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第三話・6
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その夜、満天の星空を見ながら部屋の露天風呂に入っている雫。
“ナレーションばーい!
読者の疑問に答えようのコーナーば~~い!
暑さに弱い雫君が何故、風呂は大丈夫なのか。
教えるけんね~。
ミナモ星人は、水に触れている面積が大きければ暑さに強くなると。
日本の温泉の温度位までは耐性があるから大丈夫と。
そんじゃあ、本編どうぞ~”
うるさいナレーションが引っ込んだところで話を続けよう。
俺は、下にある中庭の日本庭園の景色も楽しもうと覗いた所、沙里瑠さんが影を落としながら歩いているのが見えた。
彼女にちゃんとお礼が言えてないと思い、風呂を出て夜風にあたるついでにお礼を言いに行った。
「あの~沙里瑠さん。」
「あっ、はい。何ですか。」
突然、声を掛けられ少し驚いた表情を見せる沙里瑠。
「助けてもらったのに、お礼言ってなかったものですから・・・
にしても、どうしたんですか、こんな暗いところで?」
辺りを見回すと外灯も無いような場所に来ていたからである。
「ちょっと、考え事を・・・・」
「もし、良かったら相談に乗りますよ。」
「へ?」
「こう見えて、そういうのちょっと得意なもんで。」ドヤ顔を決める雫。
雫のドヤ顔を見てつい吹き出してしまう沙里瑠。
「人の顔見て笑うって失礼だなぁ。」
「すいません。そんなつもりじゃ。」
「ようやっと、素敵な笑顔になった。」
「やだ。」顔を赤らめる沙里瑠。
「で、何考えてたんですか。」
「内の家系は、毎年祭りの巫女をやっているんですけど・・・」
「え、もしかして生贄にされるんすか?
村長、そんな事言ってなかったけどなあ。」
「違います!
水田さんは、村長から祭りの由来を聞きましたか?」
「一応、熱弁されましたから。」
「私、地球人じゃないのかなって。」
「な~んだ、そんな事か。」
「そんな事って。」
「沙里瑠さんは、深く考えすぎですよ。
仮に宇宙人の血が入っているとして三百年前の話だから。
時が経てば、血だって薄まるさ。」
「でも、宇宙人の血が入っているのには変わらないから・・・」
「何、そんなに宇宙人の血が入っているのが嫌なの?」
「嫌というか。」
「そんな気にしなくて良いよ。
宇宙人から見りゃあ、あんたら地球人だって宇宙人なんだから。」
「なんか宇宙人みたいな言い方ですね。」
「そうかなぁ。」
「ありがとうございます。
すっきりしました。」
「良かった。」
そんな二人の会話を立ち聞きする男がいた。
“ナレーションばーい!
読者の疑問に答えようのコーナーば~~い!
暑さに弱い雫君が何故、風呂は大丈夫なのか。
教えるけんね~。
ミナモ星人は、水に触れている面積が大きければ暑さに強くなると。
日本の温泉の温度位までは耐性があるから大丈夫と。
そんじゃあ、本編どうぞ~”
うるさいナレーションが引っ込んだところで話を続けよう。
俺は、下にある中庭の日本庭園の景色も楽しもうと覗いた所、沙里瑠さんが影を落としながら歩いているのが見えた。
彼女にちゃんとお礼が言えてないと思い、風呂を出て夜風にあたるついでにお礼を言いに行った。
「あの~沙里瑠さん。」
「あっ、はい。何ですか。」
突然、声を掛けられ少し驚いた表情を見せる沙里瑠。
「助けてもらったのに、お礼言ってなかったものですから・・・
にしても、どうしたんですか、こんな暗いところで?」
辺りを見回すと外灯も無いような場所に来ていたからである。
「ちょっと、考え事を・・・・」
「もし、良かったら相談に乗りますよ。」
「へ?」
「こう見えて、そういうのちょっと得意なもんで。」ドヤ顔を決める雫。
雫のドヤ顔を見てつい吹き出してしまう沙里瑠。
「人の顔見て笑うって失礼だなぁ。」
「すいません。そんなつもりじゃ。」
「ようやっと、素敵な笑顔になった。」
「やだ。」顔を赤らめる沙里瑠。
「で、何考えてたんですか。」
「内の家系は、毎年祭りの巫女をやっているんですけど・・・」
「え、もしかして生贄にされるんすか?
村長、そんな事言ってなかったけどなあ。」
「違います!
水田さんは、村長から祭りの由来を聞きましたか?」
「一応、熱弁されましたから。」
「私、地球人じゃないのかなって。」
「な~んだ、そんな事か。」
「そんな事って。」
「沙里瑠さんは、深く考えすぎですよ。
仮に宇宙人の血が入っているとして三百年前の話だから。
時が経てば、血だって薄まるさ。」
「でも、宇宙人の血が入っているのには変わらないから・・・」
「何、そんなに宇宙人の血が入っているのが嫌なの?」
「嫌というか。」
「そんな気にしなくて良いよ。
宇宙人から見りゃあ、あんたら地球人だって宇宙人なんだから。」
「なんか宇宙人みたいな言い方ですね。」
「そうかなぁ。」
「ありがとうございます。
すっきりしました。」
「良かった。」
そんな二人の会話を立ち聞きする男がいた。
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