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第二話-長屋
長屋-7
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一太郎から家族の情報を聞き出した長四郎は、燐を連れて事件現場へと移動した。
「暑っ!!」
この酷暑の中、日陰の無い場所でただ立ち尽くす燐は小型扇風機で暑さを紛らわそうとする。
「暑いよねぇ~ 日陰にいたら?」長四郎は周囲を散策しながら燐にそう言うと「付き合うわよ」と返す燐。
「シミができるわよ~ん」
「ちゃんと対策してるし!」
燐から綺麗な回し蹴りを貰った長四郎は茂みの中に消えていった。
そしてすぐに、長四郎の叫び声が聞こえてきた。
「な、何!?」
身構えながら燐は恐る恐る茂みに近づいていく。
すると、長四郎が茂みの中から、すくっと立ち上がり驚いた燐は尻餅をつく。
「驚かさないでよ!!」
自分の尻をパンッパンッと叩きながら、長四郎に文句を言う燐。
だが、長四郎はそんな事、気にしないといった感じで手に持っている物を見ている。
「何、無視してんのよ」
長四郎が見ている物を燐も見る。それは、財布であった。
「まさか、くすねる気?」
「んな訳あるか。 これ見てみ?」
長四郎がそう言って、燐に見せたのは学生証であった。
「あ! え! 噓!!」
驚愕する燐の視線の先に移っているのは、金髪の一太郎の姿であった。
「でも、彼は家族ではなさそうだな」
学生証に書かれている名前をトントンと叩きながら、燐に言う。
「有原 幸信? 関係ない感じじゃん」
「でも、そっくりすぎる。重則君が間違えても不思議じゃあない」
「そうだけどさ。この人、高校生だよね? 親が探さないのかなぁ~」
「ラモちゃんにしては良い着眼点だ。取り敢えず、この事を絢ちゃんに知らせた方が良いな」
「そうだね。てか、ラモちゃんにしてはって何?」
「一行前の事を持ち出してくるんじゃないよ。さ、ラモちゃんは帰る道中で警視庁に寄り道してこれを届けてくる事」
「それで、その間にあんたは何するわけ?」
「色々」
「色々ねぇ~」
「文句言ってないで。急いで届けてくる。届けてくる」
「文句言ってないし! サボるんじゃないよ!!」
燐は長四郎にそう告げて、警視庁へと向かって行くのだった。
「サボるって。ひでぇ事言うな。さ、行くか」
長四郎はその足で、有原幸信が通っていた高校へと向かった。
その頃、一川警部達は長四郎から頼まれた現場検証の結果報告を鑑識捜査員から受けていた。
「確かに一川さんの言う通り、被害者の髪の毛は染められていました。そして、現場の草にもその染料が付着してました。以上が、依頼された鑑識結果となります」
「ありがとうございました」
「では、私はこれで」
絢巡査長の礼を聞き受けた坊ちゃん刈りの鑑識捜査員はそのまま命捜班の部屋を後にした。
「凄いですね。長さんが言っていた通りになりましたね」
「そうやね」一川警部はそんなことはどうでもいいといった感じで、資料に目を通す。
「どうしましたか?」
「いや、非行歴とかあるんかなと思ってね」
「ああ、そう言う事ですか。でしたら、少年課に同期が居ますから、確認してみましょうか?」
「宜しく」
絢巡査長はすぐに行動に移るのだった。
「暑っ!!」
この酷暑の中、日陰の無い場所でただ立ち尽くす燐は小型扇風機で暑さを紛らわそうとする。
「暑いよねぇ~ 日陰にいたら?」長四郎は周囲を散策しながら燐にそう言うと「付き合うわよ」と返す燐。
「シミができるわよ~ん」
「ちゃんと対策してるし!」
燐から綺麗な回し蹴りを貰った長四郎は茂みの中に消えていった。
そしてすぐに、長四郎の叫び声が聞こえてきた。
「な、何!?」
身構えながら燐は恐る恐る茂みに近づいていく。
すると、長四郎が茂みの中から、すくっと立ち上がり驚いた燐は尻餅をつく。
「驚かさないでよ!!」
自分の尻をパンッパンッと叩きながら、長四郎に文句を言う燐。
だが、長四郎はそんな事、気にしないといった感じで手に持っている物を見ている。
「何、無視してんのよ」
長四郎が見ている物を燐も見る。それは、財布であった。
「まさか、くすねる気?」
「んな訳あるか。 これ見てみ?」
長四郎がそう言って、燐に見せたのは学生証であった。
「あ! え! 噓!!」
驚愕する燐の視線の先に移っているのは、金髪の一太郎の姿であった。
「でも、彼は家族ではなさそうだな」
学生証に書かれている名前をトントンと叩きながら、燐に言う。
「有原 幸信? 関係ない感じじゃん」
「でも、そっくりすぎる。重則君が間違えても不思議じゃあない」
「そうだけどさ。この人、高校生だよね? 親が探さないのかなぁ~」
「ラモちゃんにしては良い着眼点だ。取り敢えず、この事を絢ちゃんに知らせた方が良いな」
「そうだね。てか、ラモちゃんにしてはって何?」
「一行前の事を持ち出してくるんじゃないよ。さ、ラモちゃんは帰る道中で警視庁に寄り道してこれを届けてくる事」
「それで、その間にあんたは何するわけ?」
「色々」
「色々ねぇ~」
「文句言ってないで。急いで届けてくる。届けてくる」
「文句言ってないし! サボるんじゃないよ!!」
燐は長四郎にそう告げて、警視庁へと向かって行くのだった。
「サボるって。ひでぇ事言うな。さ、行くか」
長四郎はその足で、有原幸信が通っていた高校へと向かった。
その頃、一川警部達は長四郎から頼まれた現場検証の結果報告を鑑識捜査員から受けていた。
「確かに一川さんの言う通り、被害者の髪の毛は染められていました。そして、現場の草にもその染料が付着してました。以上が、依頼された鑑識結果となります」
「ありがとうございました」
「では、私はこれで」
絢巡査長の礼を聞き受けた坊ちゃん刈りの鑑識捜査員はそのまま命捜班の部屋を後にした。
「凄いですね。長さんが言っていた通りになりましたね」
「そうやね」一川警部はそんなことはどうでもいいといった感じで、資料に目を通す。
「どうしましたか?」
「いや、非行歴とかあるんかなと思ってね」
「ああ、そう言う事ですか。でしたら、少年課に同期が居ますから、確認してみましょうか?」
「宜しく」
絢巡査長はすぐに行動に移るのだった。
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