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第1章・異世界転移と異世界転生
いろいろチャレンジ!①
しおりを挟む翌日、朝食の時に、ユーリから今日はどうするのかと聞かれた私は、昨日サーチートから呪文の事をいろいろと聞いたので、それを試してみたい事を伝えた。
今朝のごはんも食べてくれたユーリとアルバトスさんは頷き、ユーリが私に付き合ってくれる事になった。
そして、
「オリエちゃん、ぼくたち、お互いやるべき事をしよう!」
ドヤ顔でそう言ったサーチートに送り出され、私はユーリと共に森へと向かったのだった。
「ファイヤーボール!」
覚えたての呪文を、森の中で見かけた魔物へ向かって叫ぶ。
見かけた魔物は、大人の男性が思いきり手を広げたくらいの、蝶のような魔物だった。
魔アゲハだよ、とユーリが教えてくれる。
私が放ったファイヤーボールは、見事に魔アゲハに命中し、魔アゲハは空中で燃え尽き、魔アゲハの代わりにぽとりと何かが地面に落ちる。
「やったね、オリエ。初めて使ったんだろ? すごいね!」
「ありがとう!」
褒められて、ガッツポーズをする私。
だけど炎系の魔法は、気を付けないと火事になっちゃうんじゃないかと、ちょっと不安になる。
「魔法のコントロールが上手くなると、命中率も上がるし、狙った対象以外には広がらないようにする事もできるよ」
へぇ、そんな事ができるようになるんだ。
こりゃ、もっと練習しなきゃいけないなぁ。
「はい、これがオリエの今回の報酬だね」
ユーリは、魔アゲハが燃え尽きたあたりの地面から何かを拾うと、私に渡してくれた。
ユーリがくれたのは、小さな白い石のようなものだった。
「これが、魔石。魔物を倒した時に、稀に手に入れる事ができる、魔力を持った石。魔アゲハは燃えて素材が取れなかったから、魔石が手に入ってラッキーだったね」
「これが……」
魔物を倒した時に、稀に手に入れられる魔石。
確か、この世界の動力源的な物だったはず。
「ねぇ、ユーリ。これ、モネちゃんのところのお店で買い取ってもらえるかな? 買い取ってもらえるなら、いくらくらいになるんだろう?」
「さぁ、どうかな。それ一つじゃ、銅貨一枚にもならないかもしれないな」
「そうなの?」
「そうだよ」
ちなみに、銅貨一枚では安いお菓子か飲み物くらいしか買えないらしい。
子供のお小遣い程度だ。
そうかぁ。どこの世界でも、お金を稼ぐって大変って事だな。
魔法の練習がてら、気長にやろう。
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