188 / 320
第2章・のんびりまったりスローライフ?
酔っぱらいのその後②
しおりを挟む「なんか二人には悪い事をしちゃったなぁ」
「まぁ、そんなに気にするほどの事でもないと思うけどね。サーチートを交えて、楽しんでもいたわけだし。とりあえず、明後日にはビジードを出ようという話をしておいたから、帰るまではジャンとモネを、できるだけ二人きりにさせてやろう。それから、明日はギルドで代金を受け取ったら、俺たちも買い物に行こう」
「うん、わかった」
私は気持ちよく眠っているサーチートを眺めながら頷いた。
サーチート、本当に気持ち良さそうに眠っているんだよね。
やっぱりものすごく可愛いなぁ。
でもこの子、どれだけ飲んで食べたんだろう?
スモル村でもたくさん飲んで食べて、その後爆睡してたんだっけ?
ほどほどにしなきゃいけないよって、注意しておかないといけないかも。
まぁ、先に酔っぱらって寝ちゃった私が言える事じゃないかもしれないけどね。
「オリエ、サーチートばっかり見たら、妬ける」
ヤキモチ妬きのユリウスは、サーチートにまでヤキモチを妬く。
ユリウスって、ものすごくカッコいい人だし、大好きなんだけど、ものすごくヤキモチ妬きなので、ちょっと残念な人になっちゃってる。
まぁそういうところも人間くさくて、大好きなんだけどね。
ユリウスは私からコップを取り上げるとサイドテーブルに置き、私を抱えてまたベッドに横になった。
それから、
「シルヴィーク村に帰ったら、サーチートはまた伯父上にべったりだろうから、それまでの我慢だ……」
と少し拗ねたように言って、目を細めて笑う。
私はそんな彼が可愛くて、愛しくて、そうだねって頷きながら逞しい体を強く抱きしめた。
「明後日帰るって言ったら、ジャンくんたち、素直に頷いた?」
今日はサーチートが隣のベッドで寝ているから、えっちな事はしないらしい。
その代わり、私とユリウスはサーチートを起こさないように、ベッドの中で二人くっついて、小声で話をしていた。
ジャンくんとモネちゃんはもう少し商都ビジードに居たかったらしいけど、ユリウスは明後日には帰ると言い切ったらしい。
そしてユリウスは、もしも二人がまだここに居たいというのなら、数日後に迎えに来てもいいという話もしたそうなのだけれど、ジャンくんとモネちゃんは、私たちと一緒にシルヴィーク村に戻るという決断をしたらしかった。
「本来の目的は、村のための買い出しだったからね。ジャンとモネも、それはちゃんとわかっているんだ。まぁ、今回は二人にもいろいろと迷惑をかけたから、今後も馬車替わりにはなろうとは思っているよ」
そんな事を言ったユリウスに、私は吹き出してしまった。
馬車替わりっていうのは、つまりテレポートでいろんな所に送っていくっていう意味なんだろうけど、それじゃあユリウスがテレポートの呪文が使えるって事が、ジャンくんとモネちゃんにばれちゃうと思うんだけど……まぁいいか、黙っておこう。
0
お気に入りに追加
249
あなたにおすすめの小説
(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅
あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり?
異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました!
完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。
異世界転移した町民Aは普通の生活を所望します!!
コスモクイーンハート
ファンタジー
異世界転移してしまった女子高生の合田結菜はある高難度ダンジョンで一人放置されていた。そんな結菜を冒険者育成クラン《炎樹の森》の冒険者達が保護してくれる。ダンジョンの大きな狼さんをもふもふしたり、テイムしちゃったり……。
何気にチートな結菜だが、本人は普通の生活がしたかった。
本人の望み通りしばらくは普通の生活をすることができたが……。勇者に担がれて早朝に誘拐された日を境にそんな生活も終わりを告げる。
何で⁉私を誘拐してもいいことないよ⁉
何だかんだ、半分無意識にチートっぷりを炸裂しながらも己の普通の生活の(自分が自由に行動できるようにする)ために今日も元気に異世界を爆走します‼
※現代の知識活かしちゃいます‼料理と物作りで改革します‼←地球と比べてむっちゃ不便だから。
#更新は不定期になりそう
#一話だいたい2000字をめどにして書いています(長くも短くもなるかも……)
#感想お待ちしてます‼どしどしカモン‼(誹謗中傷はNGだよ?)
#頑張るので、暖かく見守ってください笑
#誤字脱字があれば指摘お願いします!
#いいなと思ったらお気に入り登録してくれると幸いです(〃∇〃)
#チートがずっとあるわけではないです。(何気なく時たまありますが……。)普通にファンタジーです。
裏の林にダンジョンが出来ました。~異世界からの転生幼女、もふもふペットと共に~
あかる
ファンタジー
私、異世界から転生してきたみたい?
とある田舎町にダンジョンが出来、そこに入った美優は、かつて魔法学校で教師をしていた自分を思い出した。
犬と猫、それと鶏のペットと一緒にダンジョンと、世界の謎に挑みます!
転生令嬢の食いしん坊万罪!
ねこたま本店
ファンタジー
訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。
そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。
プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。
しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。
プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。
これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。
こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。
今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。
※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。
※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。
前世の記憶さん。こんにちは。
満月
ファンタジー
断罪中に前世の記憶を思い出し主人公が、ハチャメチャな魔法とスキルを活かして、人生を全力で楽しむ話。
周りはそんな主人公をあたたかく見守り、時には被害を被り···それでも皆主人公が大好きです。
主に前半は冒険をしたり、料理を作ったりと楽しく過ごしています。時折シリアスになりますが、基本的に笑える内容になっています。
恋愛は当分先に入れる予定です。
主人公は今までの時間を取り戻すかのように人生を楽しみます!もちろんこの話はハッピーエンドです!
小説になろう様にも掲載しています。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
異世界に行ったら才能に満ち溢れていました
みずうし
ファンタジー
銀行に勤めるそこそこ頭はイイところ以外に取り柄のない23歳青山 零 は突如、自称神からの死亡宣言を受けた。そして気がついたら異世界。
異世界ではまるで別人のような体になった零だが、その体には類い稀なる才能が隠されていて....
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる