蛮族女王の娘 第1部【公国編】

枕崎 純之助

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第63話 熟練の駆け引き

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「じゃあ、来週の日曜。決まりな!」

 「は、はい。」

だよね?だよね?
ここは、はいと言うところだよね。
ちょうど見たかったアニメだから嬉しいけど、問題はシュウさんと行くってことだ。
 絶対、緊張するし、気も遣う。



 (でも……)



もしも、シュウさんがアニメを気に入ってくれたら…
それは、シュウさんの楽しい思い出のひとつになるかもしれないわけだし…



(うん、これはとても意味のあることだ!)



そう思ったら、なんだか、体に熱がこもるのを感じた。



 「へぇ、来週はおふたりでおデートなんや?」

 慎二さんがつまらない冗談を言うから、私は顔が赤くなる。



 「馬鹿。そんなんじゃないよ。」

……だよね。
シュウさんが、私なんかを相手にするわけないもん。



 「そ、そうですよ。
 私は、シュウさんにアニメを紹介する…そう、ガイドみたいなものですから。」

 「なんだ、慎二…お前も一緒に行きたいのか?」

 「いやぁ、日曜はせんならんことがようさんありますよってに。」

 「じゃあ、ジョー…お前も行くか?」

 「残念だが、先約があるんだ。」

ジョーさんはそっけなくそう言った。
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