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第17話

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 あれから数日経った今日も俺達は生徒会室に集まり、各自書類とデータを片付けていた。

 俺はキャラ的にこの場だと真面目に出来ないと以前言っていたが、もうそれは諦めて此処生徒会室でも真面目に取り組んでいる。


 何故なら、副会長を怒らせたく無いからだ。


 1度目ならばそこまで無い(それでも怖い)のだが、お怒りする同じ事を2度目以降も行うと、魔王様副会長が降臨なされる。


 俺はまだそんな目に合っていないが、双子が前回と同じイタズラをしでかして、副会長に鉄槌の雷を落とされていたのを見たことがある。

 ……あれは本気で怖かったなぁ…(遠い目)


 あの時は会長と慶も一緒に居たのだが、3人ともその様子を目撃してしまい、ガクブルと震えていた。


 そうして、『副会長を同じ事で2回以上怒らせてはならない』という不文律がこっそり俺達の中で誕生した。



 まぁ、そういう訳で生徒会室で真面目に取り組んでる。
 というか、その不文律のおかげでキャラを気にせず堂々と普通に生徒会の仕事が出来るようになったので、むしろ感謝をしたいと思ってしまった程だ。



「…そういや、この前の満月に銀蝶が現れたらしい」

 ふと、思い出したように会長が何と無しにそう言った。


「銀蝶が、ですか?」

「えー!?そうなの総長!!」

「え、銀蝶が…?!」

「「すごく久しぶりだねー!!」」

「び、くり…」


 副会長は切れ長の目を丸くし、双子は無邪気にはしゃぎ、慶は見えない犬耳をピンッと立てる(幻覚が見えた)。


 く言う俺は、ただじっと黙って書類を捌き続けていた。


「【lunaルーナ】の奴らが、路地裏から出てくるのを目撃したそうだ」

「なるほど、それなら信憑性しんぴょうせいも高いですね。…それにしても、何故リュウはこんなに大事な事をもっと早く言わなかったのですか??正体不明な彼について調べるのに何か重要なキーとなるかもしれないでしょうが」

「…ったく…俺も昨日知ったんだよ。アイツに関する情報を、俺がお前らに早く教えないわけが無いじゃねぇか」

 副会長による怒涛どとうの言葉責めを、会長は普段とは異なりあっさりと受け流す。


 理由は簡単。

 今の会長は、俺以外の生徒会役員全員が所属しているこの辺りではNo.1の族─【soleilソレイユ】の総長モードだから。


 因みに【lunaルーナ】は【soleilソレイユ】と敵対しているNo.2の族だ。そこの幹部は、主にこの学園の風紀委員がしている。

 その為、生徒会と風紀…というか、会長と風紀委員長の仲はかなり最悪だ。更に、家同士も仲が悪いというオマケ付き。





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