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第91話 (福野side)
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〘福野side〙
今日は待ちに待った、本当にめっちゃ待った待望の新歓である。オレは素晴らしいこの興奮を分かち合おうと、目覚めのテンションのまま朝の5時から冬希の部屋に突撃した。
そうして、道端にへばり付くガムを見るかのような蔑んだ視線を無事もらったところで護に回収された。
…これが、ここにいたるまでに起きた今朝の経緯である。
「あーー早く始まんないかなぁぁ!!!てか今日何すんの?やっぱここは王道に鬼ごっこですよねわかります。お願いだから逃げる方はやめろ下さい腐神様オレに力をk……~~ッ!!?なんで叩いたの!?」
「アンタがうるさいからに決まってるじゃん」
「ゑ、そんなさも当たり前のこと聞かないでよ的な顔やめて!!オレ悲しくて泣いちゃうよ?!」
「………大道君、新歓何するんだろうね」
「…さぁな」
「お願いだから無視しないでクレメンス」
こんな感じでいつも通り3人で話していると、舞台の方から大きな悲鳴が聞こえてきた。もちろん黄色い方だ。
護は本当嫌そうに顔を顰め、冬希はオレと同じことを考えたのか、どこかわくわくとしたオーラが出てきた。
オレ?オレはモチのロンで叫びましたが何か???
まぁ、一体何があったのか分かっていないんだけど。いやでも親衛隊のチワワちゃんたちが騒ぐとかそんな理由1つしかないし、萌の気配がビンビンとするんですよ。あ、これ腐男子の勘ね。
「これ絶対生徒会の誰かじゃん。え、わざわざ降りてきて何かしてるってこと?これは質の良い萌が見れる予感。うーん…誰か詳細連絡回してないかな?」
「最近の生徒会はアンチクンに構ってばっかで、いやそれはそれで美味しいんだけど、でも同じ料理ばっかじゃ飽きるのと同じでやっぱたまには違うのを食べたいじゃん??てか最近会計見てなくね???まぁオレ関係ないからどうでもいいんだけど。それよりもっと萌をオレにくれろくださいな」
「…何か配ってるみたいだな」
オレたちの中で1番背の高い護が前方を見やって吐き捨てる。
「マジで!?え、誰が配ってるとか分かる!?」
「…少し待ってろ……」
こう見えて実はどちゃくそ目が悪い護が、オレのためにすごく目を凝らして悲鳴の中心地を睨み付ける。
嫌がりながらも、なんだかんだいって要望を聞いてくれるオレの幼馴染は世界一優しいと思う。
こんなにも超優良物件なのに、何故護に言い寄る受けちゃんがいないのか。心の底から不思議でしかない。
なんなら護は彼女さえもいたことがない。これは永遠の七不思議。
「……あー…なんか…ちっこいのが1人…いや2人居んな…」
「大道君、多分それ双子庶務」
「なんだ双子かー…新たな萌は期待できなさそう…残念でしかない」
「……いつもそんなテンションならいいのにな」
「え、なにそれもしかして護さんオレがいつもうるさいって言うの!?ヒドイわ!ワタシはこんなにも頑張っているのに…よよよ…」
「オネェなのか某エイなのかはっきりしてくれない?」
呆れたようにこちらを見てくる冬希の姿はもはや見慣れたもの。それが無性に嬉しくて、オレは笑った。
今日は待ちに待った、本当にめっちゃ待った待望の新歓である。オレは素晴らしいこの興奮を分かち合おうと、目覚めのテンションのまま朝の5時から冬希の部屋に突撃した。
そうして、道端にへばり付くガムを見るかのような蔑んだ視線を無事もらったところで護に回収された。
…これが、ここにいたるまでに起きた今朝の経緯である。
「あーー早く始まんないかなぁぁ!!!てか今日何すんの?やっぱここは王道に鬼ごっこですよねわかります。お願いだから逃げる方はやめろ下さい腐神様オレに力をk……~~ッ!!?なんで叩いたの!?」
「アンタがうるさいからに決まってるじゃん」
「ゑ、そんなさも当たり前のこと聞かないでよ的な顔やめて!!オレ悲しくて泣いちゃうよ?!」
「………大道君、新歓何するんだろうね」
「…さぁな」
「お願いだから無視しないでクレメンス」
こんな感じでいつも通り3人で話していると、舞台の方から大きな悲鳴が聞こえてきた。もちろん黄色い方だ。
護は本当嫌そうに顔を顰め、冬希はオレと同じことを考えたのか、どこかわくわくとしたオーラが出てきた。
オレ?オレはモチのロンで叫びましたが何か???
まぁ、一体何があったのか分かっていないんだけど。いやでも親衛隊のチワワちゃんたちが騒ぐとかそんな理由1つしかないし、萌の気配がビンビンとするんですよ。あ、これ腐男子の勘ね。
「これ絶対生徒会の誰かじゃん。え、わざわざ降りてきて何かしてるってこと?これは質の良い萌が見れる予感。うーん…誰か詳細連絡回してないかな?」
「最近の生徒会はアンチクンに構ってばっかで、いやそれはそれで美味しいんだけど、でも同じ料理ばっかじゃ飽きるのと同じでやっぱたまには違うのを食べたいじゃん??てか最近会計見てなくね???まぁオレ関係ないからどうでもいいんだけど。それよりもっと萌をオレにくれろくださいな」
「…何か配ってるみたいだな」
オレたちの中で1番背の高い護が前方を見やって吐き捨てる。
「マジで!?え、誰が配ってるとか分かる!?」
「…少し待ってろ……」
こう見えて実はどちゃくそ目が悪い護が、オレのためにすごく目を凝らして悲鳴の中心地を睨み付ける。
嫌がりながらも、なんだかんだいって要望を聞いてくれるオレの幼馴染は世界一優しいと思う。
こんなにも超優良物件なのに、何故護に言い寄る受けちゃんがいないのか。心の底から不思議でしかない。
なんなら護は彼女さえもいたことがない。これは永遠の七不思議。
「……あー…なんか…ちっこいのが1人…いや2人居んな…」
「大道君、多分それ双子庶務」
「なんだ双子かー…新たな萌は期待できなさそう…残念でしかない」
「……いつもそんなテンションならいいのにな」
「え、なにそれもしかして護さんオレがいつもうるさいって言うの!?ヒドイわ!ワタシはこんなにも頑張っているのに…よよよ…」
「オネェなのか某エイなのかはっきりしてくれない?」
呆れたようにこちらを見てくる冬希の姿はもはや見慣れたもの。それが無性に嬉しくて、オレは笑った。
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