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第2話-救出
救出-14
しおりを挟む「どういう事だ!!」
佐保田は激昂し、四人を怒鳴りつける。
「どういう事って、こういう事でしょ」京助は悪びれる様子もなく答える。
「佐保田さんに説明すると、あのメッセージは太朗君救出が完了した合図なんです。まぁ、内容は物騒でしたけど」
申し訳なそうな顔をしながら、薫は太秦夫妻を見る。
「随分手の事をしたな。にしても、どうして俺には教えないんだよ」
「だ~か~らぁ~あんたが容疑者だからだよ」
「その根拠はなんだ」
「根拠はこれだろ」
薫が持っていた佐保田のスマホを受け取ると「あ、ロックかかってる。解除してくれません?」京助の頼みを聞き入れる佐保田。
「ありがとう。あ、これこれ」
そう言って、メッセージアプリを開いて佐保田に見せる。
そのメッセージには、今までの誘拐事件で誘拐役の大穴やメッセージを送信する係への指示がなされているメッセージの履歴があった。
「これ、犯人しか出せない指示ですよね。特に、この部分なんてのは」
京助がスクロールして強調した部分は、“変な営業マンが訪ねてきたので、計画変更。詳細は追って連絡”との部分であった。
「ここから、グダグダですよね?」京助はそこからの指示を見せていく。
“取り敢えず、近所の公園で受け取りに変更”
“捜査員の配置をミスってしまったので、東西パークへ変更”
“金はどさくさに紛れて俺がくすねとる”
「まぁ、ご丁寧に指示を出していますよね?」
「・・・・・・」
佐保田はスマホから目を逸らし、関与していないアピールをする。
「それに、このメッセージ通りであれば貴方が金を持っているそうじゃないですか。薫ちゃん」
「はい」
薫はすぐさま佐保田の所持品検査を開始する。
身体をポンッポンと叩くと、右の内ポケットに違和感を感じたので「失礼します」と断りを入れ取り出す。
取り出されたのは、太秦家が用意した封筒であった。
「あ、それは!!」いの一番に反応を示したのは、エミリであった。
「そうです。これは奥さんが用意した封筒です。要はこのメッセージ通り、くすねたんですよ。そうですね」
「ぐっ・・・・・・」下唇を嚙み悔しそうな顔を浮かべる。
「何で、何でウチ何ですか!! 何で! 何で!!!」
エミリは怒りに任せて佐保田に掴みかかる。
「奥さん!!」
「エミリ!!!」
薫と浩は、佐保田に掴みかかるエミリを引きはがす。
「奥さんが怒るのはごもっともです。もう諦めませんか?」
京助が投降を促すと、佐保田はコクリと頷き応じた。
「一つ聞いて良いか? どうやって、太朗君を見つけたんだ?」
「どうって。超能力?」
「金智さん」薫に怒られる京助。
「すんません。まぁ、教えてあげても良いけど。それは次回という事で」
佐保田は激昂し、四人を怒鳴りつける。
「どういう事って、こういう事でしょ」京助は悪びれる様子もなく答える。
「佐保田さんに説明すると、あのメッセージは太朗君救出が完了した合図なんです。まぁ、内容は物騒でしたけど」
申し訳なそうな顔をしながら、薫は太秦夫妻を見る。
「随分手の事をしたな。にしても、どうして俺には教えないんだよ」
「だ~か~らぁ~あんたが容疑者だからだよ」
「その根拠はなんだ」
「根拠はこれだろ」
薫が持っていた佐保田のスマホを受け取ると「あ、ロックかかってる。解除してくれません?」京助の頼みを聞き入れる佐保田。
「ありがとう。あ、これこれ」
そう言って、メッセージアプリを開いて佐保田に見せる。
そのメッセージには、今までの誘拐事件で誘拐役の大穴やメッセージを送信する係への指示がなされているメッセージの履歴があった。
「これ、犯人しか出せない指示ですよね。特に、この部分なんてのは」
京助がスクロールして強調した部分は、“変な営業マンが訪ねてきたので、計画変更。詳細は追って連絡”との部分であった。
「ここから、グダグダですよね?」京助はそこからの指示を見せていく。
“取り敢えず、近所の公園で受け取りに変更”
“捜査員の配置をミスってしまったので、東西パークへ変更”
“金はどさくさに紛れて俺がくすねとる”
「まぁ、ご丁寧に指示を出していますよね?」
「・・・・・・」
佐保田はスマホから目を逸らし、関与していないアピールをする。
「それに、このメッセージ通りであれば貴方が金を持っているそうじゃないですか。薫ちゃん」
「はい」
薫はすぐさま佐保田の所持品検査を開始する。
身体をポンッポンと叩くと、右の内ポケットに違和感を感じたので「失礼します」と断りを入れ取り出す。
取り出されたのは、太秦家が用意した封筒であった。
「あ、それは!!」いの一番に反応を示したのは、エミリであった。
「そうです。これは奥さんが用意した封筒です。要はこのメッセージ通り、くすねたんですよ。そうですね」
「ぐっ・・・・・・」下唇を嚙み悔しそうな顔を浮かべる。
「何で、何でウチ何ですか!! 何で! 何で!!!」
エミリは怒りに任せて佐保田に掴みかかる。
「奥さん!!」
「エミリ!!!」
薫と浩は、佐保田に掴みかかるエミリを引きはがす。
「奥さんが怒るのはごもっともです。もう諦めませんか?」
京助が投降を促すと、佐保田はコクリと頷き応じた。
「一つ聞いて良いか? どうやって、太朗君を見つけたんだ?」
「どうって。超能力?」
「金智さん」薫に怒られる京助。
「すんません。まぁ、教えてあげても良いけど。それは次回という事で」
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