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プロローグ

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 信じてたのに。
 信じてしまったのに。

 あぁ結局、僕は見捨てられる運命なのか。
 でもそうだよな…、俺なんかいらないよな。

 誰からも必要とされない。
 決して誰かに愛されない。
 愛することが分からない。
 生きている価値がない。

 そんな、ないない尽くしで、かつ無条件に嫌われるのが僕という存在なのだから。


 しかし、こんな無価値な僕でも、こうなってしまった今でも、信じてしまう。期待してしまう。

 遥か夢の向こうになってしまった、あの頃の様に皆で再び、和やかに過ごせる日がくると。また笑い合えると。


 その日を夢見て、俺は今日も1人になってしまった此処で、仕事をこなしていく。


 リコールなんて、出来るわけがない。
 生まれて初めて、僕に笑いかけてくれた人達だったんだ。


 思い出す、あの年の春のことを。
 全てが狂い始めた、例の転校生が来るまでの懐かしく、楽しかった日々のことを。



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