甘×恋クレイジーズ

枕崎 純之助

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第三章 トロピカル・カタストロフィー

第14話 悪魔の手招き

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 ダーク・タワーから1キロほど離れた場所に、5階建ての商業ビルが存在する。
 その屋上からフランチェスカはひとり、混沌こんとんきわめる街の様子を見下ろしていた。
 多くの感染者が街のそこかしこで破壊活動を行っている。
 その様子を見つめるフランチェスカの視線の先では、感染者らに追われながら必死に路地ろじけ抜けていく梓川あずさがわ恋華れんか姿すがたがあった。
 目を細めてその様子を見つめながらフランチェスカは頭の中のスイッチを切りえる。

「C‐22とB‐25をつなぐ通路を閉鎖へいさしなさい」

 彼女が一人つぶやくその言葉は、地下道の中にうごめく彼女の下僕げぼくらにとどけられている。

「さあ。来るがいいわ。おろかな聖歌隊せいかたいめす犬め。護衛ごえい騎士きしうばって、勇敢ゆうかんなお姫様を丸はだかにしてあげる」

 冷徹れいてつな光をそのひとみに宿してそう言うと、フランチェスカはビルの階段を悠然ゆうぜんと下りていった。
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