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第一話-23
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三十分後、有菜は例の倉庫について踏み込むタイミングを見計らっていた。
「おい、そこで何をしている!」背後から声がした。
有菜は、黒スーツに回し蹴りをかまし気絶させ男が所持している武器を奪取し、アジトに乗り込んだ。
「大人しくしなさい!」有菜が叫ぶ。
アジトには、血まみれになって椅子に縛りつけられているイサム、そして副社長の稲葉、中森と取り巻き達がおり、倉庫内の牢には失踪した宇宙人が閉じ込められていたその中には、イサムの恋人 雅がいた。
有菜は、近寄って来る敵に対して威嚇射撃を行い牽制をするが、背後から鈍痛を受け気絶した。
目が覚めると椅子に縛り付けられ身動きが取れない状態にあった。
有菜は、不覚と思いながら目の前の敵を睨めつける。
目の前には稲葉、中森と例の社員が立っていた。
稲葉が口を開いた。
「君のスパイ活動に気付いていなかったとでも思うのかい?」
「何ですって?」
「まあ、君の動きは手に取るように分っていたからね。」と続いて喋る中森。
有菜は、裏切り者がいる事を悟った。
「仮に裏切り者がいても、私が帰ってこなければここに仲間が来るようになっているの。」
「お~怖い怖い。
ま、その前に我々は逃げるけどね。
さあ、楽に死なせてあげよう。」
稲葉は、懐から銃を取り出して有菜の眉間に当てる。
身を捩って有菜は抵抗するのだが黒スーツ達に押さえつけられ避けられない状況になった。
有菜が、もう駄目!と思った瞬間、倉庫のドアを叩く音がした。
「おい」中森は、社員にドアに向かわせた。
「来ちゃダメ!」黒スーツの一人が、叫ぶ有菜の口を塞ぐ。
そしてドアを開けた瞬間、ドアと一緒に黒スーツが吹っ飛んだ。
「何が起きた!」中森が叫ぶ。
「何が起きたじゃねえーよ。」
声の方を向くと倉庫の入り口から夕陽に背中を照らされた水玉マントの男が立っていた。
「ミズタマン・・・」有菜が呟く。
横に座っているイサムもミズタマンの姿を見て気絶した。
「何者だ!貴様!」稲葉が叫ぶ。
「ただのアルバイターです。」
「ふざけたこと言ってんじゃねえ!やれ!」
中森が言うと黒スーツ達が警棒、拳銃を手にミズタマンに襲いかかる。
銃を持った黒スーツ達が発砲するが、弾はミズタマンに当たって地面に落ちていく。
結果、ダメージを与えることが出来ない。
今度は、警棒等の近距離武器を持った黒スーツ達がミズタマンを襲いにかかる。
ミズタマンは一歩も動かずに只々、黒スーツ達の警棒が曲がっていくだけであった。
「どうした。そんなものか?
なら、こっちから行くぞ。」
ミズタマンが言うと同時に黒スーツ達は気絶した。
“ナレーションばーい。
読者の皆には何が起きたか解説しますよ~。
ミズタマンが喋った同時に左腕のブレスレットの赤ボタンを押したのよね。
赤ボタンは、ブレードモード。
ブレードモードはね、手刀から激しい水流を出してそれを剣として使える武器なんよ。
そいでね、左右両方出せる機能もあるからね。
今日は左腕を怪我しているから右手から水流を出してま~す。
今回は、峰打ちモードを使用したから相手が気絶したけん。
他にもブレスレットのボタンは、青、黄、緑、桃、紫の五色有るんよね。
他の能力はまた今度にってことで。
では、話に戻りま~す。”
ミズタマンは、ブレードモードを維持しながら銃撃部隊が発砲する弾を華麗な剣捌きで払い落としていく。
ミズタマンの剣捌きに驚嘆する有菜の後ろで縄を解く感覚があり、敵に気づかれないように振り向くと羽を付けた妖精が有菜の縄を解いていた。
声を上げようとする有菜を見て喋った。
『しぃ~。有菜様、隣の方の縄も解いていますので早く逃げてください。』
そう言うと妖精はどこかへと飛んで行った。
有菜は飯田を抱えてこの場から避難した。
そして、弾が尽きたタイミングでミズタマンは黒スーツ達に斬りかかり倒していくのであった。
動揺する稲葉に、中森は安心するように諭すと日本刀を取り出し剣道の構えをする。
「俺は、こう見えて剣道の全国大会第うっ!位だ・・・」気絶する中森。
「ごちゃごちゃうるせぇ。」
ブレードモードを解除するミズタマン。
「ヒイ~」
稲葉は、取り敢えず持っていた銃でミズタマンに向かって撃つが絣ともせず、銃は弾切れを起こし成す術が無くなった稲葉。
一心不乱でミズタマンに襲い掛かったが、ミズタマンは掌底を食らわし床に倒れた稲葉の顔面にストレートパンチをかました。
牢に閉じ込められている人達を開放する有菜に近づき、倒れているオルガナイザーの連中を指し言った。
「パイセン。こいつらのこと頼むぜ。」
「うん、分かった。助けてくれてありがとう。
ミズタマン。」礼を言う有菜。
「人を変な名前で呼ぶな。」
そう言って去っていくミズタマンの後ろで抱き合う二人がいた。
飯田と雅だ。
「おい、そこで何をしている!」背後から声がした。
有菜は、黒スーツに回し蹴りをかまし気絶させ男が所持している武器を奪取し、アジトに乗り込んだ。
「大人しくしなさい!」有菜が叫ぶ。
アジトには、血まみれになって椅子に縛りつけられているイサム、そして副社長の稲葉、中森と取り巻き達がおり、倉庫内の牢には失踪した宇宙人が閉じ込められていたその中には、イサムの恋人 雅がいた。
有菜は、近寄って来る敵に対して威嚇射撃を行い牽制をするが、背後から鈍痛を受け気絶した。
目が覚めると椅子に縛り付けられ身動きが取れない状態にあった。
有菜は、不覚と思いながら目の前の敵を睨めつける。
目の前には稲葉、中森と例の社員が立っていた。
稲葉が口を開いた。
「君のスパイ活動に気付いていなかったとでも思うのかい?」
「何ですって?」
「まあ、君の動きは手に取るように分っていたからね。」と続いて喋る中森。
有菜は、裏切り者がいる事を悟った。
「仮に裏切り者がいても、私が帰ってこなければここに仲間が来るようになっているの。」
「お~怖い怖い。
ま、その前に我々は逃げるけどね。
さあ、楽に死なせてあげよう。」
稲葉は、懐から銃を取り出して有菜の眉間に当てる。
身を捩って有菜は抵抗するのだが黒スーツ達に押さえつけられ避けられない状況になった。
有菜が、もう駄目!と思った瞬間、倉庫のドアを叩く音がした。
「おい」中森は、社員にドアに向かわせた。
「来ちゃダメ!」黒スーツの一人が、叫ぶ有菜の口を塞ぐ。
そしてドアを開けた瞬間、ドアと一緒に黒スーツが吹っ飛んだ。
「何が起きた!」中森が叫ぶ。
「何が起きたじゃねえーよ。」
声の方を向くと倉庫の入り口から夕陽に背中を照らされた水玉マントの男が立っていた。
「ミズタマン・・・」有菜が呟く。
横に座っているイサムもミズタマンの姿を見て気絶した。
「何者だ!貴様!」稲葉が叫ぶ。
「ただのアルバイターです。」
「ふざけたこと言ってんじゃねえ!やれ!」
中森が言うと黒スーツ達が警棒、拳銃を手にミズタマンに襲いかかる。
銃を持った黒スーツ達が発砲するが、弾はミズタマンに当たって地面に落ちていく。
結果、ダメージを与えることが出来ない。
今度は、警棒等の近距離武器を持った黒スーツ達がミズタマンを襲いにかかる。
ミズタマンは一歩も動かずに只々、黒スーツ達の警棒が曲がっていくだけであった。
「どうした。そんなものか?
なら、こっちから行くぞ。」
ミズタマンが言うと同時に黒スーツ達は気絶した。
“ナレーションばーい。
読者の皆には何が起きたか解説しますよ~。
ミズタマンが喋った同時に左腕のブレスレットの赤ボタンを押したのよね。
赤ボタンは、ブレードモード。
ブレードモードはね、手刀から激しい水流を出してそれを剣として使える武器なんよ。
そいでね、左右両方出せる機能もあるからね。
今日は左腕を怪我しているから右手から水流を出してま~す。
今回は、峰打ちモードを使用したから相手が気絶したけん。
他にもブレスレットのボタンは、青、黄、緑、桃、紫の五色有るんよね。
他の能力はまた今度にってことで。
では、話に戻りま~す。”
ミズタマンは、ブレードモードを維持しながら銃撃部隊が発砲する弾を華麗な剣捌きで払い落としていく。
ミズタマンの剣捌きに驚嘆する有菜の後ろで縄を解く感覚があり、敵に気づかれないように振り向くと羽を付けた妖精が有菜の縄を解いていた。
声を上げようとする有菜を見て喋った。
『しぃ~。有菜様、隣の方の縄も解いていますので早く逃げてください。』
そう言うと妖精はどこかへと飛んで行った。
有菜は飯田を抱えてこの場から避難した。
そして、弾が尽きたタイミングでミズタマンは黒スーツ達に斬りかかり倒していくのであった。
動揺する稲葉に、中森は安心するように諭すと日本刀を取り出し剣道の構えをする。
「俺は、こう見えて剣道の全国大会第うっ!位だ・・・」気絶する中森。
「ごちゃごちゃうるせぇ。」
ブレードモードを解除するミズタマン。
「ヒイ~」
稲葉は、取り敢えず持っていた銃でミズタマンに向かって撃つが絣ともせず、銃は弾切れを起こし成す術が無くなった稲葉。
一心不乱でミズタマンに襲い掛かったが、ミズタマンは掌底を食らわし床に倒れた稲葉の顔面にストレートパンチをかました。
牢に閉じ込められている人達を開放する有菜に近づき、倒れているオルガナイザーの連中を指し言った。
「パイセン。こいつらのこと頼むぜ。」
「うん、分かった。助けてくれてありがとう。
ミズタマン。」礼を言う有菜。
「人を変な名前で呼ぶな。」
そう言って去っていくミズタマンの後ろで抱き合う二人がいた。
飯田と雅だ。
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