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一章 四人の勇者と血の魔王
第6話 ツーキバルは嫌だ!、ツーキバルは……
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聖剣に認められた者は、与えられた職業から『勇者』という新たな職業へと変化する。勇者はその全ての能力が普通の職業を極めたようなものであり、常人を遥かに凌駕する。初代勇者が創造した聖剣を操り、世界に蔓延る魔を滅するのだ。
しかし、『岩の勇者』─────ロクト・マイニングは聖剣に認められた訳ではない。つまり、勇者ではないのだ。
ではなぜ、彼は聖剣を持っているのか?常人は聖剣を持つ事すら叶わない。聖剣自体が、それを拒絶するのだ。それを振るう事が出来るのなら、多少はロクトの事を聖剣は認めているのかもしれない。
だが、彼が聖剣の所有者である理由のほとんどは……彼の職業である、『採掘師』によるものだ。
ー ー ー ー ー ー ー
「さーてと……どうすっかなぁ」
俺はしわの付いた地図をグッと伸ばしながら、魔王城への道のりと睨めっこする。
「どうするも何も、ルートは一つしかありませんよ」
「つってもよぉ。やっぱりヤバいんじゃねぇのか?……北の勇者と出くわすのは」
四つの大国の中心には、魔界と呼ばれる魔族や魔物が住まう領域になっている。俺が子供の時は魔族とも普通に仲良くやってける感じだったんだけど、ある日突然魔界は他国との関わりを断ち、人々を襲う魔物を大量に生成し始めた。
そしてナルベウス王国から魔界までを一直線で行く事は出来ない。魔界の防御が特別硬いとかそういう話ではなく……『赤刃山脈』という、バカ高い上に地面が滅茶苦茶尖ってて登るなんてとてもじゃないが考えられない山があるからだ。そこを登るくらいなら北の方へ回っていく方が速いって話なんだけど……。
「獣人大国ツーキバルの勇者って……絶対危険だろ!気性荒いだろ獰猛だろ!」
北に佇むツーキバル。獣人はなんていうか、あんま会ったことないけど……大昔に奴隷だった事気にしてそう。偏見に過ぎないけど。
「意外と悪い所ではないぞ?ツーキバルは」
やけに得意げにゴルガスは微笑む。
「そういえばあなたは昔、ツーキバルで修行していたと言っていましたね」
「あぁ!自然豊かで心優しい人々!それに個人の武力が高く、修行にうってつけだ」
「ほらぁ!怖そうじゃん!」
「そ、そんな事はないはずだ!」
ゴルガスは顎に手を当てながら数秒悩んで、閃いたように俺に言った。
「聞いたことがあるだろう?あーっと確か……北の勇者は雷のように速く動き、魔物を倒すのに聖剣すら必要としない、と……」
「聖剣すら必要としないィ!?絶対やべーやつだろそいつ!!」
「あ、逆効果でしかなかったな……」
やだなぁ。ゴリゴリの厳ついムッキムキのゴルガスみてぇな勇者に喧嘩売られるの。……ちょっと腹痛くなってきた。
「勝てねぇって!そもそも俺勇者ですらないのにさぁ!採掘師なのバレたら舐められるどころじゃねえよ……助けてアルマ……」
クソ……仕方なかったんだよ。あの時俺は……聖剣を『掘る』しかなかったんだよ……!
「フッ。安心してください。恐らく脳も筋肉で出来ているであろう獣人族など、賢者である私にかかれば一網打尽ですよ。それよりも私は『南の勇者』、魔女が気になりますがね……」
いつもは生意気に感じるサヴェルの顔が、珍しく頼もしげに見えた。
「まぁ確かに……南に行くのは遠いから論外。大人しくツーキバルに向かうか」
ここからツーキバルへの最短の道は、赤刃山脈の外側の小さめの山や丘に沿って進んでいき、ツーキバルに入国し、北側から魔界へ侵入する。道中の街や村は少ないが、それでも距離が優先だ。
「ま!俺達が速く着けば良い話だし、北の勇者から向かってくる訳でもないし、世界平和の為にどんどん進んでこうじゃねえか!」
ー ー ー ー ー ー ー
「はっ、はぁっ─────急いでよオオカミさん!追いつかれちゃうよ!?」
闇夜。黄と白の入り混じった髪が風で荒ぶろうとも、少女は走る足を止めない。獣人特有の大きな耳に入り込んでくる木の葉を取り除く余裕もない。
「黙れ小娘ッ!逃げ足ばかり速いくせに文句を垂れるなッ!貴様の荷物を持ってやっている上、我はもう老体だ!」
厚めの布で作られた袋を加えながら器用に喋るのは─────白い、巨大な狼。暗い森林を巨躯が通り過ぎる様子は、普段住んでいる魔物達からすれば恐怖以外の何物でもないだろう。
そして、その狼を上回る速度で走る少女など、もはや目を疑う事しか出来ないだろう。
「あとオオカミさんなどとふざけた呼び方をするなッ!我には主に与えられた名があるのだからな」
「はぁ、はぁ!なんていうのー!?」
「フンッ。聞くがいい。そして慄け。天より舞い降りた我が主に与えられし、尊大にして雄大なる─────」
「言うなら速くしなよぉー!」
「我が真名、『ポチ』なりッッッ!!!」
カッと目を見開いた狼の気迫は、周囲の小型の魔物を一斉に地中に潜らせ、飛び立たせ、巣へ帰らせた。
「ポチね!?じゃあそう呼ぶから、あたしの事はリェフルってちゃんと呼んでよねぇ!!」
「口を閉じろ小娘ッ!それを言うのは─────」
狼……ポチは、口に咥えた袋を忌々しく睨みながら言う。
「貴様の勇者としての責務を果たしてからにしろッ!」
「そ、そんな事言ってもぉ~!!」
顔についた泥は気にせずとも、その眼から溢れ出てきた涙を彼女は人差し指で潰すように拭った。
「仕方ないじゃん!だって──────」
彼女達の今の状況とは真逆に、眩しいほど輝きながら夜空を埋める星々が、リェフルとポチを眺めている。
それらに睨み返すように、叫んだ。ポチが咥えている袋の中のバラバラになったそれを思い浮かべながら。
それが、『雷の勇者』である彼女の旅の始まり。ツーキバルからナルベウス王国へと逃亡した怒涛の夜。
「聖剣、壊しちゃったんだもーーーん!!」
しかし、『岩の勇者』─────ロクト・マイニングは聖剣に認められた訳ではない。つまり、勇者ではないのだ。
ではなぜ、彼は聖剣を持っているのか?常人は聖剣を持つ事すら叶わない。聖剣自体が、それを拒絶するのだ。それを振るう事が出来るのなら、多少はロクトの事を聖剣は認めているのかもしれない。
だが、彼が聖剣の所有者である理由のほとんどは……彼の職業である、『採掘師』によるものだ。
ー ー ー ー ー ー ー
「さーてと……どうすっかなぁ」
俺はしわの付いた地図をグッと伸ばしながら、魔王城への道のりと睨めっこする。
「どうするも何も、ルートは一つしかありませんよ」
「つってもよぉ。やっぱりヤバいんじゃねぇのか?……北の勇者と出くわすのは」
四つの大国の中心には、魔界と呼ばれる魔族や魔物が住まう領域になっている。俺が子供の時は魔族とも普通に仲良くやってける感じだったんだけど、ある日突然魔界は他国との関わりを断ち、人々を襲う魔物を大量に生成し始めた。
そしてナルベウス王国から魔界までを一直線で行く事は出来ない。魔界の防御が特別硬いとかそういう話ではなく……『赤刃山脈』という、バカ高い上に地面が滅茶苦茶尖ってて登るなんてとてもじゃないが考えられない山があるからだ。そこを登るくらいなら北の方へ回っていく方が速いって話なんだけど……。
「獣人大国ツーキバルの勇者って……絶対危険だろ!気性荒いだろ獰猛だろ!」
北に佇むツーキバル。獣人はなんていうか、あんま会ったことないけど……大昔に奴隷だった事気にしてそう。偏見に過ぎないけど。
「意外と悪い所ではないぞ?ツーキバルは」
やけに得意げにゴルガスは微笑む。
「そういえばあなたは昔、ツーキバルで修行していたと言っていましたね」
「あぁ!自然豊かで心優しい人々!それに個人の武力が高く、修行にうってつけだ」
「ほらぁ!怖そうじゃん!」
「そ、そんな事はないはずだ!」
ゴルガスは顎に手を当てながら数秒悩んで、閃いたように俺に言った。
「聞いたことがあるだろう?あーっと確か……北の勇者は雷のように速く動き、魔物を倒すのに聖剣すら必要としない、と……」
「聖剣すら必要としないィ!?絶対やべーやつだろそいつ!!」
「あ、逆効果でしかなかったな……」
やだなぁ。ゴリゴリの厳ついムッキムキのゴルガスみてぇな勇者に喧嘩売られるの。……ちょっと腹痛くなってきた。
「勝てねぇって!そもそも俺勇者ですらないのにさぁ!採掘師なのバレたら舐められるどころじゃねえよ……助けてアルマ……」
クソ……仕方なかったんだよ。あの時俺は……聖剣を『掘る』しかなかったんだよ……!
「フッ。安心してください。恐らく脳も筋肉で出来ているであろう獣人族など、賢者である私にかかれば一網打尽ですよ。それよりも私は『南の勇者』、魔女が気になりますがね……」
いつもは生意気に感じるサヴェルの顔が、珍しく頼もしげに見えた。
「まぁ確かに……南に行くのは遠いから論外。大人しくツーキバルに向かうか」
ここからツーキバルへの最短の道は、赤刃山脈の外側の小さめの山や丘に沿って進んでいき、ツーキバルに入国し、北側から魔界へ侵入する。道中の街や村は少ないが、それでも距離が優先だ。
「ま!俺達が速く着けば良い話だし、北の勇者から向かってくる訳でもないし、世界平和の為にどんどん進んでこうじゃねえか!」
ー ー ー ー ー ー ー
「はっ、はぁっ─────急いでよオオカミさん!追いつかれちゃうよ!?」
闇夜。黄と白の入り混じった髪が風で荒ぶろうとも、少女は走る足を止めない。獣人特有の大きな耳に入り込んでくる木の葉を取り除く余裕もない。
「黙れ小娘ッ!逃げ足ばかり速いくせに文句を垂れるなッ!貴様の荷物を持ってやっている上、我はもう老体だ!」
厚めの布で作られた袋を加えながら器用に喋るのは─────白い、巨大な狼。暗い森林を巨躯が通り過ぎる様子は、普段住んでいる魔物達からすれば恐怖以外の何物でもないだろう。
そして、その狼を上回る速度で走る少女など、もはや目を疑う事しか出来ないだろう。
「あとオオカミさんなどとふざけた呼び方をするなッ!我には主に与えられた名があるのだからな」
「はぁ、はぁ!なんていうのー!?」
「フンッ。聞くがいい。そして慄け。天より舞い降りた我が主に与えられし、尊大にして雄大なる─────」
「言うなら速くしなよぉー!」
「我が真名、『ポチ』なりッッッ!!!」
カッと目を見開いた狼の気迫は、周囲の小型の魔物を一斉に地中に潜らせ、飛び立たせ、巣へ帰らせた。
「ポチね!?じゃあそう呼ぶから、あたしの事はリェフルってちゃんと呼んでよねぇ!!」
「口を閉じろ小娘ッ!それを言うのは─────」
狼……ポチは、口に咥えた袋を忌々しく睨みながら言う。
「貴様の勇者としての責務を果たしてからにしろッ!」
「そ、そんな事言ってもぉ~!!」
顔についた泥は気にせずとも、その眼から溢れ出てきた涙を彼女は人差し指で潰すように拭った。
「仕方ないじゃん!だって──────」
彼女達の今の状況とは真逆に、眩しいほど輝きながら夜空を埋める星々が、リェフルとポチを眺めている。
それらに睨み返すように、叫んだ。ポチが咥えている袋の中のバラバラになったそれを思い浮かべながら。
それが、『雷の勇者』である彼女の旅の始まり。ツーキバルからナルベウス王国へと逃亡した怒涛の夜。
「聖剣、壊しちゃったんだもーーーん!!」
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