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一章 四人の勇者と血の魔王

第41話 響きはカッコいいしたまに見かけるけど、結局なんなの?

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「はぁ……はぁ……!」

 魔力の限界が近い。
 崩れそうになる膝を立たせ、賢者は汗を拭う。


 完璧な流れだった。
 まず、ナイズによる【脳髄夢・十二聖剣】。再現とは言え『災害を滅す象徴』たる聖剣を12本全て使用し、限界まで魔力を注ぎ込むことで威力を最大まで上昇させていた。ナイズの文字通り決死の攻撃はマジストロイの身体を切り裂き、初めてまともなダメージを与える事に成功する。
 次にゴルガスの【滅雷】。かつて魔界にて……龍帝と並び権威を振るっていた『鬼神』の技。傷ついたマジストロイの物理的損傷を最大にする、最高の追い打ちだった。
 最後にサヴェルの【真魔ディテリオ・ダンテ】。超濃密純粋魔力をマジストロイに直接ねじ込み、魔力暴走に近い状態を引き起こす。血管に流れる魔力を爆ぜさせれば、いくら魔王と言えど身体的仕組みには抗えない。

 ─────完璧な流れだった。

「ダメなのですか、ここまでしても……!!」

 血に塗れたマジストロイは確かに、そこに生きていた。息を荒げながらも確かに呼吸し、震えながらも確かに両足で立っている。

「いや……安心すると良い、十分だった。これが俺達に出来る『最大』だった」

「……どういう意味なのだ?」

「俺達では────マジストロイを戦闘不能に追い込むのは到底不可能という事だ。だが、最大限消耗させる……現時点で出来る最高の仕事をこなした」

 ナイズの『最初から分かっていた』ような口振りに二人は違和感を覚える。

『あの地を取られたら終わりだ─────!』

 思い返せば、ナイズは戦いが始まった瞬間から気配を感じていた。

「……貴様らは強い。余が災害でなければ、もう塵芥と化している事だろう」

 魔王は剣を握る。引き抜く。ただそれだけの動作に苦痛が伴う事実は久しぶりの感覚だった。

「俺の『聖剣』。サヴェル殿の『純魔力』。……という特性がなければ、気絶くらいには追い込めたかもな」

「───────今、なんと?」

 サヴェルの口が震える。
『まさか』『そんなはずはない』────排除したい可能性だが、ナイズの言葉に一致する『剣』など一つしかない。

「あり得ないッ!そんなはずが……」

「ど、どういうことなのだ!?一体……」

「第一、私なら魔力を感じ取れるッ!マジストロイの持つ剣が──────」

であるはずがない、か?」

 肩に担がれたのは錆びついた剣。それ自体に力は感じられない。サヴェルもゴルガスも、巨大な魔力や業物の鋭さを感じていない。

 だが─────『同胞』であるナイズには分かってしまった。

「マジストロイ・アスタグネーテは魔王であり─────聖剣に選ばれた【楔の勇者】だ」

「……馬鹿な」

 馬鹿げている話だった。
 聖剣に弱いはずの魔王がナイズの攻撃を耐えきれたのは何故か。───自身も聖剣に選ばれた勇者だから。
 生命体であれば耐えられないはずの、直接の純粋魔力の注入に耐えられたのは何故か。─────その技術を編み出し、身体中に超高濃度の魔力を巡らせていた初代勇者の後継者……勇者だから。

「卑怯かもしれないな。選ばれるだけでこうも力を得てしまうのは」

 二律背反を宿す者は悲しげな瞳のまま、剣を握りしめる。

「恨むなとは言わない。だが────そろそろコレを使わなければ、貴様らに殺されてしまうのでな」

 想起されたのは伝承の存在。無数の刃を操り、棲家を針の山にし、殺戮の全てを尽くした初代魔王のような……正しく絶望。
 再び訪れたソレが告げるのは『圧倒的な敗北』か。

「……流石わたし」

 それとも───────。

「ちょうどいい時間に目覚めたみたいね」

 ──────『一筋の希望』か。
















 ー ー ー ー ー ー ー















「で、どーするよこれ」

 俺とヒゲのおっさんは胡座をかき、妹ちゃんは膝を抱えて座っているこの木の下。

「どうやって突破すればいいんだよー分かんねえよー」

「お前さん、勇者だろ。なんだ、こう……ホラ、障害を突破する冒険に必須な閃き力とかは」

「ははは、そういうの全部解決してくれる優秀な仲間がいたもんでな、悪いけど専門外なんだよ」

「なるほど、賢者と戦士を仲間に持つとこうなるのか。参考になったワ」

「そうなんだよ、どうやら今の仲間は優秀じゃないみたいで困っちまうね!」

「ォレ達を仲間って言ってくれるたぁ嬉しくなっちゃうな」

「皮肉だよバカ」

「気付いてるよアホ」

「……」

「……」

 葉っぱが落ち、風に揺られた視界から消える。

「2人とも……もっと建設的な会話内容にしませんか」

「言うねぇ妹ちゃん、そんな事言うんだったら良い作戦考えてるんだろうなァ!」

「うーわ、自分は何もしてない癖にそれを咎められると『お前はどうなんだ』って言ってくるタイプだよ」

「おっさんも何もしてねえだろ」

「良い作戦……そうですね……。なら」

 ポン、と手を叩いた妹ちゃんに、俺とおっさんの視線が注がれる。

「2人とも特攻してきてください。その隙に私だけは兄様のもとへ向かいますので」

「あーもうダメだこれ!三人のうち唯一真面目そうな奴がコレじゃどうにもならないって!」

「……しかし、本当にどうしたもんかね。これだけ防御を固められちゃあ攻めようが─────」

「……」

「……」

「……え、何。何で2人ともォレの事見てんの」

「いやだって今不自然に言葉が中断されただろ」

「絶対何か思い付きましたよね」

 ため息をついたおっさんが顔を覆う。

「……しょうもない案だ。安全性は低い。成功率も分からんし、『面白み』に富んでる事しか良い所が見つからんのですワ」

「何でもいい。仲間を待たせてんだ、それに……いくら最強の勇者とは言え、あんなマセガキに魔王が倒せる訳無いしな。岩の勇者様がさっさと助太刀に行ってやんねーと」

 言った直後に、俺は妹ちゃんの兄を馬鹿にしてしまったことに気付いた。恐る恐る表情を覗くが……意外にも怒ってなさそう。

「同感です。兄様は確かに強いですが、魔王と戦うのなら聖剣の力は必須。ロクト様、貴方は聖剣をかなり使いこなしている様子……兄様の力になってくれるのなら心強いです」

「お、おぉ?ルタインに続いてこんなストレートに褒めてくれる奴がいるもんだなぁ……おいおっさん、あんたも見習って偉大なる勇者様を褒め称えろよ」

「いくらでも褒めてやるさ」

 頭を掻き、髭を撫でたおっさんが立ち上がる。

「この作戦を上手く行かせてくれたら────な」













 ー ー ー ー ー ー ー














 兵士達は身構えていた。それは敬意の対象であるストゥネアの勅命を成し遂げたいという気持ちもあるが────そんな彼女が切迫した表情で伝えてきた、守らなければいけない理由とはなんなのか。
 加えてマリナメレフが行方不明になり、さらにマジストロイが前線に出向くという異常事態。
 高揚と恐怖が彼らを突き動かしている。

 ─────声が聞こえてきたのは、その時。

「った、助けてくれぇぇえーっ!!」

「!?」

 橋と地面の境界に立ちはだかる兵士の下に転がり込んできたのは────帝国の軍服を着た男女。

「やばい……やばい奴が来るんだ!中に入れてくれ、今すぐ……!」

「……っ!出来るか、そんな事が!散々攻撃してきた癖に今更何を言う、帝国が!」

「─────いや、待て」

 兵士の一人が口を開く。

「さっき……ストゥネア様と一緒にいたあの人間」

「あぁ、いたな……」

「あいつも帝国の軍服を着ていた」

「「「!!」」」

 兵士達のどよめきが徐々に広がっていく。
 軍事国家である帝国兵がここまで恐れる存在とは何か。ストゥネアが警戒する何かがまさに今、迫っているのではないかと。

「帝国と一時的な協力関係にある……って事か?」

「いやしかし……」

「……門の中に入れ」

「おい、何を勝手に────」

「今はそんな事を言っている場合じゃないだろう!?例え敵だろうと同じ命だ。救いを求めているのに手を差し伸べないなんて……」

 どよめきは更に大きく、広くなっていく。怒鳴り散らかす者も、帝国の二人を抱き起こそうとする者も─────

「あ、ああああああぁぁああ!!」

 ─────皆、軍人の男の叫び声によって、静寂を取り戻した。

「お、おい、どうし────」

「き……来た。あいつが来た……!!」

 木々の奥から見えた人影。それを見た兵士達は一瞬落ち着きを取り戻しかけた。『なんだ、巨大な化け物とかじゃないのか』……と。
 だがその者が持つ剣が、岩を纏っている事に気付いたものが現れるのは速かった。

「オォ~イオイ、情けないったらありゃしねえなァ!帝国ともあろうもんが、命に危機が迫れば魔族に助けてもらおうとしちまうんだからなァ!!」

「あの……剣、は────」

 男はゆっくりと、しかし確実に近づき────名乗りを上げる。

「この【岩の勇者】、ロクト・マイニング様ならいくらでも助けてやるってのによォ~!!」

「ヒ、ヒィイイイィイイ!」

「岩の、勇者だと……!?」

 帝国の男の焦りようは明らかに異常だった。ソレが証拠となり、ストゥネアの発言が裏付けとなる。魔王を滅ぼす存在が、邪悪な意志を持ち近付いてくる。

「アイツは外道だ、悪魔だ!人が絶対出来ないような悪行を息を吸うようにする……この娘だって……!」

 魔族達の視線が少女へと集中する。

「……私。もうあの人の所へ戻りたくない。何度も何度も────好きなようにされて、汚された」

「な……ッ!?」

 無表情な少女は、もはや感情すら捨て去ってしまったかのような冷たさがあった。

「え、マジ?そこまでする?……ギャ、ギャハハハハハ!!オ、オイオイそりゃねえだろ?お前だって結構楽しんでたじゃねえか!あんあん、痛い、嫌だーってな。ギャハハハハハ!ハハ、ハ……」

 静寂は一瞬だった。

「この、外道があぁああああッ!!」

 少女の近くにいた兵士が火蓋となり、一斉に攻撃が岩の勇者へ向かう。矢と魔法が彼のいる場所目掛けて飛び─────

「うおっと!?あっぶね……」

 だが、堅牢な岩は数では壊せない。
 巨大化した岩の聖剣が盾となり、近づくものはどこからか現れた溶岩に阻まれる。

「こっちだ!今のうちに早く!」

 兵士達の内、当然の如く帝国兵の二人を匿うものがいた。二人を連れ、門の内側まで来たところで────

「ここまで来れば安全だろう。だがここも長くはないかもしれない、俺が同行して事情を説明する。一緒に城の内部まで─────」

「あぁ、そうさせてもらうワ」

 抜刀。鞘から抜くと言う動作はこの場合必要ではなかったが、癖のようなもので男はやめられない。柄頭を後頭部に激突させ───シャーグとザラの前に倒れ込んだ。

「が……っ!?」

「案内はいらないが、な」

「!?貴様、何をして─────」

 普段と異なる点と言えば、刀の反対側で当てるだけ。少し離れた数人の兵士をシャーグが切り伏せる。

「この悪魔め、ストゥネア様のためにも────」

「……眠って」

 戦術兵装を抜き、ザラが跳躍する。狙いは城壁からロクトを狙う弓兵と魔法兵達。その無防備な後ろ姿だ。

「【絶刀・輪】」

 剣士の……刀を追求した者が習得する高位スキル。逆さに持った事によって本来より少しスピードは落ちるが、輪を描くように放たれた斬撃は一気に大量に兵士たちを薙ぎ倒していく。

「があああああッ────!?」

「っ、どうした!?一体何が……」

「よそ見したな?甘く見んじゃねーよ勇者様を!」

『うまくやった』……のを確認したロクトは一度次元の穴にしまい込んだ岩の聖剣を大剣型に調節し、大きくぶん回す。
 蹴散らした後に自分に身体強化魔法をかけ、する事は一つ。

 剣を目の前に横に構えて─────思いっきり突っ走る事。

「うぉらぁあああああああ!!」

 戦術でもなんでもないロクトの行動。シャーグとザラによる内部からの撹乱のおかげで出来るゴリ押しの極地。
 それでもよかった。今の彼らの目的はこの場所の制圧でも、魔族達の殺害でもなく……魔王城へ入るためなのだから。

「き、貴様ら……最初からグルで……」

「悪いけど急いでんだ。じゃあな~」

「くっ、待っ─────」

「……あの」

 相変わらず無表情な少女を見上げ、いつもこう言う表情なのか……と騙された自分を慰めた魔族に、一言だけ彼女は残した。

「助けてようとしてくれて、ありがとうございました」

「え」

「では」

 2人の男を追いかけて、少女は走る。その胸には罪悪感、心配など様々な感情が渦巻いていたが────暖かいという気持ちが、一番大きかったような気がした。

「妹ちゃん、アレはやりすぎだって……」

「アレ?」

「俺がその、汚したとかのアレだよ……マジでビビったし」

「あぁ……最適な言葉かなと思ったので」

「いや確かに同情を誘うにはピッタリだけども!俺ってただでさえ何故か悪評が広まってんのに……女の子に乱暴する聖剣泥棒とか最悪すぎて……」

 ……やっぱり罪悪感が一番大きいのかもしれない、とザラは心の中で結論を出した。






ーーーーーーーー

今回は特にコラムで語る事は無いので、私が影響された作品について少し触れます。
名前は出しませんが、某少年誌で一年くらい?連載していた漫画にロクトとゴルガスとサヴェルとアルマの四人組は大きな影響を受けています。あと、有害指定魔導具とかの設定は某財団の影響を受けてしまっています。
好みを全面に出しつつ、設定や展開が不自然にならないよう気を付けて執筆していくつもりなのでこれからも何卒よろしくお願いします。
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