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第2話-救出
救出-1
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「お次のニュースは、ここ三ヶ月近く立て続けに発生している子供の誘拐事件についてです」
男性キャスターがニュースを読み上げるのを、寝ぼけまなこな金智 京助は乍ら聞きしていた。
「この誘拐事件で共通しているのは、一般家庭の小学生の子供が誘拐されているという点です」元警視庁捜査一課の刑事が専門家面でインタビューに答えている。
「一般家庭かぁ~」
京助はテレビを見ながら独り言を呟き、時計を見ると7時25分を針が示していた。
「あ、やべっ!!」遅刻するかしないかのギリギリの時間であったので、京助はようやく目を覚まし慌てて支度を始める。
五分後には家を出ることが出来た京助は、最寄り駅へ向かって走って会社へと向かった。
それから数時間後
一軒の一般家庭の前にシロアリ駆除の営業車が止まった。車からオレンジ色のつなぎを着た男3、女1の四人組が車から降りて家のインターホンを鳴らす。
するとインターホンから「はい」と返事が返ってくるので、責任者であろう少しワイルドな見た目の男性が「どぉーも、お世話になります。シロアリヒロシです。シロアリ駆除に参りました」と返答した。
「今、開けます」
間もなく玄関ドアが開き、中に通される四人はリビングに入るや否や着ていたつなぎを脱ぎ始める。つなぎを脱ぐとスーツ姿になり、持ってきたバッグや工具箱から逆探知の装置や無線機を取り出し、設置していく。
「ご挨拶遅れました。事件の捜査指揮をします、警視庁特殊事件捜査係の佐保田 正行です。こちらは部下の」
「福山です」
「香取です」
「柴咲です」
連れ立ってきた男女三人が自己紹介する。
「私は、誘拐された太秦 太朗の母のエミリです。主人の浩はもう間もなく帰って来るかと」
エミリの自己紹介を聞き終えた佐保田は「分かりました。では、犯人からの要求を教えてください」と事件について聞き始めた。
「はい。このメールが送られてきたんです」
エミリは佐保田にスマホに送信されてきたメールを見せる。
要求は次の通りであった。
“お前の息子・太秦太朗を預かった。返して欲しくば、金・三百万円をこちらの要求方法で支払え。さすれば、太朗は無事に帰って来るであろう。”
「これが要求ですか?」
「はい」弱々しく答えるエミリに「次の要求は?」と尋ねる佐保田。
エミリは黙って首を横に振る。
「そうですか」
次の要求が来ていないことを悟った佐保田はこれ以上の質問をしなかった。
「佐保田さん、準備整いました」
柴咲が持ってきた逆探知の為の機械の設置が完了した事を報告した。
「分かった。太朗君は、どこで誘拐されたとか分かりますか?」
「いいえ、分かりません。一応、息子と共に登下校する生徒の親御さんに聞いては見ているんですがまだ有益な返事はなくて」
「そうでしたか」手掛かりがなく、佐保田は悔しそうな顔を浮かべる。
そんな時、エミリのスマホにメールが受信した事を知らせる通知音が鳴る。
エミリはすぐ様、ロックを解除しメールを確認する。
“身代金の受け渡しについて。一時間後、身代金を受け取りにスーツを着た男が訪ねる。その男に金を渡せ。受け取りを確認次第、太朗は返す。以上”
「ふざけた野郎だっ!」
メールの内容を見て憤慨する佐保田に「この誘拐事件は、世間で話題の誘拐事件と同じ手口なんですか?」とエミリは質問する。
「そうです。報道では明らかにしてはいませんが、金銭のやり取りはいつもこれなんです」
「それで犯人は使っているんですか?」
「ええ、捕まってはいるんですが、詐欺の受け子と同様にアルバイト感覚で申し込んだ大学生やフリーターが多いんです」
「それで。それで太朗は戻って来るんですか?」
「安心してください。今まで事件に巻き込まれたどのご家庭もお子さんは無事に戻ってきてますよ」
「そうですか」少し安心したのかエミリの表情は柔和になる。
「では、一時間待ちましょう」
「は、はい」
だが、一時間後ではなく少し早い四十分後にその人物は姿を現した。
男性キャスターがニュースを読み上げるのを、寝ぼけまなこな金智 京助は乍ら聞きしていた。
「この誘拐事件で共通しているのは、一般家庭の小学生の子供が誘拐されているという点です」元警視庁捜査一課の刑事が専門家面でインタビューに答えている。
「一般家庭かぁ~」
京助はテレビを見ながら独り言を呟き、時計を見ると7時25分を針が示していた。
「あ、やべっ!!」遅刻するかしないかのギリギリの時間であったので、京助はようやく目を覚まし慌てて支度を始める。
五分後には家を出ることが出来た京助は、最寄り駅へ向かって走って会社へと向かった。
それから数時間後
一軒の一般家庭の前にシロアリ駆除の営業車が止まった。車からオレンジ色のつなぎを着た男3、女1の四人組が車から降りて家のインターホンを鳴らす。
するとインターホンから「はい」と返事が返ってくるので、責任者であろう少しワイルドな見た目の男性が「どぉーも、お世話になります。シロアリヒロシです。シロアリ駆除に参りました」と返答した。
「今、開けます」
間もなく玄関ドアが開き、中に通される四人はリビングに入るや否や着ていたつなぎを脱ぎ始める。つなぎを脱ぐとスーツ姿になり、持ってきたバッグや工具箱から逆探知の装置や無線機を取り出し、設置していく。
「ご挨拶遅れました。事件の捜査指揮をします、警視庁特殊事件捜査係の佐保田 正行です。こちらは部下の」
「福山です」
「香取です」
「柴咲です」
連れ立ってきた男女三人が自己紹介する。
「私は、誘拐された太秦 太朗の母のエミリです。主人の浩はもう間もなく帰って来るかと」
エミリの自己紹介を聞き終えた佐保田は「分かりました。では、犯人からの要求を教えてください」と事件について聞き始めた。
「はい。このメールが送られてきたんです」
エミリは佐保田にスマホに送信されてきたメールを見せる。
要求は次の通りであった。
“お前の息子・太秦太朗を預かった。返して欲しくば、金・三百万円をこちらの要求方法で支払え。さすれば、太朗は無事に帰って来るであろう。”
「これが要求ですか?」
「はい」弱々しく答えるエミリに「次の要求は?」と尋ねる佐保田。
エミリは黙って首を横に振る。
「そうですか」
次の要求が来ていないことを悟った佐保田はこれ以上の質問をしなかった。
「佐保田さん、準備整いました」
柴咲が持ってきた逆探知の為の機械の設置が完了した事を報告した。
「分かった。太朗君は、どこで誘拐されたとか分かりますか?」
「いいえ、分かりません。一応、息子と共に登下校する生徒の親御さんに聞いては見ているんですがまだ有益な返事はなくて」
「そうでしたか」手掛かりがなく、佐保田は悔しそうな顔を浮かべる。
そんな時、エミリのスマホにメールが受信した事を知らせる通知音が鳴る。
エミリはすぐ様、ロックを解除しメールを確認する。
“身代金の受け渡しについて。一時間後、身代金を受け取りにスーツを着た男が訪ねる。その男に金を渡せ。受け取りを確認次第、太朗は返す。以上”
「ふざけた野郎だっ!」
メールの内容を見て憤慨する佐保田に「この誘拐事件は、世間で話題の誘拐事件と同じ手口なんですか?」とエミリは質問する。
「そうです。報道では明らかにしてはいませんが、金銭のやり取りはいつもこれなんです」
「それで犯人は使っているんですか?」
「ええ、捕まってはいるんですが、詐欺の受け子と同様にアルバイト感覚で申し込んだ大学生やフリーターが多いんです」
「それで。それで太朗は戻って来るんですか?」
「安心してください。今まで事件に巻き込まれたどのご家庭もお子さんは無事に戻ってきてますよ」
「そうですか」少し安心したのかエミリの表情は柔和になる。
「では、一時間待ちましょう」
「は、はい」
だが、一時間後ではなく少し早い四十分後にその人物は姿を現した。
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第6回ホラー・ミステリー小説大賞で投票してくださった方々、誠にありがとうございました。お気に入り,エール,感想をお待ちしております。
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