320 / 750
第拾玖話-有名
有名-18
しおりを挟む
事務所へと移動した長四郎と燐は、裏切者の調査へと乗り出した。
「ラモちゃんはどこに裏切者が居ると思う?」
長四郎は隣を歩く燐にそう話し掛ける。
「何で私にそういう事聞くわけ? 自分で考えなさいよ」
「冷たいねぇ~」
「名探偵が売りなくせによく言うわ」
「俺、名探偵です! っていうのを謳い文句していないもん」
「あーそうですか」
そんな会話をしている2人の前から電話中の男が歩いてきた。
「えっ! もう一度、GPSを仕掛けるんですか!!」
すれ違いざまに、そんな間抜けな会話が聞こえてきた。
「ラモちゃん」
「うん」
2人は踵を返して、電話を続ける男の肩をポンポンっと叩く。
「あ、すいません。またかけ直します」男は電話相手にそう伝え通話を終了して、長四郎達の方を向いて応対する。
「何でしょうか?」
「失礼ですが、誰のスマホにGPSを仕掛けるんですか?」
「え? ああ、弊社所属のお笑い芸人のドッキリ企画に・・・・・・」
男は目を右往左往しながら答える。
「そうですか。それでどの芸人さんですか?」
燐は嬉しそうな顔をしながら、廊下に飾っている所属タレント達の顔写真を見ながら質問する。
「それは・・・・・・ですねぇ~」少し考えたの後、語りだした。
「ここに飾っていないタレントです」
「そうですか。てっきり、澤村美雪のマネージャー松坂さんのスマホに仕掛けるのかと思いましたよ」長四郎はしたり顔でそう言うと男は愛想笑いで誤魔化す。
「あまりにもタイミングよくGPSがなんちゃらかんちゃらという話が聞こえてきたのでラッキーだなと思っていたんですよ」
「そ、そうですか。では、失礼します」
男が立ち去ろうとした時、「待っていてください!」と言いながら長四郎は足早に男の前に立ちはだかる。
「どうしてですか?」
「疑いを晴らすと思って。ご協力お願い致します」
長四郎は男に頭を下げて願い出る。
「私からもお願いします」燐もまた頭を下げて願い出る。
「それは・・・・・・困ります」
「そうですか。では、仕方ないですね。警察に頼んで令状取ってもらうとしますか? 名前、教えてください」
長四郎がそう言った瞬間、男は長四郎を思いっきり突き飛ばして血相を変えた顔で走って逃げ出した。
「ちょっと! 逃げられちゃったじゃん!!」
「追えよ!!」
燐の文句をはじき返すように、指示を出す。
「分かった!!!」
燐はすぐさま男を追いかけ、あっさりと捕まえ長四郎の元へと引き出した。
「何で逃げ出したんすか?」
痛めた腰を擦りながら男に問いかける。
「こ、殺されるんだ。ゲルダムの奴らに」
『ゲルダム?』2人は聞きなれない名前に首を傾げると「栗栖さんを殺した犯人グループの名前ばい」一川警部が答えながら姿を現した。
「一川さん、来たんすか?」
「おう、絢ちゃんはまだ来とらんようやね? で、そん人が松坂さんのスマホにGPSを仕掛けた人?」
「えらい、察しが良いですね」関心する長四郎に「まぁねぇ~」と答える一川警部。
「じゃあ、あんたには署の方で詳しい話を聞かせてもらおうかね」
一川警部はそう言って男を立たせると、乗ってきた覆面パトカーに放り込む。
「それで、長さん。これからどうすると?」
「そうすね。ここまで来たら本丸に仕掛けますか」
「了解。じゃあ、こいつを連行してくるけん。戻ってきたら絢ちゃんと会議しようか」
「はい」
長四郎の返事を聞くと同時に車に乗り込み、覆面パトカーを走らせるのだった。
「ラモちゃんはどこに裏切者が居ると思う?」
長四郎は隣を歩く燐にそう話し掛ける。
「何で私にそういう事聞くわけ? 自分で考えなさいよ」
「冷たいねぇ~」
「名探偵が売りなくせによく言うわ」
「俺、名探偵です! っていうのを謳い文句していないもん」
「あーそうですか」
そんな会話をしている2人の前から電話中の男が歩いてきた。
「えっ! もう一度、GPSを仕掛けるんですか!!」
すれ違いざまに、そんな間抜けな会話が聞こえてきた。
「ラモちゃん」
「うん」
2人は踵を返して、電話を続ける男の肩をポンポンっと叩く。
「あ、すいません。またかけ直します」男は電話相手にそう伝え通話を終了して、長四郎達の方を向いて応対する。
「何でしょうか?」
「失礼ですが、誰のスマホにGPSを仕掛けるんですか?」
「え? ああ、弊社所属のお笑い芸人のドッキリ企画に・・・・・・」
男は目を右往左往しながら答える。
「そうですか。それでどの芸人さんですか?」
燐は嬉しそうな顔をしながら、廊下に飾っている所属タレント達の顔写真を見ながら質問する。
「それは・・・・・・ですねぇ~」少し考えたの後、語りだした。
「ここに飾っていないタレントです」
「そうですか。てっきり、澤村美雪のマネージャー松坂さんのスマホに仕掛けるのかと思いましたよ」長四郎はしたり顔でそう言うと男は愛想笑いで誤魔化す。
「あまりにもタイミングよくGPSがなんちゃらかんちゃらという話が聞こえてきたのでラッキーだなと思っていたんですよ」
「そ、そうですか。では、失礼します」
男が立ち去ろうとした時、「待っていてください!」と言いながら長四郎は足早に男の前に立ちはだかる。
「どうしてですか?」
「疑いを晴らすと思って。ご協力お願い致します」
長四郎は男に頭を下げて願い出る。
「私からもお願いします」燐もまた頭を下げて願い出る。
「それは・・・・・・困ります」
「そうですか。では、仕方ないですね。警察に頼んで令状取ってもらうとしますか? 名前、教えてください」
長四郎がそう言った瞬間、男は長四郎を思いっきり突き飛ばして血相を変えた顔で走って逃げ出した。
「ちょっと! 逃げられちゃったじゃん!!」
「追えよ!!」
燐の文句をはじき返すように、指示を出す。
「分かった!!!」
燐はすぐさま男を追いかけ、あっさりと捕まえ長四郎の元へと引き出した。
「何で逃げ出したんすか?」
痛めた腰を擦りながら男に問いかける。
「こ、殺されるんだ。ゲルダムの奴らに」
『ゲルダム?』2人は聞きなれない名前に首を傾げると「栗栖さんを殺した犯人グループの名前ばい」一川警部が答えながら姿を現した。
「一川さん、来たんすか?」
「おう、絢ちゃんはまだ来とらんようやね? で、そん人が松坂さんのスマホにGPSを仕掛けた人?」
「えらい、察しが良いですね」関心する長四郎に「まぁねぇ~」と答える一川警部。
「じゃあ、あんたには署の方で詳しい話を聞かせてもらおうかね」
一川警部はそう言って男を立たせると、乗ってきた覆面パトカーに放り込む。
「それで、長さん。これからどうすると?」
「そうすね。ここまで来たら本丸に仕掛けますか」
「了解。じゃあ、こいつを連行してくるけん。戻ってきたら絢ちゃんと会議しようか」
「はい」
長四郎の返事を聞くと同時に車に乗り込み、覆面パトカーを走らせるのだった。
0
お気に入り登録,エール,感想をお待ちしております。
お気に入りに追加
29
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】
絢郷水沙
ホラー
普通に読めばそうでもないけど、よく考えてみたらゾクッとする、そんな怖い話です。基本1ページ完結。
下にスクロールするとヒントと解説があります。何が怖いのか、ぜひ推理しながら読み進めてみてください。
※全話オリジナル作品です。


美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

Hしてレベルアップ ~可愛い女の子とHして強くなれるなんて、この世は最高じゃないか~
トモ治太郎
ファンタジー
孤児院で育った少年ユキャール、この孤児院では15歳になると1人立ちしなければいけない。
旅立ちの朝に初めて夢精したユキャール。それが原因なのか『異性性交』と言うスキルを得る。『相手に精子を与えることでより多くの経験値を得る。』女性経験のないユキャールはまだこのスキルのすごさを知らなかった。
この日の為に準備してきたユキャール。しかし旅立つ直前、一緒に育った少女スピカが一緒にいくと言い出す。本来ならおいしい場面だが、スピカは何も準備していないので俺の負担は最初から2倍増だ。
こんな感じで2人で旅立ち、共に戦い、時にはHして強くなっていくお話しです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる