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第1章・異世界転移と異世界転生
オブルリヒトの王②
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王様は、ユーリを本当に愛しているんだな、と思った。
だけど、少し言い訳っぽいかなとも思う。
まぁ、王様という立場から、上手くいく事も上手くいかない事もあるのかもしれないけど。
ユーリはアルバトスさんの元で、自由にのびのびと育ったようだから、王宮はあまり好きではないようだし、王様が溝を感じるのも仕方がないかもしれない。
「君には、本当にいくら感謝しても足りない……。何か望みがあるなら、できる限り叶えよう。何かあるかい?」
王様の言葉に、あります、と私は答えた。
私の今の望みは、ただ一つだった。
「じゃあ、ユーリに……ユリアナ王女に会わせてください!」
今の話の流れから、絶対に叶えられるものと私は思っていた。
だけど、王様は少し困ったような表情になり、ため息をつく。
「私としては、会わせてやりたいのだが……ジュニアスが拒むだろうね」
「どうしてですか?」
「ユリアナは、君を聖女と知りながら、元の世界へ戻そうとしていたからだ……」
「え?」
「もちろん、君の同意もなく、私たちが君たちを無理矢理召喚したのだから、非はこちらにあるのだが、この世界には今、聖女が必要だからね」
「どういう事ですか?」
尋ねると、王様は今のこの異世界ルリアルークについて教えてくれた。
このルリアルークという世界には、年々魔物たちが増え続けているらしい。
さらに、高い知能を持ち、その魔物たちを束ね、人の住む世界を侵略しようとする魔人や、その魔人たちを束ねる魔王の存在も確認されているのだという。
この件に関しては、各国で協力して、魔王や魔人、魔物の討伐を行う事になっているらしいが、なかなか上手くいかない。
だから、魔に対して特別な力を持つ聖女という存在を必要としたらしい。
だけど、少し言い訳っぽいかなとも思う。
まぁ、王様という立場から、上手くいく事も上手くいかない事もあるのかもしれないけど。
ユーリはアルバトスさんの元で、自由にのびのびと育ったようだから、王宮はあまり好きではないようだし、王様が溝を感じるのも仕方がないかもしれない。
「君には、本当にいくら感謝しても足りない……。何か望みがあるなら、できる限り叶えよう。何かあるかい?」
王様の言葉に、あります、と私は答えた。
私の今の望みは、ただ一つだった。
「じゃあ、ユーリに……ユリアナ王女に会わせてください!」
今の話の流れから、絶対に叶えられるものと私は思っていた。
だけど、王様は少し困ったような表情になり、ため息をつく。
「私としては、会わせてやりたいのだが……ジュニアスが拒むだろうね」
「どうしてですか?」
「ユリアナは、君を聖女と知りながら、元の世界へ戻そうとしていたからだ……」
「え?」
「もちろん、君の同意もなく、私たちが君たちを無理矢理召喚したのだから、非はこちらにあるのだが、この世界には今、聖女が必要だからね」
「どういう事ですか?」
尋ねると、王様は今のこの異世界ルリアルークについて教えてくれた。
このルリアルークという世界には、年々魔物たちが増え続けているらしい。
さらに、高い知能を持ち、その魔物たちを束ね、人の住む世界を侵略しようとする魔人や、その魔人たちを束ねる魔王の存在も確認されているのだという。
この件に関しては、各国で協力して、魔王や魔人、魔物の討伐を行う事になっているらしいが、なかなか上手くいかない。
だから、魔に対して特別な力を持つ聖女という存在を必要としたらしい。
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