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ご馳走になってもいいんですか?これくらいはご馳走するよ!

ご馳走になってもいいんですか?(望実時視点③)

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「キターーー!!内容が丁寧で優しい!きゅんきゅんするぜ!」


バスケ部だったり、スノボをしたり、けっこう活発なんだな。俺はスポーツが得意な方ではないけど、スイーツ好きっていう共通点があった。同志、最高!!

極めつけは、のぞみさん呼び!年上なのに、「さん」づけをしてくれるなんて、新鮮!!「あなた」っていうのも堪らない!『望さん、このケーキおいしいね!』なんて、優しく話かけてくれるかおりさんとカフェデートをする妄想で、脳内がお花畑になる。メールをする理由を聞かれたし、うまくいけば、距離を縮められるかもしれない!


「恋人の座を狙っているからなんて、ストレートすぎて引かれたら嫌だしな。答えは慎重にしないと!」


送る内容をよくよく考え、次の日の朝にメールをすることにした。

香さんに選ばれなかったり、恋人がいたら、すぐ諦める!って右田うだには言ったし、傷は浅いうちがいい。男は潔く生きろ!


~・~・~・~・~

おはようございます。

香さんもスイーツ好きなんですね!
とてもうれしくなりました。

うちのサークルは、
同学年の有志で立ち上げたもので、
メンバーは同学年や年下が多いです。

そういった環境と、
年下のほうが話しかけやすい
という自分の性格から、
今まで年上の方と親しくなった
ことがありませんでした。

ほんの数回ですが、
香さんとメールをするのは
とても楽しいです。

香さんともっと
いろんなお話がしたいです。

面倒に感じたり、
香さんに恋人がいる場合は、
空メールを送ってください。
よろしくお願いします。

~・~・~・~・~


「送信!!どうか空メールが来ませんように!」


香さんから返事が来るまで、何度もスマホを確認してしまった。

あらゆることがうわの空で、バイト先でもミスしてばっかりだった。



~・~・~・~・~

こんにちは。

面倒ではないです。
恋人はいません。

これからもいろいろと
話をしましょう。

~・~・~・~・~


「アメージング!!俺の女神がここにいた!」


俺は、今の気持ちを親友の右田に聞いてもらうべく、サークルへと急いだ。



「右田来てる?!」

「今日は一緒じゃなかったんだね。バイトがあったのか。右田ならさっきまでいたけど。」


うちのサークルが、いつも使用している部屋のドアを開けながら尋ねると、同学年で代表の須野すやが返事をしてくれた。


「今はどこ?右田はどこ?」

「相変わらず、右田のことが大好きだね。」

「俺が大好きなのは、右田じゃなくて、香さんだ!」

「香さん?あ、ほら旦那が戻ってきた。」


須野の声に振り向くと、部屋に入ってきた右田と目が合った。あからさまに視線を逸らさないで!ひどい!!


「右田!香さん、俺のこと面倒じゃないし、恋人もいないって!!」

「よかったな。」

「え、それだけ?」

「もう一つだけな。かおりじゃなくて、こうだから。」

「こうさんなの?!やばい!すごく素敵!かおりさんもよかったけど、こうさんの方がもっといい!」

「話が見えないんだけど、混ぜてもらってもいい?」


須野が聞きたそうにしていたので、これまでのことを話した。


「年上か。のんちゃんにはそっちの方がいいね。右田のことが大好きすぎて、年下にフラれてばかりだったから、心配してたんだよ。右田はつれないから諦めて、年上にかわいがってもらいな。」

「んんん?すやっちの言っていることが、半分も理解できない!」

「のんちゃんがフラれる原因は、何だと思う?」

「へ?俺が頼りにならないからでしょ?」

「それも一理あるけど、最大の原因は、右田以上を求めるからだよ。のんちゃんは年下は年下でも、頼りになる子や頼られるのが好きな子を、無意識に選んでいたわけ。でも、彼女達の包容力は、右田の包容力には及ばない。のんちゃんが、女性的な包容力より、男性的な包容力を欲するって言った方がわかりやすいかな。」

「ほえ??」

「簡単に言うと、のんちゃんは女の子みたいに、相手に甘やかされるのがいいってこと。香さんは年上で、右田の血縁者だから、のんちゃんが求めるような包容力があるといいね。個人的には、右田か、いれば、右田の兄とくっついてもらいたかったけど。」


最後に物騒なことを付け加えられた気がするが、須野の言いたいことはわかった。


「ってことは、すやっちも、俺と香さんの仲を応援してくるのか?」

「香さんがあにさんだったらより好かったけど、もちろん、応援するよ!」


また物騒なことを言われた気がするが、応援してくれるのは単純にうれしい。俺、頑張る!



「右田、お兄さんもいるの?香さんって、…えっ?!まじかっ!!!」


須野と右田が隣で話をしていたが、俺は香さんのことで頭がいっぱいで何も聞こえなかった。

帰る時、今まで見たことがない位の超スマイリーな須野に見送られた。「相談に乗るから、何でも言ってね!」って。そんなに応援してくれるとは、心強いな!


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