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剣客
16 (42p)
しおりを挟む二月六日
洛浪士の組編成が完了し、江戸出立の日
早朝、楓は江戸に来てからお世話になっていた茶屋に別れの挨拶をしていた。
[楓]
「短い間でしたがお世話になりました。」
喜衛門から貰った太刀を腰に刺し、深々と頭を下げる。
[お華]
「全然お世話なんかしてないけどね…」
少し寂しそうに笑う華。
[喜衛門]
「どうかご無事で…」
[喜助]
「えー、もう行っちゃうの?」
楓は駄々をこねる喜助の頭を撫でると、喜衛門にお礼を言い「必ず文を書く」と華に告げ
秘めた期待と不安を胸に、茶屋を後にした。
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