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第1章・異世界転移と異世界転生
大宴会のその後は・・・②
しおりを挟むふああ、とあくびをしたところで、眠い? と聞かれた。
「うん。お腹もいっぱいだし、お酒も飲んだし、眠い、かも……」
元々、お酒を飲んだらすぐに眠くなっちゃうしね。
正直なところ、横になりたい気分ではあるけれど……この宴会って、私とユリウスのために開いてくれているんだよね。
だから、もう少しここに居るべきなんだろうなぁ。
「オリエさん、そろそろ家に戻られては?」
「え? でも……みなさんが……」
「大丈夫ですよ、あなたたちのお祝いと言っても、みんな好き勝手に騒いでいるだけですから、満足したらお開きになりますよ。あなたたち二人がそっと消えても、支障はありません」
「そうなんですか?」
「えぇ、大丈夫です。こちらの事は、何の心配もいりませんよ」
アルバトスさんが大丈夫だと太鼓判を押してくれたから、私とユリウスはこっそり帰らせてもらう事にする。
あと、アルバトスさんは今夜、村の宿に泊まって、家には戻らないらしい。
「伯父上、お気遣いありがとうございます。オリエ、じゃあ、行こうか」
「うん、じゃあ、失礼します」
ユリウスとこっそりと帰ろうとすると、私たちに気付いた人たちは数人で、優しい笑顔で見送ってくれた。
無理しないように、とか、ほどほどにね、と言う人も居たんだけど、なんの事だろう?
「明日、またいろいろとあるから、無理しないようにっていう事なのかな?」
ぽつり呟くと、隣を歩いていたユリウスが首を傾げた。
「さっき、宴会を抜ける時に会った人たちがね、無理しないようにとか、ほどほどにとか言っていたから、一体何の事かなって思って……」
「あぁ、それね……」
ユリウスは頷くと、ふう、と深いため息をついた。
「それさ、オリエにじゃなく、俺に言ったんだと思うよ」
「そうなの?」
「そうだよ。でも……聞く気はないんだけどね」
「ん?」
首を傾げると、ユリウスはまた深い息をついた。
あれ? もしかしなくても、私、ユリウスに呆れられていない?
「あのね、オリエ……俺は、もう少し待つつもりではいたんだよ? でも、みんなして煽るし、おかしな神父の前でだけど、結婚式もしてしまったので……我慢するのは、止めたんだよ」
おかしな神父とユリウスが言ったところで、サーチートの事を思い出した私は笑ってしまいそうになったけれど、なんとか堪えた。
私の手を掴んだユリウスが、真剣な目をしていたからだ。
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