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第2章 宵の異世界就職活動
歩兵校尉の張雄さん
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劉飛麗が玄関の戸を開けると、そこには大柄の男が立っていた。
それは廖班の部下の将校の1人、張雄。他に部下は連れず1人で来たようだ。
宵はこの男の名を覚えていたわけではないが、顔は覚えていた。宵の献策に文句を言った男の1人だったのであまり良い印象はない。ただ、戦未経験の割にはそれなりに指揮は執れていた。
張雄は戸が開くやいなや、ズカズカと部屋に入って来た。劉飛麗は戸のそばで黙って立っているだけで、その張雄の無礼な態度を咎める様子はない。
「夜分遅くに済まぬ。歩兵校尉の張雄だ。急に豊州への移動とはな。宵」
張雄の官職を初めて知った。“歩兵校尉”。まさに三国志にで出来そうな官職だ。どうやらこの男は“将軍”ではないようだ。宵の記憶では、“校尉”という官職は、“将軍”より下の官職。
「ええ。廖班将軍のご命令で。先刻到着したばかりです」
「それはご苦労。それより、宵。汐平での策、見事だった」
「あ、ありがとうございます」
何が目的かは分からないが、宵はとりあえず愛想良く笑顔で礼を述べた。
視界の端に写った劉飛麗は、無表情で玄関の戸を閉めていた。張雄は劉飛麗の存在に気付いていないのかと思うくらいに宵しか見ていない。
張雄は三十代くらいだと思うが、口の周りに髭を蓄えているので貫禄のある風貌である。背も高く、180cmくらいはあるだろう。ガタイも良く、まさに軍人に相応しい体型だ。
「さて、本題だが、お前は廖班将軍の麾下で軍師になる事を保留にされてここにいるわけだ。廖班将軍や李聞殿はお前の先の兵法の知識による勝利を偶然と考えておられる。だが、俺はそうは思わん。あの殺されるかもしれない状況でしっかりと筋の通った策を立てる事など、普段から兵法に慣れ親しんだ者にしか出来ぬであろう」
「そんな……とんでもないです」
何を企んでいるのかまだ読めないが、兵法の知識を褒められるのは素直に嬉しい。だが、それ以上に人を殺したという罪悪感は宵の心にしこりを残していた。
──宵の好きな兵法は、人を殺す──
いくらその反対に救われる命があったと言われても、もう無闇に兵法を使おうとは思っていない。
もう、戦には関わりたくない。
張雄の後ろの玄関の横に立ったままの劉飛麗は、顔を伏せ両手は股の前で組み、背景と同化するようにピクリとも動かない。恐らく、下女という立場を弁えているのだろう。
「お前のその兵法の知識がこのまま埋もれてしまうのはあまりに惜しい。そこで俺は考えた。お前の兵法の知識を俺が上手く役立ててやろうとな」
「え? すみません。どういう事でしょうか?」
「お前は軍師になりたいのだろ? ならば、俺がその願いを叶えてやると言っている」
「いえ、その……」
「今、廖班将軍は東の葛州の防衛をお父上の荒陽太守である廖英殿に命じられている」
「防衛……。昨日の賊軍からですか? 廖班将軍は麁州、荒陽の所属ではないのですか? 何故隣の州の防衛を?」
「確かに、廖班将軍は麁州、荒陽所属の将軍だ。元々葛州にも軍はいた。高柴太守の成于が、東方からやって来た賊軍を討伐に出たが、敵の数に押され苦戦し荒陽に救援を求めてきたのだ。そこで廖班将軍は荒陽から8千の兵を連れ出陣した。もちろん、俺もついて行った。だが、2万強の賊軍は、3万の成于の軍をあっという間に打ち破った。我々の救援は間に合わず、成于は討ち死に、高柴は賊に奪われた」
「それで、廖班将軍はそのまま賊軍と戦ったのですか?」
「ああ。我々は高柴城に入った賊軍を7日攻めたが城を落とすことは出来ず、疲弊したところへ賊軍が攻勢に転じた為そのまま交戦。そこからは連敗に連敗を重ね、葛州と麁州の堺まで後退した。そこへお前が我が陣営に連れて来られた……というわけだ、宵」
「なるほど……そのような経緯が」
宵は静かに頷く。
今朝戦った賊軍は勢いに任せた猪突猛進タイプの士気が高いだけの軍団だった。2万の兵力に、3万の兵力で負けた高柴の軍は相当脆弱だったのだろうか。否、兵法を知らぬから負けたのだ。
「宵よ。お前のお陰で一先ず我々は全滅の危機を脱した。だが、賊軍を壊滅させたわけではない。僅かだが討ち漏らした。そいつらがまた仲間を引連れ攻めて来ないとも限らん。廖班将軍は明日、高柴に駐屯する為に荒陽を3万の兵を連れて出発する。もちろん、俺も行く。しかしながら、また攻められた場合、その兵力だけではとても勝てるとは思えぬ。ましてや、葛州は朧国との国境。弱った我らを見て朧が攻めて来る可能性すらある」
宵は頭の中に大雑把に地図を描きながら、黙って張雄の話を聴いていた。
「本当は廖班将軍もお前の兵法を使い備えたいと思っているだろう」
「それは……荒陽のお屋敷にいた時に李聞殿に聞きました。でも、私の兵法を認めないのでしょう?」
「今はそのようなお考えになられただけだ。お前が梟で役人として働き、有能だと分かれば廖班将軍はお前を正式に軍師として登用するだろう。だが、それでは遅い」
そう、それこそが李聞が宵を廖班と戦から遠ざける為にとった策。
張雄は鷹のような鋭い目付きで宵を見た。その目力に宵は僅かに怯み目を逸らす。
「兵法を知らぬ指揮官しかいなければ、いくら3万の兵と言えど、賊がまた大勢で攻めてくれば今度こそ壊滅する。そこで俺は考えた」
張雄から放たれる気迫が凄まじい。宵は唾を飲み込む。
「北の“鳴”という国に鉄馬族という異民族がいる。何十万という鉄騎兵を組織する最強の異民族と謳われた連中だ。奴らは自国の領土を守る為だけに精強な軍を組織している。俺はそいつらの軍を引き抜いて高柴の守りに付ければ良いと考えた」
「……どうやって?」
「それこそ、お前の兵法の出番ではないか」
張雄は自信満々に不敵な笑みを浮かべて言う。
「“軍師”というのは、兵法以外にも様々な謀を巡らせ敵を欺くと聞いた。宵、軍師を目指すなら謀にも通ずる筈。まあ、謀が無理でも、“兵法さえあれば”寡兵でも精強な軍にも勝てるだろう。兵が必要なら廖班将軍に借りてやる。俺についてくれば、お前は早速軍師としての仕事が出来る上に、成功すれば仲間に加えた鉄馬族の鉄騎兵を高柴に回し守備も強化出来る。そして、俺は将軍に出世。お前も正式に軍師に登用されるだろう。どうだ? 誰も損をしない素晴らしい作戦だと思わぬか?」
張雄の話を聴いた宵は小さく溜息をついた。この男は何も分かっていない。これは兵法以前の問題だ。
「どう思う?」
得意気に言う張雄。
「では、私の意見をお話します」
宵は静かに口を開いた。
それは廖班の部下の将校の1人、張雄。他に部下は連れず1人で来たようだ。
宵はこの男の名を覚えていたわけではないが、顔は覚えていた。宵の献策に文句を言った男の1人だったのであまり良い印象はない。ただ、戦未経験の割にはそれなりに指揮は執れていた。
張雄は戸が開くやいなや、ズカズカと部屋に入って来た。劉飛麗は戸のそばで黙って立っているだけで、その張雄の無礼な態度を咎める様子はない。
「夜分遅くに済まぬ。歩兵校尉の張雄だ。急に豊州への移動とはな。宵」
張雄の官職を初めて知った。“歩兵校尉”。まさに三国志にで出来そうな官職だ。どうやらこの男は“将軍”ではないようだ。宵の記憶では、“校尉”という官職は、“将軍”より下の官職。
「ええ。廖班将軍のご命令で。先刻到着したばかりです」
「それはご苦労。それより、宵。汐平での策、見事だった」
「あ、ありがとうございます」
何が目的かは分からないが、宵はとりあえず愛想良く笑顔で礼を述べた。
視界の端に写った劉飛麗は、無表情で玄関の戸を閉めていた。張雄は劉飛麗の存在に気付いていないのかと思うくらいに宵しか見ていない。
張雄は三十代くらいだと思うが、口の周りに髭を蓄えているので貫禄のある風貌である。背も高く、180cmくらいはあるだろう。ガタイも良く、まさに軍人に相応しい体型だ。
「さて、本題だが、お前は廖班将軍の麾下で軍師になる事を保留にされてここにいるわけだ。廖班将軍や李聞殿はお前の先の兵法の知識による勝利を偶然と考えておられる。だが、俺はそうは思わん。あの殺されるかもしれない状況でしっかりと筋の通った策を立てる事など、普段から兵法に慣れ親しんだ者にしか出来ぬであろう」
「そんな……とんでもないです」
何を企んでいるのかまだ読めないが、兵法の知識を褒められるのは素直に嬉しい。だが、それ以上に人を殺したという罪悪感は宵の心にしこりを残していた。
──宵の好きな兵法は、人を殺す──
いくらその反対に救われる命があったと言われても、もう無闇に兵法を使おうとは思っていない。
もう、戦には関わりたくない。
張雄の後ろの玄関の横に立ったままの劉飛麗は、顔を伏せ両手は股の前で組み、背景と同化するようにピクリとも動かない。恐らく、下女という立場を弁えているのだろう。
「お前のその兵法の知識がこのまま埋もれてしまうのはあまりに惜しい。そこで俺は考えた。お前の兵法の知識を俺が上手く役立ててやろうとな」
「え? すみません。どういう事でしょうか?」
「お前は軍師になりたいのだろ? ならば、俺がその願いを叶えてやると言っている」
「いえ、その……」
「今、廖班将軍は東の葛州の防衛をお父上の荒陽太守である廖英殿に命じられている」
「防衛……。昨日の賊軍からですか? 廖班将軍は麁州、荒陽の所属ではないのですか? 何故隣の州の防衛を?」
「確かに、廖班将軍は麁州、荒陽所属の将軍だ。元々葛州にも軍はいた。高柴太守の成于が、東方からやって来た賊軍を討伐に出たが、敵の数に押され苦戦し荒陽に救援を求めてきたのだ。そこで廖班将軍は荒陽から8千の兵を連れ出陣した。もちろん、俺もついて行った。だが、2万強の賊軍は、3万の成于の軍をあっという間に打ち破った。我々の救援は間に合わず、成于は討ち死に、高柴は賊に奪われた」
「それで、廖班将軍はそのまま賊軍と戦ったのですか?」
「ああ。我々は高柴城に入った賊軍を7日攻めたが城を落とすことは出来ず、疲弊したところへ賊軍が攻勢に転じた為そのまま交戦。そこからは連敗に連敗を重ね、葛州と麁州の堺まで後退した。そこへお前が我が陣営に連れて来られた……というわけだ、宵」
「なるほど……そのような経緯が」
宵は静かに頷く。
今朝戦った賊軍は勢いに任せた猪突猛進タイプの士気が高いだけの軍団だった。2万の兵力に、3万の兵力で負けた高柴の軍は相当脆弱だったのだろうか。否、兵法を知らぬから負けたのだ。
「宵よ。お前のお陰で一先ず我々は全滅の危機を脱した。だが、賊軍を壊滅させたわけではない。僅かだが討ち漏らした。そいつらがまた仲間を引連れ攻めて来ないとも限らん。廖班将軍は明日、高柴に駐屯する為に荒陽を3万の兵を連れて出発する。もちろん、俺も行く。しかしながら、また攻められた場合、その兵力だけではとても勝てるとは思えぬ。ましてや、葛州は朧国との国境。弱った我らを見て朧が攻めて来る可能性すらある」
宵は頭の中に大雑把に地図を描きながら、黙って張雄の話を聴いていた。
「本当は廖班将軍もお前の兵法を使い備えたいと思っているだろう」
「それは……荒陽のお屋敷にいた時に李聞殿に聞きました。でも、私の兵法を認めないのでしょう?」
「今はそのようなお考えになられただけだ。お前が梟で役人として働き、有能だと分かれば廖班将軍はお前を正式に軍師として登用するだろう。だが、それでは遅い」
そう、それこそが李聞が宵を廖班と戦から遠ざける為にとった策。
張雄は鷹のような鋭い目付きで宵を見た。その目力に宵は僅かに怯み目を逸らす。
「兵法を知らぬ指揮官しかいなければ、いくら3万の兵と言えど、賊がまた大勢で攻めてくれば今度こそ壊滅する。そこで俺は考えた」
張雄から放たれる気迫が凄まじい。宵は唾を飲み込む。
「北の“鳴”という国に鉄馬族という異民族がいる。何十万という鉄騎兵を組織する最強の異民族と謳われた連中だ。奴らは自国の領土を守る為だけに精強な軍を組織している。俺はそいつらの軍を引き抜いて高柴の守りに付ければ良いと考えた」
「……どうやって?」
「それこそ、お前の兵法の出番ではないか」
張雄は自信満々に不敵な笑みを浮かべて言う。
「“軍師”というのは、兵法以外にも様々な謀を巡らせ敵を欺くと聞いた。宵、軍師を目指すなら謀にも通ずる筈。まあ、謀が無理でも、“兵法さえあれば”寡兵でも精強な軍にも勝てるだろう。兵が必要なら廖班将軍に借りてやる。俺についてくれば、お前は早速軍師としての仕事が出来る上に、成功すれば仲間に加えた鉄馬族の鉄騎兵を高柴に回し守備も強化出来る。そして、俺は将軍に出世。お前も正式に軍師に登用されるだろう。どうだ? 誰も損をしない素晴らしい作戦だと思わぬか?」
張雄の話を聴いた宵は小さく溜息をついた。この男は何も分かっていない。これは兵法以前の問題だ。
「どう思う?」
得意気に言う張雄。
「では、私の意見をお話します」
宵は静かに口を開いた。
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