扉の旅人と忘れられた妖狐

七流れ

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第一章

旅人の世界

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  物語の旅人(ワールドトラベラー)、作家達が、名前、記憶を代償に半霊となった存在。
彼らは好きに物語を旅する。
歴史、英雄譚、語られるすべての物語が彼らの旅する世界である。
彼らは縛られず、自由に旅をし見分を広げ、転生し新たな物語を作って行く。

  無数の扉が並ぶ暗闇の中、少女と一人の青年が立っていた。

「どうかしたの、アンデルセン?」

  不思議そうな顔をして狐の少女――【鈴】が聞いてくる。

「次の旅はどこに行こうか考えていた」

  青年は答える。

  彼の名前はアンデルセン、フルネームは、【フリード・C・アンデルセン】。旅人になったのはいつだか覚えていない、生きていたころの記憶はなく 唯一わかるのはほかの旅人と一緒で作家だったということだけ。

「悩むくらいならそこらへんの適当な扉入っちゃえば?」
「まあ、そうだけどさ……悩むよやっぱり……異世界に歴史、英雄譚、行きたい世界は山ほどあるけど鍵は1本だけだからさ…」
「アンデルセン他の旅人と違って鍵がないと旅ができないもんね」

彼、アンデルセンは旅人でありながら自由が縛られた存在であった。
彼の旅は扉と鍵を使う必要があった。
鍵は消耗品であり旅を終えた時新たに1本補給される仕様である。

「私はどこに行っても楽しめる自信があるから良いけど、鈴は何か希望はあるかい?」
「私だったら、異世界ですね。エルフとか妖精とか西洋の物の怪に会いたいかな」

鈴は笑顔で答える。

「悩んでても仕方がないし、今回の旅は、鈴の指名した異世界にするよ。」

そう言って彼は、金と大理石で出来た扉の鍵穴に鍵を差し込んだ。
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感想 4

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みんなの感想(4件)

中七七三
2017.05.23 中七七三

面白い。ここまでクオリティが落ちてないと思います。
物語の中に入るという物語の中の物語というメタな構造というのは、展開次第でさらにいろいろな仕掛けができるのかもしれないです。昔読んだSF小説にも似たような設定のものがあり「白鯨」の世界に入ってしまった主人公が破滅を回避しようとして「この世界は物語であり運命が決まっている」というくだりがありました。で、言いかえされるのは「じゃあ、おまえさんのいる世界が物語でないという保証はあるのかい」という言葉。これが実は真実なのですが、さらに深読みすると怖くなる。

この作品も、面白い設定で、それに負けないストリーになっていると思います。ただ、「物語内物語」というメタ的な要素を組み込むとどうかなぁとか思いました。勝手なこと言ってすんません。マジでこのままでも面白いんですけどね。

七流れ
2017.05.25 七流れ

久しぶりのコメントありがとうございます。
そうですね、自分も書いてて少々メタイって思うことがありますが
そういう部分も含めて楽しんでもらえると幸いです。

中七七三にはいつも「扉の旅人と忘れられた妖狐」でお世話になっております。
これからも、アドバイスや意見等よろしくお願いします。

解除
Yusuke
2017.01.05 Yusuke

読めば読むほど続きが読みたくなります!
頑張ってください!

七流れ
2017.01.06 七流れ

ご愛読ありがとうございます

解除
中七七三
2017.01.05 中七七三

これは奴隷商人がふっかけたならば、その説明文を入れるといいかなと思ったのです。
普通、奴隷はいくら高くても金貨〇〇枚だとか。

七流れ
2017.01.06 七流れ

なるほど。勉強になります!早速修正してみます。

解除

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