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第2章・のんびりまったりスローライフ?
お使いクエストに行こう②
しおりを挟むしばらくシルヴィーク村を離れるために、私は、大魔結晶の充電をいっぱいにした。
大魔結晶をあと何個か作った方がいいかなと思ったんだけど、
「オリエさん、あなた、何日出掛けるおつもりですか?」
と、アルバトスさんに笑われてしまった。
「でも、なんか心配で」
「何も心配はないと思いますけどねぇ。オリエさんが心配されているのは、村の事ですか?」
「はい。お出かけは嬉しいんですけど、村から離れている間に何かあったらと思うと、心配で……」
私がそう言うと、アルバトスさんは笑った。
「大丈夫ですよ、オリエさん。何かあったらすぐに連絡をしますし、あなたが居れば、すぐに戻って来られるでしょう?」
「それは、そうですけど……」
すぐに連絡、というのは、テレパシーの呪文の事だ。
今や立派なアルバトスさんの弟子であるサーチートは、アルバトスさんとテレパシーの呪文で、いつでも話す事ができるようになっているのだ。
あと、すぐに戻れるというのは、瞬間移動呪文のテレポートの事だ。
以前、オブルリヒトの王宮から、ホームの呪文でシルヴィーク村へと瞬間移動したけれど、そのホームの呪文の上位呪文で、一度言った場所ならどこにでも移動できるという、優れものだ。
「だから、心配する事などありませんよ。安心して、お買い物を楽しんで来てください」
「はい、ありがとうございます」
今回の外出は、仕入れをするモネちゃんたちのボディーガードとしていくんだけど、私自身もいろいろと見て回って買い物をするつもりだ。
お買い物資金も、ユリウスが狩った獣から取った素材や、私がコツコツと作り貯めたポーションがたっぷりあるので、売れば結構なお金になると思うんだよねぇ。
お金といえば、元の世界で私が老後のためにコツコツと貯めていたお金は、どうなったんだろう。
老後のために頑張って貯めていたんだけどなぁ~。
「オリエさん、何を買うかは、決めているんですか?」
「はい。とりあえす調味料類と、それから……私も、武器が欲しいかなって思ってます」
「ほう……」
私の返事を聞いたアルバトスさんは、意外だったようだ。
今私はユリウスの狩りに付き合って、一緒に結界の外の森に出かけたりしているんだけど、何の装備もしていないんだよね。
現れる獣や魔物はユリウスが倒してくれるし、いざとなれば私も魔法で倒す事ができるんだけど、やっぱりこの異世界では、冒険者っぽく冒険してみたいし、装備を整えたいんだよね。
「あとは……」
「ユリウスの装備、ですね」
「はい」
私よりも、ユリウスの装備を揃えてあげたい。
今のところ、シルヴィーク村近くの森の中で出現する獣や魔物は、蹴ったり殴ったりで倒せる彼だけど、やっぱりちゃんとした装備を整えてあげたいんだよね。
元の姿に戻ったユリウスは、パワーアップし過ぎていて、普通の武器が合わないのだそうだ。
剣とか槍でも、短剣みたいに投げちゃうし、普通に剣とか槍とかを使うと、力が強すぎて、すぐに武器が壊れちゃうんだよね。
だから今は、強化魔法で体を強化して、殴ったり蹴ったりと、自分が武器そのものになって戦っているんだけど、この村になくとも、他の村や町には、もっといい武器があるかもしれないから……。
「良いものが見つかればいいですね」
そう言ったアルバトスさんに、はい、と私は頷いた。
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