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第二章 『盗賊団のアジト』
第6話 突入!
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不正プログラムによって作り出された偽りの滝つぼで、電撃鰻の親子を討ち果たした俺は大きく息をついた。
「フウッ。手間かけさせやがって」
すぐさま俺は周囲の気配を探る。
まだ電撃鰻の子ウナギが残っているかもしれねえし、そうでなくともアジトの前でこれだけ馬鹿騒ぎしたんだ。
堕天使どもが泡食って飛び出してくるかもしれねえ。
そう思った俺だが、予想は外れ、辺りは不気味なほどの静けさを保っていた。
唯一聞こえるのは周囲の茂みまで吹っ飛ばされたパメラを助けに行ったティナが、神聖魔法を唱える声だけだ。
ダメージを受けたパメラを回復しているんだろう。
それにしても……。
「気に入らねえな」
これだけの物音を響かせりゃ、いくらマヌケな堕天使どもがアジトの中で昼寝していたとしても、飛び起きてくるはずだ。
もしかしてすでにヒルダの奴は手下ともどもアジトを捨てて引っ越しでもしちまったか。
だとしたらとんだ無駄足だったな。
「バレットさん。おケガは?」
そう言いながら近付いてくるティナは、パメラにその肩を貸している。
電撃鰻のヒゲに巻き付かれて電撃をその身に受けたパメラは、相当なダメージを受けていたはずだ。
「ねえよ。パメラはどうだ? 戦えんのか?」
俺の問いにパメラはティナに抱えられた状態で力強く頷いた。
「ティナ殿の回復魔法のおかげで電撃のダメージも癒えたでござる。存分に刀を振るうことが出来るでござるよ」
そんなパメラを抱えながらティナはチラリと水面を見下ろす。
「子ウナギたちも全滅したようですね。今のうちにこの場の正常化を」
そう言うとティナはパメラを抱えたまま上昇し、片手で銀環杖を掲げた。
その杖の先端の宝玉から青い光が降り注ぐ。
それは霧雨のようにハラハラと滝つぼに舞い落ちていく。
「正常化!」
すると枯れた滝つぼだったはずのその場所が大きく姿を変えていく。
それはまるで壁画が剥がれ落ちていくかのようだった。
水辺は消えて行き、代わりに緑色の苔をビッシリと根元に生やした大樹が現れ、周囲の森と景色が繋がっていく。
「こ、こんなことが……」
激変するその光景にパメラはアングリと口を開け、言葉を失っていた。
無理もねえ。
こんな変化を見るのも初めてだろうからな。
そして俺たちの前に現れたその大木は、樹齢何千年という壮大な古木だった。
その太い幹の中心にポッカリと穴が開いている。
あれがヒルダのアジトへの入口か。
「首を洗って待ってやがれ。インチキ女め」
「……あれ? バレットさん。あれは?」
そう言うティナの視線の先、先ほど水面があった場所で今は緑色の苔が生える地面になっている場所に、宝箱のエフェクトが浮かんでいた。
敵を倒して入手できるドロップ・アイテムだ。
電撃鰻が落とした物だろう。
俺は注意深く周囲に木を配りながらその宝箱の前に着地して手を触れた。
すると俺のメイン・システムにドロップ・アイテム入手のコマンドが表示される。
そこにはこう記されていた。
【入手アイテム:雷足環】
それは膝に装備する防具だった。
偶然にも俺は同じような膝当てを右足に装備している。
ティナの正常化によって水面から地面へと戻ったその場所に降り立ったティナとパメラが近付いて来る。
「膝当てですか。炎足環に似てますね」
「ちょうどバレット殿に合いそうな防具でござるな」
俺が手に取ったそれを左足に装備すると防御力が少し上がった。
これも炎足環のような特殊効果があるんだろうか?
そう思って俺は左足を大きく振り上げて、噴熱間欠泉の要領で勢いよく地面を踏む。
すると数メートル先の地面に生える草がわずかに揺れ、パチッと静電気が弾ける音が聞こえた。
「あ? これだけか?」
それから俺は二度、三度と試してみたが、勢いをつけて見ても目に見えるほどの効果は表れなかった。
「チッ! 何なんだこりゃ」
「炎足環の時とはだいぶ違いますね」
困惑の表情を浮かべるティナの隣で、パメラが顎に指をやりながら俺の左膝をじっと見つめる。
「ふむ。バレット殿は炎の属性でござるから炎足環との相性が抜群だったのでござろう。雷足環は雷の属性のようでござるから、馴染むまでに時間を要するのでござらぬか?」
フンッ。
今すぐに戦力になるわけじゃなさそうだな。
ま、防御力が多少増すならそれで良しとするか。
「よし。さっさと中に突入するぞ」
俺は地面に張り出した大樹の太い根に足をかけると幹の中心に穿たれた穴を見た。
それは俺1人がようやく通れる程度の大きさの穴だった。
そして周囲にはやはり何者の気配も感じなかった。
この不自然な感じ……もうアジトは放棄されて無人のままなのか、あるいは……。
ティナは不安げな顔でその穴を見つめてやがる。
「絶対に罠が張ってあるはずです」
「何の。虎穴に入らずんば虎児を得ず。罠を全て打ち破るつもりで突入するでござるよ」
パメラは意気込んで白狼牙の鞘を握った。
ヒルダの奴がもし本当にこのアジトの中にいるのだとしたら、敢えて俺たちを中に招き入れようとしているのかもしれねえな。
勝手知ったる自分の庭なら、俺たちをハメやすいだろうからよ。
だがそうだとしても、パメラの言う通り俺たちは中に突入する。
こざかしい罠が待ち受けていようと、俺はあの女をぶっ飛ばすと決めたんだからよ。
「行くぞ」
入口をくぐって俺たちは大樹の幹の内部へと侵入する。
入口の中は下方への空洞になっていて木の幹から真下へと穴が続いている。
大樹の中の空洞はそれなりに広く、俺は羽を広げて降下した。
穴の深さは10メートルほどで、俺はすぐに地面に着地する。
俺に続いてティナはパメラを抱えて降りてきた。
「入口のあった場所が地上から5メートルほどのところでしたから、ここはもう地面の下ですね」
ティナはそう言って上を見上げた。
穴の底には地面と平行に横穴が続いている。
そこはこの木の洞と違って、石と土で固められた通路だ。
高さ2メートル、横幅1メートル。
こいつは狭い。
ティナとパメラならギリギリ横に2人並んで歩けるが、俺くらいの体格だと1人が通行の限界だ。
「これは敵から攻められた時には守り易いでござるな」
そう言うとパメラは横穴の内部に目を凝らした。
内部は明かりが入らないため完全な暗闇で、小娘どもには見えないだろう。
「バレットさん。先頭をお願いできますか?」
「フンッ。言われなくてもそのつもりだ」
「それにしても暗過ぎるでござるな。明かりを灯すでござるよ」
夜目の利く俺にはハッキリと見えるが、まっすぐに続く通路の先に動く者は見当たらない。
ティナはアイテム・ストックから松明を取り出したが、少し考えて別のアイテムに取り換えた。
それは小瓶に封じ込められた光輝く妖精だった。
手の平に乗るほどの小さなその妖精は目を閉じたまま微動だにしない。
「照明妖精です。これなら松明より便利ですよ」
そう言ってティナが小瓶の蓋を開けると、眠っていた妖精がパッと目を覚まして小瓶の中から飛び立つ。
途端にその妖精の体から発せられる光で辺りがかなり明るくなった。
確かに松明を持てば片手が塞がれちまうが、これなら両手が自由になり、煩わしい思いをすることもない。
「最近、買っておいたものです」
「なかなかに便利でござるな」
照明妖精が先頭を飛び回り、その明かりに照らされた通路を俺、ティナ、パメラの順で進んでいく。
すると10メートルほど進んだところで、通路はあっさりと行き止まりになっていた。
「道が塞がれているでござるな」
パメラの言う通り、よく見るとそれは行き止まりというよりも、唐突に岩壁を作って道を塞いだという感じだった。
「あのクソ女。立てこもるつもりか?」
「これなら労せず侵入者を追い返すことが出来ますから、ヒルダにとっては都合がいいのでしょう。ですが私がいる以上、この歩みは止められません」
そう言うとティナは俺の横を狭そうにすり抜けて、泰然と岩壁に向かって手をかざす。
「不具合分析」
ティナの手から照射された青い光に照らされた途端、岩壁はユラユラと風になびくかのように揺れ出した。
それは不正プログラムの産物である動かぬ証拠だ。
ティナは間髪入れずに銀環杖を掲げる。
「今からこの岩壁を排除します。ですが、このすぐ向こう側に敵が潜んでいるかもしれません。お2人とも油断なさらずにお願いします」
そう言うとティナは正常化を唱え、銀環杖の先端の宝玉から青い粒子が放射された。
岩壁はまるで氷が高熱によって蒸発するかのように瞬く間に消えていく。
だが、その後ろから押し寄せてきたものに、俺は弾かれたように声を上げた。
「下がれっ!」
「フウッ。手間かけさせやがって」
すぐさま俺は周囲の気配を探る。
まだ電撃鰻の子ウナギが残っているかもしれねえし、そうでなくともアジトの前でこれだけ馬鹿騒ぎしたんだ。
堕天使どもが泡食って飛び出してくるかもしれねえ。
そう思った俺だが、予想は外れ、辺りは不気味なほどの静けさを保っていた。
唯一聞こえるのは周囲の茂みまで吹っ飛ばされたパメラを助けに行ったティナが、神聖魔法を唱える声だけだ。
ダメージを受けたパメラを回復しているんだろう。
それにしても……。
「気に入らねえな」
これだけの物音を響かせりゃ、いくらマヌケな堕天使どもがアジトの中で昼寝していたとしても、飛び起きてくるはずだ。
もしかしてすでにヒルダの奴は手下ともどもアジトを捨てて引っ越しでもしちまったか。
だとしたらとんだ無駄足だったな。
「バレットさん。おケガは?」
そう言いながら近付いてくるティナは、パメラにその肩を貸している。
電撃鰻のヒゲに巻き付かれて電撃をその身に受けたパメラは、相当なダメージを受けていたはずだ。
「ねえよ。パメラはどうだ? 戦えんのか?」
俺の問いにパメラはティナに抱えられた状態で力強く頷いた。
「ティナ殿の回復魔法のおかげで電撃のダメージも癒えたでござる。存分に刀を振るうことが出来るでござるよ」
そんなパメラを抱えながらティナはチラリと水面を見下ろす。
「子ウナギたちも全滅したようですね。今のうちにこの場の正常化を」
そう言うとティナはパメラを抱えたまま上昇し、片手で銀環杖を掲げた。
その杖の先端の宝玉から青い光が降り注ぐ。
それは霧雨のようにハラハラと滝つぼに舞い落ちていく。
「正常化!」
すると枯れた滝つぼだったはずのその場所が大きく姿を変えていく。
それはまるで壁画が剥がれ落ちていくかのようだった。
水辺は消えて行き、代わりに緑色の苔をビッシリと根元に生やした大樹が現れ、周囲の森と景色が繋がっていく。
「こ、こんなことが……」
激変するその光景にパメラはアングリと口を開け、言葉を失っていた。
無理もねえ。
こんな変化を見るのも初めてだろうからな。
そして俺たちの前に現れたその大木は、樹齢何千年という壮大な古木だった。
その太い幹の中心にポッカリと穴が開いている。
あれがヒルダのアジトへの入口か。
「首を洗って待ってやがれ。インチキ女め」
「……あれ? バレットさん。あれは?」
そう言うティナの視線の先、先ほど水面があった場所で今は緑色の苔が生える地面になっている場所に、宝箱のエフェクトが浮かんでいた。
敵を倒して入手できるドロップ・アイテムだ。
電撃鰻が落とした物だろう。
俺は注意深く周囲に木を配りながらその宝箱の前に着地して手を触れた。
すると俺のメイン・システムにドロップ・アイテム入手のコマンドが表示される。
そこにはこう記されていた。
【入手アイテム:雷足環】
それは膝に装備する防具だった。
偶然にも俺は同じような膝当てを右足に装備している。
ティナの正常化によって水面から地面へと戻ったその場所に降り立ったティナとパメラが近付いて来る。
「膝当てですか。炎足環に似てますね」
「ちょうどバレット殿に合いそうな防具でござるな」
俺が手に取ったそれを左足に装備すると防御力が少し上がった。
これも炎足環のような特殊効果があるんだろうか?
そう思って俺は左足を大きく振り上げて、噴熱間欠泉の要領で勢いよく地面を踏む。
すると数メートル先の地面に生える草がわずかに揺れ、パチッと静電気が弾ける音が聞こえた。
「あ? これだけか?」
それから俺は二度、三度と試してみたが、勢いをつけて見ても目に見えるほどの効果は表れなかった。
「チッ! 何なんだこりゃ」
「炎足環の時とはだいぶ違いますね」
困惑の表情を浮かべるティナの隣で、パメラが顎に指をやりながら俺の左膝をじっと見つめる。
「ふむ。バレット殿は炎の属性でござるから炎足環との相性が抜群だったのでござろう。雷足環は雷の属性のようでござるから、馴染むまでに時間を要するのでござらぬか?」
フンッ。
今すぐに戦力になるわけじゃなさそうだな。
ま、防御力が多少増すならそれで良しとするか。
「よし。さっさと中に突入するぞ」
俺は地面に張り出した大樹の太い根に足をかけると幹の中心に穿たれた穴を見た。
それは俺1人がようやく通れる程度の大きさの穴だった。
そして周囲にはやはり何者の気配も感じなかった。
この不自然な感じ……もうアジトは放棄されて無人のままなのか、あるいは……。
ティナは不安げな顔でその穴を見つめてやがる。
「絶対に罠が張ってあるはずです」
「何の。虎穴に入らずんば虎児を得ず。罠を全て打ち破るつもりで突入するでござるよ」
パメラは意気込んで白狼牙の鞘を握った。
ヒルダの奴がもし本当にこのアジトの中にいるのだとしたら、敢えて俺たちを中に招き入れようとしているのかもしれねえな。
勝手知ったる自分の庭なら、俺たちをハメやすいだろうからよ。
だがそうだとしても、パメラの言う通り俺たちは中に突入する。
こざかしい罠が待ち受けていようと、俺はあの女をぶっ飛ばすと決めたんだからよ。
「行くぞ」
入口をくぐって俺たちは大樹の幹の内部へと侵入する。
入口の中は下方への空洞になっていて木の幹から真下へと穴が続いている。
大樹の中の空洞はそれなりに広く、俺は羽を広げて降下した。
穴の深さは10メートルほどで、俺はすぐに地面に着地する。
俺に続いてティナはパメラを抱えて降りてきた。
「入口のあった場所が地上から5メートルほどのところでしたから、ここはもう地面の下ですね」
ティナはそう言って上を見上げた。
穴の底には地面と平行に横穴が続いている。
そこはこの木の洞と違って、石と土で固められた通路だ。
高さ2メートル、横幅1メートル。
こいつは狭い。
ティナとパメラならギリギリ横に2人並んで歩けるが、俺くらいの体格だと1人が通行の限界だ。
「これは敵から攻められた時には守り易いでござるな」
そう言うとパメラは横穴の内部に目を凝らした。
内部は明かりが入らないため完全な暗闇で、小娘どもには見えないだろう。
「バレットさん。先頭をお願いできますか?」
「フンッ。言われなくてもそのつもりだ」
「それにしても暗過ぎるでござるな。明かりを灯すでござるよ」
夜目の利く俺にはハッキリと見えるが、まっすぐに続く通路の先に動く者は見当たらない。
ティナはアイテム・ストックから松明を取り出したが、少し考えて別のアイテムに取り換えた。
それは小瓶に封じ込められた光輝く妖精だった。
手の平に乗るほどの小さなその妖精は目を閉じたまま微動だにしない。
「照明妖精です。これなら松明より便利ですよ」
そう言ってティナが小瓶の蓋を開けると、眠っていた妖精がパッと目を覚まして小瓶の中から飛び立つ。
途端にその妖精の体から発せられる光で辺りがかなり明るくなった。
確かに松明を持てば片手が塞がれちまうが、これなら両手が自由になり、煩わしい思いをすることもない。
「最近、買っておいたものです」
「なかなかに便利でござるな」
照明妖精が先頭を飛び回り、その明かりに照らされた通路を俺、ティナ、パメラの順で進んでいく。
すると10メートルほど進んだところで、通路はあっさりと行き止まりになっていた。
「道が塞がれているでござるな」
パメラの言う通り、よく見るとそれは行き止まりというよりも、唐突に岩壁を作って道を塞いだという感じだった。
「あのクソ女。立てこもるつもりか?」
「これなら労せず侵入者を追い返すことが出来ますから、ヒルダにとっては都合がいいのでしょう。ですが私がいる以上、この歩みは止められません」
そう言うとティナは俺の横を狭そうにすり抜けて、泰然と岩壁に向かって手をかざす。
「不具合分析」
ティナの手から照射された青い光に照らされた途端、岩壁はユラユラと風になびくかのように揺れ出した。
それは不正プログラムの産物である動かぬ証拠だ。
ティナは間髪入れずに銀環杖を掲げる。
「今からこの岩壁を排除します。ですが、このすぐ向こう側に敵が潜んでいるかもしれません。お2人とも油断なさらずにお願いします」
そう言うとティナは正常化を唱え、銀環杖の先端の宝玉から青い粒子が放射された。
岩壁はまるで氷が高熱によって蒸発するかのように瞬く間に消えていく。
だが、その後ろから押し寄せてきたものに、俺は弾かれたように声を上げた。
「下がれっ!」
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