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第1章・異世界転移と異世界転生

初夜……と、翌朝①

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 家に戻ると、お風呂に入っておいでって言われて、バスルームに放り込まれた。
 この後の事を考えるとソワソワしてしまい、落ち着かない。
 少しでも落ち着こうと長風呂になって、のぼせる寸前でお風呂から出て、バスタオル一枚で涼んでいると、ユリウスに彼の部屋へと連れて行かれた。
 それからベッドに座らせて、お水が入ったコップを渡されて……。

「待ってて」

 と、耳元で囁かれ、私は睡魔に襲われながらも、必死に頷いた。
 そして待っているつもりだったけれど、そのまま少し眠っていたみたいで、目を覚ました時にはすぐそばにユリウスがいた。

「待っててって言ったのに……」

「ごめん……」

 謝ると、ユリウスは首を横に振った。
 私があまりにも眠そうだったから、寝るだろうと予感があったそうだ。
 そして、寝ていた時間は、ホンの三十分くらいらしい。

「寝ぼけてる?」

「そんな事、ないよ?」

 実は、少し寝ぼけている。だけどそれは口にしないでおいた。
 まだ眠いと言えば、彼はするのを止めてしまうような気がしたからだ。

「じゃあ、俺のものにしていい?」

「うん」

 頷くと、まだベッドに寝転んだままの私に、ユリウスが顔を近づけて来た。

「君は、俺のもの。だけど、俺も、君のものだけどね。俺の体も、心も、君にあげる。君に救われた命でもあるから、ね」

 私が救った命、か。確かに私は、ユリウスの命を救ったのだ。
 私がこの世界に召喚されなければ、彼と出会わなければ、彼の命はアルバトスさんと共に、呪いの毒によって消えてしまっていたのだろう。
 そう考えると、不思議な縁だと思うと同時に、この世界に来て良かった、彼に会えて良かった、と心から思う。

「触れていい?」

 と問われ、頷くと、金色の瞳を優しく細めたユリウスが、私の唇に自分のそれで触れた。
 最初は軽く触れただけだったのに、次の瞬間には唇が食べられてしまうんじゃないかと思った。
 びっくりして口を開けると、熱い舌が潜り込んできて、パニック状態になったのも一瞬で、頭がぼうっとなってくる。
 多分、このままわけがわからなくなるんだろうなぁと思いながら、私は必死にユリウスにしがみついた。

 神様、私をこの世界に喚んでくれて、ありがとう。
 そして、この人に出会わせてくれて、ありがとう。
 彼と出会えて、幸せです。
 彼を助けられて良かった。
 これからも、助けていきたいし、守っていきたい。
 いや、絶対に守っていく。
 そばに居て、ずっと、ずっと、ずっと。
 私の持てる力全てで、この人を……。



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