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あいつになってわかったこと
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今日の授業が終わり、帰宅しようと校門に向かって歩く。
「痛っ!」
「おっ!悪い。小さくて見えなかった!」
「そんなに小さくないから!」
今日もからかわれた。毎度毎度小さいと言われるが、あいつがでかすぎるだけだ。後方からあいつの肘で頭をどつかれるのも毎度のことだ。手加減されているとは思うけれど、まあまあ痛い。どつきついでに髪を引っ張られるのも地味に痛い。
「どつくな!引っ張るな!」
「そんな顔して怒鳴られたってこわくねーな!」
「体質だから仕方ないだろ!」
僕の肌は白く、感情が昂るとすぐ顔が赤くなってしまう。(僕自身は顔が熱くなるのを感じるだけで色まではわからないが、まわりにそう言われた。)泣いてもいないのに、目が潤むのもどうにかしたい。あいつ以外に、声を荒げることはほとんどないので、情けない顔があいつ専用となりつつあるのが腹立たしい。
あいつは校内の人気者だ。明るくて活発で、太陽みたいなやつだし、性格だって悪くないはずなのに、僕にだけこうしてちょっとした意地悪をする。まわりに愚痴るが、あいつに構ってもらえるなんて楽しそうでいいな!と笑顔で返され、僕の味方をしてくれるやつは誰もいない。
毎回同じからかい方をして飽きないのか?からかわれっぱなしも癪に障る。いつかあいつをぎゃふんっ!!と言わせてやると決意も新たに歩いていると、道の端に何かが落ちている。落し物なら届けようかと拾い上げてみると、女物の下着だった。
これは無理だ。まわりに誰も居ないことを確認してから、落ちていた場所にそっと戻す。僕は何も見つけてないし、拾ってない。さて、帰ろう!
「自分、履かないんかいっ?!」
ぼふぼふんっ!と煙が上がり、女物の下着を戻した場所にタヌキのような生き物が二本足で立っていた。まるで人間のような口ぶりに思わず返答してしまう。
「へっ?!履かないけど??」
「自分、男かいっ?!綺麗なおねーちゃんが来たかと思って変身したのに、まさかの男!!しかもなかったことにして立ち去ろうとした??ありえないっ!ありえないっ!!」
ありえないのは、君の存在だよね!と思ったが、黙っておいた。僕が綺麗なおねーちゃんだったとしても、落ちている下着をその場で履くなんてことこそ、ありえない。とりあえず、ぷんすか怒るタヌキ君をなだめようと、ポケットに入っていた飴玉を差し出す。ここまで人間っぽいのだ。飴玉だって食べられるだろう。
「これでも舐めて、少し落ち着こうよ?」
「はあ?!飴玉?!そんなんで落ち着けるかいっ!!自分、ケンカ売ってんのかっ?!――んん、なかなかいけるな。もっと舐めてやってもいいけど?」
僕が持っていた飴玉を食べ尽くされた。物足りなさそうだが、もう持ってないからね。
「家に帰ればまだあると思うけど来る?」
「人の好意を無下にはできないな。連れて行けっ!ん!」
僕に向かってちっちゃな手(前足)を伸ばしてくるので、それを握って並んで歩く。タヌキ君は甘えたなのか?
「あのさ、怒らないで聞いてくれる?君さ、タヌキっぽいでしょ?僕と手を繋ぎながら二足歩行しているのを、他の人に見られても大丈夫かな?」
「はあ?!タヌキっぽいっ?!自分、そのでっかい二つの目はただの飾りかいっ!!よぉーーーく、見てみろっ!!」
怒らないでと言ったのに、すごい勢いで怒られた。よくよく見てみるけど、やっぱりタヌキっぽい。
「とにかく、他の人には見つからない方がいいと思うからさ、手を繋いで歩くのはやめて、僕が君を抱っこして連れて行くよ。いい?」
「抱っこ?――まあ、そんなに言うなら、抱っこさせてやってもいいけど?」
僕は見逃さなかった。タヌキ君の顔が喜びでゆるむのを。僕は確信する。タヌキ君は甘えたに違いない!
「飴玉だけじゃ、喉が乾くでしょ?お茶と飴玉以外のお菓子もどうぞ。」
「自分、意外に気が利くなっ!」
僕の部屋で、水玉のクッションの上にどかりと座ったタヌキ君に、お茶とお菓子を振舞う。両手(前足)でコップを持ちながらお茶を飲む姿はかわいい。
「ぷはっ!もう一杯!自分、飴玉バカバカ食わすから、思っていたよりも喉、カラッカラだったわっ!」
「・・・・それは悪かったね、ごめんごめん。はい、どうぞ。」
「えらい棒読みだな?――んん、このドーナッツうましっ!こっちのせんべいもいけるっ!甘いもん食べたら、しょっぱいもん!しょっぱいもん食べたら、甘いもん!幸せの無限ループ!!」
テンション高めに僕の用意したお菓子を食べ進めるタヌキ君。我が家のお菓子を食べ尽くされそうだ。
「くふぅ!満足、満足!気分が良いから、自分、願い事ひとつ叶えてやる!」
「願い事?ありえない事でもいい?―――って、君、何者なの??」
「はあ?!どっからどう見ても、偉大な魔法使いだろっ!!」
タヌキ君にまた怒られた。マユツバ物だが、僕は願い事をひとつ叶えてもらうことにした。
「あいつになってみたい!」
「あいつ?」
「僕を飽きずにからかう理由を知りたいんだ。あいつになればわかると思って。」
「あー、そういうのね!そーいうの、本当はだめなんだけど。自分、おいしい接待してくれたからな。叶えてやる!」
ぼふぼふんっ!と煙が上がり、僕の手のひらに葉っぱが一枚落ちてきた。
「自分、その葉っぱをくわえれば、願い事がひとつ叶うぞ。」
「それだけで、あいつになれるの?」
「なれるというか、そいつの中に入れるというか。そいつの意識はそいつのもので、自分、それを傍観するだけな。制限時間は三分だから、慎重に使えよ!」
「みじか!ウ○ト○マンか!!」
「自分、うるさいっ!!本当はだめなやつ叶えてやるんだから、贅沢言うなっ!!」
タヌキ君がぷんすかモードだ。せっかくもらった葉っぱを取り上げられては、叶うものも叶わなくなる。
「さ、さすが!!偉大な魔法使い!すごいな!ささ、飴玉、どうぞ!」
「――んん、やっぱりこの飴玉うましっ!」
そろそろ帰ると言うタヌキ君に、残りの飴玉をすべて持たせてやる。「また来てやってもいいけど?」と言い残し、ぼふぼふんっ!と煙が上がって、タヌキ君は消えた。夢かと思ったけど、たくさんのお菓子の屑とちっちゃな手形が付いたコップ、一枚の葉っぱが、夢じゃないってことを伝えていた。
今日の授業が終わり、帰宅しようと校門に向かって歩く。
「痛っ!」
この頭に走る痛みは、あいつの肘どつきだ。僕はポケットからタヌキ君からもらった葉っぱを取り出し、くわえてから振り返る。少しふわっとした感じになったが、僕は僕のままであいつを睨みつけている。画面がもう一つあるみたいに、あいつが見ているであろう僕の姿が目に映る。(くわえている葉っぱは見えていない。)変な感じだ。
「おっ!悪い。小さくて見えなかった!」
【今日もかわいいな。】
えっ?!サイズがかわいい(小さい)ってこと??あいつが僕に発する言葉の他に、あいつの声が頭に響いてくる。
「そんなに小さくないから!」
ちょっと動揺したが、いつもの返しをする。葉っぱをくわえていても、普通にしゃべれるから不思議だ。
【もっと触りたい。稲荷の髪ってさらさらなんだよな。】
あいつがいつものように僕の髪を引っ張る。僕の髪は触り心地がいいらしく、男女問わず「触らせて!」とお願いされることがちょくちょくある。あいつもそんなふうに思っていたのか。
「ど、どつくな!ひ、引っ張るな!」
いつにも増して顔が熱くなり、目が潤む。あいつから見た僕の顔って我ながらひどい。顔は真っ赤で、目から涙が溢れ出しそうになっている。
「そんな顔して怒鳴られたってこわくねーな!」
【その顔反則!俺にだけ見せてくれるんだよな。あー、持ち帰りたい!】
「体質だから仕方ないだろ!―――あっ。」
僕を持ち帰る??なんで???混乱で頭がクラクラする。たぶん葉っぱの影響もあると思う。立っていられなくなり、その場にしゃがみこんだ。
「おい、大丈夫か?弱っちーな!」
【具合悪いのか?つらいのか?俺はどうしたらいい?すげぇ、心配なんだけどっ!!】
あいつの言葉に顔をあげた僕は、蒼い顔をしている。気分の悪さはあるが、あいつの発する言葉と、頭に響く声の内容が違いすぎて可笑しくなる。
「何笑ってんだよ?不気味だな。」
【顔色はまだ悪いけど、平気なのか?それにしても、こんな間近で微笑まれたらやばい!】
「しゃがんだら少し楽になったよ。たぶんもう平気だと思うけど、獅子屋が僕んちまで送ってくれたらありがたいな。」
何がやばいのかはわからないけれど、あいつに嫌われていたわけじゃなさそうで嬉しくなり、ついついそんなことを口走ってしまった。
「しょうがねーな。貸しだからな!」
【貸しというか、借り?俺的にはご褒美!】
口調は偉そうだが、ずいぶん柔らかい表情を見せてくるあいつの手を借りながら、ゆっくりと立ち上がる。くわえていた葉っぱが消え、三分経ったことがわかった。クラクラ感もなくなっている。
「送ってくれてありがとう。せっかくだから上がって行って。お茶とお菓子ぐらいは出すよ。」
「じゃあ、遠慮なく。お邪魔しまーす!」
「階段上がってすぐが僕の部屋だから、先に行ってて。」
「あぁ、わかった。」
お盆にお茶とお菓子を載せて部屋のドアを開けると、あいつが誰かと話をしているようだった。着信でもあったのかな。
「自分、なかなかマニアックだなっ!」
「そっか?なな、この娘かわいくね?」
「ふうん、まあ、悪くないな!」
「だろ!!」
そのしゃべり方はタヌキ君か?何を楽しそうに話しているのだろう。
「しかし、そいつ誰かに似てるな?――あっ、自分かいっ!」
お盆を部屋の小さなテーブルの上に置くと、水玉のクッションの上に、我が物顔で座るタヌキ君にビシッと指を差される。いきなり失礼な!見ると、タヌキ君とあいつの間に見覚えのない雑誌が置いてある。『ボクっ娘VS男の娘大特集!!』という文字がでかでかと踊っている。僕のではないから、あいつの私物だろう。
「・・・本当にまた来たんだね。いらっしゃいませって言った方がいいかな?――獅子屋も何で普通に盛り上がれるのかな・・・。」
「自分、客人を待たせるとは何だっ!」
「俺も一瞬びびったけど、師匠、話すといいやつでさ!」
師匠ってタヌキ君のことか。傲慢な態度にぴったりだ。一瞬びびっただけでタヌキ君を受け入れるとは、すごいな。僕も人のことは言えないけれど。
「師匠もお茶でいいかな?コップ二つしか持ってこなかったから、もう一つ取りに行ってくるよ。」
「俺、稲荷と一緒のでいいよ!師匠、はい。」
「自分、いやらしいなっ!」
「師匠!しーーっ!!」
コップを取りに行こうと腰を上げた僕は、あいつに服の裾を引っ張られすぐに座らされた。タヌキ君はお茶の入ったコップをちっちゃな両手(前足)で、あいつから受け取りながらニヤニヤしている。
「ところで自分、願い事叶えてどうだった?」
「え!叶えたってどうしてわかるの?」
「与えた魔法が消化される時、知らせが届くからな。」
「それはすごいね!――あいつになってわかったことは、僕のことを嫌っていたわけじゃなさそうってことだな。」
「自分、ライバルがいるみたいぞ?」
タヌキ君がちっちゃな足(後足)で、あいつの腿をげしげし蹴りつけている。
「師匠!俺はそんな、どうこうなりたいわけじゃ・・・。」
「自分、男ならそんな雑誌で満足するなっ!男らしく、その手で本物を掴みに行けっ!!」
「女物の下着に化けて、綺麗なおねーちゃんに履いてもらおうとすることが男らしいの?」
「自分、うるさいっ!!過去のことをほじくりかえすなっ!」
「師匠!何やってんの?どうしようもねーな!」
「こらっ!!自分ら、笑うなっ!」
タヌキ君はぷんすか怒っているが、その様子が面白くてあいつと声を出して笑う。
「はあ!笑いすぎて涙が出るよ。うわ!獅子屋、近いんだけど!」
「稲荷の涙、甘そうだなと思って。」
「自分、いいぞ!もっといけっ!ライバルを蹴落とせっ!」
気がつくと、あいつの顔がすぐ近くまで迫っていた。人気者だけあって、僕から見ても相当かっこいい顔をしている。なぜだか煽ってくるタヌキ君にげんなりとし、さっきからライバルって誰のことだよ?と思う。僕のことを嫌っていたわけじゃなさそうっていうあいつは、獅子屋のことだからライバルも何もない。同一人物だ。タヌキ君に伝えるつもりはないけれど!涙が甘そうだと呟くあいつも意味不明だ。そんな味がしないことは、百も承知だろうに。
「僕をどつくのをやめるなら、甘いかどうか試してもい、」
「まじで!?やめる!!」
からかい半分で言ったのだが、食い気味にあいつに返事をされたかと思うと、下瞼に柔らかくてあったかい、ぬるっとしたものが触れた。
「なっ、舐められた?!」
「自分、どうだっ?甘いかっ??」
「ちょっとわかんなかった!もう一度頼む!!」
「アンコールッ!それっ!アンコールッ!」
タヌキ君、いいから黙って欲しい。
「びっくりして涙が引っ込んだから無理だよ!」
「じゃあ、どつくのやめない!」
「違うものっ!それっ!違うものっ!」
タヌキ君、違うものってなんだ?あいつにはどつくのやめないって言われるし、どうしたらいいんだ。
「稲荷の唇、甘そうだ、な、と、思って。」
「くっちづけ!それっ!くっちづけ!」
タヌキ君に完全に乗せられたあいつから涙以外を要求される。さすがに悪ふざけが過ぎたと思ったのか、語尾が途切れ途切れだったけれど。タヌキ君のコールは、いっそ清々しい。
「・・・・・わかったよ。その代わり、どつくのも髪を引っ張るのも、金輪際なしだから!やったら獅子屋とはもう口利かないからな!」
「これからは大切にする!!」
「エンダーーィイアァァーーイッ!!」
タヌキ君によるド下手くそなBGMが流れ始める。やけっぱちになった僕は、あいつの要求に応えてやることにした。ファーストキス云々は言わないことにする。ちょっぱや(死語らしい)で終わりにしてくれ!
「はあ、はあ、長すぎる!唇がヒリヒリして痛い!」
「舌を入れなかったんだから、それぐらい許せ!これでもかなり情けをかけた方だ!!」
「自分ら、軽く三分超えたぞ!エンダーイアー言い過ぎて喉、カラッカラだっ!」
執拗に僕の唇を舐め回し、吸い付いてきたあいつにも、なんで三分を基準にするのか、チンプンカンプンなタヌキ君にも腹が立った。
「獅子屋の嘘つき!全然大切にしてくれてない!師匠は文句言ってないでお茶を飲めばいいでしょうが!」
「自分、何怒ってんだ?怒りんぼうは損するぞ?菓子やるから落ち着けっ!」
「稲荷ごめん!!抱きしめて髪撫でてもいいか?」
タヌキ君から手渡された我が家のお菓子を咀嚼しながら、あいつのたくましい腕の中で頭を撫で回されている。どうしてこうなった?―――タヌキ君の羨ましそうな視線が、どすどすと突き刺さる。
「・・・師匠は僕が抱っこしようか?」
「まあ、そんなに言うなら、抱っこさせてやってもいいけど?ついでに、頭を撫でさせてやってもいいけど?」
「師匠を抱っこしながら、師匠の頭をなでなでしてる稲荷が可愛すぎる!!どうしよう!俺、このまま抱き潰しそう!」
「少しでも痛くしたら肘鉄くらわすからな!」
「ぎゃふんっ!!すでにくらったけど!」
「自分ら、仲いいなっ!」
その日は、うちの母が帰ってくるまで三人(二人と一匹?)でくっついていた。タヌキ君は「また来てやってもいいけど?」とお決まりのセリフを残し、ぼふぼふんっ!と煙を上げて消えた。それをちょっと驚いただけで見送ったあいつは、さすがだと思った。
「稲荷、遅くまで邪魔したな。俺もまた来ていいか?」
「あらぁ、次はぜひ夕飯を食べて行ってね!」
「ありがとうございます!!楽しみにしていますね!では、お邪魔しました!」
僕が何かを言う前に、母が横からにょきっと顔を出して返事をする。見た目良し、声良しのあいつにうっとりとしている。気持ちはわかるけどさ。僕は母の隣で適当に手を振っただけだったが、あいつは満面の笑みを浮かべて帰って行った。
「最近、お茶とお菓子の減りが早いと思ったら、あんなにかっこいい子が遊びに来てたのね!眼福、眼福!女性はいくつになってもかっこいい人と、かわいい動物には目がないもんよ!」
うきうきしながら話す母に、そうは言っても、タヌキ君を紹介する勇気はないなと思った。でも、あいつにだけ夕飯をごちそうすると、「自分、差別すんのかいっ!」って、ぷんすか怒るだろうな。あいつになってわかったことがあったお礼に、タヌキ君も夕飯に誘ってみよう(母に紹介するのを含む)と、考えを改める僕なのだった。
「痛っ!」
「おっ!悪い。小さくて見えなかった!」
「そんなに小さくないから!」
今日もからかわれた。毎度毎度小さいと言われるが、あいつがでかすぎるだけだ。後方からあいつの肘で頭をどつかれるのも毎度のことだ。手加減されているとは思うけれど、まあまあ痛い。どつきついでに髪を引っ張られるのも地味に痛い。
「どつくな!引っ張るな!」
「そんな顔して怒鳴られたってこわくねーな!」
「体質だから仕方ないだろ!」
僕の肌は白く、感情が昂るとすぐ顔が赤くなってしまう。(僕自身は顔が熱くなるのを感じるだけで色まではわからないが、まわりにそう言われた。)泣いてもいないのに、目が潤むのもどうにかしたい。あいつ以外に、声を荒げることはほとんどないので、情けない顔があいつ専用となりつつあるのが腹立たしい。
あいつは校内の人気者だ。明るくて活発で、太陽みたいなやつだし、性格だって悪くないはずなのに、僕にだけこうしてちょっとした意地悪をする。まわりに愚痴るが、あいつに構ってもらえるなんて楽しそうでいいな!と笑顔で返され、僕の味方をしてくれるやつは誰もいない。
毎回同じからかい方をして飽きないのか?からかわれっぱなしも癪に障る。いつかあいつをぎゃふんっ!!と言わせてやると決意も新たに歩いていると、道の端に何かが落ちている。落し物なら届けようかと拾い上げてみると、女物の下着だった。
これは無理だ。まわりに誰も居ないことを確認してから、落ちていた場所にそっと戻す。僕は何も見つけてないし、拾ってない。さて、帰ろう!
「自分、履かないんかいっ?!」
ぼふぼふんっ!と煙が上がり、女物の下着を戻した場所にタヌキのような生き物が二本足で立っていた。まるで人間のような口ぶりに思わず返答してしまう。
「へっ?!履かないけど??」
「自分、男かいっ?!綺麗なおねーちゃんが来たかと思って変身したのに、まさかの男!!しかもなかったことにして立ち去ろうとした??ありえないっ!ありえないっ!!」
ありえないのは、君の存在だよね!と思ったが、黙っておいた。僕が綺麗なおねーちゃんだったとしても、落ちている下着をその場で履くなんてことこそ、ありえない。とりあえず、ぷんすか怒るタヌキ君をなだめようと、ポケットに入っていた飴玉を差し出す。ここまで人間っぽいのだ。飴玉だって食べられるだろう。
「これでも舐めて、少し落ち着こうよ?」
「はあ?!飴玉?!そんなんで落ち着けるかいっ!!自分、ケンカ売ってんのかっ?!――んん、なかなかいけるな。もっと舐めてやってもいいけど?」
僕が持っていた飴玉を食べ尽くされた。物足りなさそうだが、もう持ってないからね。
「家に帰ればまだあると思うけど来る?」
「人の好意を無下にはできないな。連れて行けっ!ん!」
僕に向かってちっちゃな手(前足)を伸ばしてくるので、それを握って並んで歩く。タヌキ君は甘えたなのか?
「あのさ、怒らないで聞いてくれる?君さ、タヌキっぽいでしょ?僕と手を繋ぎながら二足歩行しているのを、他の人に見られても大丈夫かな?」
「はあ?!タヌキっぽいっ?!自分、そのでっかい二つの目はただの飾りかいっ!!よぉーーーく、見てみろっ!!」
怒らないでと言ったのに、すごい勢いで怒られた。よくよく見てみるけど、やっぱりタヌキっぽい。
「とにかく、他の人には見つからない方がいいと思うからさ、手を繋いで歩くのはやめて、僕が君を抱っこして連れて行くよ。いい?」
「抱っこ?――まあ、そんなに言うなら、抱っこさせてやってもいいけど?」
僕は見逃さなかった。タヌキ君の顔が喜びでゆるむのを。僕は確信する。タヌキ君は甘えたに違いない!
「飴玉だけじゃ、喉が乾くでしょ?お茶と飴玉以外のお菓子もどうぞ。」
「自分、意外に気が利くなっ!」
僕の部屋で、水玉のクッションの上にどかりと座ったタヌキ君に、お茶とお菓子を振舞う。両手(前足)でコップを持ちながらお茶を飲む姿はかわいい。
「ぷはっ!もう一杯!自分、飴玉バカバカ食わすから、思っていたよりも喉、カラッカラだったわっ!」
「・・・・それは悪かったね、ごめんごめん。はい、どうぞ。」
「えらい棒読みだな?――んん、このドーナッツうましっ!こっちのせんべいもいけるっ!甘いもん食べたら、しょっぱいもん!しょっぱいもん食べたら、甘いもん!幸せの無限ループ!!」
テンション高めに僕の用意したお菓子を食べ進めるタヌキ君。我が家のお菓子を食べ尽くされそうだ。
「くふぅ!満足、満足!気分が良いから、自分、願い事ひとつ叶えてやる!」
「願い事?ありえない事でもいい?―――って、君、何者なの??」
「はあ?!どっからどう見ても、偉大な魔法使いだろっ!!」
タヌキ君にまた怒られた。マユツバ物だが、僕は願い事をひとつ叶えてもらうことにした。
「あいつになってみたい!」
「あいつ?」
「僕を飽きずにからかう理由を知りたいんだ。あいつになればわかると思って。」
「あー、そういうのね!そーいうの、本当はだめなんだけど。自分、おいしい接待してくれたからな。叶えてやる!」
ぼふぼふんっ!と煙が上がり、僕の手のひらに葉っぱが一枚落ちてきた。
「自分、その葉っぱをくわえれば、願い事がひとつ叶うぞ。」
「それだけで、あいつになれるの?」
「なれるというか、そいつの中に入れるというか。そいつの意識はそいつのもので、自分、それを傍観するだけな。制限時間は三分だから、慎重に使えよ!」
「みじか!ウ○ト○マンか!!」
「自分、うるさいっ!!本当はだめなやつ叶えてやるんだから、贅沢言うなっ!!」
タヌキ君がぷんすかモードだ。せっかくもらった葉っぱを取り上げられては、叶うものも叶わなくなる。
「さ、さすが!!偉大な魔法使い!すごいな!ささ、飴玉、どうぞ!」
「――んん、やっぱりこの飴玉うましっ!」
そろそろ帰ると言うタヌキ君に、残りの飴玉をすべて持たせてやる。「また来てやってもいいけど?」と言い残し、ぼふぼふんっ!と煙が上がって、タヌキ君は消えた。夢かと思ったけど、たくさんのお菓子の屑とちっちゃな手形が付いたコップ、一枚の葉っぱが、夢じゃないってことを伝えていた。
今日の授業が終わり、帰宅しようと校門に向かって歩く。
「痛っ!」
この頭に走る痛みは、あいつの肘どつきだ。僕はポケットからタヌキ君からもらった葉っぱを取り出し、くわえてから振り返る。少しふわっとした感じになったが、僕は僕のままであいつを睨みつけている。画面がもう一つあるみたいに、あいつが見ているであろう僕の姿が目に映る。(くわえている葉っぱは見えていない。)変な感じだ。
「おっ!悪い。小さくて見えなかった!」
【今日もかわいいな。】
えっ?!サイズがかわいい(小さい)ってこと??あいつが僕に発する言葉の他に、あいつの声が頭に響いてくる。
「そんなに小さくないから!」
ちょっと動揺したが、いつもの返しをする。葉っぱをくわえていても、普通にしゃべれるから不思議だ。
【もっと触りたい。稲荷の髪ってさらさらなんだよな。】
あいつがいつものように僕の髪を引っ張る。僕の髪は触り心地がいいらしく、男女問わず「触らせて!」とお願いされることがちょくちょくある。あいつもそんなふうに思っていたのか。
「ど、どつくな!ひ、引っ張るな!」
いつにも増して顔が熱くなり、目が潤む。あいつから見た僕の顔って我ながらひどい。顔は真っ赤で、目から涙が溢れ出しそうになっている。
「そんな顔して怒鳴られたってこわくねーな!」
【その顔反則!俺にだけ見せてくれるんだよな。あー、持ち帰りたい!】
「体質だから仕方ないだろ!―――あっ。」
僕を持ち帰る??なんで???混乱で頭がクラクラする。たぶん葉っぱの影響もあると思う。立っていられなくなり、その場にしゃがみこんだ。
「おい、大丈夫か?弱っちーな!」
【具合悪いのか?つらいのか?俺はどうしたらいい?すげぇ、心配なんだけどっ!!】
あいつの言葉に顔をあげた僕は、蒼い顔をしている。気分の悪さはあるが、あいつの発する言葉と、頭に響く声の内容が違いすぎて可笑しくなる。
「何笑ってんだよ?不気味だな。」
【顔色はまだ悪いけど、平気なのか?それにしても、こんな間近で微笑まれたらやばい!】
「しゃがんだら少し楽になったよ。たぶんもう平気だと思うけど、獅子屋が僕んちまで送ってくれたらありがたいな。」
何がやばいのかはわからないけれど、あいつに嫌われていたわけじゃなさそうで嬉しくなり、ついついそんなことを口走ってしまった。
「しょうがねーな。貸しだからな!」
【貸しというか、借り?俺的にはご褒美!】
口調は偉そうだが、ずいぶん柔らかい表情を見せてくるあいつの手を借りながら、ゆっくりと立ち上がる。くわえていた葉っぱが消え、三分経ったことがわかった。クラクラ感もなくなっている。
「送ってくれてありがとう。せっかくだから上がって行って。お茶とお菓子ぐらいは出すよ。」
「じゃあ、遠慮なく。お邪魔しまーす!」
「階段上がってすぐが僕の部屋だから、先に行ってて。」
「あぁ、わかった。」
お盆にお茶とお菓子を載せて部屋のドアを開けると、あいつが誰かと話をしているようだった。着信でもあったのかな。
「自分、なかなかマニアックだなっ!」
「そっか?なな、この娘かわいくね?」
「ふうん、まあ、悪くないな!」
「だろ!!」
そのしゃべり方はタヌキ君か?何を楽しそうに話しているのだろう。
「しかし、そいつ誰かに似てるな?――あっ、自分かいっ!」
お盆を部屋の小さなテーブルの上に置くと、水玉のクッションの上に、我が物顔で座るタヌキ君にビシッと指を差される。いきなり失礼な!見ると、タヌキ君とあいつの間に見覚えのない雑誌が置いてある。『ボクっ娘VS男の娘大特集!!』という文字がでかでかと踊っている。僕のではないから、あいつの私物だろう。
「・・・本当にまた来たんだね。いらっしゃいませって言った方がいいかな?――獅子屋も何で普通に盛り上がれるのかな・・・。」
「自分、客人を待たせるとは何だっ!」
「俺も一瞬びびったけど、師匠、話すといいやつでさ!」
師匠ってタヌキ君のことか。傲慢な態度にぴったりだ。一瞬びびっただけでタヌキ君を受け入れるとは、すごいな。僕も人のことは言えないけれど。
「師匠もお茶でいいかな?コップ二つしか持ってこなかったから、もう一つ取りに行ってくるよ。」
「俺、稲荷と一緒のでいいよ!師匠、はい。」
「自分、いやらしいなっ!」
「師匠!しーーっ!!」
コップを取りに行こうと腰を上げた僕は、あいつに服の裾を引っ張られすぐに座らされた。タヌキ君はお茶の入ったコップをちっちゃな両手(前足)で、あいつから受け取りながらニヤニヤしている。
「ところで自分、願い事叶えてどうだった?」
「え!叶えたってどうしてわかるの?」
「与えた魔法が消化される時、知らせが届くからな。」
「それはすごいね!――あいつになってわかったことは、僕のことを嫌っていたわけじゃなさそうってことだな。」
「自分、ライバルがいるみたいぞ?」
タヌキ君がちっちゃな足(後足)で、あいつの腿をげしげし蹴りつけている。
「師匠!俺はそんな、どうこうなりたいわけじゃ・・・。」
「自分、男ならそんな雑誌で満足するなっ!男らしく、その手で本物を掴みに行けっ!!」
「女物の下着に化けて、綺麗なおねーちゃんに履いてもらおうとすることが男らしいの?」
「自分、うるさいっ!!過去のことをほじくりかえすなっ!」
「師匠!何やってんの?どうしようもねーな!」
「こらっ!!自分ら、笑うなっ!」
タヌキ君はぷんすか怒っているが、その様子が面白くてあいつと声を出して笑う。
「はあ!笑いすぎて涙が出るよ。うわ!獅子屋、近いんだけど!」
「稲荷の涙、甘そうだなと思って。」
「自分、いいぞ!もっといけっ!ライバルを蹴落とせっ!」
気がつくと、あいつの顔がすぐ近くまで迫っていた。人気者だけあって、僕から見ても相当かっこいい顔をしている。なぜだか煽ってくるタヌキ君にげんなりとし、さっきからライバルって誰のことだよ?と思う。僕のことを嫌っていたわけじゃなさそうっていうあいつは、獅子屋のことだからライバルも何もない。同一人物だ。タヌキ君に伝えるつもりはないけれど!涙が甘そうだと呟くあいつも意味不明だ。そんな味がしないことは、百も承知だろうに。
「僕をどつくのをやめるなら、甘いかどうか試してもい、」
「まじで!?やめる!!」
からかい半分で言ったのだが、食い気味にあいつに返事をされたかと思うと、下瞼に柔らかくてあったかい、ぬるっとしたものが触れた。
「なっ、舐められた?!」
「自分、どうだっ?甘いかっ??」
「ちょっとわかんなかった!もう一度頼む!!」
「アンコールッ!それっ!アンコールッ!」
タヌキ君、いいから黙って欲しい。
「びっくりして涙が引っ込んだから無理だよ!」
「じゃあ、どつくのやめない!」
「違うものっ!それっ!違うものっ!」
タヌキ君、違うものってなんだ?あいつにはどつくのやめないって言われるし、どうしたらいいんだ。
「稲荷の唇、甘そうだ、な、と、思って。」
「くっちづけ!それっ!くっちづけ!」
タヌキ君に完全に乗せられたあいつから涙以外を要求される。さすがに悪ふざけが過ぎたと思ったのか、語尾が途切れ途切れだったけれど。タヌキ君のコールは、いっそ清々しい。
「・・・・・わかったよ。その代わり、どつくのも髪を引っ張るのも、金輪際なしだから!やったら獅子屋とはもう口利かないからな!」
「これからは大切にする!!」
「エンダーーィイアァァーーイッ!!」
タヌキ君によるド下手くそなBGMが流れ始める。やけっぱちになった僕は、あいつの要求に応えてやることにした。ファーストキス云々は言わないことにする。ちょっぱや(死語らしい)で終わりにしてくれ!
「はあ、はあ、長すぎる!唇がヒリヒリして痛い!」
「舌を入れなかったんだから、それぐらい許せ!これでもかなり情けをかけた方だ!!」
「自分ら、軽く三分超えたぞ!エンダーイアー言い過ぎて喉、カラッカラだっ!」
執拗に僕の唇を舐め回し、吸い付いてきたあいつにも、なんで三分を基準にするのか、チンプンカンプンなタヌキ君にも腹が立った。
「獅子屋の嘘つき!全然大切にしてくれてない!師匠は文句言ってないでお茶を飲めばいいでしょうが!」
「自分、何怒ってんだ?怒りんぼうは損するぞ?菓子やるから落ち着けっ!」
「稲荷ごめん!!抱きしめて髪撫でてもいいか?」
タヌキ君から手渡された我が家のお菓子を咀嚼しながら、あいつのたくましい腕の中で頭を撫で回されている。どうしてこうなった?―――タヌキ君の羨ましそうな視線が、どすどすと突き刺さる。
「・・・師匠は僕が抱っこしようか?」
「まあ、そんなに言うなら、抱っこさせてやってもいいけど?ついでに、頭を撫でさせてやってもいいけど?」
「師匠を抱っこしながら、師匠の頭をなでなでしてる稲荷が可愛すぎる!!どうしよう!俺、このまま抱き潰しそう!」
「少しでも痛くしたら肘鉄くらわすからな!」
「ぎゃふんっ!!すでにくらったけど!」
「自分ら、仲いいなっ!」
その日は、うちの母が帰ってくるまで三人(二人と一匹?)でくっついていた。タヌキ君は「また来てやってもいいけど?」とお決まりのセリフを残し、ぼふぼふんっ!と煙を上げて消えた。それをちょっと驚いただけで見送ったあいつは、さすがだと思った。
「稲荷、遅くまで邪魔したな。俺もまた来ていいか?」
「あらぁ、次はぜひ夕飯を食べて行ってね!」
「ありがとうございます!!楽しみにしていますね!では、お邪魔しました!」
僕が何かを言う前に、母が横からにょきっと顔を出して返事をする。見た目良し、声良しのあいつにうっとりとしている。気持ちはわかるけどさ。僕は母の隣で適当に手を振っただけだったが、あいつは満面の笑みを浮かべて帰って行った。
「最近、お茶とお菓子の減りが早いと思ったら、あんなにかっこいい子が遊びに来てたのね!眼福、眼福!女性はいくつになってもかっこいい人と、かわいい動物には目がないもんよ!」
うきうきしながら話す母に、そうは言っても、タヌキ君を紹介する勇気はないなと思った。でも、あいつにだけ夕飯をごちそうすると、「自分、差別すんのかいっ!」って、ぷんすか怒るだろうな。あいつになってわかったことがあったお礼に、タヌキ君も夕飯に誘ってみよう(母に紹介するのを含む)と、考えを改める僕なのだった。
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ポッピングシャワー様も
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お互いに楽しんで執筆できると良いです。
ページ、覗かせて頂きますね。