4 / 89
第一章 長身女戦士ヴィクトリア
第3話 ヴィクトリアの独り言
しおりを挟む
長身女戦士ヴィクトリアのプレイヤーがこのゲームにログインしなくなってからすでに半年が経過していたらしい。
24時間稼働のこのゲームの中で常に活動し続ける(睡眠も含めて)僕らNPC(ノン・プレイヤー・キャラクター)と違って、PC(プレイヤー・キャラクター)はプレイしてくれる人がゲームからログアウトしている間は、ロビーと呼ばれる待合室で待機し続けているんだ。
次にプレイヤーがログインしてくれるまで彼らはそこで待ち続ける。
中にはずいぶん長い間、プレイヤーのログインがなくて待ちぼうけになっているような人もいるらしい。
そして前回のログインから180日が経過しても次のログインがないPCたちは、別のカテゴリーとなる第2ロビーへと移される。
そこにいるキャラクターのことをLA(Leave Alone)キャラなんて揶揄する人もいる。
つまり置いてけぼりってことだ。
「アタシはLAキャラなんかになるはずじゃなかったんだ。多分アタシのご主人はケガかなんかで長期入院とかしちまって、それで……」
樽の中からは彼女の表情はうかがい知れないけれど、それはまるで自分に必死に言い聞かせているかのような口ぶりだった。
プレイヤーがゲームにログインしなくなる理由はさまざまだ。
このゲームに飽きてしまったとか、別アカウントを作って別キャラクターでプレイしているとか。
あるいはヴィクトリアの言うようにプレイヤーが何らかの事情でゲームをプレイできない状況に陥っていることもある。
考え出したらキリがないし、キャラクターは結局その真相を知ることが出来ない。
「まあでもログインがしばらくないことも、そんなに珍しいことじゃないし、また戻ってくるかもしれないよ」
一年以上も放置していたゲームにヒョッコリ戻ってきてまたプレイを再開する、なんて話も無くはない。
でも僕がそう言った途端、ヴィクトリアは黙り込んだ。
突然の沈黙。
あれ?
どうしたのかな?
「ヴィクトリ……」
僕が彼女に声をかけようとした途端、僕の入っている樽が小刻みに揺れ出した。
そしてそれはすぐに激しい振動に変わる。
「一丁前に分かったようなこと言ってんじゃねえぞ! オラオラオラオラァ!」
「うおああああっ!」
ガタガタガタガタッ!
た、樽が!
激しく揺れるっ!
僕の迂闊な言葉に怒ったヴィクトリアが、樽を掴んで猛烈な勢いでシェイクしてるんだ。
や、やめてぇぇぇ!
僕は真っ暗闇の中で樽の内側に頭やら背中やらを打ち付けて悶絶し、さらには激しい揺れによって吐き気をもよおすほど気持ちが悪くなった。
「し、死んじゃう。マジやめて。オエッ」
「フンッ! 思い知ったか! この野郎!」
僕の死にそうな声を聞いてとりあえず気が済んだのか、ヴィクトリアは樽をドカッと荷台に置くと、その隣にドシンと腰を下ろした。
ううっ……気持ち悪い。
何で僕がこんな目に……。
で、でも当事者でもない僕が軽々しく分かったようなこと言ったら、ヴィクトリアが怒るのも当然か……。
僕は少し反省した。
けどヴィクトリアはそれ以上怒るでもなく、力なく溜息をつく。
「はぁ。辛いんだよ。いつ来るのか分からないのを待つってのは。おまえは知らないだろうけど、第2ロビーは今、アタシみたいな奴がわんさかいるんだ」
「そ、そうなの?」
「そうさ。あそこで毎日毎日待ちぼうけしてる奴らの辛気くせえツラ見て、ああアタシもこんな顔してんのかなって思う瞬間、本当に嫌になるんだよ。そりゃそうだろ? 以前はフィールドを自由に駆け回って自慢の腕力で武器をガンガン振り回してモンスターをぶっ殺しまくってたんだぜ? そのアタシがロビーで椅子に座りながら、することもなく日がな一日、床を眺めてるんだぞ。クソッ! 何でこんなことに……とにかくアタシはあの場所が大嫌いなんだ。二度と戻りたくないね」
そう言うとヴィクトリアは僕の入った樽をゴツンと叩く。
彼女の話を聞いている僕の頭には、当然のようにある疑問が浮かんだ。
「で、でもどうして外に出ることが出来たの? 今の君の状態は……」
「一時的に外に出られるよう、暫定的にNPCの身分を与えられたんだ。これからアタシは試験を受けにいく」
その話を聞いて僕はハッとした。
「試験? もしかしてNPCに転身するための試験?」
それは以前に僕の友達の魔道拳士アリアナがPCからNPCに転身するために受けた制度と同じだった。
アリアナをプレイしていた人がやむを得ない事情によりその後のプレイが困難になったため、アリアナをNPCに転身させることを望んだんだ。
「ああ。といってもプレイヤーが自分の意思でキャラクターをNPC化させる従来の制度とは違うけどな」
ヴィクトリアの話によれば180日以上ログインがないPCについては運営本部の判断でNPC移行制度を利用してNPCに転身させることがあるという。
その場合、180日を過ぎた時点でその旨をプレイヤーに通知し、それから13日以内にプレイヤーから拒否の連絡がない限り、移行手続きが進められる。
そうしてNPCになったキャラクターはPCに戻ることは出来ない。
だからNPC化を望まないプレイヤーはあらかじめ拒否の届け出を行う必要がある。
ヴィクトリアのプレイヤーはその届け出を行っていなかったため、今回彼女はNPC化への移行試験を受ける運びとなったらしい。
このNPC移行制度はゲーム開始時の利用規約にも明記されているんだけど、読み込む人はほとんどいないだろうね。
何にしてもこれは、ヴィクトリアのような高レベルのキャラクターを何もさせずに閉じ込めておくのはもったいないという観点から整備された制度なんだって。
「でも、運営本部からのその通達を受けたなら、ヴィクトリアをプレイしていた人から連絡くるんじゃないの? もしかしたらまたこのゲームに戻って来てくれるかも……」
「もう猶予期間の13日間は経過したさ。アタシのご主人からは梨のつぶてだよ」
「そ、そっか……」
ヴィクトリアの沈鬱な声にその場の空気が重くなる。
僕はそれを振り払うように努めて明るい声で尋ねた。
「ところでそのNPCになるための試験って何なの?」
アリアナの時はキャラクターのランクを最上級であるAにして、その後の大会で優勝することが条件だったんだけど、ヴィクトリアはすでにAランクの熟練キャラだ。
Aの上に特級のSランクがあるけど、そこまで到達できるキャラクターはほとんどいない。
「話は単純さ。運営本部が王城の闘技場で主催する試合に勝てば合格。負ければ当然不合格。一発勝負でアタシの運命が決まるんだ」
「そ、それは本当に負けられない戦いだね」
「アタシはどうしてもNPCになりたいんだ。ご主人がもう戻って来ないなら、前みたいに自由にゲーム内を冒険できるようになるにはそれしかねえ!」
ヴィクトリアは語気を強めて僕にそう言った。
負けてしまえばヴィクトリアはこの先も第2ロビーで、もう帰って来ないかもしれない主人を待ち続ける日々に身を置くことになる。
僕は普段ずっと闇の洞窟にいて、時々こうして王城に行くくらいの行動パターンしかないけれど、そんな僕と違ってヴィクトリアはずっと世界中を旅してきたPCだったんだ。
その彼女にとって毎日閉じ込められている生活は耐え難い苦痛なんだろう。
最近は僕も色々なところへ旅する機会があったから、この世界を巡る楽しさが分かるようになってきた。
だから今のヴィクトリアの気持ちも少しは分かる。
協力できるかどうかは分からないけれど、とにかく彼女の話を聞いてみようと思った。
「僕を仲間に誘ったってことは、試合はチーム戦ってこと?」
僕がそう尋《たず》ねるとそこで樽の蓋がパカッを開けられて、上からヴィクトリアが覗きこんできた。
「ああ。2対2のタッグ・マッチだ。対戦相手ももう決まってる。アタシには適当なパートナーがあてがわれる予定だったんだが、希望して外の世界で見つけてきていいことになった」
それで僕に声をかけてくれたのか。
ちなみに僕、以前はライフゲージを持たない一般NPCだったけれど、度重なる戦闘への参加(巻き込まれ)があったため、運営本部の判断で最近はサポートNPCへと規格が変更されていた。
だから今の僕にはライフゲージがあり、自分の意思で戦闘への正式参加が可能だった。
とは言ってもレベルもランクも最低クラスで、大して戦力にはならないけどね。
僕がタリオを持っていなかったことでヴィクトリアのアテはすっかり外れてしまったんだけど、それでもそんな事情を抱えながら外の世界に出て来て必死に僕を探してくれたことを思うと、僕は光栄な心持ちになった。
こんなヘタレな僕を求めてくれる人もいるんだなぁ。
ありがたい。
「だからおまえを見つけた時……アタシはこんなショボイ奴に頼ろうとしてるのかと絶望しそうになったけどな。ワラにもすがるってのはこういうことを言うんだな。アタシもヤキが回ったと思うだろ? ハハハハッ!」
ハハハハッ!
前言撤回!
さも自虐っぽい言い回しで僕を蔑んでますけど気付いてますか!
「はぁ……でもAランクでそんなにレベルの高い君が、わざわざタリオの性能を求めて僕のところに来たってことは、対戦相手は君よりもさらにメチャクチャ強いってこと?」
僕がそう尋ねるとヴィクトリアは苦虫を噛み潰したような顔で答えた。
「……10戦10敗だ。アタシはそいつに一度も勝ったことがねえんだよ。クソッ」
……マジか。
24時間稼働のこのゲームの中で常に活動し続ける(睡眠も含めて)僕らNPC(ノン・プレイヤー・キャラクター)と違って、PC(プレイヤー・キャラクター)はプレイしてくれる人がゲームからログアウトしている間は、ロビーと呼ばれる待合室で待機し続けているんだ。
次にプレイヤーがログインしてくれるまで彼らはそこで待ち続ける。
中にはずいぶん長い間、プレイヤーのログインがなくて待ちぼうけになっているような人もいるらしい。
そして前回のログインから180日が経過しても次のログインがないPCたちは、別のカテゴリーとなる第2ロビーへと移される。
そこにいるキャラクターのことをLA(Leave Alone)キャラなんて揶揄する人もいる。
つまり置いてけぼりってことだ。
「アタシはLAキャラなんかになるはずじゃなかったんだ。多分アタシのご主人はケガかなんかで長期入院とかしちまって、それで……」
樽の中からは彼女の表情はうかがい知れないけれど、それはまるで自分に必死に言い聞かせているかのような口ぶりだった。
プレイヤーがゲームにログインしなくなる理由はさまざまだ。
このゲームに飽きてしまったとか、別アカウントを作って別キャラクターでプレイしているとか。
あるいはヴィクトリアの言うようにプレイヤーが何らかの事情でゲームをプレイできない状況に陥っていることもある。
考え出したらキリがないし、キャラクターは結局その真相を知ることが出来ない。
「まあでもログインがしばらくないことも、そんなに珍しいことじゃないし、また戻ってくるかもしれないよ」
一年以上も放置していたゲームにヒョッコリ戻ってきてまたプレイを再開する、なんて話も無くはない。
でも僕がそう言った途端、ヴィクトリアは黙り込んだ。
突然の沈黙。
あれ?
どうしたのかな?
「ヴィクトリ……」
僕が彼女に声をかけようとした途端、僕の入っている樽が小刻みに揺れ出した。
そしてそれはすぐに激しい振動に変わる。
「一丁前に分かったようなこと言ってんじゃねえぞ! オラオラオラオラァ!」
「うおああああっ!」
ガタガタガタガタッ!
た、樽が!
激しく揺れるっ!
僕の迂闊な言葉に怒ったヴィクトリアが、樽を掴んで猛烈な勢いでシェイクしてるんだ。
や、やめてぇぇぇ!
僕は真っ暗闇の中で樽の内側に頭やら背中やらを打ち付けて悶絶し、さらには激しい揺れによって吐き気をもよおすほど気持ちが悪くなった。
「し、死んじゃう。マジやめて。オエッ」
「フンッ! 思い知ったか! この野郎!」
僕の死にそうな声を聞いてとりあえず気が済んだのか、ヴィクトリアは樽をドカッと荷台に置くと、その隣にドシンと腰を下ろした。
ううっ……気持ち悪い。
何で僕がこんな目に……。
で、でも当事者でもない僕が軽々しく分かったようなこと言ったら、ヴィクトリアが怒るのも当然か……。
僕は少し反省した。
けどヴィクトリアはそれ以上怒るでもなく、力なく溜息をつく。
「はぁ。辛いんだよ。いつ来るのか分からないのを待つってのは。おまえは知らないだろうけど、第2ロビーは今、アタシみたいな奴がわんさかいるんだ」
「そ、そうなの?」
「そうさ。あそこで毎日毎日待ちぼうけしてる奴らの辛気くせえツラ見て、ああアタシもこんな顔してんのかなって思う瞬間、本当に嫌になるんだよ。そりゃそうだろ? 以前はフィールドを自由に駆け回って自慢の腕力で武器をガンガン振り回してモンスターをぶっ殺しまくってたんだぜ? そのアタシがロビーで椅子に座りながら、することもなく日がな一日、床を眺めてるんだぞ。クソッ! 何でこんなことに……とにかくアタシはあの場所が大嫌いなんだ。二度と戻りたくないね」
そう言うとヴィクトリアは僕の入った樽をゴツンと叩く。
彼女の話を聞いている僕の頭には、当然のようにある疑問が浮かんだ。
「で、でもどうして外に出ることが出来たの? 今の君の状態は……」
「一時的に外に出られるよう、暫定的にNPCの身分を与えられたんだ。これからアタシは試験を受けにいく」
その話を聞いて僕はハッとした。
「試験? もしかしてNPCに転身するための試験?」
それは以前に僕の友達の魔道拳士アリアナがPCからNPCに転身するために受けた制度と同じだった。
アリアナをプレイしていた人がやむを得ない事情によりその後のプレイが困難になったため、アリアナをNPCに転身させることを望んだんだ。
「ああ。といってもプレイヤーが自分の意思でキャラクターをNPC化させる従来の制度とは違うけどな」
ヴィクトリアの話によれば180日以上ログインがないPCについては運営本部の判断でNPC移行制度を利用してNPCに転身させることがあるという。
その場合、180日を過ぎた時点でその旨をプレイヤーに通知し、それから13日以内にプレイヤーから拒否の連絡がない限り、移行手続きが進められる。
そうしてNPCになったキャラクターはPCに戻ることは出来ない。
だからNPC化を望まないプレイヤーはあらかじめ拒否の届け出を行う必要がある。
ヴィクトリアのプレイヤーはその届け出を行っていなかったため、今回彼女はNPC化への移行試験を受ける運びとなったらしい。
このNPC移行制度はゲーム開始時の利用規約にも明記されているんだけど、読み込む人はほとんどいないだろうね。
何にしてもこれは、ヴィクトリアのような高レベルのキャラクターを何もさせずに閉じ込めておくのはもったいないという観点から整備された制度なんだって。
「でも、運営本部からのその通達を受けたなら、ヴィクトリアをプレイしていた人から連絡くるんじゃないの? もしかしたらまたこのゲームに戻って来てくれるかも……」
「もう猶予期間の13日間は経過したさ。アタシのご主人からは梨のつぶてだよ」
「そ、そっか……」
ヴィクトリアの沈鬱な声にその場の空気が重くなる。
僕はそれを振り払うように努めて明るい声で尋ねた。
「ところでそのNPCになるための試験って何なの?」
アリアナの時はキャラクターのランクを最上級であるAにして、その後の大会で優勝することが条件だったんだけど、ヴィクトリアはすでにAランクの熟練キャラだ。
Aの上に特級のSランクがあるけど、そこまで到達できるキャラクターはほとんどいない。
「話は単純さ。運営本部が王城の闘技場で主催する試合に勝てば合格。負ければ当然不合格。一発勝負でアタシの運命が決まるんだ」
「そ、それは本当に負けられない戦いだね」
「アタシはどうしてもNPCになりたいんだ。ご主人がもう戻って来ないなら、前みたいに自由にゲーム内を冒険できるようになるにはそれしかねえ!」
ヴィクトリアは語気を強めて僕にそう言った。
負けてしまえばヴィクトリアはこの先も第2ロビーで、もう帰って来ないかもしれない主人を待ち続ける日々に身を置くことになる。
僕は普段ずっと闇の洞窟にいて、時々こうして王城に行くくらいの行動パターンしかないけれど、そんな僕と違ってヴィクトリアはずっと世界中を旅してきたPCだったんだ。
その彼女にとって毎日閉じ込められている生活は耐え難い苦痛なんだろう。
最近は僕も色々なところへ旅する機会があったから、この世界を巡る楽しさが分かるようになってきた。
だから今のヴィクトリアの気持ちも少しは分かる。
協力できるかどうかは分からないけれど、とにかく彼女の話を聞いてみようと思った。
「僕を仲間に誘ったってことは、試合はチーム戦ってこと?」
僕がそう尋《たず》ねるとそこで樽の蓋がパカッを開けられて、上からヴィクトリアが覗きこんできた。
「ああ。2対2のタッグ・マッチだ。対戦相手ももう決まってる。アタシには適当なパートナーがあてがわれる予定だったんだが、希望して外の世界で見つけてきていいことになった」
それで僕に声をかけてくれたのか。
ちなみに僕、以前はライフゲージを持たない一般NPCだったけれど、度重なる戦闘への参加(巻き込まれ)があったため、運営本部の判断で最近はサポートNPCへと規格が変更されていた。
だから今の僕にはライフゲージがあり、自分の意思で戦闘への正式参加が可能だった。
とは言ってもレベルもランクも最低クラスで、大して戦力にはならないけどね。
僕がタリオを持っていなかったことでヴィクトリアのアテはすっかり外れてしまったんだけど、それでもそんな事情を抱えながら外の世界に出て来て必死に僕を探してくれたことを思うと、僕は光栄な心持ちになった。
こんなヘタレな僕を求めてくれる人もいるんだなぁ。
ありがたい。
「だからおまえを見つけた時……アタシはこんなショボイ奴に頼ろうとしてるのかと絶望しそうになったけどな。ワラにもすがるってのはこういうことを言うんだな。アタシもヤキが回ったと思うだろ? ハハハハッ!」
ハハハハッ!
前言撤回!
さも自虐っぽい言い回しで僕を蔑んでますけど気付いてますか!
「はぁ……でもAランクでそんなにレベルの高い君が、わざわざタリオの性能を求めて僕のところに来たってことは、対戦相手は君よりもさらにメチャクチャ強いってこと?」
僕がそう尋ねるとヴィクトリアは苦虫を噛み潰したような顔で答えた。
「……10戦10敗だ。アタシはそいつに一度も勝ったことがねえんだよ。クソッ」
……マジか。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
S級騎士の俺が精鋭部隊の隊長に任命されたが、部下がみんな年上のS級女騎士だった
ミズノみすぎ
ファンタジー
「黒騎士ゼクード・フォルス。君を竜狩り精鋭部隊【ドラゴンキラー隊】の隊長に任命する」
15歳の春。
念願のS級騎士になった俺は、いきなり国王様からそんな命令を下された。
「隊長とか面倒くさいんですけど」
S級騎士はモテるって聞いたからなったけど、隊長とかそんな重いポジションは……
「部下は美女揃いだぞ?」
「やらせていただきます!」
こうして俺は仕方なく隊長となった。
渡された部隊名簿を見ると隊員は俺を含めた女騎士3人の計4人構成となっていた。
女騎士二人は17歳。
もう一人の女騎士は19歳(俺の担任の先生)。
「あの……みんな年上なんですが」
「だが美人揃いだぞ?」
「がんばります!」
とは言ったものの。
俺のような若輩者の部下にされて、彼女たちに文句はないのだろうか?
と思っていた翌日の朝。
実家の玄関を部下となる女騎士が叩いてきた!
★のマークがついた話数にはイラストや4コマなどが後書きに記載されています。
※2023年11月25日に書籍が発売!
イラストレーターはiltusa先生です!
※コミカライズも進行中!
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※毎週、月、水、金曜日更新
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
※追放要素、ざまあ要素は第二章からです。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
外れギフト魔石抜き取りの奇跡!〜スライムからの黄金ルート!婚約破棄されましたのでもうお貴族様は嫌です〜
KeyBow
ファンタジー
この世界では、数千年前に突如現れた魔物が人々の生活に脅威をもたらしている。中世を舞台にした典型的なファンタジー世界で、冒険者たちは剣と魔法を駆使してこれらの魔物と戦い、生計を立てている。
人々は15歳の誕生日に神々から加護を授かり、特別なギフトを受け取る。しかし、主人公ロイは【魔石操作】という、死んだ魔物から魔石を抜き取るという外れギフトを授かる。このギフトのために、彼は婚約者に見放され、父親に家を追放される。
運命に翻弄されながらも、ロイは冒険者ギルドの解体所部門で働き始める。そこで彼は、生きている魔物から魔石を抜き取る能力を発見し、これまでの外れギフトが実は隠された力を秘めていたことを知る。
ロイはこの新たな力を使い、自分の運命を切り開くことができるのか?外れギフトを当りギフトに変え、チートスキルを手に入れた彼の物語が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる