112 / 124
第101話
しおりを挟む『まずひとつ目!』
1つ目ってことは、変更が複数あるということだ。もうその時点で全く微妙に変更と言えない。
あの人は微妙という言葉を辞書で引き直した方が良いと思う。
『今のルールだと“飼い主”は“動物”を一匹しか捕まえられないよねー?でもそれだと鬼ごっこっぽくないってことで!ドドンっ!!!“飼い主”は複数匹捕獲出来るようになりまーす!!紗霧くんは娯楽が増えるから嬉しいよwww捕獲証拠となる尻尾は、今から教師が配って周る簡易リュックに入れて持ち歩くことになるよー!因みにー、首輪は捕獲した“動物”の中でペアになりたいコに装着してね☆“動物”に拒否権は無いんだおwwwハハハッ、かっわいそーww…あ、そうそう!!リュックの色は腕輪&首輪と同じ色だからズルは出来ないよ!』
このように変更するということはつまり、“飼い主”側のご褒美を与える条件をも変更しなければいけないということ。
人数はそのままでいいだろうが、この条件だと早く戻った順でなく多く捕まえた順に変更した方が無難だろう。
また、捕獲された“動物”は1人で会場へ戻らなくてはならないということにもなる。そうなると、未遂も合わせた強姦又は制裁被害発生数が現段階よりも増加してしまう。
それを防ぐ為に見回りの風紀動員数を限界まで増やし、獣耳や腕輪に埋め込まれたGPSを駆使して捕まった弱い“動物”を会場まで護送した方が良いだろうな。
だが、風紀だけでは人数はどう足掻いても足りないだろうし…護送人員には教師も使うか。それでも足りなければ、俺も“飼い主”兼護送役の二足わらじを履かなくてはな。
となると、放送部部長と情報通な新聞部とも連携を取った方が良いか。新聞部にやる報酬は……面倒だが俺が後日取材を受ける事で何とかなるだろ。普段は絶対に受けないし、アイツらなら必ず食い付くはずだ。
ここまでの事を僅か数秒で構築しながら、『お次はふたつ目ー!』とノリに乗った声から発せられる言葉に耳を傾ける。
念の為周囲を見渡すが、やはり人っ子一人見当たらない。
ついでに校舎内に侵入するような生徒もいなさそうだし、そろそろここを離れるか。
『まあ、賢い人ならもう分かってると思うけどー、このルールになっちゃうと“飼い主”のご褒美を貰える条件が今のままだと成り立たないんだよねーwwってことで!!“動物”をたくさん捕獲したコから上位10人に変更されまーす!』
まぁ、それはそうか。
というか、次はってことはまだ3つ目があるのか。
本当、微妙のびの字の面影すら全く無いな。
こうなればあの場所へ行って過ごす暇など無いなと思いながら、とりあえず人の居そうな場所を目指してようやく歩き始めた。
『最後のみっつ目はー、…“動物”のコたちにろーほーだぁ!!なんとなんと!!!!“飼い主”側である生徒会役員さんたちをキミらは捕まえることが出来るよーになるよ!!役員さんたちを捕まえたコは“飼い主”に捕まる恐れが無くなるから、その時点でごほーびを貰えることが確定しちゃう!!生徒会役員さんたちにとっては災難だけどー、面白いことが大っ好きな紗霧くんと、“動物”のコたちにとっては最高だね☆』
つまり狩る側が狩られる側にもなるということだ。
確かに、俺達にとっては最悪でしかないな。
…だが、考えようと相手によってはwin-winになるかもしれない。
捕まれば俺は“動物”を捕獲するという責務から解放され、護衛と見回りに専念出来る。
相手はこれ以上“飼い主”から逃げ回る必要が無くなり、ご褒美を確実に獲得することが出来る。
問題は、俺にとって都合の良い“動物”と遭遇できるかどうかだ。誰か丁度良い知り合いで“動物”側の人間はいただろうか?
『…ん?紗霧くん何か言い忘れてるよーな……あ、そうだった!!役員さんたちを捕まえるには、彼らの下げてる首輪を奪う必要があるからねー!因みにキミらの尻尾は、捕まえた役員さんに渡しとく必要があるから気を付けてねー。ということで、これで今回の放送を終わりまーすwwみんな精々頑張ってねーwww』
ピン、ポン、パン、ポーン……
「(首輪か…)」
赤いソレを摘み上げ、ブラブラと意味も無く揺らす。
地面の緑とほぼ反対の色なため、ソレの赤色が異様に浮いて見えた。
102
お気に入りに追加
426
あなたにおすすめの小説

美形×平凡の子供の話
めちゅう
BL
美形公爵アーノルドとその妻で平凡顔のエーリンの間に生まれた双子はエリック、エラと名付けられた。エリックはアーノルドに似た美形、エラはエーリンに似た平凡顔。平凡なエラに幸せはあるのか?
──────────────────
お読みくださりありがとうございます。
お楽しみいただけましたら幸いです。


王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜のたまにシリアス
・話の流れが遅い

義兄の愛が重すぎて、悪役令息できないのですが…!
ずー子
BL
戦争に負けた貴族の子息であるレイナードは、人質として異国のアドラー家に送り込まれる。彼の使命は内情を探り、敗戦国として奪われたものを取り返すこと。アドラー家が更なる力を付けないように監視を託されたレイナード。まずは好かれようと努力した結果は実を結び、新しい家族から絶大な信頼を得て、特に気難しいと言われている長男ヴィルヘルムからは「右腕」と言われるように。だけど、内心罪悪感が募る日々。正直「もう楽になりたい」と思っているのに。
「安心しろ。結婚なんかしない。僕が一番大切なのはお前だよ」
なんだか義兄の様子がおかしいのですが…?
このままじゃ、スパイも悪役令息も出来そうにないよ!
ファンタジーラブコメBLです。
平日毎日更新を目標に頑張ってます。応援や感想頂けると励みになります♡
【登場人物】
攻→ヴィルヘルム
完璧超人。真面目で自信家。良き跡継ぎ、良き兄、良き息子であろうとし続ける、実直な男だが、興味関心がない相手にはどこまでも無関心で辛辣。当初は異国の使者だと思っていたレイナードを警戒していたが…
受→レイナード
和平交渉の一環で異国のアドラー家に人質として出された。主人公。立ち位置をよく理解しており、計算せずとも人から好かれる。常に兄を立てて陰で支える立場にいる。課せられた使命と現状に悩みつつある上に、義兄の様子もおかしくて、いろんな意味で気苦労の絶えない。

朝起きたら幼なじみと番になってた。
オクラ粥
BL
寝ぼけてるのかと思った。目が覚めて起き上がると全身が痛い。
隣には昨晩一緒に飲みにいった幼なじみがすやすや寝ていた
思いつきの書き殴り
オメガバースの設定をお借りしてます

金の野獣と薔薇の番
むー
BL
結季には記憶と共に失った大切な約束があった。
❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎
止むを得ない事情で全寮制の学園の高等部に編入した結季。
彼は事故により7歳より以前の記憶がない。
高校進学時の検査でオメガ因子が見つかるまでベータとして養父母に育てられた。
オメガと判明したがフェロモンが出ることも発情期が来ることはなかった。
ある日、編入先の学園で金髪金眼の皇貴と出逢う。
彼の纒う薔薇の香りに発情し、結季の中のオメガが開花する。
その薔薇の香りのフェロモンを纏う皇貴は、全ての性を魅了し学園の頂点に立つアルファだ。
来るもの拒まずで性に奔放だが、番は持つつもりはないと公言していた。
皇貴との出会いが、少しずつ結季のオメガとしての運命が動き出す……?
4/20 本編開始。
『至高のオメガとガラスの靴』と同じ世界の話です。
(『至高の〜』完結から4ヶ月後の設定です。)
※シリーズものになっていますが、どの物語から読んでも大丈夫です。
【至高のオメガとガラスの靴】
↓
【金の野獣と薔薇の番】←今ココ
↓
【魔法使いと眠れるオメガ】

うるせぇ!僕はスライム牧場を作るんで邪魔すんな!!
かかし
BL
強い召喚士であることが求められる国、ディスコミニア。
その国のとある侯爵の次男として生まれたミルコは他に類を見ない優れた素質は持っていたものの、どうしようもない事情により落ちこぼれや恥だと思われる存在に。
両親や兄弟の愛情を三歳の頃に失い、やがて十歳になって三ヶ月経ったある日。
自分の誕生日はスルーして兄弟の誕生を幸せそうに祝う姿に、心の中にあった僅かな期待がぽっきりと折れてしまう。
自分の価値を再認識したミルコは、悲しい決意を胸に抱く。
相棒のスライムと共に、名も存在も家族も捨てて生きていこうと…
のんびり新連載。
気まぐれ更新です。
BがLするまでかなり時間が掛かる予定ですので注意!
人外CPにはなりません
ストックなくなるまでは07:10に公開
3/10 コピペミスで1話飛ばしていたことが判明しました!申し訳ございません!!

うちの前に落ちてたかわいい男の子を拾ってみました。 【完結】
まつも☆きらら
BL
ある日、弟の海斗とマンションの前にダンボールに入れられ放置されていた傷だらけの美少年『瑞希』を拾った優斗。『1ヵ月だけ置いて』と言われ一緒に暮らし始めるが、どこか危うい雰囲気を漂わせた瑞希に翻弄される海斗と優斗。自分のことは何も聞かないでと言われるが、瑞希のことが気になって仕方ない2人は休みの日に瑞希の後を尾けることに。そこで見たのは、中年の男から金を受け取る瑞希の姿だった・・・・。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる