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第7話
しおりを挟むあれから10分ぐらい経ち、流石に先生来るの遅すぎないかと思っていた時、やっと先生が来た。
「はーい、席についてー」
そう言って教室に入ってきたのは、我等がホスト担任である東桃矢先生……ではなく、数学担当の笹木流先生だった。
あれ?確か木曜の5限目は現代文だったはず…。時間割り変更でもあったのか?
「あれぇ~?ながやんじゃ~ん。次数学になったのぉ~?」
「あぁ水無月さん、授業来れたんだね」
「そうだよぉ~。って、俺の質問に答えてよぉ~」
「ん?あぁ、違うよ。えぇっと、東先生が『急用が出来たから次は自習にする』と言ってたから、それを伝えに来たんだ」
「えぇ~。それって俺がぁ来た意味ないじゃ~ん」
しかし急用とは…。
東先生は見た目ホストだが、授業はサボったりしないでちゃんとする人だ。しかも1番分かりやすい。
そんな人が自習にしなくてはいけない程の急用とは、一体何なのだろう?
まぁ、学園関連のモノだったら生徒会にいくだろうし、放課後会長に確認してみるか。
「あと」
「ん?」
「『自習になったからといって、途中で教室を抜け出すなよ?』って、伝言」
最後にそれだけ言うと、笹木先生は教室を出ていった。
あのホスト……絶対俺に向けて言ってるよな…。
昨日『明日は午後から出るねぇ~』って言っておかなければ良かった。
…そういえば、一緒に来たはずの双子の声と双子を狙うガチムチ共の歓声&囁き声が全くしない。
教室内を見回す。
こういう時、1番後ろの席で良かったと思う。
前や真ん中だと、余計に目立ってしまうからな。
…いないな。
は?あの双子何処行った??というかいつの間に…。
「颯クン、カエちゃんとぉカナちゃんがぁ、どこに行ったか知ってるぅ~?」
「永瀬君達は、水無月君が教室に来た時に2人で西側に行ってたよ。ごめんね、それ以上は分からないかな」
「そっかぁ~。ううん、教えてくれてありがとぉねぇ~」
西側…。何か双子の興味を惹くものがあったか?
この校舎の西側にあるものといえば確か、図書室(もはや図書館)と家庭科室(調理室・被服室)、音楽室A、美術室Aと美術室Ⅱ……出せば切りがないな。
まぁ、双子なら大丈夫だろ。アイツら意外と強いし。それに、いつもバレないように双子の親衛隊員が数人ついてるし。
そう考えを自己完結させ、自習時間を有効活用すべく、俺は今日の分の生徒会の仕事をし始めた。
勿論、機密のものもあるので、見られても大丈夫なように(されないと思うが)、それ以外のをだが。
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