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第3話-報道
報道-11
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「どうも、すいません」
京助は番組プロデューサーの真にそう挨拶した。
「いえ、いえ。大変でしたね。それで、田沢アナの女癖についてですね」
「ええ、そうです」京助はすんなりと答える。
「あの、金智さん。話を聞く前にこの方の説明を」
薫にそう言われた京助は真新一を紹介する事になった。
「この人は、真新一さん。弊社がスポンサーを勤める番組のプロデューサーさん。そして、この局のゴシップ通。そのおかげで番組枠を勝ち取ってくれた御仁」
「はぁ」
京助はしっくりきていない薫を放っておき、本題に入る。
「それで、真さんに聞きたい事がありましてね。これについてなんです」
例のネット記事を真に見せた。
「ああ、これですか。これね。事実なんですよ。局総出でもみ消したですよ」
その回答を聞き、京助と薫は互いの顔を見る。
「でもね、もみ消した事を知っているのは上層部とそれに尽力した局員しか知らないんですけど」
「へぇ~じゃあ、局を揺るがす大問題だったんですね」感心を寄せる京助。
「それはそうですよ。あの当時、うちの局No.1の人気アナウンサーのゴシップでしたからね」
「町田さんの事は分かりました。次に、三邉ミミと田沢アナの関係なんですけど」
「ああ、シン・不倫カップルですね」
「そこまで知れ渡っているのかよ」薫はボソッと呟く。
「死んだ人を悪く言うようで申し訳ないですが、田沢アナの異名は全アナウンサーのすけこましって呼ばれてましたから」
「すけこまし・・・・・・」薫は呆れて物も言えないといった顔になる。
「シン・不倫カップルは有名だったんですか?」
「まぁ、三邉ミミが受け持つ番組のスタッフ全員は知っていたかと。でも、彼女が田沢さんを殺害したっていうのは驚きでしたね」
そろそろ警察が三邉ミミ逮捕の事実を報道に流している頃であったので、特段気にするような事はなかった。
「俺も、そう思ってたんですよ。週刊誌にスッパ抜かれて別れを切り出されたとか、奥さんに不倫がバレて慰謝料踏んだくられそうになっているとかだったら分かるんですけどね」
「金智さんの言う通りです」と真は京助の推理に賛同すると共に「言い方悪いかもですけど、殺しても不思議でなさそうなのは町田恵理子の方ですけどね」と持論を展開した。
「同感です」京助はそう答えた。
「すいません。私からも良いでしょうか?」
薫は申し訳なさそうに手をあげて許可を求める。
「どうぞ。どうぞ」真は許可し、その質問内容を聞く。
「どうして、町田恵理子さんが殺すと?」
「それは、局を引っ張っていけるかもしれない地位にまで築いていたのにあの報道でその地位は一気に崩れ落ちたんですから。それに田沢さんはなんのそのといった感じで、出世していきますから」
「面白くないわけか・・・・・・」
京助は不敵な顔を浮かべ、一人頷く。
「金智さん、どうしますか?」薫にそう尋ねられた京助は「気になった事は解決出来た。こっからは、薫ちゃんの出番だよ」と答えた。
「えっ! 私ですか!!」
薫は急に言われ動揺するのだった。
京助は番組プロデューサーの真にそう挨拶した。
「いえ、いえ。大変でしたね。それで、田沢アナの女癖についてですね」
「ええ、そうです」京助はすんなりと答える。
「あの、金智さん。話を聞く前にこの方の説明を」
薫にそう言われた京助は真新一を紹介する事になった。
「この人は、真新一さん。弊社がスポンサーを勤める番組のプロデューサーさん。そして、この局のゴシップ通。そのおかげで番組枠を勝ち取ってくれた御仁」
「はぁ」
京助はしっくりきていない薫を放っておき、本題に入る。
「それで、真さんに聞きたい事がありましてね。これについてなんです」
例のネット記事を真に見せた。
「ああ、これですか。これね。事実なんですよ。局総出でもみ消したですよ」
その回答を聞き、京助と薫は互いの顔を見る。
「でもね、もみ消した事を知っているのは上層部とそれに尽力した局員しか知らないんですけど」
「へぇ~じゃあ、局を揺るがす大問題だったんですね」感心を寄せる京助。
「それはそうですよ。あの当時、うちの局No.1の人気アナウンサーのゴシップでしたからね」
「町田さんの事は分かりました。次に、三邉ミミと田沢アナの関係なんですけど」
「ああ、シン・不倫カップルですね」
「そこまで知れ渡っているのかよ」薫はボソッと呟く。
「死んだ人を悪く言うようで申し訳ないですが、田沢アナの異名は全アナウンサーのすけこましって呼ばれてましたから」
「すけこまし・・・・・・」薫は呆れて物も言えないといった顔になる。
「シン・不倫カップルは有名だったんですか?」
「まぁ、三邉ミミが受け持つ番組のスタッフ全員は知っていたかと。でも、彼女が田沢さんを殺害したっていうのは驚きでしたね」
そろそろ警察が三邉ミミ逮捕の事実を報道に流している頃であったので、特段気にするような事はなかった。
「俺も、そう思ってたんですよ。週刊誌にスッパ抜かれて別れを切り出されたとか、奥さんに不倫がバレて慰謝料踏んだくられそうになっているとかだったら分かるんですけどね」
「金智さんの言う通りです」と真は京助の推理に賛同すると共に「言い方悪いかもですけど、殺しても不思議でなさそうなのは町田恵理子の方ですけどね」と持論を展開した。
「同感です」京助はそう答えた。
「すいません。私からも良いでしょうか?」
薫は申し訳なさそうに手をあげて許可を求める。
「どうぞ。どうぞ」真は許可し、その質問内容を聞く。
「どうして、町田恵理子さんが殺すと?」
「それは、局を引っ張っていけるかもしれない地位にまで築いていたのにあの報道でその地位は一気に崩れ落ちたんですから。それに田沢さんはなんのそのといった感じで、出世していきますから」
「面白くないわけか・・・・・・」
京助は不敵な顔を浮かべ、一人頷く。
「金智さん、どうしますか?」薫にそう尋ねられた京助は「気になった事は解決出来た。こっからは、薫ちゃんの出番だよ」と答えた。
「えっ! 私ですか!!」
薫は急に言われ動揺するのだった。
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