって闘牛の牛のように突進してくるでっかいイノシシ。
『ワイルド……ボア……』
また変な声が聞こえるがそれどころじゃない。
「うわあああっ!」
思わず落ちてる黒い塊をつかみ、ギリギリ左へ飛んでイノシシを交わす。
間一髪素通りしたイノシシはドオン! と後ろの木の幹に激突する。
反射的に剣を抜きイノシシの反撃に備える。訓練の成果を見せる時なんだけど……
頭と左足と左手に、黒い子猫の塊をしがみつかせながら剣を構える俺。
緊張感がないったらありゃしない。
なんかイノシシの様子がおかしい。ふらふらとこっちを向いたと思ったら、そのままドサッと倒れてしまう。
「のうしんとう?」
勝手に木にぶつかって脳震盪を起こしたって……あんた魔物か?
それを見て、ニャニャニャ! ミャーミャー! ムニャニャニャアー!とわめきだす三匹。
今だ! 仕留めろ! やっつけろ! とか言ってるんだろうか。
一体お前らはなんなんだ。
でもこのままイノシシが気がついて突撃してきたら、俺に倒せるかどうかわからない。いや百パーセント無理です。
確かにチャンスは今しかない。
俺は剣を逆手に持ち、倒れているイノシシに近づいて、首筋に剣を突き刺した。
一瞬イノシシは痙攣し、そのまま動かなくなった。どす黒い血が地面に広がっていく。
初めて自分の意思で生き物を殺したような気がする。
火竜もボブゴブリンもオーガも、勢いというか流れというか近衛二番隊と一緒に倒した感じがして精神的に責任逃れができていたが……
手に残るイノシシの痙攣。武器を持つということはこういうことなんだ……と、俺はこの世界で生きるために、新たに覚悟を決めようと思ったが……
ニャニャー♪ ンナンナ♪ ウニャア♪と俺の体をテシテシ叩いて喜んでる黒い毛玉たちを見てると、いったいこの緊張感のなさはどうよ? とため息が出てしまう。
ふと見ると、しがみついていた子猫三匹が、ボアっと青白く光りだした。それとともに三匹の顔が、ふにゃあああ~と弛緩しだす。
ガクッと膝を崩す俺。体から何かが抜けていくような感じが……なんかやばくない?
膝をついたまま首の後ろの産毛がチリチリする。なんだ? なんかやばいぞこれはと、周りを見ると、
目の前にネコ科の動物が一頭、こちらを見ている。
構えるでもなく威嚇するでもなくただ俺のことをじっと見ている。
全身黒くて大きさは尻尾まで入れて三mくらいか。黒と言っても木漏れ日に反射して一瞬青く光りこともある。そういやサラブレッドの真っ黒いやつは黒毛じゃなくて青毛と言ったなあと、そんなこと考えている場合ではない!
黒猫の大きいのと思えば可愛いが、黒豹だ思うと怖い。猫はあんなに牙が長くないと思う。体に沿ってあんなイナズマ模様は浮かんでないと思う。
自爆したイノシシとは桁の違う存在感。
なんなんだこいつ? おい!鑑定、仕事しろ。
そういや黒豹というのはちゃんとヒョウ柄らしい。黒地に黒い模様だから真っ黒に言えるだけらしいと、そんなこと考えている場合ではない!
あ、フニャラーとしている三匹を引っぺがし、
「お前ら三匹って黒猫の子供じゃなくて黒豹の子供? あれお母さんかお父さん?」
フニャラーとしている毛玉の一匹を揺すって聞いてみる。
シャアアッ!
黒豹は威嚇音を出す。怒ってる?
「はいはい、何もしてませんよ、何もしてませんからね」
俺はそっと三匹を地面におろす。
ニャ? ミャー? ムー? と黒豹に気づいた三匹はテトテトテトと親に向かって走っていく。
親豹がこちらを見る。さりげなく目線を外す。
ネコ科の動物で群れで狩をするのはライオンかチーターくらい。他は単独で行動する。だからこいつには仲間はいないはず。こいつから目を離さなければ……と言っても目を合わせてはいけない。こちらからは攻撃しませんよ~人畜無害ですよ~と信号を送る。
剣の練習をしてたからといって試しに戦ってみる……なんてつけ上がったことを考えてはいけない。これはゲームじゃない。せいぜいが気を失ったイノシシと戦える程度。
余計な争いは出来るだけ回避しなければ。それが生き残る最善の道だと思う。
そのうち飽きたのか取るに足らない奴だと思ったのか向こうから目線を外し、ゆっくり距離をとって行き、やがてまとわりつく三匹を連れて森の奥へ引き返して行き……消えた。
いや、比喩ではなく本当にフッと消えたんだが……あれはなんだったんだろう?
ここは異世界。ま、あんな生物もいるということで。ははは……。
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冬馬の家計簿
一週間の入金
0
支出
夕食一シルドx7=7シルド
黒パン(昼飯)20ペンドx7=1シルド40ペンド
サウナ50ペンドx7=3シルド50ペンド
残金 4ゴルド8シルド80ペンド
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世の中には、財産がなくならないようにコツコツ働くごく一部の勝ち組と、財産が無くなってからあわてて働こうとする大部分の負け組がいる。
やばい、本当にやばい。残金がなくなってきている。宿の支払いも迫ってきている。このままじゃジリ貧になって行く……と、あわてふためいてる俺。
ということで次の朝、朝飯食べて久しぶりにギルドへ仕事を探しに行く。
しばらく日当を稼ぎながら体を鍛えていこう。文武両道だ。
決意新たにギルドまでやって来る。
「あれ?」
ギルドの前には荷馬車も冒険者見習いも人買いもいない。ギルドを出入りする格上冒険者もまばら。
遅かったか。日課で朝、体を鍛えてから来たのがまずかった。
どうしよう? 見習いがギルドの中へはいって掲示板の仕事を受けてもいいのだろうか? そんなことして「てめえみたいな見習いがこんなところに来るんじゃねえ!」とかいうおきまりのイベントが起こるんだろうか。
ギルドの階段で壁の星型のマークを見上げながらウロウロ考えていると、
「あら~、生きてたんだねえ」
どこかで聞いた声が。
振り返ると、そこには赤い髪の自称元宮廷魔導師がにやけた顔で立っていた。
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