上 下
74 / 89
最終章 決戦! 天樹の塔

第8話 炸裂! 新たな力

しおりを挟む
 ミランダとイザベラさんの対決は一層激しさを増していた。
 ミランダは黒鎖杖バーゲストによる打撃と黒炎弾ヘル・バレットのコンビネーションで攻め立て、イザベラさんは聖光透析ホーリー・ダイアリシスで強化された身体能力を駆使して応戦する。
 まだ2人ともそれほど多くの手の内を見せていないにも関わらず、戦闘は苛烈かれつなものとなっていた。
 それを示す様にミランダのライフは残り60%近くまで減り、イザベラさんのライフも残り70%を切っている。

 だけど戦闘が中盤に差し掛かると、イザベラさんがミランダを押し込む場面が増えてきた。
 ミランダは防御にシフトして何とかこれを乗り切っていたけれど、そんなミランダに猛攻撃をかけるイザベラさんの顔は興奮と
恍惚こうこつの入り混じった表情に彩られていた。
 怒濤どとうのラッシュを懸命に防ぎ切ったミランダはさすがに肩で息をし始めている。

 それも仕方ない。
 あれだけの猛攻を受けるだけで体力が消耗してしまう。
 ミランダのライフはいよいよ半分近くまで減ってしまっていた。

 一息つくように後方に素早く離れて間を取ったイザベラさんを深追いすることなく、ミランダは小休止して呼吸を整える。
 イザベラさんは両手を広げてミランダをたたえる言葉を口にした。

「すばらしい。さすがミランダ。こんなにも本気で戦ったのは初めてですわ。そしてあなたはまだまだ戦える。その強さには感動を覚えます」
「チッ。いちいちうるさい女ね。まだまだ足りないっつうの。もっと全身全霊でかかってきなさい」
「ええ。そうさせてもらいましょう」

 そう言うとイザベラさんは金環杖サキエルを振り上げて高らかに叫ぶ。

天使生誕エンジェル・バース

 イザベラさんの体を包み込んでいた光が次々と空中に散布され、それが人の形を成していく。
 あ、あの技は……模擬もぎ戦で見せたイザベラさんの上位スキルだ。
 光は十数体の小さな天使たちに変わっていく。
 彼らはイザベラさんの周囲を遊ぶように飛び回り、ミランダにねらいを定めて口を開く。

 彼らの小さな口が光を帯び始めた。
 く、来るぞ。
 模擬もぎ戦では彼らが口から放つ光線の集中砲火を浴びて、ミランダは敗北してしまったんだ。

「さあ。これをどう回避しますか? ミランダ」

 そう言って涼やかに微笑むと、イザベラさんはミランダに小天使たちをけしかけた。
 小天使たちは次々とミランダに襲いかかり、口から光線を浴びせかける。
 超高速の光線は撃たれてからの回避はほぼ不可能だけど、ミランダは冷静に射線を先読みしながらこれをかわしていく。

 それでも小天使たちはさまざまな角度からミランダに攻撃を仕掛ける。
 非常に危険な状況だ。
 光線はミランダの体のほぼスレスレを通っていく。
 少しでも体の位置がずれたら、腕や足を撃ち抜かれてしまうだろう。

 あせる僕だけど、そこでミランダの表情を見て気が付いた。
 彼女はまゆひとつ動かさずに冷静な顔で小天使たちの光線をかわしている。
 見切っているのか?
 もしかしてギリギリのところで光線を避けられるよう位置取りしているのかもしれない。

 せわしなく宙を飛び回りミランダをねらう小天使らの光線はことごとく命中しない。
 そんなミランダの様子をいぶかしんでいたイザベラさんはやがて納得したようにうなづいた。

「……なるほど。私のクセを見抜いたのですか。やりますわね。たった一度の対戦でそこまで見抜かれるとは」

 クセ?
 イザベラさんの言葉に僕は思い出した。
 模擬もぎ戦の時に小天使たちを使ったイザベラさんの様子を。
 イザベラさんは小天使を駆使する際、あまり動かなくなり、小天使たちの動きを目で追うようになる。
 それは彼女が小天使たちを全て同時に自分の意思で操っているからだった。
 その攻撃のクセを見抜いているから、ミランダはあんなギリギリで光線を回避できたのか。

「ですが、それならばこれはどうです?」

 イザベラさんがそう言うと小天使たちの動きに変化が生まれた。
 それまでは連携して動いていた小天使たちが、まるでなわから解き放たれたかのように好き勝手に動き出した。
 それはまったく不規則な動きで、しかも口から光線を放つかと思われた小天使が放つのをやめたり、かと思えばイザベラさんの背後から顔を出した小天使がいきなり光線を放ったりと多彩かつ無秩序だった。

 そしてイザベラさんは先ほどまでのように小天使らの動きを目で追っていない。
 もしかして彼女は小天使らの制御を放棄し、彼ら自身に任せたのかもしれない。

「チッ!」

 それまでギリギリのところで避けてきた光線が、ミランダの黒衣や髪の毛をかすめる。
 あ、危ない。
 好き勝手に動く小天使たちの動向を先読みしきれず、ミランダは忌々いまいましげに舌打ちする。
 彼女はすぐに魔力で空中に上昇し、高速で吹き抜けの中を旋回する。

 そんな彼女に向けて小天使たちが次々と光線を放った。
 だけどミランダの飛行速度が上がり、それらは当たらない。
 さらにミランダは飛びながら連続で黒炎弾ヘル・バレットを撃ち下ろす。

「ハァァァァァッ!」

 黒く燃え盛る火球が爆音を響かせて床を次々と焼く。
 気合いの入ったその猛攻撃を受けて、小天使が2人ほど犠牲になった。
 もちろんイザベラさんはすぐに小天使を補充召喚して、ミランダへの攻撃を続ける。

「この限られた空間の中ではそう逃げ切れるものではありませんよ」

 次々と放たれる小天使らの光線が吹き抜けの中をくまなく突き抜け、これを避け切れずにひとすじの光線がミランダの足をかすめた。
 ミランダは苦痛に顔をゆがめ、飛行するその軌道がわずかにブレる。

「くうっ!」
「ミランダ!」

 それでもミランダは黒炎弾ヘル・バレットによる攻撃を止めない。
 鳴り止まない轟音ごうおんは、絶対に相手を倒すという彼女の決意の叫びのように僕には思えた。

 ミランダはいつも以上に激しく黒炎弾ヘル・バレットを撃ちまくっていく。
 彼女の魔力は底無しだから、そう簡単に尽きることはないけれど、その勢いは激し過ぎる。
 あせっているのかムキになっているのか分からないけど、冷静さを欠いていたとしたらマズい。

 僕が思わず心配になったその時、地上近くにいた小天使が次々と黒炎弾ヘル・バレットに被弾した。
 ミランダの乱れ撃ちが攻を奏したのかと思ったけれど、そうじゃなかったんだ。
 ミランダは頭上から黒炎弾ヘル・バレットを撃ち下ろしていたんだけど、2体の小天使たちを直撃した火球はほぼ真横から飛んできた。
 そこで僕は初めて気付いた。

「あ、あれは……」

 いつの間にか2階回廊の欄干らんかんの上に黒い人影が立っていたんだ。
 な、何だ?
 僕は目をらす。
 それは小さな子供のような姿だけど、ミランダと同じ黒衣に身を包み、黒くて短い杖を持ったまま傲然ごうぜんと仁王立ちしている。

 そしてその子供は1人だけじゃなかった。
 次々と同じような子供が一定間隔を置いて欄干らんかんの上に立ち、それは2階の回廊をぐるりと一周するほどになった。
 全部で30人近くはいる。
 その姿に僕は思わず息を飲んだ。

「ミ、ミランダだ……」

 そう。
 その小さな子供たちは、顔も髪の毛も目の色も全てミランダと同じ特徴を備えていた。
 まるでミランダが幼くなった姿そのものだ。
 僕は頭上を見上げる。
 そこには黒炎弾ヘル・バレットを放つのをやめて、満足げに広場を見下ろしているミランダの姿があった。

小魔女謝肉祭リトルウィッチ・カーニバル

 小魔女謝肉祭リトルウィッチ・カーニバル……聞いたことのない技だ。
 あれは魔法なんだろうか。
 じゃああの小さなミランダたちは魔力で実体化されたってことか。

 前にミランダは言っていた。
 今回、いつもの悪神解放イービル・アンバインドとは別に上位スキルとして実装してきた秘密の新魔法があると。
 これがそうなんだ。
 イザベラさんの使う天使生誕エンジェル・バースと同じ種類の魔法だ。
 だからミランダは模擬もぎ戦の時はこれを使わなかったんだ。
 あの場で使うのは芸がないとか言って。

 それにしてもミランダの作りだした小魔女リトルウィッチたちは数が多い。
 イザベラさんの小天使たちの2倍近くはいるんじゃないだろうか。

「……はかりましたね。ミランダ。黒炎弾ヘル・バレットを煙幕代わりに使うとは」

 イザベラさんは厳しい顔つきでミランダを見上げてそう言った。
 そうか。
 ミランダがあんなにしゃにむになって黒炎弾ヘル・バレットを撃ち続けたのは、イザベラさんと小天使たちの注意をそらし、そのすき小魔女リトルウィッチたちを配置するためだったんだ。
 僕の心配は杞憂きゆうに終わった。
 ミランダは至って冷静だ。

「二番煎じとは恐れ入りました。ミランダ」

 そう言ってミランダを挑発するイザベラさんだけど、ミランダはこれを鼻で笑う。

「フン。言っておくけど私の小魔女リトルウィッチたちはアンタの小天使どもとは精度が違うわ。後発品のほうが出来がいいってことを思い知らせてあげる」

 ミランダがそう言うと小さな魔女たちは欄干らんかんから身を乗り出し、一斉に広場の中央にいる小天使らに向けて黒炎弾ヘル・バレットを放射した。
 彼女らのそれは本家ミランダのものと比較しても遜色そんしょくない威力だ。
 またたく間に広場は火球が飛び交い、小天使たちは反撃もままならないまま次々と炎の餌食えじきとなって消えていく。

 イサベラさん自身も無数に降りかかる火球を金環杖サキエルや強化した手で払うの忙しく、新たに小天使を呼び出すことが出来ない。
 爆風と高温の渦巻うずまく広場は完全にミランダのペースとなっていた。
 小魔女リトル・ウィッチたちの猛攻によって小天使らの数が見る見るうちに減っていく。
 そこで僕は気が付いた。
 先ほどまで頭上の空中に陣取っていたミランダの姿がいつの間にか消えていることに。
 ど、どこに……ハッ!

 火球が雨あられと降り注ぐ中央広場の床の上、イザベラさんの背後にミランダは立っていたんだ。
 それに気付いたイザベラさんが振り返ると同時に、ミランダの指から本家本元の黒炎弾ヘル・バレットが放たれた。

「くっ!」

 イザベラさんは咄嗟とっさにこれを手で払いのけるけれど、至近距離から撃たれた黒炎弾ヘル・バレットの勢いに押されてわずかに腰が浮き上がる。

すきありっ!」

 ミランダの声と共に黒鎖杖バーゲストから4本の鎖が伸びて、イザベラさんの両手両足を縛り上げた。

「し、しまっ……」

 身動きが取れなくなったイザベラさんの背中に小魔女リトルウィッチたちが放った黒炎弾ヘル・バレットが次々と命中していく。
 すでに小天使たちは小魔女リトルウィッチらに掃討されていた。

「きゃあっ!」

 黒炎弾ヘル・バレットの集中砲火がイザベラさんの体に直撃し、そのライフがどんどん減っていく。
 そして……イザベラさんの真正面にいるミランダの指に黒い炎が宿った。

「こいつで仕上げよっ!」

 ミランダの渾身こんしんの魔力が込められた黒炎弾ヘル・バレットが放たれ、それがイザベラさんの胸に直撃し、黄金の胸当てを吹き飛ばす。
 
「くはっ……」

 イザベラさんのライフがついに尽きた。
 ゲームオーバーだ!
 イザベラさんはガックリとその場にひざをつくと、前のめりに倒れて動かなくなる。
 そして彼女の頭上に3つ連なる光の輪のうち、1番上の輪から光が消えた。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

チートスキル【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得&スローライフ!?

桜井正宗
ファンタジー
「アウルム・キルクルスお前は勇者ではない、追放だ!!」  その後、第二勇者・セクンドスが召喚され、彼が魔王を倒した。俺はその日に聖女フルクと出会い、レベル0ながらも【レベル投げ】を習得した。レベル0だから投げても魔力(MP)が減らないし、無限なのだ。  影響するステータスは『運』。  聖女フルクさえいれば運が向上され、俺は幸運に恵まれ、スキルの威力も倍増した。  第二勇者が魔王を倒すとエンディングと共に『EXダンジョン』が出現する。その隙を狙い、フルクと共にダンジョンの所有権をゲット、独占する。ダンジョンのレアアイテムを入手しまくり売却、やがて莫大な富を手に入れ、最強にもなる。  すると、第二勇者がEXダンジョンを返せとやって来る。しかし、先に侵入した者が所有権を持つため譲渡は不可能。第二勇者を拒絶する。  より強くなった俺は元ギルドメンバーや世界の国中から戻ってこいとせがまれるが、もう遅い!!  真の仲間と共にダンジョン攻略スローライフを送る。 【簡単な流れ】 勇者がボコボコにされます→元勇者として活動→聖女と出会います→レベル投げを習得→EXダンジョンゲット→レア装備ゲットしまくり→元パーティざまぁ 【原題】 『お前は勇者ではないとギルドを追放され、第二勇者が魔王を倒しエンディングの最中レベル0の俺は出現したEXダンジョンを独占~【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得~戻って来いと言われても、もう遅いんだが』

ゆとりある生活を異世界で

コロ
ファンタジー
とある世界の皇国 公爵家の長男坊は 少しばかりの異能を持っていて、それを不思議に思いながらも健やかに成長していた… それなりに頑張って生きていた俺は48歳 なかなか楽しい人生だと満喫していたら 交通事故でアッサリ逝ってもた…orz そんな俺を何気に興味を持って見ていた神様の一柱が 『楽しませてくれた礼をあげるよ』 とボーナスとして異世界でもう一つの人生を歩ませてくれる事に… それもチートまでくれて♪ ありがたやありがたや チート?強力なのがあります→使うとは言ってない   ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 身体の状態(主に目)と相談しながら書くので遅筆になると思います 宜しくお付き合い下さい

地獄の手違いで殺されてしまったが、閻魔大王が愛猫と一緒にネット環境付きで異世界転生させてくれました。

克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作、面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 高橋翔は地獄の官吏のミスで寿命でもないのに殺されてしまった。だが流石に地獄の十王達だった。配下の失敗にいち早く気付き、本来なら地獄の泰広王(不動明王)だけが初七日に審理する場に、十王全員が勢揃いして善後策を協議する事になった。だが、流石の十王達でも、配下の失敗に気がつくのに六日掛かっていた、高橋翔の身体は既に焼かれて灰となっていた。高橋翔は閻魔大王たちを相手に交渉した。現世で残されていた寿命を異世界で全うさせてくれる事。どのような異世界であろうと、異世界間ネットスーパーを利用して元の生活水準を保証してくれる事。死ぬまでに得ていた貯金と家屋敷、死亡保険金を保証して異世界で使えるようにする事。更には異世界に行く前に地獄で鍛錬させてもらう事まで要求し、権利を勝ち取った。そのお陰で異世界では楽々に生きる事ができた。

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

トップ冒険者の付与師、「もう不要」と言われ解雇。トップ2のパーティーに入り現実を知った。

ファンタジー
そこは、ダンジョンと呼ばれる地下迷宮を舞台にモンスターと人間が暮らす世界。 冒険者と呼ばれる、ダンジョン攻略とモンスター討伐を生業として者達がいる。 その中で、常にトップの成績を残している冒険者達がいた。 その内の一人である、付与師という少し特殊な職業を持つ、ライドという青年がいる。 ある日、ライドはその冒険者パーティーから、攻略が上手くいかない事を理由に、「もう不要」と言われ解雇された。 新しいパーティーを見つけるか、入るなりするため、冒険者ギルドに相談。 いつもお世話になっている受付嬢の助言によって、トップ2の冒険者パーティーに参加することになった。 これまでとの扱いの違いに戸惑うライド。 そして、この出来事を通して、本当の現実を知っていく。 そんな物語です。 多分それほど長くなる内容ではないと思うので、短編に設定しました。 内容としては、ざまぁ系になると思います。 気軽に読める内容だと思うので、ぜひ読んでやってください。

天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生

西洋司
ファンタジー
妙齢の薬学者 聖徳晴子(せいとく・はるこ)は、絶世の美貌の持ち主だ。 彼女は思考の並列化作業を得意とする、いわゆる天才。 精力的にフィールドワークをこなし、ついにエリクサーの開発間際というところで、放火で殺されてしまった。 晴子は、権力者達から、その地位を脅かす存在、「敵」と見做されてしまったのだ。 死後、晴子は天界で女神様からこう提案された。 「あなたは生前7人分の活躍をしましたので、異世界行きのチケットが7枚もあるんですよ。もしよろしければ、一度に使い切ってみては如何ですか?」 晴子はその提案を受け容れ、異世界へと旅立った。

あなたがそう望んだから

まる
ファンタジー
「ちょっとアンタ!アンタよ!!アデライス・オールテア!」 思わず不快さに顔が歪みそうになり、慌てて扇で顔を隠す。 確か彼女は…最近編入してきたという男爵家の庶子の娘だったかしら。 喚き散らす娘が望んだのでその通りにしてあげましたわ。 ○○○○○○○○○○ 誤字脱字ご容赦下さい。もし電波な転生者に貴族の令嬢が絡まれたら。攻略対象と思われてる男性もガッチリ貴族思考だったらと考えて書いてみました。ゆっくりペースになりそうですがよろしければ是非。 閲覧、しおり、お気に入りの登録ありがとうございました(*´ω`*) 何となくねっとりじわじわな感じになっていたらいいのにと思ったのですがどうなんでしょうね?

5歳で前世の記憶が混入してきた  --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--

ばふぉりん
ファンタジー
 「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」   〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は 「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」    この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。  剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。  そんな中、この五歳児が得たスキルは  □□□□  もはや文字ですら無かった ~~~~~~~~~~~~~~~~~  本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。  本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。  

処理中です...