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第1章・異世界転移と異世界転生
ユリウス出生の秘密②
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「母は、妊娠した時、俺が男だとすぐにわかったらしい。どうしてわかったのかという事までは俺も知らないんだけど、産んで無事育てるために、胎内の赤ん坊の性別を変えたんだ……自分の命を削って、ね」
そうして赤ん坊は、本来なら男として産まれるはずだったのが、女として産まれてきた。
「だけどその魔法は、術者の命が消えれば解けるものだった。母は俺を産むために命を削って長くない。だから、伯父上が術を引き継いだ。そして……昨日伯父上は、一度死んだ。だから俺にかけられている魔法が、解けたんだ」
私は、昨日の事を思い出して、泣きそうになってしまった。
私とユリウスを庇って、ジュンに刺されたアルバトスさん……蘇生呪文が成功したから良かったけど、アルバトスさんは一度死んでしまったのだ。
「伯父上が俺にかけていた魔法は、他にもある。あの人は、全てを知った俺がジュニアスたちに復讐を望んだから、俺の力を――持って生まれた力と、ユリアナとした得た力を、半分以上封じていた。だから、伯父上が死んだ時、まず力が戻った」
封じられていた力というのは、ジュニアスたちと戦っていた時にユリウスが纏っていた金色の炎のようなものの事なのだろう。
「言語矯正呪文は、体の変化がすぐにこなかったから、そのままだった。体の変化は……二十年以上、女の体だったからね。すぐには変わらなかったようだ。昨日の夜から今朝にかけて、少しずつ変わっていったよ。見かけも、中身も、全部変わった……すごく、気持ち悪かった……」
そう言ったユリウスは、また深い息をつく。
一晩中聞こえていた苦しそうな声は、そういう事だったのか。
そばに居て、手を握っていてあげたかったな、と呟くと、ユリウスは首を横に振り、見られたくなかったのだと言った。
「女から男の体に変わるんだよ? どうなるかわからないし、多分、君の時みたいに、綺麗なものじゃないと思ったから……」
「私の時?」
どういう事だろう?
首を傾げた私に、ユリウスは続けた。
「覚えていないかい? ほら、ノートンが時空の鏡を使って、もう一人の君を殺してしまっただろう? その後君は、その……前の君から、今の君へ、姿を変えていたんだよ」
「そ、そうだったの? 全然気づかなかった……」
「君は白く淡い光に包まれて、前の君から今の君へと、姿を変えたんだ……。その様子はすごく、綺麗だった……」
ユリウスみたいな美形から綺麗とか言われると、どんな反応をしていいか困ってしまう。
「君の時に比べて、多分俺のは、生々しかったと思うから……」
だから見られたくなかったのだと、ユリウスは言った。
そうして赤ん坊は、本来なら男として産まれるはずだったのが、女として産まれてきた。
「だけどその魔法は、術者の命が消えれば解けるものだった。母は俺を産むために命を削って長くない。だから、伯父上が術を引き継いだ。そして……昨日伯父上は、一度死んだ。だから俺にかけられている魔法が、解けたんだ」
私は、昨日の事を思い出して、泣きそうになってしまった。
私とユリウスを庇って、ジュンに刺されたアルバトスさん……蘇生呪文が成功したから良かったけど、アルバトスさんは一度死んでしまったのだ。
「伯父上が俺にかけていた魔法は、他にもある。あの人は、全てを知った俺がジュニアスたちに復讐を望んだから、俺の力を――持って生まれた力と、ユリアナとした得た力を、半分以上封じていた。だから、伯父上が死んだ時、まず力が戻った」
封じられていた力というのは、ジュニアスたちと戦っていた時にユリウスが纏っていた金色の炎のようなものの事なのだろう。
「言語矯正呪文は、体の変化がすぐにこなかったから、そのままだった。体の変化は……二十年以上、女の体だったからね。すぐには変わらなかったようだ。昨日の夜から今朝にかけて、少しずつ変わっていったよ。見かけも、中身も、全部変わった……すごく、気持ち悪かった……」
そう言ったユリウスは、また深い息をつく。
一晩中聞こえていた苦しそうな声は、そういう事だったのか。
そばに居て、手を握っていてあげたかったな、と呟くと、ユリウスは首を横に振り、見られたくなかったのだと言った。
「女から男の体に変わるんだよ? どうなるかわからないし、多分、君の時みたいに、綺麗なものじゃないと思ったから……」
「私の時?」
どういう事だろう?
首を傾げた私に、ユリウスは続けた。
「覚えていないかい? ほら、ノートンが時空の鏡を使って、もう一人の君を殺してしまっただろう? その後君は、その……前の君から、今の君へ、姿を変えていたんだよ」
「そ、そうだったの? 全然気づかなかった……」
「君は白く淡い光に包まれて、前の君から今の君へと、姿を変えたんだ……。その様子はすごく、綺麗だった……」
ユリウスみたいな美形から綺麗とか言われると、どんな反応をしていいか困ってしまう。
「君の時に比べて、多分俺のは、生々しかったと思うから……」
だから見られたくなかったのだと、ユリウスは言った。
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