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神眼の女の章
第89話 尋問
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カンナを殺そうと襲い掛かってくるまりかの刃には先程までの洗練された動きはなく、ただ目の前の障害物を薙ぎ払おうとするだけの稚拙な動きだった。
カンナはその攻撃を躱した。しかし、まだまりかの神眼は生きており、カンナが攻撃に移ろうとするとすかさず蹴りを放ち防御してきた。
「触るな!! 虫けら!!」
「虫けらはあなたです!!」
まりかはカンナの攻撃を見切って全て躱した。しかし、まりかは何か突然思い出したかのような顔をしてカンナから離れた。
「くそっ! まさかお前……」
まりかがカンナを睨み付けた。
すでにまりかには氣を少しずつ放ち筋肉の動きを徐々に阻害し始めている。まりかはそれに気付いたようだったが時すでに遅かった。
その時まりかの右膨ら脛に矢が突き立った。
「あぁっ!!?」
痛みでまりかは膝を付いた。
茉里の矢がついにまりかの身体を捉えたのだ。
「み、見えていたのに……全部見えていたのに……」
まりかが歯をむきだしにして憎悪の視線をカンナに向けてきた。
「今よカンナ!! まりかさんを捕まえて!!」
つかさの声が聴こえた。
カンナは構えた。そして拳を握り締め右手と右脚を庇いながら立ち上がったまりかに飛び掛った。
カンナの拳はまりかの腹に鋭く打ち込まれた。
「これは水音の分」
まりかがうずくまろうと前に倒れかける。しかし、今度はカンナの強烈な回し蹴りがまりかの左頬をぶち抜く。
「これは斑鳩さんの分」
まりかはついに倒れた。
「そしてこれが……」
カンナは仰向けに倒れたまりかに馬乗りになり拳を構えた。
殺意。
それを感じたリリア、つかさ、燈は一斉にカンナを止めようと駆け寄った。
「待って! カンナ! 殺しちゃダメ!!」
つかさの叫びが聴こえた。
「カンナ!! やめて!!」
「カンナ!!」
リリアと燈の声も聴こえた。
邪魔をするな。
カンナは駆け寄ってくる3人を全身から氣を放ち吹き飛ばした。
「な、何!? この力!?」
邪魔をするな。こいつは私の大切な人達を傷付けた。だから私がこの手で殺すんだ……。
殺す。
殺してどうなる?
カンナの心から一瞬殺意が消えかかった。
殺してしまったところでこの気持ちは晴れるのか? これではこの目の前の女や青幻、我羅道邪と同じではないか?
「やめなさい! カンナ!!」
つかさの声が……。
氣で吹き飛ばしたのにまた走って来る。
リリアも、燈も。
目の前には涙や鼻水を垂れ流し恐怖に顔を引き攣らせた畦地まりか。
もう、仇は取った……。
かな。
「これが私の分です」
カンナはまりかの左胸に右手を乗せた。
「篝気功掌・心鼓動穴」
カンナの氣がまりかの身体に入っていく。
まりかの蒼い両眼は元の色に戻り、そして意識を失った。
これでいい。
カンナはまりかの上に乗ったまま完全に脱力した。
つかさ、リリア、燈の3人が駆け寄ってくる。少し離れたところで刀を鞘に納める音が聴こえた。
御影の部屋でリリアと燈は軽く治療を済ませ、そして気を失ったままのまりかは急患用のベッドに寝かされ右手の火傷と右脚の矢傷の応急処置を受けた。
リリアと燈は軽傷だが、どうやらまりかの手の火傷は重症で完全に元の状態に戻すには何度か手術を重ねなければならないらしい。
御影は気を失っているまりかの焼け爛れた皮膚がドロドロの右手を診るとそう告げた。
御影の部屋にはカンナ、つかさ、リリア、燈、茉里のほか、詩歩、光希、蔦浜、そして伽灼の姿もあった。
「ふん、ほっとけよそんな奴。腕の1本や2本無くなっても文句は言えねーくらいの事をしてるんだからな!」
相変わらず燈は口が悪かった。
「何なら、私が右手をここで叩き斬ってやろうか? ほっといたら腐っちゃうでしょ? 誰もやらないなら、ほら。あ、カンナ。お前がやるか? 殺したいだろこいつの事」
伽灼は燈の上をいく口の悪さだった。
「やめなさい。私は医者として、まりかちゃんを治そうと思うわ」
御影が言うと、燈と伽灼は不服そうで、ほかのメンバーもあまり良い顔はしていなかった。
「まあ、みんなの気持ちは分かるわ。まりかちゃんは水音ちゃんを殺して、斑鳩君を牢に閉じ込めたんだからね。だからと言って放っとくわけにはいかないでしょ?」
「治療してください」
カンナはほかのメンバーの沈黙を破り真っ先に言った。
その言葉に皆驚いていた。
「私は、さっきまりかさんに飛びかかった時、本気で殺そうとしました。でも、結局殺さなかった。気付いたんです。殺しても意味はないって事に」
御影を含めほかのメンバーは黙ってカンナの言葉を聞いていた。
「この人を殺したところで水音は帰ってこないし、斑鳩さんが救われるわけじゃない。憎しみはあります。その人がとても憎いです。でも復讐は良くない。復讐はまた復讐を生むだけ。だったら私は、この憎しみを乗り越えてさらに強くなろうと思いました。だから、御影先生。畦地さんを治療してください。そして罪を償わせてください」
カンナの言葉に反論する者はいなかった。ただ光希が泣いていた。水音の事を思い出したのだろう。
「私も、その女が憎いけど、ちゃんと私と同じように罰を受けて正しく生きてもらいたいです」
光希が涙を拭いながら言った。
「甘いな。お前達」
伽灼だけは不服そうな表情で呟いた。
「う……く……」
ベッドの上で寝かされていたまりかがようやく意識を取り戻した。
まりかは右手の痛みで苦悶の表情を浮かべながら周りを見回すと一つ息を吐いた。
「なるほど。これが反逆者の集まりね。まさか御影先生が首謀者だなんて、失望しました」
「そう、期待を裏切ってしまってごめんなさいね、まりかちゃん。早速だけど、これから訊く事に素直に答えてもらうわよ?」
「ふっ、答えるわけないじゃないですか? 馬鹿ですか?」
御影の言葉をまりかは暴言でかき消した。
まりかは小馬鹿にしたような表情でまた周りを見た。
「これじゃあ学園も終わりね。一度生徒の刷新をしないとだわ」
「それはお前も含めてでしょ? まりか」
まりかは伽灼を睨み付けた。それを見て伽灼は不敵に笑った。
「さぁ、まりかちゃん。答えなさい。青幻と学園はいつから繋がっていて、その目的はなんなのか」
御影がまりかのベッドに腰を掛けながら言った。
「それと、舞冬さんはどこにいるのか。そして、私が序列11位で入学させてもらった理由」
カンナも疑問を口にした。
まりかは突然大声を出して笑い出した。
「あはははは!! 馬鹿じゃないの!? 言うわけないじゃない? 無駄よ! 無駄! 私は絶対に喋らないわ!!」
その時、傍に立っていた伽灼がベッドの上のまりかの首を掴んだ。
「お前達、ぬるいのよね。私に任せなさい。聞きたい情報全部吐かせてやるから。リリア、約束通り、こいつはもらっていくわよ」
そう言うと伽灼はまりかの首を左腕で締め直し、そのまままりかを部屋から連れ出し駆け去ってしまった。
「え!? ちょっと!?」
その場の全員が伽灼の凶行に驚いたが追おうとした時にはすでに伽灼とまりかの姿はなかった。
「リリアさん、約束通りってどういう事ですか?」
つかさがおどおどしていたリリアに聞いた。
「えっと……」
リリアが返事に困っているとその会話を遮るかのように御影が指示を出した。
「リリアちゃん、つかさちゃん、茉里ちゃん、燈ちゃんは伽灼ちゃんを探して。カンナちゃんは斑鳩君を救出。詩歩ちゃん、蔦浜君、光希ちゃんはここで、待機! いいわね?」
リリア、つかさ、茉里、燈は返事をするとすぐに伽灼とまりかを探しに部屋を飛び出した。
「リリアさん、何か知ってるなら後でちゃんと説明してくださいね」
つかさが笑顔もなく言ったのでリリアは小さく返事をした。
「カンナちゃん、1人で大丈夫よね?」
「はい」
御影の問い掛けにカンナはしっかりと返事をした。
「ちょっと待ってくださいよ御影先生!! 俺達ここで待機ならカンナちゃんと一緒に行きますよ!」
蔦浜が慌てて言った。
「空気を読みなよ蔦浜君」
詩歩は落ち着きを取り戻し蔦浜を咎めた。
「私達がここを離れたら、御影先生を守る人がいなくなるでしょ?」
光希も冷静に最もな事を言った。
「ありがとうございます!」
カンナは礼を言うとすぐに部屋を出た。
御影と詩歩、光希、蔦浜の4人になった部屋で蔦浜は1人ソワソワしていた。
「あ、あのさ、カンナちゃんて、斑鳩さんの事好きなの?」
蔦浜が恐る恐る詩歩に聞いた。
「見てて分からないの?」
詩歩はさも当たり前のように答えた。
「……そっか」
詩歩も光希も寂しそうな顔をする蔦浜に何も言葉を掛けられなかった。
御影は蔦浜に近付き何も言わず優しく肩に手を置いた。蔦浜も御影の顔を見て引き攣りながら微笑んだ。
カンナはその攻撃を躱した。しかし、まだまりかの神眼は生きており、カンナが攻撃に移ろうとするとすかさず蹴りを放ち防御してきた。
「触るな!! 虫けら!!」
「虫けらはあなたです!!」
まりかはカンナの攻撃を見切って全て躱した。しかし、まりかは何か突然思い出したかのような顔をしてカンナから離れた。
「くそっ! まさかお前……」
まりかがカンナを睨み付けた。
すでにまりかには氣を少しずつ放ち筋肉の動きを徐々に阻害し始めている。まりかはそれに気付いたようだったが時すでに遅かった。
その時まりかの右膨ら脛に矢が突き立った。
「あぁっ!!?」
痛みでまりかは膝を付いた。
茉里の矢がついにまりかの身体を捉えたのだ。
「み、見えていたのに……全部見えていたのに……」
まりかが歯をむきだしにして憎悪の視線をカンナに向けてきた。
「今よカンナ!! まりかさんを捕まえて!!」
つかさの声が聴こえた。
カンナは構えた。そして拳を握り締め右手と右脚を庇いながら立ち上がったまりかに飛び掛った。
カンナの拳はまりかの腹に鋭く打ち込まれた。
「これは水音の分」
まりかがうずくまろうと前に倒れかける。しかし、今度はカンナの強烈な回し蹴りがまりかの左頬をぶち抜く。
「これは斑鳩さんの分」
まりかはついに倒れた。
「そしてこれが……」
カンナは仰向けに倒れたまりかに馬乗りになり拳を構えた。
殺意。
それを感じたリリア、つかさ、燈は一斉にカンナを止めようと駆け寄った。
「待って! カンナ! 殺しちゃダメ!!」
つかさの叫びが聴こえた。
「カンナ!! やめて!!」
「カンナ!!」
リリアと燈の声も聴こえた。
邪魔をするな。
カンナは駆け寄ってくる3人を全身から氣を放ち吹き飛ばした。
「な、何!? この力!?」
邪魔をするな。こいつは私の大切な人達を傷付けた。だから私がこの手で殺すんだ……。
殺す。
殺してどうなる?
カンナの心から一瞬殺意が消えかかった。
殺してしまったところでこの気持ちは晴れるのか? これではこの目の前の女や青幻、我羅道邪と同じではないか?
「やめなさい! カンナ!!」
つかさの声が……。
氣で吹き飛ばしたのにまた走って来る。
リリアも、燈も。
目の前には涙や鼻水を垂れ流し恐怖に顔を引き攣らせた畦地まりか。
もう、仇は取った……。
かな。
「これが私の分です」
カンナはまりかの左胸に右手を乗せた。
「篝気功掌・心鼓動穴」
カンナの氣がまりかの身体に入っていく。
まりかの蒼い両眼は元の色に戻り、そして意識を失った。
これでいい。
カンナはまりかの上に乗ったまま完全に脱力した。
つかさ、リリア、燈の3人が駆け寄ってくる。少し離れたところで刀を鞘に納める音が聴こえた。
御影の部屋でリリアと燈は軽く治療を済ませ、そして気を失ったままのまりかは急患用のベッドに寝かされ右手の火傷と右脚の矢傷の応急処置を受けた。
リリアと燈は軽傷だが、どうやらまりかの手の火傷は重症で完全に元の状態に戻すには何度か手術を重ねなければならないらしい。
御影は気を失っているまりかの焼け爛れた皮膚がドロドロの右手を診るとそう告げた。
御影の部屋にはカンナ、つかさ、リリア、燈、茉里のほか、詩歩、光希、蔦浜、そして伽灼の姿もあった。
「ふん、ほっとけよそんな奴。腕の1本や2本無くなっても文句は言えねーくらいの事をしてるんだからな!」
相変わらず燈は口が悪かった。
「何なら、私が右手をここで叩き斬ってやろうか? ほっといたら腐っちゃうでしょ? 誰もやらないなら、ほら。あ、カンナ。お前がやるか? 殺したいだろこいつの事」
伽灼は燈の上をいく口の悪さだった。
「やめなさい。私は医者として、まりかちゃんを治そうと思うわ」
御影が言うと、燈と伽灼は不服そうで、ほかのメンバーもあまり良い顔はしていなかった。
「まあ、みんなの気持ちは分かるわ。まりかちゃんは水音ちゃんを殺して、斑鳩君を牢に閉じ込めたんだからね。だからと言って放っとくわけにはいかないでしょ?」
「治療してください」
カンナはほかのメンバーの沈黙を破り真っ先に言った。
その言葉に皆驚いていた。
「私は、さっきまりかさんに飛びかかった時、本気で殺そうとしました。でも、結局殺さなかった。気付いたんです。殺しても意味はないって事に」
御影を含めほかのメンバーは黙ってカンナの言葉を聞いていた。
「この人を殺したところで水音は帰ってこないし、斑鳩さんが救われるわけじゃない。憎しみはあります。その人がとても憎いです。でも復讐は良くない。復讐はまた復讐を生むだけ。だったら私は、この憎しみを乗り越えてさらに強くなろうと思いました。だから、御影先生。畦地さんを治療してください。そして罪を償わせてください」
カンナの言葉に反論する者はいなかった。ただ光希が泣いていた。水音の事を思い出したのだろう。
「私も、その女が憎いけど、ちゃんと私と同じように罰を受けて正しく生きてもらいたいです」
光希が涙を拭いながら言った。
「甘いな。お前達」
伽灼だけは不服そうな表情で呟いた。
「う……く……」
ベッドの上で寝かされていたまりかがようやく意識を取り戻した。
まりかは右手の痛みで苦悶の表情を浮かべながら周りを見回すと一つ息を吐いた。
「なるほど。これが反逆者の集まりね。まさか御影先生が首謀者だなんて、失望しました」
「そう、期待を裏切ってしまってごめんなさいね、まりかちゃん。早速だけど、これから訊く事に素直に答えてもらうわよ?」
「ふっ、答えるわけないじゃないですか? 馬鹿ですか?」
御影の言葉をまりかは暴言でかき消した。
まりかは小馬鹿にしたような表情でまた周りを見た。
「これじゃあ学園も終わりね。一度生徒の刷新をしないとだわ」
「それはお前も含めてでしょ? まりか」
まりかは伽灼を睨み付けた。それを見て伽灼は不敵に笑った。
「さぁ、まりかちゃん。答えなさい。青幻と学園はいつから繋がっていて、その目的はなんなのか」
御影がまりかのベッドに腰を掛けながら言った。
「それと、舞冬さんはどこにいるのか。そして、私が序列11位で入学させてもらった理由」
カンナも疑問を口にした。
まりかは突然大声を出して笑い出した。
「あはははは!! 馬鹿じゃないの!? 言うわけないじゃない? 無駄よ! 無駄! 私は絶対に喋らないわ!!」
その時、傍に立っていた伽灼がベッドの上のまりかの首を掴んだ。
「お前達、ぬるいのよね。私に任せなさい。聞きたい情報全部吐かせてやるから。リリア、約束通り、こいつはもらっていくわよ」
そう言うと伽灼はまりかの首を左腕で締め直し、そのまままりかを部屋から連れ出し駆け去ってしまった。
「え!? ちょっと!?」
その場の全員が伽灼の凶行に驚いたが追おうとした時にはすでに伽灼とまりかの姿はなかった。
「リリアさん、約束通りってどういう事ですか?」
つかさがおどおどしていたリリアに聞いた。
「えっと……」
リリアが返事に困っているとその会話を遮るかのように御影が指示を出した。
「リリアちゃん、つかさちゃん、茉里ちゃん、燈ちゃんは伽灼ちゃんを探して。カンナちゃんは斑鳩君を救出。詩歩ちゃん、蔦浜君、光希ちゃんはここで、待機! いいわね?」
リリア、つかさ、茉里、燈は返事をするとすぐに伽灼とまりかを探しに部屋を飛び出した。
「リリアさん、何か知ってるなら後でちゃんと説明してくださいね」
つかさが笑顔もなく言ったのでリリアは小さく返事をした。
「カンナちゃん、1人で大丈夫よね?」
「はい」
御影の問い掛けにカンナはしっかりと返事をした。
「ちょっと待ってくださいよ御影先生!! 俺達ここで待機ならカンナちゃんと一緒に行きますよ!」
蔦浜が慌てて言った。
「空気を読みなよ蔦浜君」
詩歩は落ち着きを取り戻し蔦浜を咎めた。
「私達がここを離れたら、御影先生を守る人がいなくなるでしょ?」
光希も冷静に最もな事を言った。
「ありがとうございます!」
カンナは礼を言うとすぐに部屋を出た。
御影と詩歩、光希、蔦浜の4人になった部屋で蔦浜は1人ソワソワしていた。
「あ、あのさ、カンナちゃんて、斑鳩さんの事好きなの?」
蔦浜が恐る恐る詩歩に聞いた。
「見てて分からないの?」
詩歩はさも当たり前のように答えた。
「……そっか」
詩歩も光希も寂しそうな顔をする蔦浜に何も言葉を掛けられなかった。
御影は蔦浜に近付き何も言わず優しく肩に手を置いた。蔦浜も御影の顔を見て引き攣りながら微笑んだ。
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