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ある朝の散歩。(小話)
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≪side ムムマル≫
俺と清彦が後輩の家で暮らし始めてしばらくが過ぎ、夕方の散歩の時間にしか会えなかった後輩と毎日一緒の日々にも慣れた。
『先輩!先輩!今日も一緒だね!うれしいね!』
『毎日一緒だろ?目が覚めてすぐ、いつもそれを言うよな』
『だって、うれしいから先輩に言いたくなる!先輩もうれしいでしょ?』
『そうだな、うれしいな』
後輩は驚くほど大きく成長した。今でも綿あめみたいなのだが、綿あめと呼ぶには大きすぎるから、清彦もいつの間にかルシアンと呼ぶようになった。
後輩はよく覆いかぶさってきて、俺はこいつの重さに耐え切れず、いつもヨタヨタしてしまう。でも、後輩と戯れるのは楽しいからそれを咎めたことは一度もない。
『先輩!咲弥と清彦が来た!朝の散歩だね!うれしいね!』
『今日は2人とも休みっぽいぞ。いつもより長めに散歩できるかもな』
朝夕の散歩は、清彦だったり、咲弥だったり、2人だったり、3人だったりと、その日によって変わる。おふくろさんが1人でってのはまずない。大きすぎる後輩に俺も一緒となると、けっこうな力がいる。後輩は素直だし、俺もぐいぐい引っ張ることはあまりしないが、おふくろさんなんかは、後輩の背中に乗って行った方が手っ取り早いし、楽だと思う。
「ヒコちゃん、今朝はK公園の先まで行こうか?川岸を歩くのも気持ちがいいんじゃない?」
「…あぁ」
一緒に暮らし始めてから、咲弥は清彦を「ヒコちゃん」と呼ぶようになった。おふくろさんは「清彦君」だ。鈴掛呼びより、親しみが湧くからという理由だ。
清彦はヒコちゃん呼びされることにまだ慣れないし、恥ずかしがって咲弥を「佐熊」と呼んでしまう。
「ヒコちゃん、呼び方が違くない?」と、優しく問いかける咲弥に清彦は弱いらしく、うつむきながら「…咲弥」と言い直している。それにふわりと笑いかける咲弥は、俗にいうデレ顔をしている。
「アンタ、…咲弥、その手は何だ?」
「朝早いから人が少ないし、誰か来たらやめるから手を繋がせて欲しい」
「…いいけど」
「や!やっぱり、散歩を早めに終わらせて家に戻っていい?母さんにバレないようにこっそりとイチャ――みんなの視線が痛いから今の発言はなかったことにして…。ルシアン、俺のつま先をガリガリするのヤメテ!」
K公園を通り過ぎ、川岸を散歩する。至るところにベンチが設置されているから、そこに座ってのんびりと景色を眺めることができる。清彦と咲弥はベンチに腰を掛け、俺と後輩は戯れ始める。
『先輩ってとってもいいニオイ!オレ、先輩のニオイも先輩も大好き!先輩もオレのことが大好きでしょ?』
『俺の後輩はお前しかいない。後輩のことを大好きなのはこれからも変わらないぞ』
『うれしいな!先輩、いつも重たいでしょ?今日は先輩がオレの上に乗っかって!』
後輩が寝転び、俺に向かって腹を見せている。この上に乗ってもいいってことか?
『大丈夫か?』
『先輩は軽いから大丈夫だよ!』
これなら後輩の重さに耐え切れず、ヨタヨタすることはない。後輩もすごく満足そうにしているので、その体勢のままワフワフワフワフ戯れる。
「引かないで、聞いてくれる?俺には、女王様に踏みつけられて、喜ぶ変態ブタ野郎に見えなくもないんだけど」
「…確かに。ルシアンいいツラしてんな」
2人の話し声は俺達には届かず、楽しい戯れの時間はまだまだ続く。
俺と清彦が後輩の家で暮らし始めてしばらくが過ぎ、夕方の散歩の時間にしか会えなかった後輩と毎日一緒の日々にも慣れた。
『先輩!先輩!今日も一緒だね!うれしいね!』
『毎日一緒だろ?目が覚めてすぐ、いつもそれを言うよな』
『だって、うれしいから先輩に言いたくなる!先輩もうれしいでしょ?』
『そうだな、うれしいな』
後輩は驚くほど大きく成長した。今でも綿あめみたいなのだが、綿あめと呼ぶには大きすぎるから、清彦もいつの間にかルシアンと呼ぶようになった。
後輩はよく覆いかぶさってきて、俺はこいつの重さに耐え切れず、いつもヨタヨタしてしまう。でも、後輩と戯れるのは楽しいからそれを咎めたことは一度もない。
『先輩!咲弥と清彦が来た!朝の散歩だね!うれしいね!』
『今日は2人とも休みっぽいぞ。いつもより長めに散歩できるかもな』
朝夕の散歩は、清彦だったり、咲弥だったり、2人だったり、3人だったりと、その日によって変わる。おふくろさんが1人でってのはまずない。大きすぎる後輩に俺も一緒となると、けっこうな力がいる。後輩は素直だし、俺もぐいぐい引っ張ることはあまりしないが、おふくろさんなんかは、後輩の背中に乗って行った方が手っ取り早いし、楽だと思う。
「ヒコちゃん、今朝はK公園の先まで行こうか?川岸を歩くのも気持ちがいいんじゃない?」
「…あぁ」
一緒に暮らし始めてから、咲弥は清彦を「ヒコちゃん」と呼ぶようになった。おふくろさんは「清彦君」だ。鈴掛呼びより、親しみが湧くからという理由だ。
清彦はヒコちゃん呼びされることにまだ慣れないし、恥ずかしがって咲弥を「佐熊」と呼んでしまう。
「ヒコちゃん、呼び方が違くない?」と、優しく問いかける咲弥に清彦は弱いらしく、うつむきながら「…咲弥」と言い直している。それにふわりと笑いかける咲弥は、俗にいうデレ顔をしている。
「アンタ、…咲弥、その手は何だ?」
「朝早いから人が少ないし、誰か来たらやめるから手を繋がせて欲しい」
「…いいけど」
「や!やっぱり、散歩を早めに終わらせて家に戻っていい?母さんにバレないようにこっそりとイチャ――みんなの視線が痛いから今の発言はなかったことにして…。ルシアン、俺のつま先をガリガリするのヤメテ!」
K公園を通り過ぎ、川岸を散歩する。至るところにベンチが設置されているから、そこに座ってのんびりと景色を眺めることができる。清彦と咲弥はベンチに腰を掛け、俺と後輩は戯れ始める。
『先輩ってとってもいいニオイ!オレ、先輩のニオイも先輩も大好き!先輩もオレのことが大好きでしょ?』
『俺の後輩はお前しかいない。後輩のことを大好きなのはこれからも変わらないぞ』
『うれしいな!先輩、いつも重たいでしょ?今日は先輩がオレの上に乗っかって!』
後輩が寝転び、俺に向かって腹を見せている。この上に乗ってもいいってことか?
『大丈夫か?』
『先輩は軽いから大丈夫だよ!』
これなら後輩の重さに耐え切れず、ヨタヨタすることはない。後輩もすごく満足そうにしているので、その体勢のままワフワフワフワフ戯れる。
「引かないで、聞いてくれる?俺には、女王様に踏みつけられて、喜ぶ変態ブタ野郎に見えなくもないんだけど」
「…確かに。ルシアンいいツラしてんな」
2人の話し声は俺達には届かず、楽しい戯れの時間はまだまだ続く。
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