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第2話-救出
救出-9
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東西パークでは一般客に紛れた特殊事件捜査係の刑事達が、フードコートで犯人の到着を待つ太秦夫婦を物陰から監視していた。
「おい、犯人から連絡は?」
浩にそう聞かれたエミリはスマホのメッセージアプリを確認するのだが、メッセージは届いていなかった。
「来てない」
「そうか・・・・・・」浩は悔しそうな顔を浮かべながら、紙コップに入った水を飲む。
夫婦に沈黙の時が流れ始めると、耳につけたワイヤレスイヤホンに佐保田から指示が入る。
「何か、適当に会話をしてください」と。
仕方なく太秦夫婦は、会話を始めた。
「会話って・・・・・・」エミリが不満気に言うと「確かに黙っていちゃ、不自然だ。何か話そう」と浩は佐保田の意図を理解しエミリを説得し、会話を始めた。
「今後のYouTubeの事なんだが」
「そのYouTubeのせいで、太朗がこんな事件に巻き込まれたんじゃないの?」
「いきなり、何言い出すんだよ。関係ないだろ」
「そんな事ない。うちの家族の動画を見て、犯人が金のありそうな家に目を付けたんだよ」
「それは考えすぎってものだよ」
「いいえ。あの営業マンの人も疑っていたよ」
「営業マン? ああ、家に何故か居座っている、あの人か。でも、素人意見だろ?」
「ううん、二条さんが言っていたの。あの人は今まで数々の事件を解決してきたっていうし」
「そんなの出まかせだろ?」
「本当にそうなのかな。って、違う。違う。私は、YouTubeが原因だっていう話がしたいの」
「もし、エミリの言う通りだとして。何が言いたいんだよ」
「YouTubeを辞めようって事よ」
「え?」思いもよらぬ提案に戸惑う浩。
「私は元々、反対だったのよ。それなのに、あなたが」
「俺じゃないだろ? 太朗がやりたいって言いだしたから、始めたんだろ?」
「それは、あなたがそそのかしたからでしょ」
「そそのかした? そんなわけないだろ。太朗の意志を尊重して俺は出来る事を」
「本当にそうかしら。ここ最近、コラボとか言って若い女のYouTuberに連絡とっているじゃない?」
「嫉妬か。言っておくぞ、向こうからコラボ依頼が来たんだ。だから、それを受けようと思って連絡を取り合っていたんだ。こちらからなんて、とんでもない」
「もういい。帰って」
「はぁ?」
「帰ってよ。私が太朗を助け出す。今のあなたには何も信用できないから」
「それは無理な話だよ。太朗は俺の子供でもあるんだ! だから、ここを離れるわけには・・・・・・」
浩はエミリの顔を見て、これ以上何を話しても焼け石に水といった感じで聞き入れてもらえなさそうなのが察せた。
「ご主人、仕方ありません。そこから離れてください」
佐保田の指示が入り、この会話を聞かれていたのかという思いと悔しさが混じり合い必死に内からこみ上げてくる何かを堪える顔でその場を後にした。
浩が離れてすぐ、犯人からメッセージが届いた。
今度の要求は、“金をテーブルの上に置いて、その場を去れ”というシンプルな指示であった。
エミリはすぐに行動に移した。お金の入った茶封筒をテーブルの上に置きその場を離れた。
「良いか。金を取りに来た奴を捕まえるんだ」佐保田は近くに居る捜査員に指示出すと「了解」という返事が一斉に帰ってきた。
エミリはというと、浩が待つ車ではなくタクシーで帰宅した。
その時、京助と薫はというとフードデリバリーで頼んだかつ丼を食べていたのだった。
「おい、犯人から連絡は?」
浩にそう聞かれたエミリはスマホのメッセージアプリを確認するのだが、メッセージは届いていなかった。
「来てない」
「そうか・・・・・・」浩は悔しそうな顔を浮かべながら、紙コップに入った水を飲む。
夫婦に沈黙の時が流れ始めると、耳につけたワイヤレスイヤホンに佐保田から指示が入る。
「何か、適当に会話をしてください」と。
仕方なく太秦夫婦は、会話を始めた。
「会話って・・・・・・」エミリが不満気に言うと「確かに黙っていちゃ、不自然だ。何か話そう」と浩は佐保田の意図を理解しエミリを説得し、会話を始めた。
「今後のYouTubeの事なんだが」
「そのYouTubeのせいで、太朗がこんな事件に巻き込まれたんじゃないの?」
「いきなり、何言い出すんだよ。関係ないだろ」
「そんな事ない。うちの家族の動画を見て、犯人が金のありそうな家に目を付けたんだよ」
「それは考えすぎってものだよ」
「いいえ。あの営業マンの人も疑っていたよ」
「営業マン? ああ、家に何故か居座っている、あの人か。でも、素人意見だろ?」
「ううん、二条さんが言っていたの。あの人は今まで数々の事件を解決してきたっていうし」
「そんなの出まかせだろ?」
「本当にそうなのかな。って、違う。違う。私は、YouTubeが原因だっていう話がしたいの」
「もし、エミリの言う通りだとして。何が言いたいんだよ」
「YouTubeを辞めようって事よ」
「え?」思いもよらぬ提案に戸惑う浩。
「私は元々、反対だったのよ。それなのに、あなたが」
「俺じゃないだろ? 太朗がやりたいって言いだしたから、始めたんだろ?」
「それは、あなたがそそのかしたからでしょ」
「そそのかした? そんなわけないだろ。太朗の意志を尊重して俺は出来る事を」
「本当にそうかしら。ここ最近、コラボとか言って若い女のYouTuberに連絡とっているじゃない?」
「嫉妬か。言っておくぞ、向こうからコラボ依頼が来たんだ。だから、それを受けようと思って連絡を取り合っていたんだ。こちらからなんて、とんでもない」
「もういい。帰って」
「はぁ?」
「帰ってよ。私が太朗を助け出す。今のあなたには何も信用できないから」
「それは無理な話だよ。太朗は俺の子供でもあるんだ! だから、ここを離れるわけには・・・・・・」
浩はエミリの顔を見て、これ以上何を話しても焼け石に水といった感じで聞き入れてもらえなさそうなのが察せた。
「ご主人、仕方ありません。そこから離れてください」
佐保田の指示が入り、この会話を聞かれていたのかという思いと悔しさが混じり合い必死に内からこみ上げてくる何かを堪える顔でその場を後にした。
浩が離れてすぐ、犯人からメッセージが届いた。
今度の要求は、“金をテーブルの上に置いて、その場を去れ”というシンプルな指示であった。
エミリはすぐに行動に移した。お金の入った茶封筒をテーブルの上に置きその場を離れた。
「良いか。金を取りに来た奴を捕まえるんだ」佐保田は近くに居る捜査員に指示出すと「了解」という返事が一斉に帰ってきた。
エミリはというと、浩が待つ車ではなくタクシーで帰宅した。
その時、京助と薫はというとフードデリバリーで頼んだかつ丼を食べていたのだった。
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