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第2話-救出
救出-11
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「奥さん、大穴さんの連絡を取って頂きますか!!
薫の鬼気迫る表情に少し驚きつつも「分かりました」と返事をし、すぐさま行動を移す。
「出ません。大穴さんに何かあったんですか?」
そう問われた二人は顔を見合わせ『大穴さんが犯人の一味かもしれないんです!!』声を合わせて導き出した答えをエミリに伝える。
「そんな・・・・・・」
「大穴さんはこの家の家庭状況を調べる為の調査員だと思われます」
「じゃあ、太朗を誘拐する為に私達家族に近づいたと?」
「まぁ、偶然担当する事になったのが太秦さんの家だっただけかと。多分、別の家族系YouTuberを担当していた場合はそのご家庭のお子さんが誘拐されていたでしょうね」
京助の推理を聞いたエミリは絶句する。
「薫ちゃん、どぉ?」
エミリに代わって、大穴に電話する薫に状況を聞くと「駄目ですね。電源を落としているみたいです」と渋った顔で答える。
「そうか。続けて」
「はい」
「奥さん。大穴さんがどこに住んでいるのか。と言うような話は?」
「していません。でも、主人や太朗が知っているかもですけど・・・・・・」
「分かりました」京助はそう返事するとスマホを手に取り、電話をかけ始めた。
それから三十分後、浩が佐保田を連れ立って帰宅した。
「どうでした?」
薫が成果を聞くと「捕まえた男は、犯人ではありませんでした」そう答える浩は悔しそうな顔をする。
「そうでしょうね。それより、大穴さんの事なんですが」
京助は大穴が犯人の一味であることを伝えた。
「まさか・・・・・・」浩は信頼していた人間に裏切られ、絶句する。
「その事実をどこで調べた?」
佐保田の質問に京助は「さぁ?」とだけ答えると、ソファーに腰を下ろした。
「そう言えば、お金はどうしたんですか?」
「証拠品としてこちらで預かっている」
「ふーん、薫ちゃん。確認して」
「えっ、あっ、はい」
薫はすぐさま確認の電話を入れる。
「おい、何の真似だっ」
「何の真似って。確認しているだけですよ」
「確認? それに何の意味がある?」
「事件解決に関して、大いにあると思いますけどね」
京助はふてぶてしい態度で少し怒る佐保田を見つめる。
「はぁんっ!!」
佐保田は鼻で一蹴するとリビングを出ていくと同時に、京助も付いて行くようにリビングを後にした。
佐保田は廊下の隅に立ち、どこかへ電話をかけようとしていた。
「佐保田さん」
京助にいきなり声を掛けられて、驚いた佐保田は持っていたスマホを放り投げる。
「な、なんだ!」
憤慨する佐保田を他所に京助は落としたスマホを拾い上げ、それを渡した。
「驚かしてしまって申し訳ありません。実はお耳に入れたいことが」
「何だ?」
「お耳を拝借」
京助は佐保田に耳打ちをして、事件のカギを握る情報を伝えた。
薫の鬼気迫る表情に少し驚きつつも「分かりました」と返事をし、すぐさま行動を移す。
「出ません。大穴さんに何かあったんですか?」
そう問われた二人は顔を見合わせ『大穴さんが犯人の一味かもしれないんです!!』声を合わせて導き出した答えをエミリに伝える。
「そんな・・・・・・」
「大穴さんはこの家の家庭状況を調べる為の調査員だと思われます」
「じゃあ、太朗を誘拐する為に私達家族に近づいたと?」
「まぁ、偶然担当する事になったのが太秦さんの家だっただけかと。多分、別の家族系YouTuberを担当していた場合はそのご家庭のお子さんが誘拐されていたでしょうね」
京助の推理を聞いたエミリは絶句する。
「薫ちゃん、どぉ?」
エミリに代わって、大穴に電話する薫に状況を聞くと「駄目ですね。電源を落としているみたいです」と渋った顔で答える。
「そうか。続けて」
「はい」
「奥さん。大穴さんがどこに住んでいるのか。と言うような話は?」
「していません。でも、主人や太朗が知っているかもですけど・・・・・・」
「分かりました」京助はそう返事するとスマホを手に取り、電話をかけ始めた。
それから三十分後、浩が佐保田を連れ立って帰宅した。
「どうでした?」
薫が成果を聞くと「捕まえた男は、犯人ではありませんでした」そう答える浩は悔しそうな顔をする。
「そうでしょうね。それより、大穴さんの事なんですが」
京助は大穴が犯人の一味であることを伝えた。
「まさか・・・・・・」浩は信頼していた人間に裏切られ、絶句する。
「その事実をどこで調べた?」
佐保田の質問に京助は「さぁ?」とだけ答えると、ソファーに腰を下ろした。
「そう言えば、お金はどうしたんですか?」
「証拠品としてこちらで預かっている」
「ふーん、薫ちゃん。確認して」
「えっ、あっ、はい」
薫はすぐさま確認の電話を入れる。
「おい、何の真似だっ」
「何の真似って。確認しているだけですよ」
「確認? それに何の意味がある?」
「事件解決に関して、大いにあると思いますけどね」
京助はふてぶてしい態度で少し怒る佐保田を見つめる。
「はぁんっ!!」
佐保田は鼻で一蹴するとリビングを出ていくと同時に、京助も付いて行くようにリビングを後にした。
佐保田は廊下の隅に立ち、どこかへ電話をかけようとしていた。
「佐保田さん」
京助にいきなり声を掛けられて、驚いた佐保田は持っていたスマホを放り投げる。
「な、なんだ!」
憤慨する佐保田を他所に京助は落としたスマホを拾い上げ、それを渡した。
「驚かしてしまって申し訳ありません。実はお耳に入れたいことが」
「何だ?」
「お耳を拝借」
京助は佐保田に耳打ちをして、事件のカギを握る情報を伝えた。
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