蛮族女王の娘 第1部【公国編】

枕崎 純之助

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第54話 混迷の夜明け

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念願だった専業主夫
お料理、お掃除、お洗濯。
 彼女のお世話をするのって楽しい。

 家事の分担とかで、彼女が時々手伝ってくれるときがあるけど、実は却ってありがた迷惑。
お掃除やお皿荒いは雑だし、結局ボクがやり直すことになるし、ゴミ出しもスーツ姿に似合わないから止めて欲しい。
あと、お洗濯で下着なんかを触られるのもやっぱり嫌。
 家事はボクに任せて、どっしりと構えていて欲しい。

 休日のお掃除のとき、彼女っているだけで邪魔。
 「もう、向こうでお茶でも飲んでいてください」
ボクは彼女を追い出してお茶だしする。
 「お茶をどうぞ、ご主女(しゅじん)さま」
 二人きりのとき、彼女のことを「ご主女さま」って呼ぶのは、恋人時代からの秘密のルール。
 今でもこの言葉を口にすると少しドキドキする。

お洗濯ものを取り込んでたたんでいる時って、なんだかとても幸せな気持ちになる。
こっそり彼女の服にほおずりする。
あらっ、ボタンがほつれている。直しておかなくちゃ。
ふと、初めてソーイングセットを持ち歩くようになった、子供の頃を思い出す。
 早く使ってみたくて、気になる女子のボタンのほつれを直してあげると、他の女子から「婦夫だぁ~、ふうふっ!、ふうふっ!」て囃し立てられるし、男子からは、後から「ミサのおせっかい、どうせ下手なんだから迷惑されてるよ」
って嫉妬の嵐だった。
その時の女子が今ではボクのご主女さま。
ウフフッっ、あの時の女子の囃し立てのとおりになっちゃった。
あれ、この記憶って、元の世界のもの?それともこの世界のもの?どっちだったかな・・・
今では、二つの世界の記憶が混濁している。
まあ、どっちだっていいじゃないか、両方とも大切なボクの思い出だ。

 彼女はいづらくなったのか、いつの間にか外出したみたい。
ふうー、これで思いっきりお掃除ができる。
 書斎で彼女の机を布巾がけ。
そして、こっそり角オナ。
 学生時代にこれやってみたかった。教室で一人きりになることがなくて結局できなかったけど。今では好きなだけできる。
 ああっ、愛しています、ご主女さま。


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