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第弐拾肆話-議員
議員-15
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長四郎は燐に首根っこを掴まれながら、議員会館へと連れて来られていた。
「ラモちゃん。離してよ」
「ダメ。あんた、離したら逃げ出す癖に」
「何故、分かる?」
「あんたの行動は、手に取るように読めるし」
ドヤ顔で言う燐に長四郎は、「それはこっちだよ」と言いたい長四郎だったがそれを堪え黙って燐に続いて歩いていく長四郎。
「小岩さんを監視するんでしょ? シャンとしなさい!」
「ふぇ~い」
「ちゃんと、返事なさい!!」
「ふぁい!!!」
「宜しい」
そうこうしていると西天光が使っていた部屋の前に到着した二人。
燐はドアをノックすると、中から小岩の「はい」と返事が聞こえてきた。
「失礼します」
燐はドアを開けて、部屋の中に入ると小岩は西の私物を段ボールに入れていた。
「探偵さん! もう大丈夫なんですか?」
「え?」何のことか分からず戸惑う長四郎だったが、燐が適当な事を言ったんだろうと察し「大丈夫です。いつも、大丈夫です」と答える。
「そうですか」どう反応して良いか分からない小岩は、困った顔をする。
「あの、ここはもう引き払うんですか?」
「ええ、まぁ。意外とシビアですからね。早々に出て行けとうるさくてですね」
「大変そうですね。お手伝いしましょうか?」
「ありがとうございます。お願いします」
燐はすぐさま、作業に取り掛かる。
それを見て、「ラモちゃん。やるなぁ~」長四郎は感心しながら片付け作業を始めた。
作業を始めて二時間が経った頃、作業に一息ついた燐は長四郎が何をしているのか、目を向けると先程まで部屋の隅で作業していた長四郎の姿はなかった。
「あれ? あいつどこに行った?」
「探偵さんなら、トイレに行くと言って出て行きましたよ」
「クソっ! 逃げられた!!」
「まさかぁ~」
「奴ならやりかねないですからね。悔しい~」
悔しがる燐を他所に、長四郎は部屋で見つけたSDカードを土産に警視庁に来ていた。
警視庁職員のように当たり前な顔をして、警視庁内に入り命捜班へと入ると誰もいなかった。
「ありゃ、誰もいない? ま、いっか」
長四郎は一川警部のパソコンを借りて、SDカードの中身を確認する。
このSDカードは、西天光の部屋の本棚にあった一冊の本の中に入っていたものであった。
長四郎は鼻歌を歌いながら、パソコンを操作していく。
「お~ これは、これは」
長四郎が感心するその中身は、不正を働いていた議員のリストかつ不正を働いていた議員から口止め料を受け取っていた金額のリストであった。
しかも、口止め料を受け取り黙認するどころか、世間に公表していたのだ。
「良いものを見つけたぜぇ~」
長四郎はリストを印刷し、一川警部に電話を掛けた。
「もしもし、一川さん? ビッグなプレゼントがあるんで至急警視庁へ戻ってきてくれません?」
「ラモちゃん。離してよ」
「ダメ。あんた、離したら逃げ出す癖に」
「何故、分かる?」
「あんたの行動は、手に取るように読めるし」
ドヤ顔で言う燐に長四郎は、「それはこっちだよ」と言いたい長四郎だったがそれを堪え黙って燐に続いて歩いていく長四郎。
「小岩さんを監視するんでしょ? シャンとしなさい!」
「ふぇ~い」
「ちゃんと、返事なさい!!」
「ふぁい!!!」
「宜しい」
そうこうしていると西天光が使っていた部屋の前に到着した二人。
燐はドアをノックすると、中から小岩の「はい」と返事が聞こえてきた。
「失礼します」
燐はドアを開けて、部屋の中に入ると小岩は西の私物を段ボールに入れていた。
「探偵さん! もう大丈夫なんですか?」
「え?」何のことか分からず戸惑う長四郎だったが、燐が適当な事を言ったんだろうと察し「大丈夫です。いつも、大丈夫です」と答える。
「そうですか」どう反応して良いか分からない小岩は、困った顔をする。
「あの、ここはもう引き払うんですか?」
「ええ、まぁ。意外とシビアですからね。早々に出て行けとうるさくてですね」
「大変そうですね。お手伝いしましょうか?」
「ありがとうございます。お願いします」
燐はすぐさま、作業に取り掛かる。
それを見て、「ラモちゃん。やるなぁ~」長四郎は感心しながら片付け作業を始めた。
作業を始めて二時間が経った頃、作業に一息ついた燐は長四郎が何をしているのか、目を向けると先程まで部屋の隅で作業していた長四郎の姿はなかった。
「あれ? あいつどこに行った?」
「探偵さんなら、トイレに行くと言って出て行きましたよ」
「クソっ! 逃げられた!!」
「まさかぁ~」
「奴ならやりかねないですからね。悔しい~」
悔しがる燐を他所に、長四郎は部屋で見つけたSDカードを土産に警視庁に来ていた。
警視庁職員のように当たり前な顔をして、警視庁内に入り命捜班へと入ると誰もいなかった。
「ありゃ、誰もいない? ま、いっか」
長四郎は一川警部のパソコンを借りて、SDカードの中身を確認する。
このSDカードは、西天光の部屋の本棚にあった一冊の本の中に入っていたものであった。
長四郎は鼻歌を歌いながら、パソコンを操作していく。
「お~ これは、これは」
長四郎が感心するその中身は、不正を働いていた議員のリストかつ不正を働いていた議員から口止め料を受け取っていた金額のリストであった。
しかも、口止め料を受け取り黙認するどころか、世間に公表していたのだ。
「良いものを見つけたぜぇ~」
長四郎はリストを印刷し、一川警部に電話を掛けた。
「もしもし、一川さん? ビッグなプレゼントがあるんで至急警視庁へ戻ってきてくれません?」
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