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オーガ
しおりを挟むもう無理やりにオーガの集落まで連れて来られてしまっている。
そして100人近いオーガが、俺を取囲んだ状態でガン見するのだ。
俺の4輪バギーもオーガが担ぎ上げて運ばれて、向こう側に横転したまま放置だ。
その4輪バギーも、子供のオーガたちが群がって触りまくってるぞ。
キーを抜いたので動かないが、壊されないかヒヤヒヤものだ。
「さあ、話してもらおうか?」
「あの崖向こうから俺はやって来た者だ。穴があってその中には、お前たちに似た骨を発見した。だから不思議に思って穴を潜って来たら、お前らに出会った。ただそれだけだ」
「我らの事を人間たちに知らせるのか・・・」
「人間が住む所へ来なければ、黙っててもいいぞ」
「それを信じろと言うのか・・・始めて見る人間に」
「それなら、良い事を教えてやる。お前らの子供で苦しんでる子供が10人ぐらい居るだろう」
俺の鑑定が、ヤバイくらいに能力を発揮するようになっている。
この集落をカバー出来るぐらいに・・・そして直接見なくても存在を感じるだけで鑑定ができるようにまでなっている。
そして子供10人が苦しんで寝かされてる状態だ。
鑑定で何が原因かも判明できている。
だから、したり顔で言ってやった。
「かわいそうに・・・吐血までしてるようだな・・・」
「どうして分かった!」
「俺には、不思議な力があって物や生き物を鑑定できるんだ。だから子供を鑑定してオーガ特有の能力、毒耐性が弱く体力回復も弱い子供に毒が蓄積してるみたいだな」
「なんだと毒だと・・・」
母親のオーガが子供を抱えて現れて「この子も、毒に犯されているというのね・・・お願いだから助ける方法を教えて、その代わりに命だけは助けるから・・・」
そして俺の前に、いたわりながら子供を横に寝かし始めた。
熱を発して咳がひどい状態で、吐血した血を母親が優しく拭き取っている。
そんな姿を見せられたら助けるしかないぞ。
俺は、しゃがんで癒しの光を発動。手が淡く光って子供の体も淡く光りだしている。
手応え感じるぞ。植物系の毒が浄化されて消えだしている。
やっと全て毒が消えたぞ。
「成功だ!」
子供の熱はおさまり、呼吸もおだやかだ。だが体力の消耗がいちじるしいな。
このままでは危ないと感じた俺は、更に癒しの光で体力の回復に挑んだ。
体力の回復が終わると、むくっと子供は立上がった。
そんなわが子を母親は、抱きついて泣き出した。
それからは大変だった。
次々に子供を治す羽目に・・・途中、魔石による魔力回復も2回程するまで魔力消費が激しかった。
そうなると俺を見る目がすっかり変わった。
そして宴会が開かれた。
「この野菜はダメだな・・・これもダメだ。毒が多過ぎだよ」
その言葉を聞いた母親は複雑だ。
「それでは、子供に食べさせる野菜は無いではないか・・・」
あの青いオーガがぼやき出した。
そのぼやきが伝染したように、オーガたちはぼやき出したぞ。
「肉だけでは、体の柔軟性が養えないぞ」
「それより食料がたり無くなるぞ。魔物を求めて遠へ行けば、肉の腐敗が・・・」
「分かった!分かったから、その問題は俺が解決してやるから心配するな」
「え!どうやって解決するのだ」
「自由に使っていい土地へ案内しろ。野菜ならすぐに栽培してやる」
なんだよ、案内された場所は木があっちこっちに立ち並んでるぞ。
まあ良いか・・・暗黒刀で木をバッサバッサと切り倒した。
倒した木は、一ヶ所に集めてから地面に両手を付いた。
「大地よ、我に従い田畑になれ!」
地面が揺れだして木の根っこや大きな石などが、地面から徐々に吐き出された。
出来上がった田畑は、ふかふか状態で中央に緑の魔石を埋め込んだ。
俺の世界の大根やキャベツの種をパラパラとまいた。
後は水魔法で、全体的に雨を降らす感じでやってみた。
いい位の雨が田畑を濡らしたぞ。
あれよあれよと大根が育ち、キャベツも育ったぞ。
「なんだこれは!」
「え!嘘・・・・・・」
そんな声を無視して、大根を引き抜いてオーガに「受取って食べてみろ」と放り投げてやった。
それをキャッチして一口を食べた途端に「なんと美味い・・・凄いぞ食べてみろ」
もうあっちこっちで食べて食べまくってるぞ。
「この白いが最高だよ」
「そうそう、みずみずしく深みのある味だわ」
もう食べる事にベタにドハマり中のオーガたちを見てると、ピコンピコンとレベルアップしてるぞ。
俺の特別野菜の効果か・・・
オーガもヴァンパイアと同じ亜種だ。
だからレベルアップすると納得するしかないのか・・・
それとも、ちょっと魔力のこもった野菜だから、レベルアップさせるのか・・・
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