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第2章 宵の異世界就職活動
異世界で面接……!
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目が覚めたら自宅のベッドの上に戻っている──なんて展開を期待したが、目の前には自分の部屋にいる筈のない美女。
瀬崎宵は劉飛麗に起こされ、気だるそうに起床した。
だがその気だるさは、視界に映る美しい劉飛麗の姿と漂う石鹸の良い香りが心地よい目覚めへと変えてくれた。
劉飛麗は既に朝食を準備して、宵が起きるとすぐに身支度を整えてくれた。
着替えさせてくれているのはまた新たな閻服だ。黒と白のモノトーンでこちらも可愛らしい。ただ、下着事情には相変わらずまだ慣れない。
食卓にはお粥や色とりどりの肉や野菜の料理が並び、その美味しそうな香りも遅れて宵の鼻を刺激する。
「あれ? 食材はまだ揃えてなかったんじゃ?」
「今朝市場に行って買って来ました。申し訳ございません。宵様がお休みになっている時に家を不在にするような事をしてしまいまして……ですが、下女がわたくし1人ですと、どうしても家を開けなければならない時間が出来てしまうのです。貴女が目覚めた時には朝食をご用意しておきたくて……」
劉飛麗は拱手しながら申し訳なさそうに頭を下げる。
「いえ、構いませんよ。それより、明け方頃に出掛けてくれたって事ですか? それじゃあ、あまり寝てないじゃないですか?」
「それはご心配なく。わたくしは少し眠れば大丈夫ですから。さ、お着替えも済みました。お食事をどうぞ。今日は衙門のお顔合わせがあるのですから。しっかり食べて顔の艶を良くされて行ってくださいませ」
「何から何まですみません……」
「あ、それと、宵様がお求めでした閻帝国の書物も手に入れて参りましたので、お時間のある時にご覧下さい」
「え……下女の人の仕事って……こんなに凄いの……」
宵はあまりの劉飛麗の有能さに感嘆する。
「当然でございます」
劉飛麗は驕る事もなく、ただ穏やかに笑った。
♢
食事を済ませて玄関を出ると、家の前には馬車が止まっていた。
閻帝国の事を何も知らない宵が、梟の役所、この世界で言う衙門まで1人で行ける筈がない。それを考慮して、事前に李聞が衙門までの馬車を手配しておいてくれたのだ。
「宵様ですね。こちらへ。お代は李聞様から頂いてますので」
御者の男が愛想良く宵を馬車の籠へと誘った。少し狭いが、1人乗るには充分だ。馬車を引く馬も1頭だけのこじんまりとしたものだ。
普段は身分の高い者か金持ちしか乗れない馬車なのだろうか、ボロ屋から出て来た宵が乗り込もうとするのを見た住民達はヒソヒソと何か話している。
「行ってらっしゃいませ、宵様。ご健闘をお祈りしております」
「行ってきます! 飛麗さん!」
美しい飛麗に笑顔で拱手して挨拶すると、宵は馬車へと乗り込んだ。
そして馬車はゆっくりと動き出した。
♢
30分程で馬車は止まった。
大きな屋敷。立派な門の前で宵は馬車から降りた。
「こちらが梟の衙門です。お帰りまでお待ちしますのでご安心を」
「ありがとうございます」
宵の元の世界よりも待遇が良い気がする。気分が良くなった宵は満面の笑みを御者の男に見せて拱手した。
「ああ、貴女が李聞殿の紹介の宵殿? お待ちしておりました。ささ、こちらへ。太守の孔嵩様がお待ちです」
突然背後から声を掛けてきたのは、文官の格好をした気さくな中年の男。
「え、太守様が直々に……? ですか??」
男は笑顔で頷く。
宵が驚くのも無理はない。例えば、現代日本で言うなら、県庁の職員の面接を知事が直接対応する様なものだからだ。
李聞の権力がとんでもないのか、この世界ではこれが普通なのか。いずれにせよ、異国からやって来た設定の宵を差別する様子はないので、悪い気はしない。
宵は出迎えてくれた男について衙門の中へと入った。
♢
「中国だなぁ」と建物の造りを眺めながら通されたのは、拓けた中庭の奥にある大部屋。奥の上座に男が1人座っている。そして、その脇には直立した男が1人。
宵の姿を見ると、上座の男が立ち上がり、部屋の中央にて出迎えてくれた。
「お待ちしていた。私が梟郡太守の孔嵩だ」
孔嵩はにこやかに拱手をした。白髪混じりの口髭と顎髭を蓄えた見た感じ60歳前後の柔和な男だ。
孔嵩が話し始めると、宵を案内してくれた男は頭を下げ、部屋の外へ出て行った。
「宵と申します。本日はお時間を頂きありがとうございます」
宵も礼儀正しく拱手をする。
「李聞殿の推挙された方だ。一体どれ程優秀な方なのか……。実は私は其方に会えるのを楽しみに待っていた」
「いえ、そんな優秀だなんてとんでもありません」
「まあ、立ち話もなんだ。そちらに掛けて」
孔嵩は右側にある席を手で指し示したので、宵は軽く会釈をしてそこに座った。来賓用の綺麗な机と椅子。そこへゆっくりと腰を下ろした。椅子にクッションのようなものはなく、木の固さが薄い布1枚の宵の尻に伝わり、座り心地はお世辞にも良いとは言えない。
宵が座ったのを見ると、孔嵩も自分の席に座った。
孔嵩のいる上座と宵の下座は丁度垂直に並んでいるので、孔嵩の顔を見るには宵が少し右へ身体を向けなければならない。
孔嵩の席の横に立ったままの男は一言も発していないが宵の様子を凝視している。おそらく孔嵩の側近か何かだろう。
「話には聞いたが、宵殿は異国から来たとか。その髪型も閻では見ない。隣国にも髪の短い女はいない。一体どちらから?」
孔嵩は宵の肩までのボブヘアーを見て不思議そうに訊ねる。
「えっと……はい。遥か東方の日本という国から来ました」
咄嗟に東にあると言ったが、この国は中国ではないのだから、日本が東にあるわけではない。いや、それ以前に世界が違うのだから日本も存在していない。
「“ニホン”? 聞いた事がないな。祖忠、知ってるか?」
孔嵩は隣の男に聞いた。
「いえ。存じ上げません」
祖忠という男は短く答えた。
「まあ良い。そのニホンという国から遠路はるばるこの閻に“異文化研究”という事で来たのだろ? 若いのに勉強熱心で関心だ」
「いえ、そんな事……」
宵の預かり知らない話が出たので、とりあえず愛想笑いをする。大方、李聞が話を宵にとって都合の良いように合わせておいてくれたのだろう。
“兵法を知っている”という事はこの国ではバレてはいけないものだと思い知らされた。バレたから昨晩のように、功を焦る軍人が宵を利用しようとやってくる。下っ端の軍人ならまだマシだが、廖班のような“将軍”が宵の兵法を利用しようと権力を振りかざしてきたらもう逃げられないだろう。
「はは、謙遜されるな。さて、其方は仕事をしに来たのだったな。あるぞ。いくらでもな」
「私に出来る事でしたら何なりと」
口ではそう言ったが、具体的にどんな業務があるのかは李聞から聞いていない。宵に出来る仕事と言ったら、兵法や三国志の講義、漢文や中国語も教えられるが役所にそんな仕事がある筈はない。それ以外だと、元の世界でアイスクリーム屋でアルバイトをしていたので接客が出来るくらいだ。それもこの世界の役所で必要なのかは謎である。
「梟郡は都・秦安には到底及ばないが、それなりに栄えている都市だ。郡の仕事は、管轄の各県の管理監督。都市の規模が大きければ大きい程、管轄する県は多く仕事も多い。故に人手は多いに越したことはない。……が、普通は女は採らない。ましてや得体の知れぬ国からやって来た女を、地方と言えど、政に関わらせる事など有り得ぬ」
「……はい……」
急に雲行きが怪しくなってきたので、宵は弱々しい声で応える。“女は採らない”という部分は宵の世界では大問題になるが、得体の知れない人間を行政に参加させないというのは正論なので反論も出来なかった。
「だが、李聞殿の推挙だという事は大きい。それだけで其方に仕事を与えてもいいと思ったのだ」
「あの……李聞殿は一体何者なのでしょう?」
「何だ? 知らんのか? 李聞殿は以前この梟の都尉だった。かつては治安が悪かった梟を今のような平和な街に変えてくれたのが李聞殿だ。民達も皆李聞殿の事を称え誇りに思っておるのだ」
「そうだったのですね。そんなに凄い方だったとは」
「そうだ。だから李聞殿の推挙した其方が、他国の間者だの、梟を荒す悪人だのとは思っておらん。故に仕事を与えるのだ。戸籍、租税、財務、訴訟、農地、建設・修繕、備品……どこも空いているが、其方にやってもらいたい仕事はそれらのどれでもない、“人材登用”だ」
「え!? 人材……登用??」
言われた宵の頭の中に、三国志の名参謀達の名前が去来していた。
瀬崎宵は劉飛麗に起こされ、気だるそうに起床した。
だがその気だるさは、視界に映る美しい劉飛麗の姿と漂う石鹸の良い香りが心地よい目覚めへと変えてくれた。
劉飛麗は既に朝食を準備して、宵が起きるとすぐに身支度を整えてくれた。
着替えさせてくれているのはまた新たな閻服だ。黒と白のモノトーンでこちらも可愛らしい。ただ、下着事情には相変わらずまだ慣れない。
食卓にはお粥や色とりどりの肉や野菜の料理が並び、その美味しそうな香りも遅れて宵の鼻を刺激する。
「あれ? 食材はまだ揃えてなかったんじゃ?」
「今朝市場に行って買って来ました。申し訳ございません。宵様がお休みになっている時に家を不在にするような事をしてしまいまして……ですが、下女がわたくし1人ですと、どうしても家を開けなければならない時間が出来てしまうのです。貴女が目覚めた時には朝食をご用意しておきたくて……」
劉飛麗は拱手しながら申し訳なさそうに頭を下げる。
「いえ、構いませんよ。それより、明け方頃に出掛けてくれたって事ですか? それじゃあ、あまり寝てないじゃないですか?」
「それはご心配なく。わたくしは少し眠れば大丈夫ですから。さ、お着替えも済みました。お食事をどうぞ。今日は衙門のお顔合わせがあるのですから。しっかり食べて顔の艶を良くされて行ってくださいませ」
「何から何まですみません……」
「あ、それと、宵様がお求めでした閻帝国の書物も手に入れて参りましたので、お時間のある時にご覧下さい」
「え……下女の人の仕事って……こんなに凄いの……」
宵はあまりの劉飛麗の有能さに感嘆する。
「当然でございます」
劉飛麗は驕る事もなく、ただ穏やかに笑った。
♢
食事を済ませて玄関を出ると、家の前には馬車が止まっていた。
閻帝国の事を何も知らない宵が、梟の役所、この世界で言う衙門まで1人で行ける筈がない。それを考慮して、事前に李聞が衙門までの馬車を手配しておいてくれたのだ。
「宵様ですね。こちらへ。お代は李聞様から頂いてますので」
御者の男が愛想良く宵を馬車の籠へと誘った。少し狭いが、1人乗るには充分だ。馬車を引く馬も1頭だけのこじんまりとしたものだ。
普段は身分の高い者か金持ちしか乗れない馬車なのだろうか、ボロ屋から出て来た宵が乗り込もうとするのを見た住民達はヒソヒソと何か話している。
「行ってらっしゃいませ、宵様。ご健闘をお祈りしております」
「行ってきます! 飛麗さん!」
美しい飛麗に笑顔で拱手して挨拶すると、宵は馬車へと乗り込んだ。
そして馬車はゆっくりと動き出した。
♢
30分程で馬車は止まった。
大きな屋敷。立派な門の前で宵は馬車から降りた。
「こちらが梟の衙門です。お帰りまでお待ちしますのでご安心を」
「ありがとうございます」
宵の元の世界よりも待遇が良い気がする。気分が良くなった宵は満面の笑みを御者の男に見せて拱手した。
「ああ、貴女が李聞殿の紹介の宵殿? お待ちしておりました。ささ、こちらへ。太守の孔嵩様がお待ちです」
突然背後から声を掛けてきたのは、文官の格好をした気さくな中年の男。
「え、太守様が直々に……? ですか??」
男は笑顔で頷く。
宵が驚くのも無理はない。例えば、現代日本で言うなら、県庁の職員の面接を知事が直接対応する様なものだからだ。
李聞の権力がとんでもないのか、この世界ではこれが普通なのか。いずれにせよ、異国からやって来た設定の宵を差別する様子はないので、悪い気はしない。
宵は出迎えてくれた男について衙門の中へと入った。
♢
「中国だなぁ」と建物の造りを眺めながら通されたのは、拓けた中庭の奥にある大部屋。奥の上座に男が1人座っている。そして、その脇には直立した男が1人。
宵の姿を見ると、上座の男が立ち上がり、部屋の中央にて出迎えてくれた。
「お待ちしていた。私が梟郡太守の孔嵩だ」
孔嵩はにこやかに拱手をした。白髪混じりの口髭と顎髭を蓄えた見た感じ60歳前後の柔和な男だ。
孔嵩が話し始めると、宵を案内してくれた男は頭を下げ、部屋の外へ出て行った。
「宵と申します。本日はお時間を頂きありがとうございます」
宵も礼儀正しく拱手をする。
「李聞殿の推挙された方だ。一体どれ程優秀な方なのか……。実は私は其方に会えるのを楽しみに待っていた」
「いえ、そんな優秀だなんてとんでもありません」
「まあ、立ち話もなんだ。そちらに掛けて」
孔嵩は右側にある席を手で指し示したので、宵は軽く会釈をしてそこに座った。来賓用の綺麗な机と椅子。そこへゆっくりと腰を下ろした。椅子にクッションのようなものはなく、木の固さが薄い布1枚の宵の尻に伝わり、座り心地はお世辞にも良いとは言えない。
宵が座ったのを見ると、孔嵩も自分の席に座った。
孔嵩のいる上座と宵の下座は丁度垂直に並んでいるので、孔嵩の顔を見るには宵が少し右へ身体を向けなければならない。
孔嵩の席の横に立ったままの男は一言も発していないが宵の様子を凝視している。おそらく孔嵩の側近か何かだろう。
「話には聞いたが、宵殿は異国から来たとか。その髪型も閻では見ない。隣国にも髪の短い女はいない。一体どちらから?」
孔嵩は宵の肩までのボブヘアーを見て不思議そうに訊ねる。
「えっと……はい。遥か東方の日本という国から来ました」
咄嗟に東にあると言ったが、この国は中国ではないのだから、日本が東にあるわけではない。いや、それ以前に世界が違うのだから日本も存在していない。
「“ニホン”? 聞いた事がないな。祖忠、知ってるか?」
孔嵩は隣の男に聞いた。
「いえ。存じ上げません」
祖忠という男は短く答えた。
「まあ良い。そのニホンという国から遠路はるばるこの閻に“異文化研究”という事で来たのだろ? 若いのに勉強熱心で関心だ」
「いえ、そんな事……」
宵の預かり知らない話が出たので、とりあえず愛想笑いをする。大方、李聞が話を宵にとって都合の良いように合わせておいてくれたのだろう。
“兵法を知っている”という事はこの国ではバレてはいけないものだと思い知らされた。バレたから昨晩のように、功を焦る軍人が宵を利用しようとやってくる。下っ端の軍人ならまだマシだが、廖班のような“将軍”が宵の兵法を利用しようと権力を振りかざしてきたらもう逃げられないだろう。
「はは、謙遜されるな。さて、其方は仕事をしに来たのだったな。あるぞ。いくらでもな」
「私に出来る事でしたら何なりと」
口ではそう言ったが、具体的にどんな業務があるのかは李聞から聞いていない。宵に出来る仕事と言ったら、兵法や三国志の講義、漢文や中国語も教えられるが役所にそんな仕事がある筈はない。それ以外だと、元の世界でアイスクリーム屋でアルバイトをしていたので接客が出来るくらいだ。それもこの世界の役所で必要なのかは謎である。
「梟郡は都・秦安には到底及ばないが、それなりに栄えている都市だ。郡の仕事は、管轄の各県の管理監督。都市の規模が大きければ大きい程、管轄する県は多く仕事も多い。故に人手は多いに越したことはない。……が、普通は女は採らない。ましてや得体の知れぬ国からやって来た女を、地方と言えど、政に関わらせる事など有り得ぬ」
「……はい……」
急に雲行きが怪しくなってきたので、宵は弱々しい声で応える。“女は採らない”という部分は宵の世界では大問題になるが、得体の知れない人間を行政に参加させないというのは正論なので反論も出来なかった。
「だが、李聞殿の推挙だという事は大きい。それだけで其方に仕事を与えてもいいと思ったのだ」
「あの……李聞殿は一体何者なのでしょう?」
「何だ? 知らんのか? 李聞殿は以前この梟の都尉だった。かつては治安が悪かった梟を今のような平和な街に変えてくれたのが李聞殿だ。民達も皆李聞殿の事を称え誇りに思っておるのだ」
「そうだったのですね。そんなに凄い方だったとは」
「そうだ。だから李聞殿の推挙した其方が、他国の間者だの、梟を荒す悪人だのとは思っておらん。故に仕事を与えるのだ。戸籍、租税、財務、訴訟、農地、建設・修繕、備品……どこも空いているが、其方にやってもらいたい仕事はそれらのどれでもない、“人材登用”だ」
「え!? 人材……登用??」
言われた宵の頭の中に、三国志の名参謀達の名前が去来していた。
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